JPWO2002086133A1 - 培地添加剤および動物細胞培養用培地 - Google Patents

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Abstract

本発明は、動物細胞を効果的かつ安全に増殖させることができる、動物細胞培養用の培地添加剤および動物細胞培養用培地を提供することをその目的とする。本発明は、セリシンまたはセリシン誘導体を含んでなる、動物細胞培養用培地添加剤、および、その培地添加剤と培地基礎成分とを少なくとも含んでなる動物細胞培養用培地に関する。

Description

[発明の背景]
発明の分野
本発明は、動物細胞培養用培地添加剤およびそれを含んでなる動物細胞培養用培地に関する。
背景技術
近時、生命科学の分野では、細胞培養技術または組織培養技術を適用して、目的物質を産生する動物細胞を大量培養することによって、有用物質を工業的規模で生産することが重要になっている。通常、このようにして目的の動物細胞を培養する場合は、アミノ酸、ビタミン、無機塩および糖類等からなる基礎培地に、動物細胞増殖因子を添加した培養培地を使用するのが一般的である。この場合、動物細胞増殖因子としては、通常、ウシ胎児血清や子ウシ血清などのような血清成分が使用される。一般的には、ウシ胎児血清または子ウシ血清を使用する場合には、基礎培地に対して5〜20容量%程度添加する必要がある。
しかしながら、ウシ胎児血清や子ウシ血清などのような血清は、その供給に制限があり、一般的に非常に高価である。これは、目的産物の製造コストの上昇を招くこととなる。また、血清は、ロットによりその特質に差が生じやすく、これは再現性が求められる培養にとっては望ましくない。また血清を用いた培養の際には、培養上清から産生物を回収する場合に精製が難しくなることが多い。さらに、動物由来の血清には、ヤコブ病を導くことが危惧されている狂牛病やヒツジのスクレイピーといったプリオンに加え、ウイルスによる感染の危険があり、目的産物の安全性が充分に確保できない可能性もある。
さらには、生命科学分野の実験において血清を含む培地を用いる場合、血清は未知の成分を含む非常に多くの種類の成分から構成されているため、実験系が複雑になってしまい、原因と結果との因果関係を論じる際に混乱が生じ易いという問題がある。
このため、ウシ胎児血清や子ウシ血清のような血清に代えて、既知の細胞成長因子やホルモン類等を含む細胞培養用の培地が注目されている。
しかしながら、これらの細胞成長因子やホルモン類は、天然における存在量が微量であるため、一般的にウシ胎児血清や子ウシ血清以上に高価であり、その使用は制限される。
したがって、前記した血清や、これらの既知の細胞成長因子等に代わる安全かつ比較的安価な細胞増殖因子もしくは細胞増殖手段が望まれている。
また、動物培養細胞は、一般的に、培地内での存在状態により付着性細胞と浮遊性細胞とに大別される。動物細胞の大量培養を行うにあたっては、その細胞の培地内での培養形態に応じた工夫をすることによって、細胞の増殖促進を図ることが検討されている。例えば、付着性細胞の培養を行う場合には、細胞の接着性を高めることにより細胞増殖を促進させることが行われている。このとき、細胞培養床基材の表面にコラーゲンを薄く被覆することにより細胞の接着性を高めることが検討されている。しかしながら、コラーゲンは比較的入手が容易ではあるものの、通常ウシ由来であるため、先述した狂牛病の感染の危険性を考慮する必要が生じる。
特開平11−243948号公報および特開平11−253155号公報には、コラーゲン被覆処理の代わりに、絹皮膜からなる細胞培養床を使用することが提案されている。しかしながら、これらは先述したコラーゲン同様に細胞の接着性を高め細胞の増殖を促進させることができるが、皮膜を形成する際、絹タンパク質を不溶化させるための結晶化処理を必要とするため、操作が煩雑になってしまう。
このように、絹由来の成分を培養床に使用することは知られていたが、繭や生糸等に由来する成分を、細胞培養に利用することは、本発明者等の知る限りこれまで検討されていなかった。
[発明の概要]
本発明者等は、今般、蚕の繭等から採取することができるセリシンを動物細胞培養のための基礎培地に添加して動物細胞の培養を行うと、目的とする動物細胞を効果的に増殖させることができることを見出した。また、このようなセリシンによる動物細胞の増殖促進効果は、使用するセリシンが化学的に合成されたものおよび遺伝子工学的手法により得られたものであっても同様に観察された。本発明はこのような知見に基づくものである。
したがって、本発明は、優れた細胞増殖促進能を培地に付与することができ、かつ安全性および操作性にも優れた動物細胞培養用の培地添加剤、および培地の提供をその目的としている。
そして、本発明による動物細胞培養用培地添加剤は、セリシンまたはセリシン誘導体を含んでなるものである。
また、本発明による動物細胞培養用培地は、前記した培地添加剤と、培地基礎成分とを少なくとも含んでなるものである。
本発明の別の態様によれば、前記した培地添加剤を、動物細胞培養用培地に添加し、得られた培地を使用して動物細胞を培養して、該動物細胞を増殖させることを含んでなる、動物細胞の培養方法が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、前記した培地添加剤を、動物細胞培養用培地に添加し、得られた培地を使用して、タンパク質を産生可能な動物細胞を培養し、該培地および/または該動物細胞から、産生されたタンパク質を採取することを含んでなる、タンパク質の製造方法が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、前記した培地添加剤を、動物細胞培養用培地に添加し、得られた培地を使用して、ウイルスベクターを感染させた動物細胞を培養して増殖させ、該培地および/または該動物細胞から、ウイルスベクターを採取することを含んでなる、ウイルスベクターの複製方法が提供される。
