JPWO2002062569A1 - 酸化物層を有する構造体、該構造体の製造方法、並びに該構造体を用いたコンデンサ及びフィルタ - Google Patents

酸化物層を有する構造体、該構造体の製造方法、並びに該構造体を用いたコンデンサ及びフィルタ Download PDF

Info

Publication number
JPWO2002062569A1
JPWO2002062569A1 JP2002562555A JP2002562555A JPWO2002062569A1 JP WO2002062569 A1 JPWO2002062569 A1 JP WO2002062569A1 JP 2002562555 A JP2002562555 A JP 2002562555A JP 2002562555 A JP2002562555 A JP 2002562555A JP WO2002062569 A1 JPWO2002062569 A1 JP WO2002062569A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxide
substrate
oxide layer
layer
dielectric layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002562555A
Other languages
English (en)
Inventor
聖一 蓮覚寺
聖一 蓮覚寺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Publication of JPWO2002062569A1 publication Critical patent/JPWO2002062569A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/002Details
    • H01G4/018Dielectrics
    • H01G4/06Solid dielectrics
    • H01G4/08Inorganic dielectrics
    • H01G4/10Metal-oxide dielectrics

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Abstract

本発明は、誘電体材料、及び該材料を用いた種々の電子デバイス、特に該材料を用いたコンデンサ及びフィルタに応用できる、基体と酸化物層とを有する構造体、及び該構造体の製造方法に関する。本発明により、大面積の酸化物層又は誘電体層を低コストで製造でき、且つ得られた誘電体の性能はその酸化物被膜が単結晶で調製されたものに匹敵する誘電体、及びその製造方法を提供でき、且つ基体との密着性が高く、熱衝撃試験によりクラックの発生しない酸化物層又は誘電体層を有する構造体を提供できる。本発明は、基体と該基体上にある酸化物層とを有する構造体であって、前記酸化物層は第1の金属の酸化物を有し、該酸化物は結晶性を有し、且つ前記基体と前記酸化物層とは、−10℃で1時間保持し次いで+80℃で1時間保持する熱履歴を1000回行う熱衝撃試験に耐える密着性を有する構造体を開示する。

Description

技術分野
本発明は、基体と酸化物層とを有する構造体、該構造体の製造方法に関する。該酸化物層は誘電体材料として用いることができる。したがって、本発明は、誘電体材料、該材料の製造方法、並びに該材料を用いた種々の電子デバイス、特に該材料を用いたコンデンサ及びフィルタに関する。
背景技術
従来、誘電体は、例えば、ある基体上に酸化物層を形成して得られた酸化物層をその材料として用いている。酸化物層を形成する方法として、一般にCVD法、PVD法、ゾルゲル法などを用いている。CVD法及びPVD法は、大面積の金属酸化物被膜ができないこと、及び真空系を必要とするためのコスト面などにおいて欠点を有していた。また、ゾルゲル法は、上記欠点がないものの、得られる酸化物層は、多結晶状態など、結晶粒界が観察された。また、ゾルゲル法により得られた酸化物層は、基体との密着性が良好ではなく、熱衝撃試験を行うとクラック等が観察された。そのため、得られる誘電体は、単結晶状態の酸化物層で得られる性能、例えば高耐電圧などを有しておらず、基体との所望な密着性を有していなかった。