本発明の別の態様によれば、動物細胞増殖促進剤を製造するためのセリシンまたはセリシン誘導体の使用が提供される。
本発明による培地添加剤およびそれを含んでなる培地によれば、培養される動物細胞の増殖を促進させることができ、また細胞の生存率を向上させることができる。またこれらを、目的とする有用物質を産生する動物細胞の培養において適用することにより、該有用物質の産生を促進することが可能となる。そして、本発明の培地添加剤および培地によるそのような効果は、浮遊性細胞や付着性細胞のような細胞の形態、および株化細胞や正常細胞のような細胞の種類に係わらず、発揮させることができる。
また、本発明によれば、動物細胞の培養において、ウシ胎児または子ウシ血清のような血清成分の使用量を減らすか、またはその使用を回避することができるため、培養生成物の安全性を高めることができる。本発明による培地添加剤は、培地に添加するだけで、細胞増殖を促進させることができるので、操作や取扱いの上からも有利である。さらに本発明において使用されるセリシンは、血清成分に比べて安価であるため、動物細胞の製造および有用物質の生産を行うに際して、その製造コストを低減させることができ、有利である。
[発明の具体的説明]
培地添加剤
本発明による動物細胞培養用培地添加剤は、セリシンまたはセリシン誘導体を含んでなるものである。本発明の好ましい態様によれば、培地添加剤は、動物細胞増殖促進剤として用いられる。
セリシンまたはセリシン誘導体
本発明においてセリシンまたはセリシン誘導体は、天然物由来のものであっても、慣用の化学的および/または遺伝子工学的手法により人工的に合成されたものであってもよく、いずれのものであっても包含される。
セリシン
本発明においてセリシンは、天然物由来のものとして、または合成物として、セリシンタンパク質の全部または一部が公知のものであればいずれのものも包含される。このセリシンは、細胞増殖促進活性を有するものである。
本発明において、セリシンが天然物由来のものである場合には、後述する方法により得られるものであることが好ましい。
一般的に、セリシンの遺伝子は2.6kbp〜10.6kbpの大きさで複数種確認されており、それらは例えば、The Journal of Biological Chemistry 257 15192−15199(1982)に記載されている。本発明の一つの好ましい態様によれば、セリシンはこのような遺伝子配列を有するものである。
本発明の一つの好ましい態様によれば、セリシンは、その全長配列が、配列番号2に記載のアミノ酸配列から実質的になるものである。典型的には、このアミノ酸配列は、38アミノ酸(配列番号1)からなる本質的領域と、それ以外の非本質的領域とからなる。好ましくは、セリシンは前記本質的領域を繰り返し配列として含んでなるものである。例えば配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるセリシンでは、38アミノ酸(配列番号1)からなる本質的領域が、12回繰り返し存在している。
なお、配列番号2のアミノ酸配列をコードするセリシンの塩基配列データは、EMBLデータライブラリーに登録されaccession number:Z48802が割り当てられておりNCBIのホームページ(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)等からの検索し、入手が可能である。
本明細書において、セリシンが「配列番号2に記載のアミノ酸配列から実質的になる」とは、セリシンが細胞増殖促進活性を示す限りにおいて、そのアミノ酸配列(配列番号2)の1もしくは複数個(好ましくは1〜2000個、より好ましくは1〜500個、さらに好ましくは1〜300個)のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入もしくは付加されたものであってもよいことを意味する。好ましい態様によれば、セリシンが天然物由来のものである場合に、前記アミノ酸配列における欠失、置換、挿入もしくは付加されたアミノ酸残基の数は、好ましくは1〜2000個、より好ましくは1〜500個、さらに好ましくは1〜300個であることができる。
前記アミノ酸残基による欠失、置換、挿入もしくは付加がある場合には、本質的領域以外の領域になされていることが好ましい。この場合、本質的領域については保存的な置換がなされていてもよい。
本発明の一つのより好ましい態様によれば、前記セリシンのアミノ酸配列は、セリシンが細胞増殖促進活性を示す限りにおいて、そのアミノ酸配列の例えば1〜複数個、好ましくは1〜50個、より好ましくは1〜20個が保存的に置換されていてもよい。
ここで保存的置換とは、タンパク質の活性を実質的に改変しないように、1もしくは複数個のアミノ酸残基を、別の化学的に類似したアミノ酸残基で置き換えることを意味する。例えば、ある疎水性残基を別の疎水性残基によって置換する場合、ある極性残基を同じ電荷を有する別の極性残基によって置換する場合、ある芳香族アミノ酸を別の芳香族アミノ酸によって置換する場合などが挙げられる。このような保存的置換を行うことができる機能的に類似のアミノ酸は、アミノ酸毎に当該技術分野において公知である。具体例を挙げると、下記の6群が挙げられる。これらは各郡内において互いに保存的置換を行うことができる。
(i)アラニン(Ala)、セリン(Ser)、およびトレオニン(Thr)、
(ii)アスパラギン酸(Asp)、およびグルタミン酸(Glu)、
(iii)アスパラギン(Asn)、およびグルタミン(Gln)、
(iv)アルギニン(Arg)、および、リジン(Lys)、
(v)イソロイシン(Ile)、ロイシン(Leu)、メチオニン(Met)、およびバリン(Val)、
(vi)フェニルアラニン(Phe)、チロシン(Tyr)、およびトリプトファン(Trp)。