発明の開示
ゾルゲル法の長所である大面積の金属酸化物被膜を低コストで製造でき、且つ誘電体に所望の性能、即ち酸化物層が単結晶で調製された誘電体が有する諸性能を発揮する誘電体が望まれていた。
そこで、本発明の目的は、大面積の金属酸化物被膜を低コストで製造でき、且つ得られた誘電体の性能はその酸化物被膜が単結晶で調製されたものに匹敵する誘電体、及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、上記目的の他に、又は上記目的に加えて、基体との密着性が高く、熱衝撃試験によりクラックの発生しない酸化物層又は誘電体層を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、上記目的の他に、又は上記目的に加えて、上記性能を有する誘電体を備えた種々のデバイス、特に該誘電体を備えたコンデンサ及びフィルタを提供することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、以下の発明により、上記課題を解決できることを見出した。
即ち、<1> 基体と該基体上にある酸化物層とを有する構造体であって、前記酸化物層は第1の金属の酸化物を有し、該酸化物は結晶性を有し、且つ前記基体と前記酸化物層とは、−10℃で1時間保持し次いで+80℃で1時間保持する熱履歴、又は−40℃で1時間保持し次いで+80℃で1時間保持する熱履歴、を1000回行う熱衝撃試験に耐える密着性を有する、構造体。
<2> 上記<1>において、基体と前記酸化物層との間に、該基体の成分と該酸化物層の成分とを有してなる層を有するのがよい。
<3> 上記<1>又は<2>において、酸化物層は第1の耐電圧を有し、該第1の耐電圧が、該酸化物層と同一組成の単結晶からなる誘電体の第2の耐電圧の60%以上であるのがよい。
<4> 上記<1>〜<3>のいずれかにおいて、酸化物層は少なくとも2nmの厚さからその膜厚が制御可能であるのがよい。
<5> 上記<1>〜<4>のいずれかにおいて、第1の金属が、Mg、Al、Si、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、In、Sn、Sb、Cs、Ba、Ta、W、Os、Ir、Pb、Bi、La、Ce及びGdからなる群から選ばれる1種以上であるのがよい。
<6> 上記<1>〜<4>のいずれかにおいて、第1の金属の酸化物が、酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウムストロンチウム、タンタル酸ストロンチウムビスマス、ニオブ酸ストロンチウムビスマス、及びビスマス層状構造強誘電体からなる群から選ばれるのがよい。
<7> 上記<1>〜<6>のいずれかにおいて、基体の表面層が前記酸化物層であるのがよい。
<8> 上記<1>〜<7>のいずれかにおいて、基体が、単結晶シリコン、導電性酸化物、金属、及び高分子材料からなる群から選ばれるのがよい。
<9> 上記<1>〜<8>のいずれかの構造体を有してなるコンデンサであって、基体が第1の電極であり、前記酸化物層が誘電体層であるコンデンサであるのがよい。
<10> 上記<1>〜<8>のいずれかの構造体を有してなるフィルタであって、基体が第1の電極であり、前記酸化物層が誘電体層であるフィルタであるのがよい。
<11> 第1の電極と該第1の電極上にある誘電体層と該誘電体層上にある第2の電極を有するコンデンサであって、前記誘電体層は第1の金属の酸化物を有し、該酸化物は結晶性を有し、且つ前記第1の電極と前記誘電体層とは、−10℃で1時間保持し次いで+80℃で1時間保持する熱履歴、又は−40℃で1時間保持し次いで+80℃で1時間保持する熱履歴、を1000回行う熱衝撃試験に耐える密着性を有する、コンデンサ。
<12> 上記<11>において、第1の電極と前記誘電体層との間に、該第1の電極の成分と該誘電体層の成分とを有してなる層を有するのがよい。
<13> 上記<11>又は<12>において、誘電体層は第1の耐電圧を有し、該第1の耐電圧が、該誘電体層と同一組成の単結晶からなる誘電体の第2の耐電圧の60%以上であるのがよい。
<14> 上記<11>〜<13>のいずれかにおいて、誘電体層は少なくとも10nm±2nmの厚さからその膜厚が制御可能であるのがよい。
<15> 上記<11>〜<14>のいずれかにおいて、第1の金属が、Mg、Al、Si、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、In、Sn、Sb、Cs、Ba、Ta、W、Os、Ir、Pb、Bi、La、Ce及びGdからなる群から選ばれる1種以上であるのがよい。
<16> 上記<11>〜<14>のいずれかにおいて、第1の金属の酸化物が、酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウムストロンチウム、タンタル酸ストロンチウムビスマス、ニオブ酸ストロンチウムビスマス、及びビスマス層状構造強誘電体からなる群から選ばれるのがよい。
<17> 第1の電極と該第1の電極上にある誘電体層と該誘電体層上にある抵抗成分及び/又はリアクタンス成分を有するフィルタであって、前記誘電体層は第1の金属の酸化物を有し、該酸化物は結晶性を有し、且つ前記第1の電極と前記誘電体層とは、−10℃で1時間保持し次いで+80℃で1時間保持する熱履歴、又は−40℃で1時間保持し次いで+80℃で1時間保持する熱履歴、を1000回行う熱衝撃試験に耐える密着性を有する、フィルタ。
<18> 上記<17>において、第1の電極と前記誘電体層との間に、該第1の電極の成分と該誘電体層の成分とを有してなる層を有するのがよい。
<19> 上記<17>又は<18>において、誘電体層は第1の耐電圧を有し、該第1の耐電圧が、該誘電体層と同一組成の単結晶からなる誘電体の第2の耐電圧の60%以上であるのがよい。
<20> 上記<17>〜<19>のいずれかにおいて、誘電体層は少なくとも10nm±2nmの厚さからその膜厚が制御可能であるのがよい。
<21> 上記<17>〜<20>のいずれかにおいて、第1の金属が、Mg、Al、Si、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、In、Sn、Sb、Cs、Ba、Ta、W、Os、Ir、Pb、Bi、La、Ce及びGdからなる群から選ばれる1種以上であるのがよい。
<22> 上記<17>〜<21>のいずれかにおいて、第1の金属の酸化物が、酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウムストロンチウム、タンタル酸ストロンチウムビスマス、ニオブ酸ストロンチウムビスマス、及びビスマス層状構造強誘電体からなる群から選ばれるのがよい。
<23> 第1の金属の塩、水、疎水性溶媒、及び親水性溶媒をオートクレーブ中で混合して混合物を得る工程を有する、第1の金属の酸化物形成用液の調製方法。
<24> 上記<23>において、前記混合工程を温度20〜300℃及び圧力1〜30気圧の条件下で行うのがよい。
<25> 上記<23>又は<24>において、第1の金属の塩が、アルコキシド及び有機酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であるのがよい。
<26> 上記<23>〜<25>のいずれかにおいて、疎水性溶媒が、直鎖又は分岐鎖の炭化水素及び芳香族炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種であるのがよい。
<27> 上記<23>〜<26>のいずれかにおいて、親水性溶媒が、炭素数1〜10のアルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種であるのがよい。