本明細書において、セリシンには、加水分解されていないセリシン(本明細書において「セリシン非加水分解物」ということがある)を含むことは当然として、さらにセリシンの加水分解物を包含する。ここでこのセリシン加水分解物は、前記したセリシンを、慣用の手段、例えば酸、アルカリ、または酵素等を利用することにより、加水分解を施すことにより得ることができるものである。
セリシン誘導体
本発明において、セリシン誘導体は、38個のアミノ酸からなる配列番号1に示されるアミノ酸配列を本質的領域として少なくとも含んでなるポリペプチドである。好ましくは、このセリシン誘導体は、前記本質的領域と、その一方の端または両端に非本質的領域を有してなるものであって、細胞増殖促進能を有するものである。
ここで細胞増殖促進能を有するとは、ポリペプチドに当業者により細胞増殖促進活性が認められる場合をいい、例えば、後述する実施例の評価試験1と同様の条件において測定した場合に細胞増殖促進活性が認められたと評価される場合を意味する。
したがって、本発明におけるセリシン誘導体は、本質的領域のみからなるものであってもよいし、または、前記本質的領域を少なくとも含んでなり、かつ該セリシン誘導体が細胞増殖促進能を有するものである限りにおいて、本質的領域以外の任意の非本質的領域を有していてもよい。
本発明の一つの好ましい態様によれば、セリシン誘導体は、そのアミノ酸配列の全長が2000個以下であり、より好ましくは、500個以下であり、さらに好ましくは300個以下である。
また、本発明の一つのより好ましい態様によれば、本質的領域の一方の端または両端に存在することができる非本質的領域のアミノ酸残基の数は、好ましくは、1000個以下であり、さらに好ましくは、300個以下であり、さらにより好ましくは、100個以下である。
本発明の好ましい態様によれば、セリシン誘導体は、前記した配列番号1のアミノ酸配列を複数回反復した配列を有する。すなわち、セリシン誘導体は、本質的領域の他に、配列番号1と同じアミノ酸配列を1個以上有してなるものである。このように反復配列を有するポリペプチドを使用することにより、細胞増殖促進活性をより向上させることができると考えられる。
本発明のより好ましい態様によれぱ、セリシン誘導体は、そのアミノ酸配列におけるアミノ酸残基数100個あたりに、配列番号1に示されるアミノ酸配列を少なくとも1個、さらに好ましくは少なくとも2個有する。セリシン誘導体における配列番号1のアミノ酸配列の含まれる割合は、多い方が好ましい。このような割合で反復配列を有することにより、セリシン誘導体の全長のアミノ酸残基数が増加しても、安定して細胞増殖促進活性を示すことが出来る。
セリシン誘導体を合成して得る場合には、セリシン誘導体は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を2〜8回の繰り返したものであることが好ましく、より好ましくは2〜6回、さらに好ましくは2〜4回繰り返したものである。このような値が好ましいのは、合成により製造する上で有利だからである。
本発明において、セリシン誘導体の本質的領域は、そのアミノ酸配列の例えば1〜複数個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個が保存的に置換されていてもよい。
本発明において、セリシン誘導体には、例えば、前記した配列番号1のアミノ酸配列からなるポリペプチドと異種のポリペプチド(例えば他の機能性タンパク質)とをハイブリッドさせた融合タンパク質が包含される。
本明細書において、セリシン誘導体には、加水分解されていないセリシンまたはセリシン誘導体(本明細書においてこれらの「非加水分解物」ということがある)を含むことは当然として、さらにセリシン誘導体の加水分解物を包含する。ここでこの加水分解物は、前記したセリシン誘導体を、慣用の手段、例えば酸、アルカリ、または酵素等を利用することにより、加水分解を施すことにより得ることができるものである。
天然物由来のセリシンまたはセリシン誘導体
本発明の一つの好ましい態様によれば、セリシンおよびセリシン誘導体は、天然物由来のものであることができる。天然物由来であると、人体への安全性が高く、また比較的安価であるため、有利である。このようなセリシンまたはセリシン誘導体は培地添加剤として好適に使用することができる。
本発明の一つの好ましい態様によれば、セリシンまたはセリシン誘導体は、繭または生糸から抽出して得られたものである。なおここで繭とは蚕繭のことをいい、また生糸とは所謂蚕糸のことである。
本発明において、セリシンまたはセリシン誘導体、特に非加水分解物であるものは、繭または生糸から慣用の抽出方法により得ることができる。具体的には例えば、以下のようにして純度90%以上の高精製度単一タンパク質の状態で抽出して得ることができる。
まず繭または生糸を、水、好ましくは80〜100℃程度の熱水内で処理することにより、繭または生糸に含まれるセリシンを、該水中に溶出させ、セリシン水溶液を得る。さらに、得られたセリシン水溶液について、例えば次の(1)〜(3)のいずれかの方法を適用することにより、分離精製処理を行って、目的とするセリシン非加水分解物を回収することができる。
(1) 前記セリシン水溶液のpHを、有機酸もしくは無機酸によってpH3〜5に調整した後、そこに有機凝集剤または無機凝集剤を添加してセリシンを析出させ、これをさらに濾過後、乾燥させて固体セリシンを得ることができる。
(2) 前記セリシン水溶液と、メタノール、エタノールまたはジオキサンなどの水溶性溶媒と混合し、これによりセリシンを析出させた後、濾別乾燥して固体セリシンを得ることができる。
(3) 特開平4−202435号公報に記載のように、前記セリシン水溶液を限外濾過膜または逆浸透膜に付し、所定の濾過処理を行った後、乾燥させてセリシン粉体を得ることができる。
また本発明において、セリシンまたはセリシン誘導体の加水分解物は、繭または生糸から慣用の抽出方法により得ることができる。具体的には例えば、以下のようにして純度90%以上の高精製度単一タンパク質の状態で抽出して得ることができる。
まず繭または生糸を、水、好ましくは80〜100℃程度の熱水内で処理することにより、繭または生糸に含まれるセリシンを、該水中に溶出させ、セリシン水溶液を得る。このとき必要に応じて、電気分解した水や、酸、アルカリまたは酵素を併用して、セリシンを部分加水分解させる。そして得られたセリシン水溶液について、例えば上記の(1)〜(3)のいずれかの方法を適用することにより、分離精製処理を行って、目的とするセリシン加水分解物を回収することができる。
本発明において、天然物由来のセリシンまたはセリシン誘導体は、分子量分布が500〜500,000であって、アミノ酸としてセリンを20〜40モル%含有するものが好ましい。
化学的手法または遺伝子工学的手法により得られるセリシンまたはセリシン誘導体
本発明の一つの好ましい態様によれば、セリシンおよびセリシン誘導体は、慣用の化学的または遺伝子工学的手法により人工的に合成されたものであることができる。このようなセリシンまたはセリシン誘導体の細胞増殖促進能は、典型的には、天然物由来のものと比較して、同等であるかまたはそれより優れた性能を有している。したがって、このようなセリシンまたはセリシン誘導体も、培地添加剤として好適に使用することができる。また、このような化学的または遺伝子工学的な合成手法は、必要により適宜組みあわせてもよい。
本発明において、セリシンおよびセリシン誘導体は、その配列全てが化学的に合成されたものであってもよく、または、天然物由来のセリシンの一部を利用してそれを基にさらに合成を行って得られたものであってもよい。このとき、化学合成する際には、慣用のポリペプチドの合成手段、例えば、t−Boc法、Fmoc法による固相、液相合成法等を適宜採用することができる。
本発明において、セリシンおよびセリシン誘導体は、遺伝子工学的手法により製造されたものであってもよい。すなわち、本発明において、セリシンおよびセリシン誘導体は、それをコードするDNAを入手、もしくは製造することができる場合には、そのDNAによって宿主細胞を形質転換させた形質転換細胞において、製造することができる。
ここでセリシン由来のペプチドをコードするDNAは、たとえば、カイコ絹糸腺からクローニングによって得たものであっても、化学合成することによって得たものであっても、カイコ絹糸腺から得たものを一部利用してそれを基にさらに合成を行って得たものであってもよい。一般的に、ペプチドのアミノ酸配列が与えられれば、それをコードする塩基配列は、いわゆるコドン表を参照して容易に決定することができる。従って、セリシンおよびセリシン誘導体をコードするDNAには、その縮重関係にある全てのコドンを塩基配列として有するものが包含される。
セリシンおよびセリシン誘導体は、それをコードするDNA断片を、宿主細胞内で複製可能でかつ同遺伝子が発現可能な状態で含むDNA、特に組換えベクター、の形態とし、それを用いて宿主細胞の形質転換を行い、得られた形質転換体を培養することによって製造することができる。すなわち、該ペプチドの製造に際し、所謂宿主−ベクター系を使用することができる。なお、このような宿主−ベクター系を適用するにあたっては、この技術分野において慣用されている各種の発現ベクター(組換えベクター)作成法および形質転換法を使用することができる。
セリシンおよびセリシン誘導体の製造に際し使用されるベクターは、使用する宿主細胞の種類を勘案しながら、宿主−ベクター系の確立されている慣用のベクター系、例えば、プラスミド、ウイルス、ファージ、コスミドベクターなど、から選択することができる。より具体的には、例えば、宿主細胞が大腸菌の場合にはpBR系、pUC系やpQE系のプラスミド、λファージ系のバクテリオファージ、枯草菌の場合にはpUB系のプラスミド、ならびに、酵母の場合にはYEp系やYCp系のベクター、等が挙げられる。該ペプチドの製造に際し使用されるベクターは、プラスミドであるのが好ましい。
使用可能なプラスミドは、形質転換体の選択マーカーを含むのが好ましく、このような選択マーカーとしては、例えば、アンピシリンやカナマイシン等の薬剤耐性マーカーおよび栄養要求マーカー遺伝子等を使用することができる。また、プラスミド等のベクターDNAにより生成する特定のペプチドと宿主細胞中にコードされるペプチドとによるβ−ガラクトシダーゼ活性の回復を利用して選択マーカーとしてもよい。
さらに、組換えベクターとしてのDNAは、セリシンおよびセリシン誘導体の発現に必要なDNA、例えばプロモーター、転写開始信号、翻訳停止シグナル、もしくは転写終結信号などの転写調節信号、翻訳調節信号などを有していることが好ましい。
セリシンおよびセリシン誘導体の製造に際し使用可能な宿主細胞としては、宿主−ベクター系が確立されているものであれば何れのものも使用可能である。このような宿主細胞としては、例えば、大腸菌、枯草菌、酵母、やカビ等が挙げられる。
宿主細胞が枯草菌、酵母もしくはカビの場合には、ベクターとして分泌型ベクターを使用して、菌体外に、目的であるセリシンまたはセリシン誘導体を分泌させてもよい。
さらに本発明においてセリシン誘導体は、融合タンパク質であることができる。このような融合タンパク質は、前記本質的領域を含んでなるポリペプチドをコードするDNAと異種ポリペプチドをコードするDNAとを用い、これらDNAを融合させて、融合タンパク質をコードするDNAを作成し、これを発現させて製造することができる。
なお、本明細書においては、「DNA」と「遺伝子」という語は、同じ意味で用いられることがある。
動物細胞培養用培地
本発明による動物細胞培養用培地は、前記した動物細胞培養用培地添加剤と、培地基礎成分とを少なくとも含んでなるものである。したがって、前記した各成分を含んでなる限り、例えば、アルブミンやトランスフェリン等の結合タンパク、インスリン、上皮増殖因子(EGF)、繊維芽細胞増殖因子や各種ステロイドホルモン等のホルモン類、フィブロネクチン等の細胞接着因子などの各種の細胞増殖因子や、さらには血清を必要に応じて含んでいてもよい。