<28> 基体上に酸化物層を有する構造体の製造方法であって、該方法は、酸化物層用塗布液を調製する塗布液調製工程;塗布液調製工程とは別に基体表面を前処理して前処理済基体を得る基体表面前処理工程;前処理済基体に酸化物層用塗布液を塗布して塗布基体を得る塗布工程;及び塗布基体を焼成して基体上に酸化物層を形成する焼成工程を有し、基体表面前処理工程は、基体の表面を1次元又は2次元的な規則構造を有する面とする第1の処理を含む、構造体の製造方法。
<29> 上記<28>において、酸化物層の酸化物は結晶性を有し、且つ前記構造体は、基体と前記酸化物層とが、−10℃で1時間保持し次いで+80℃で1時間保持する熱履歴、又は−40℃で1時間保持し次いで+80℃で1時間保持する熱履歴、を1000回行う熱衝撃試験に耐える密着性を有するのがよい。
<30> 上記<28>又は<29>において、溶液調製工程は、第1の金属の塩、水、疎水性溶媒、及び親水性溶媒をオートクレーブ中で混合する混合工程、及び混合して得られた液を濃縮する濃縮工程を有し、前記構造体の酸化物層が第1の金属の酸化物であるのがよい。
<31> 上記<30>において、混合工程を、温度20〜300℃及び圧力1〜30気圧の条件下で行うのがよい。
<32> 上記<28>〜<31>のいずれかにおいて、基体表面前処理工程は、第1の処理後、酸素プラズマ処理を有するのがよい。
<33> 上記<23>〜<26>のいずれかにおいて、基体が、単結晶シリコン、導電性酸化物、金属、及び高分子材料からなる群から選ばれるのがよい。
<34> 上記<30>〜<33>のいずれかにおいて、第1の金属が、Mg、Al、Si、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、In、Sn、Sb、Cs、Ba、Ta、W、Os、Ir、Pb、Bi、La、Ce及びGdからなる群から選ばれる1種以上であるのがよい。
<35> 上記<28>〜<34>のいずれかにおいて、酸化物層の酸化物が、酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウムストロンチウム、タンタル酸ストロンチウムビスマス、ニオブ酸ストロンチウムビスマス、及びビスマス層状構造強誘電体からなる群から選ばれる1種以上であるのがよい。
<36> 上記<1>〜<8>のいずれかの構造体を有してなる保護膜。特に、上記<1>〜<8>のいずれかの構造体を有してなる保護膜であって、酸化物層が保護膜に相当するのがよい。さらに保護膜は、耐食性保護膜又はハードコート膜であるのがよい。
<37> 上記<28>〜<35>のいずれかの製造方法によって作成される上記<36>の保護膜。
<38> 上記<36>の保護膜の製造方法であって、上記<28>〜<35>のいずれかの製造方法において酸化物層が保護膜に相当する保護膜の製造方法。特に、酸化物層が保護膜に相当するのがよい。さらに保護膜は、耐食性保護膜又はハードコート膜であるのがよい。
<39> 上記<1>〜<8>のいずれかの構造体を有してなる無反射膜。特に、上記<1>〜<8>のいずれかの構造体を有してなる無反射膜であって、基体と酸化物層との組合せによって、又は複数の酸化物層によって無反射が提供される無反射膜。
<40> 上記<28>〜<35>のいずれかの製造方法によって作成される上記<39>の無反射膜。
<41> 上記<39>の無反射膜の製造方法であって、上記<28>〜<35>のいずれかの構造体の製造方法において基体と酸化物層との組合せによって、又は複数の酸化物層によって無反射が提供される無反射膜の製造方法。
<42> 上記<1>〜<8>のいずれかの構造体を有してなるガスバリヤ膜。特に、上記<1>〜<8>のいずれかの構造体を有してなるガスバリヤ膜であって、酸化物層がガスバリヤ膜に相当するのがよい。酸化物層は複数層であってもよい。
<43> 上記<28>〜<35>のいずれかの製造方法によって作成される上記<42>のガスバリヤ膜。
<44> 上記<42>のガスバリヤ膜の製造方法であって、上記<28>〜<35>のいずれかの構造体の製造方法において酸化物層がガスバリヤ膜に相当するガスバリヤ膜の製造方法。
発明の実施の形態
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の構造体に関して、まず説明する。