本発明の好ましい態様によれば、動物細胞培養用培地は、使用される血清の量が慣用の培地の場合に比べて低減されているものが好ましく、より好ましくは無血清培地である。なおここで、無血清培地とは、血清を含有しないものをいい、血清以外の細胞増殖因子やホルモンを含むものであってもよい。
本発明において、動物細胞培養用培地におけるセリシンまたはセリシン誘導体の含有量は、特に制限はなく、培養する細胞の種類、培養目的、基礎培地成分の種類等に応じて、適宜変更可能である。
本発明の好ましい態様によれば、該培地におけるセリシンまたはセリシン誘導体の含有量は、培地全量に対して、0.001〜10重量%であり、より好ましくは0.02〜0.5重量%であり、さらに好ましくは、0.05〜0.2重量%である。
本発明による培地中におけるセリシンまたはセリシン誘導体の含有量が少量であっても本発明は充分な効果を示すことができるが、セリシンは毒性が無く、水溶性にも優れるため、通常は、多量に添加しても問題は実質的に生じない。
なお本発明による培地添加剤を、慣用の培地に添加して培地を使用することが望ましい場合には、該培地添加剤を少量の培地に予め溶解させてそれを培地全体に添加することが望ましい。
本発明において、培地基礎成分は、通常動物細胞が同化し得る炭素源、消化しうる窒素源および無機塩からなるものであり、具体的には例えば無機塩類、アミノ酸、グルコース、およびビタミン類を含むものである。また培地基礎成分には、必要に応じて微量栄養促進物質、前駆物質などの微量有効物質をさらに配合してもよい。
このような培地基礎成分としては、当業者において公知の培地成分を使用することができ、具体的には例えば、MEM培地(H.Eagle,Science,130,pp432(1959))、DMEM培地(R.Dulbecco,Virology,8,pp396(1959))、RPMI1640培地(G.E.Moore,J.A.M.A.,199,pp519(1967))、Ham’sF12培地(R.G.Ham,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,53,pp288(1965))、MCDB104培地(W.L.Mckeehan,In Vitro,13,pp399(1977))およびMCDB153培地(D.M.Peehe,In Vitro,16,pp526(1980))等を例示することができる。
また、例えば無血清培地ASF104(味の素株式会社製)、無血清培地SF−O2(三光純薬株式会社製)、無血清培地Hybridoma−SFM(ライフテックオリエンタル株式会社製)、無血清培地BIO−MPM−1(Biological Industries社製)、無血清培地EX−CELLTM302−HDP(JRH BIOSCIENCES社製)、無血清培地Cosmedium001(コスモ・バイオ株式会社製)および無血清培地SFM−101(日水製薬株式会社製)のような培地も、本発明において好適に使用することができる。
本発明による培地で培養可能な動物細胞は、特に制限はなく、培養細胞として株化されたものであっても、生物組織から得られる株化されていない正常細胞であってもよい。したがって、本発明において動物細胞は、例えば、その細胞自体がタンパク質を産生可能な細胞であっても、遺伝子工学的手法により形質転換されて異種タンパクを発現するようにされた細胞であってもよく、さらには、各種のウイルスベクターにより感染された細胞であってもよい。
細胞自体がタンパク質を産生する細胞としては、例えば、モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ、インターフェロン(IFN)−αを産生する白血球、IFN−βを産生する線維芽細胞、IFN−γを産生するリンパ球、プロウキナーゼ(プロUK)もしくはUKを産生するヒト腎細胞、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)を産生するメラノーマ細胞、インスリンを産生するIn−111細胞、グルカゴンを産生するHIT細胞、エリスロポエチンを産生するHepG2細胞およびインターロイキン−5を産生するB151K12細胞等が挙げられる。
また、遺伝子工学的手法により形質転換された株化された細胞としては、Vero細胞、HeLa細胞、CHO(chinese hamster ovary)細胞、HKG細胞、NIH3T3細胞、BHK細胞、COS−1細胞、COS−7細胞およびミエローマ細胞等が挙げられる。
ウイルスベクターにより感染された細胞としては、例えば、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、およびヘルペスウイルスベクターなどのようなウイルスベクターに感染された細胞が挙げられる。この場合、ウイルスベクターは慣用の遺伝子工学的手法により遺伝子組み換えされたものであることができる。また、このようなウイルスベクターを感染させて、本発明による培地により培養される動物細胞としては、例えば、HEK(Human Embryonic Kidney)293細胞、A549細胞、およびPER.C6細胞等が挙げられる。
本発明の別の好ましい態様によれば、本発明による培地添加剤を、動物細胞培養用培地に添加し、得られた培地を使用して動物細胞を培養して、該動物細胞を増殖させることを含んでなる動物細胞の培養方法が提供される。
この場合の培養条件は、例えば培地中の酸素濃度、浸透圧、pH、培地温度等は、培養する細胞の種類、培養目的、培養する量、基礎培地成分の種類等に応じて適宜変更することができる。また培養の形式は、バッチ式培養、連続式培養や灌流培養などいずれの形式であってもよく、高密度培養を行ってもよい。
本発明のさらに別の好ましい態様によれば、本発明による培地添加剤を、動物細胞培養用培地に添加し、得られた培地を使用して、タンパク質を産生可能な動物細胞を培養し、該動物細胞を増殖させ、次いで、該培地および/または該動物細胞から、産生されたタンパク質を採取することを含んでなるタンパク質の製造方法が提供される。
本発明によりタンパク質の製造方法において、好ましく製造することができるタンパク質としては、例えばモノクローナル抗体、IFN−α、IFN−β、IFN−γ、プロUKもしくはUK、tPA、インスリン、グルカゴン、エリスロポエチンおよびインターロイキン−5等が挙げられる。
なお、産生されたタンパク質の採取は、該タンパク質の化学的性質もしくは物理的性質を利用して、慣用の各種分離操作により分離精製することにより行うことができる。例えば、タンパク質沈殿剤による処理、限外濾過、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、分子ふるいクロマトグラフィー、および透析法等の手段、またはこれら手段の組み合わせを実施することにより、該タンパク質を分離精製し回収することができる。
本発明のさらなる態様によれば、本発明による培地添加剤を、動物細胞培養用培地に添加し、得られた培地を使用して、ウイルスベクターを感染させた動物細胞を培養して増殖させ、該培地および/または該動物細胞から、ウイルスベクターを採取することを含んでなるウイルスベクターの複製方法が提供される。
本発明による複製方法により複製可能なウイルスベクターとしては、前記例示の各種ウイルスベクターであることができ、これらは必要に応じて遺伝子組み換えされたものであることができる。
目的とするウイルスベクターを、適宜選択した動物細胞に感染させるにあたっては、慣用の手段を適用することにより行うことができる。
また、増殖させた細胞からのウイルスベクターの採取は、限外濾過および遠心分離等のような慣用の各種分離操作を適用することにより分離精製して行うことができる。このとき、ウイルスベクターの採取手段は、ウイルスベクターの種類に応じて適宜選択することが望ましい。
一般に遺伝子治療には、ex vivo遺伝子治療法またはin vivo遺伝子治療法の二つの方法がある。前者は、患者由来の細胞を一旦体外で培養、遺伝子導入処理をした後に患者に投与する治療法であり、後者は遺伝子導入ベクターを直接患者体内へ投入する治療法である。
本発明によれば、このような遺伝子治療法に用いられる遺伝子導入ウイルスベクターを、従来に比べてより効率的に複製することが可能である。また、本発明による培地は、かかる複製方法に用いられる動物細胞、例えば293細胞に対して、優れた増殖促進効果を示すことができる。
[実 施 例]
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
セリシンまたはセリシン誘導体の調製法の例を下記の製造例1および製造例2に示した。
製造例1
繭(家蚕(Bombyx mori)が作ったもの)1kgを、0.2%炭酸ナトリウム水溶液(pH11〜12)50L中において95℃の条件下において2時間熱水処理を施し、セリシン加水分解物を抽出した。得られたセリシン加水分解物抽出液を平均孔径0.2μmのフィルターを用いて濾過し、凝集物を除去した後、濾液を逆浸透膜により脱塩し、セリシン濃度0.2%の無色透明のセリシン加水分解物水溶液を得た。
次いで、この水溶液をエバポレーターを用いてセリシン濃度が約2%になるまで濃縮させた後、凍結乾燥処理を行って、純度90%以上で、平均分子量20,000であるセリシン加水分解物(ポリペプチドA)の粉体100gを得た。
製造例2
セリシン誘導体をコードするDNA断片の化学合成:
セリシン誘導体の一例として、セリシンに共通して保存されている38アミノ酸からなる配列(配列番号1)を2回反復した下記アミノ酸配列を含んでなるポリペプチドをコードするDNAを設計した:
Figure 2002086133
このとき、前記ポリペプチドのN末端には融合した別のペプチドを切り離すためのプロテアーゼ(Factor Xa)の認識サイト(Ile−Glu−Gly−Arg(配列番号5))を配置した。さらに、前記ペプチドをコードするDNAの両端にはベクターに連結するための制限酵素認識サイト(PstI、EcoRI)を配置し、また3’−末端側には、2個の翻訳終止コドンを付加した。このようにして、前記ポリペプチドをコードするDNAを設計した。
次に、設計したDNAをDNA合成機(アプライドバイオシステムズ社製)を用いて、ホスホアミダイト法により化学合成した。ただし、1本あたりのDNA鎖は60〜70塩基程度となるように8本のフラグメントを化学合成した。
合成した8本のDNAフラグメントは以下に示すとおりであった:
フラグメント(1):
Figure 2002086133
フラグメント(2):
Figure 2002086133
フラグメント(3):
Figure 2002086133
フラグメント(4):
Figure 2002086133
フラグメント(1’):
Figure 2002086133
フラグメント(2’):
Figure 2002086133
フラグメント(3’):
Figure 2002086133
フラグメント(4’):
Figure 2002086133
ペプチドをコードするDNAの構築:
前記合成した8本のフラグメント(約70塩基)を、各々相補的な配列部分を有するフラグメントとのアニーリング操作により2重鎖として、ペプチドをコードするDNAを構成する4本の2重鎖DNAフラグメントを取得した。
また、化学合成によって得られるオリゴヌクレオチドの5′末端にはリン酸が存在しないので、T4ポリヌクレオチドキナーゼ(宝酒造社製)を用いて合成遺伝子断片の5′末端にリン酸を付加した。
次に、takara ligation kit version II(宝酒造社製)を用いて4本のDNA断片を連結させた。
大腸菌用発現プラスミドの構築:
連結したDNA断片を大腸菌用高発現ベクターpQE30(Qiagen社)と混合し、takara ligation kit version II(宝酒造社製)を用いて連結反応を行った。得られた反応混合物を、大腸菌JM109株に導入し、形質転換体からDNA断片が挿入された発現プラスミドを取得した。
発現誘導:
ポリペプチドをコードする遺伝子を組み込んだ発現用プラスミドを導入した大腸菌JM109株形質転換体を、アンピシリン50μg/mlを含むM9+2%カザミノ酸培地において、37℃で、一晩振盪培養した。培養後、培養液を同培地に2%濃度で接種し、さらに37℃で振盪培養した。
得られた培養物に、610nmの吸光度が0.3〜0.5の時点で最終濃度1mMとなるようにIPTG(イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド)を添加して、さらにこれを4時間培養した。
ペプチドの精製:
発現誘導後、菌体の超音波破砕液を100℃で10分間処理後、6,500rpmで5分間遠心することにより、ポリペプチドを可溶性画分として上清より回収した。
次に、QIA express Ni−NTA Protein purification System(Qiagen社製)を用いてポリペプチドを精製した。
以上の手順によって、分子量約8,000のセリシン誘導体(ポリペプチドB)を得た。
評価試験
これらの製造例より得られたセリシンおよびセリシン誘導体(ポリペプチドAおよびB)を用いて、下記のような評価試験を行った。
評価試験1: ハイブリドーマ細胞の増殖促進効果、および抗体産生促進効果
セリシンまたはウシ血清アルブミン(BSA)が所定の濃度になるように無血清基礎培地ASF104(味の素株式会社製)に添加して溶解させて、下記表1にあるような7種類の実験群の培地を調製した。
24ウェル培養プレートを用意し、ここに、各実験群の培地について、抗体産生マウスハイブリドーマ細胞(F.Makishima,Cytotechnology,10,15(1992))の細胞密度がそれぞれ1.5×10(cells/ml)となるように播種した。なお、使用したハイブリドーマ細胞は浮遊性の細胞である。
各実験群の細胞培養は、5%容量CO−95%空気の雰囲気下、37℃で3日間行った。
培養後の培養物中の細胞密度は、通常の血球計算盤を用いて計測した。細胞密度の変化から、各実験群についての細胞増殖促進性を評価した。
また、培養上清中の産生された抗体量は、プロテインGによる精製抗体を標準とした通常の酵素免疫測定法(ELISA法)により定量した。なお測定においては、酵素標識二次抗体として西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗マウスIgG(G+L)を用い、また、発色剤としてはo−フェニレンジアミンを用いた。なお、細胞除去液中の抗体量はIgGの培地中における濃度(μg/ml)で表示した。このような抗体濃度の変化から、各実験群の抗体産生能を評価した。
得られた結果は下記の表1に示される通りであった。
Figure 2002086133
結果から、本発明による培地(ポリペプチドAまたはポリペプチドペプチドBのみを加えたもの)は、ハイブリドーマ細胞の増殖およびその抗体産生能力を強く促進することができた。その効果は、BSAを添加した培地と少なくとも同等かそれ以上であった。
評価試験2: HepG2細胞の増殖促進効果、アルブミン分泌促進効果、および生存率促進効果
ポリペプチドA、ポリペプチドBまたはBSAが所定の濃度になるように無血清培地SF−O2(三光純薬株式会社製)に添加して溶解させて、下記表2にあるような6種類の実験群の培地を調製した。
24ウェル培養プレートを用意し、ここに、ヒトの肝ガン由来の細胞であるHepG2細胞(J.Skelly,Nature,282,615(1979))の細胞密度がそれぞれ1.0×10(cells/ml)となるように播種した。なお、使用したHepG2細胞は、付着性細胞である。
各実験群の細胞培養は、5%容量CO−95%空気の雰囲気下、37℃で行った。
培養後の培養物中の細胞密度は、通常の血球計算盤を用いて計測した。細胞密度の変化から、各実験群についての細胞増殖促進性を評価した。
細胞の生存率は、トリパンブルー染色を行い、生細胞数をカウントすることにより求めた。
分泌されたアルブミン量は、市販の精製ヒト血清アルブミンを標準とした通常の酵素免疫測定法(ELISA法)により定量した。なお測定においては、酵素標識抗体としては西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗体を用い、発色剤としてはo−フェニレンジアミンを用いた。
得られた結果は下記の表2に示される通りであった。
Figure 2002086133
結果より、本発明による培地は、HepG2の増殖を促進することができ、また、アルブミン分泌等の肝臓機能に特徴的なタンパク質の生産効率を高めることができた。また通常、細胞は培地を交換せずに培養した場合、ほとんどオーバーグロースにより細胞が死滅するのに対して、本発明による培地によれば、細胞の生存率を高めることが可能であった。
評価試験3: ヒト皮膚表皮角化細胞の増殖促進効果
ポリペプチドAおよびBが所定の濃度になるように表皮角化細胞用の培地(CCM−3111、Clonetics Corporation(米国カリフォルニア州)製)に添加して溶解させて、下記表3にあるような4種類の実験群の培地を調製した。
24ウェル培養プレートを用意し、ここに、新生児の表皮角化細胞(Normal Human Epidermal Keratinocytes cells、Clonetics Corporation(米国カリフォルニア州)製)の細胞密度がそれぞれ1.0×10(cells/ml)となるように播種した。なお、使用した細胞は、株化されていない正常細胞であり、付着性細胞である。
各実験群の細胞培養は、5%容量CO−95%空気の雰囲気下、37℃で行った。