本発明の構造体は、基体、及び該基体上にある酸化物層を有してなる。また、基体と酸化物層との間に、該基体の成分と該酸化物層の成分とからなる第1の層を有してもよい。即ち、第1の層は、酸化物層の成分が第1の金属と酸素とを有する場合、基体の成分、第1の金属、及び酸素を有してなる。
該第1の層の厚さは、2〜10nm、好ましくは2〜6nm、より好ましくは2〜4nmであるのがよい。
完全な理論に基づくものではないが、この第1の層は、基体が単結晶である場合、該基体の結晶面と、酸化物層の単結晶又は単結晶様の結晶面とを整合させるために設けられる、いわゆるミスフィット層として機能するものと考えられる。
酸化物層は第1の金属の酸化物を有し、該酸化物は結晶性を有するか、もしくは、上述のように、単結晶又は単結晶様の結晶面を有する。なお、本明細書において「結晶性」とは、X線回折測定においてピークを観察できることをいう。
また、本発明の酸化物層の結晶性は、電子顕微鏡像などからも観察することができる。例えば、格子像を観察することができる。
さらに、本発明の酸化物層が結晶性を有することは、該酸化物層のみの耐電圧を測定することによってもわかる。即ち、本発明の酸化物層の耐電圧(第1の耐電圧)は、次のような特性を有する。本発明の酸化物層と同一組成であって単結晶からなる物質(単結晶物質)を用意する。また、本発明の酸化物層と同一組成であってその結晶構造が多結晶構造(結晶粒界などの欠陥を有する構造)である物質(多結晶物質)を用意する。これらの耐電圧を測定する。
単結晶物質の耐電圧を第2の耐電圧とし、多結晶物質の耐電圧を第3の耐電圧とする。本発明の酸化物層の耐電圧(第1の耐電圧)は、第3の耐電圧より著しく大きく、第2の耐電圧とほぼ同等の値を有する。具体的には、第1の耐電圧は、第2の耐電圧の50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上有するのがよい。
第1〜第3の耐電圧に関して、より詳細に説明する。酸化物として下記表1記載のものにより比較する。また、表1には、本発明の酸化物層、単結晶構造の酸化物層、及び多結晶構造の酸化物層の耐電圧を示す。表1中、*1は「窯業工学ハンドブック」社団法人窯業協会編、技報堂p.31、*2は「エレクトロニクス材料」城阪俊吉、早川茂共著、電気書院p.61、*3は「磁性体・誘電体の物性工学」高木豊、沢田正三共著、オーム社p.257からの抜粋を示す。
Figure 2002062569
基体と酸化物層とは、任意に有する上記第1の層を介して、密着性を有する。本明細書において「密着性を有する」とは、熱衝撃試験を行っても該酸化物層にクラック、剥離などの破壊が発生しないことをいう。熱衝撃試験は、低温、例えば0〜−40℃、好ましくは−20〜−40℃と高温、例えば60〜85℃、好ましくは70〜85℃との間を数千回往復する熱履歴を行う試験である。本明細書において、熱衝撃試験とは、−10℃で1時間保持し+80℃で1時間保持する熱履歴を1000回行うこと、又は−40℃で1時間保持し80℃で1時間保持する熱履歴を1000回行うことをいう。
本発明の構造体の酸化物層は、その厚さが少なくとも1×10nmから制御可能である。また、設備のコスト面を抑えて大面積の酸化物層を形成することもできる。即ち、酸化物層を薄く大面積にすることができ、該酸化物層を誘電体層として用いることにより、従来と同じ厚さであっても大容量のコンデンサ、又は同じ容量であっても薄いコンデンサを得ることができる。
層厚の制御方法は、簡潔に述べると、薄膜を複数層形成することにより得ることができる。なお、層厚の制御方法、酸化物層の形成方法などについては、後に詳述する。
本発明の構造体の基体として、種々の物質を用いることができる。基体として、例えば銅などの金属単体;ガラス等を含めた酸化物、特に導電性酸化物;単結晶シリコンを含めた半導体;及び高分子材料;などを挙げることができる。また、その基体表面が上記の物質であれば、特に制限されるものではない。例えば、基体として、本発明の構造体のように2層以上の構造を有し、基体表面が酸化物であるものであってもよく、2層構造以上の多層構造であってもよい。さらに、基体表面が上記の物質の2種以上の組合せからなるものであってもよい。
なお、上記高分子材料として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、66ナイロン、6ナイロン、ポリウレタン、及びポリカーボネートなどを挙げることができるが、これらに限定されない。
本発明の構造体の酸化物層は、第1の金属の酸化物を有してなる。第1の金属として、例えばMg、Al、Si、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、In、Sn、Sb、Cs、Ba、Ta、W、Os、Ir、Pb、Bi、La、Ce及びGdを挙げることができ、これらのうちの1種であっても複数種であってもよい。例えば、第1の金属の酸化物として、酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウムストロンチウム、タンタル酸ストロンチウムビスマス、ニオブ酸ストロンチウムビスマス、及びビスマス層状構造強誘電体を挙げることができる。即ち、チタン酸バリウムなどは、第1の金属としてチタン及びバリウムを有している。
本発明の構造体、即ち基体と該基体上にある酸化物層を有するものであって、上記特徴を有するものは、すべて本発明に含まれる。即ち、基体として種々の層が積層されたものであっても、該基体上に本発明の特徴を有する酸化物層を有するものは、本発明の構造体に該当する。また、本発明の構造体を複数積層したものも、勿論本発明に包含される。
本発明の構造体は、種々の製造方法によって製造することができ、例えば本発明の構造体の製造方法によって得ることができる。以下、本発明の構造体の製造方法について説明する。
本発明の構造体の製造方法は、酸化物層用塗布液を調製する塗布液調製工程;塗布液調製工程とは別に基体表面を前処理して前処理済基体を得る基体表面前処理工程;前処理済基体に酸化物層用塗布液を塗布して塗布基体を得る塗布工程;及び塗布基体を焼成して基体上に酸化物層を形成する焼成工程を有する。以下、各工程に詳細に説明する。
本発明の製法は、酸化物層用塗布液を調製する塗布液調製工程を有する。塗布液調製工程は、第1の金属の塩、水、疎水性溶媒及び親水性溶媒をオートクレーブ中で混合する混合工程、及び混合して得られた液を濃縮する濃縮工程を有する。
混合工程は次のように行うことができる。即ち、酸化物層の第1の金属源となる第1の金属の塩、水、疎水性溶媒及び親水性溶媒をオートクレーブ中で混合して混合液を得る。オートクレーブでの各条件は、温度20〜300℃、好ましくは200〜300℃、圧力1〜30気圧、好ましくは20〜30気圧の下に、0.5〜2時間、好ましくは1〜2時間、置いて混合液を得る。
混合工程に用いることができる第1の金属の塩、水、疎水性溶媒、及び親水性溶媒について説明する。
第1の金属として、上述の第1の金属として挙げたものと同じものを用いることができる。また、第1の金属の塩とは、上記第1の金属のアルコキシド;酢酸塩などの有機酸塩;又は無機酸塩をいう。なお、アルコキシドを用いる場合、アルコキシドは、炭素数が1〜5、好ましくは4〜5であるのがよい。
疎水性溶媒は、5員環以上の環状物、直鎖又は分岐鎖の炭化水素をいう。例えば5員環以上の環状物として芳香族化合物を挙げることができ、例えばシクロペンタジエン及びその置換体;ベンゼン及びその置換体、例えばエチルベンゼン、エトキシベンゼン、ニトロベンゼン;トルエン、キシレン、アニリン、ジメチルアニリン、アセトフェノン、メチルベンゾエート、エチルベンゾエートなどを挙げることができるがこれらに限定されない。また、直鎖又は分岐鎖の炭化水素は、炭素数が4〜10個、好ましくは炭素数4〜6個であるのよい。これらのうち、1種又は2種以上を用いることができる。特に、ベンゼン、エチルベンゼンを用いるのが好ましい。