培養後の培養物中の細胞密度は、通常の血球計算盤を用いて計測した。細胞密度の変化から、各実験群についての細胞増殖促進性を評価した。
得られた結果は下記の表3に示される通りであった。
Figure 2002086133
表皮角化細胞のような正常細胞を培養する際には、BSAを培地に添加すると細胞が増殖よりも分化に向かうため、培地にBSAを添加できない場合がある。上記の結果より、本発明による培地では、表皮角化細胞の増殖を促進させ、さらに細胞を分化へ誘導しないことが確認された。
評価試験4: アデノウィルスベクターの産生促進効果
本試験はTakara Adenovirus Expression Vector Kit(宝酒造社製)を用いて実施した。
95万個の293細胞を含む培地(Nephrigen;CELOX社(米国ミネソタ州))に、4×10PFUのアデノウィルスを添加し、1時間放置して該ウィルスを細胞に感染させた。
次に、細胞を培養している該培地を、下記表4に示すような実験群の3種類の培地(セリシンを含まない培地、ポリペプチドAまたはポリペプチドBをそれぞれ0.02%含む培地)と交換し、これを3日間培養して、ウィルス生産を行った。なおここで各実験群の細胞培養は、5%容量CO−95%空気の雰囲気下、37℃で行った。
次いで、培養後ウィルス液を回収して、293細胞を用いてウィルス力価を測定した。ウイルス力価はTCID50法(50% Tissue Culture Influence Dose)を用いて算出した。
得られた結果は下記の表4に示される通りであった。
Figure 2002086133
結果より、本発明によるセリシンまたはセリシン誘導体を加えた培地は、遺伝子治療に用いるウィルスベクターの産生を促進した。その効果は、ポリペプチドBにおいてより顕著であった。
【配列表】
Figure 2002086133
Figure 2002086133
Figure 2002086133
Figure 2002086133
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Figure 2002086133
Figure 2002086133
Figure 2002086133

Claims (17)

  1. セリシンまたはセリシン誘導体を含んでなる、動物細胞培養用培地添加剤。
  2. セリシン誘導体が、配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドを本質的領域として少なくとも含んでなるものである、請求項1に記載の培地添加剤。
  3. セリシン誘導体が、そのアミノ酸残基100個あたりに、配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドを少なくとも1個含んでなる、請求項2に記載の培地添加剤。
  4. セリシン誘導体が、配列番号1に示されるアミノ酸配列の1〜8個繰り返し配列からなるポリペプチドからなる、請求項1に記載の培地添加剤。
  5. セリシンまたはセリシン誘導体が、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドであるか、または、その配列番号2において1もしくは複数個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ細胞増殖促進活性を有するポリペプチドである、請求項1に記載の培地添加剤。
  6. セリシン誘導体が、配列番号1のアミノ酸配列からなるポリペプチドと、異種タンパク質とからなる融合タンパク質である、請求項1に記載の培地添加剤。
  7. セリシンまたはセリシン誘導体が、繭または生糸から抽出して得られたものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の培地添加剤。
  8. セリシンまたはセリシン誘導体が、化学的に合成して得られたものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の培地添加剤。
  9. セリシンまたはセリシン誘導体が、遺伝子工学的手法により得られたものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の培地添加剤。
  10. 動物細胞増殖促進剤として用いられる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の培地添加剤。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の培地添加剤と、培地基礎成分とを少なくとも含んでなる、動物細胞培養用培地。
  12. 無血清培地である、請求項11に記載の培地。
  13. セリシンまたはセリシン誘導体を、培地全量に対して0.001〜10重量%含んでなる、請求項11に記載の培地。
  14. 請求項1に記載の培地添加剤を、動物細胞培養用培地に添加し、
    得られた培地を使用して動物細胞を培養して、該動物細胞を増殖させる
    ことを含んでなる、動物細胞の培養方法。
  15. 請求項1に記載の培地添加剤を、動物細胞培養用培地に添加し、
    得られた培地を使用して、タンパク質を産生可能な動物細胞を培養し、
    該培地および/または該動物細胞から、産生されたタンパク質を採取する
    ことを含んでなる、タンパク質の製造方法。
  16. 請求項1に記載の培地添加剤を、動物細胞培養用培地に添加し、
    得られた培地を使用して、ウイルスベクターを感染させた動物細胞を培養して増殖させ、
    該培地および/または該動物細胞から、ウイルスベクターを採取する
    ことを含んでなる、ウイルスベクターの複製方法。
  17. 動物細胞増殖促進剤を製造するための、セリシンまたはセリシン誘導体の使用。
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