親水性溶媒として、アルコールを挙げることができ、炭素数1〜10、好ましくは炭素数4〜6のアルコールであるのがよい。これらを1種又は2種以上用いることができる。例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、iso−ペンタノール、n−アミルアルコール、iso−アミルアルコール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、n−ノナノール、n−デカノールなどを挙げることができるが、これらに限定されない。
第1の金属と水との比率は、モル比で0.5〜2.5、好ましくは1〜2であるのがよい。
親水性溶媒と疎水性溶媒との比率は、モル比で0.5〜5、好ましくは1〜2であるのがよい。
次いで、混合工程で得られた液を濃縮する濃縮工程に付する。濃縮工程は一般に、用いた疎水性溶媒を除去する工程である。なお、この濃縮工程において、塗布液の濃度を変化させることにより、得られる構造体の酸化物層の膜厚を制御することができる。即ち、濃度を高くすると、膜厚が厚くなる傾向が生じる。また、酸化物層の膜厚は、後述するが、塗布液の塗布工程を複数回行うことによっても制御することができる。
なお、上記混合工程及び濃縮工程を有してなる塗布液調製工程において、次のような作用が生じているものと考えられる。説明を簡単にするため、第1の金属:チタン(Ti)、第1の金属の塩:Tiのアルコキシド(Ti(OR))、疎水性溶媒:ベンゼン、親水性溶媒:ROHを用いた場合を説明する。また、本発明の作用を説明するために、従来法であるゾルゲル法についても触れる。
従来のゾルゲル法は、以下の式(1−1)〜(1−4)に表されている反応に支配されている。即ち、加水分解反応によりOR基がOH基となり、さらに脱水又は脱アルコール反応により、(1−4)で表されるチタン水酸化物ゾルが形成される。
Figure 2002062569
本発明における反応は、その途中まで、上記ゾルゲル法と同様の反応があるものと考えられる。即ち、本発明においても(1−1)〜(1−3)と同様な反応が起きるものと考えられる。但し、本発明においては、疎水性溶媒を用いているため、下記式(1−5)のような、官能基がすべてOR基であるクラスタが形成されるものと考えられる。
次いで、溶媒が上記疎水性溶媒と親水性溶媒との混合溶媒系では、(1−5)で示したクラスタに、該疎水性溶媒と親水性溶媒とが配位する。その配位の仕方は、その相互作用の違い(例えば分配率など)と溶媒比により異なり、例えば下記式(1−6)のように配位する。
式(1−6)のアルコールが配位した側は、親水性であるため、水との反応が容易でありOR基がOH基に置換される一方、ベンゼンが配位した側は水がブロックされOR基のままで残る(式(1−7)を参照のこと)。即ち、疎水性溶媒と親水性溶媒との分配率及び溶媒比に応じて、式(1−7)のように、クラスタ内にOR基とOH基を導入することができるものと考える。
Figure 2002062569
式(1−7)は、模式的に、親水性部位と疎水性部位とを有する式(1−8)のように表すことができる。また、疎水性溶媒としてベンゼン又はその誘導体、もしくはシクロペンタジエンなどを用いると、式(1−8)が該疎水性溶媒でサンドイッチされた構造(式(1−9)を参照のこと)を有するTiO前駆体溶液を得るものと考えられる。さらに、この前駆体溶液を濃縮する工程を設けることにより、親水性部位同士又は疎水性部位同士が引き合い、(1−10)に示すように、前述の(1−9)のような配位構造が1次元的に鎖状に連結したある種の高分子状態、又は擬液晶状態を形成するものと考えられる。なお、擬液晶状態を有する可能性は、濃縮工程後に得られた液に観察される現象からわかる。即ち、濃縮工程後の液は、ガラス状態に近く、サンプル管などに入れて回転運動などを作用させると運動方向に紡錘形が観察される。
Figure 2002062569
高分子状物質又は擬液晶状物質を含む塗布液を、その後、基体表面を前処理した該表面に塗布する。ここで、塗布液、即ち高分子状物質又は擬液晶状物質を含む塗布液の調製とは別個に行う基体表面前処理工程について説明する。
基体表面前処理工程は、基体表面を1次元又は2次元的な規則構造を有する面とする第1の処理、及び該第1の処理後に設ける酸素プラズマ処理を有する。より詳細には、基体表面前処理工程は、第1の処理前後に洗浄工程を設けてもよく、酸素プラズマ処理前後に洗浄工程を設けてもよい。
第1の処理について説明する。第1の処理は、基体表面を1次元又は2次元的な規則構造を有する面とする処理である。本明細書において、第1の処理の「規則構造」とは、一定間隔でのグレーティングを意味する。即ち、グレーティングは、1次元的であっても2次元的であってもよい。
例えば、基体が単結晶物質である場合、該単結晶の基体表面を、その原子密度の差を利用して、ある結晶面のみを原子レベルのグレーティング、即ちグレーティングのP−V間の距離が0.1〜100nm、好ましくは1〜100nm、より好ましくは1〜10nmであるグレーティングを行うのがよい。
具体的には、第1の処理は、該基体表面をエッチングすることができる薬剤による処理、又は物理的エッチング処理とすることができる。薬剤を用いる場合、該薬剤は用いる基体に依存する。例えば、基体が単結晶シリコンである場合、20%フッ硝酸溶液に所定の時間浸漬する手法を用いることができる。また、基体がSiOである場合、Buffered HF(BHF)に所定の時間浸漬する手法を用いることができる。
第1の処理後、任意に設けてもよい洗浄工程ののち、酸素プラズマ処理を行うのがよい。酸素プラズマ処理は、処理すべき表面の状態に依存する。例えば、基体表面が単結晶シリコンの場合、O:100ml/min、100W×5分の条件で行うことができる。
基体表面前処理工程は、前述のように、第1の処理前後に洗浄工程を設けてもよく、酸素プラズマ処理前後に洗浄工程を設けてもよい。いずれも、第1の処理及び/酸素プラズマ処理の効果を上げるためである。
これらの洗浄工程は、用いられる第1の処理及び/又は酸素プラズマ処理に依存するが、例えば、洗浄用酸溶液による洗浄、該酸溶液を除去するための水洗、基体としてSiウエハを用いる場合、該Siウエハ表面に存在するオキサイドを除去するためのBHF洗浄、該BHFを除去するための水洗、濃硫酸による洗浄、金属イオン及び/又は有機物を除去するための沸騰濃硫酸での洗浄、該沸騰濃硫酸と共に行い、有機物残渣を分解除去するための沸騰ピラニア(即ち、沸騰濃硫酸への過酸化水素の添加)などを挙げることができる。
このように基体表面前処理工程を行って前処理済基体を得る。次いで、得られた前処理済基体の表面に酸化物層用塗布液を塗布して塗布基体を得る液塗布工程を行う。塗布は、酸化物層用塗布液に含まれる鎖状に連結したある種の高分子状物質(擬液晶物質)が、前処理済基体の表面、即ち規則構造を有する面のグレーティング部分に沿って配置されるように、行うのがよい。例えばスピンコーティング、バーコーティング、フローコーティング又はディップコーティングなどの手法により塗布するのがよい。これにより、鎖状に連結したある種の高分子状物質(擬液晶物質)が、ある配向性をもって配置されるものと考えられる。
塗布工程を複数回行うことにより、酸化物層の膜厚を制御することができる。即ち、酸化物層の膜厚は、塗布工程の回数に比例する。また、酸化物層の膜厚は、前述のように、塗布液の濃度を変化させることによっても、制御することができる。さらに、塗布工程の回数及び塗布液の濃度の双方を変化させることにより、酸化物層の膜厚を所望の値に制御することもできる。
得られた塗布基体を所望により乾燥し、その後、該塗布基体を焼成する焼成工程を行う。
最高焼成温度は、用いる基体の種類、得られる構造体の用途などに依存するが、常温〜1300℃で行うことができる。例えば、より高温で焼成することにより得られる酸化物の結晶化度は高くなり且つ表面硬度も高くなる傾向にある。したがって、得られる構造体が耐摩耗性を有することが好ましい場合などは、より高温で焼成するのが好ましい。また、用いる基体が耐熱性に乏しい場合、比較的低温で焼成するのが好ましい。なお、本発明の構造体の製法において、最高焼成温度は、ゾルゲル法での焼成温度よりも低くすることができる。これは、完全な理論に基づくものではないが、上述したように、擬液晶物質がある配向性をもって配置されるためであると考えられる。
また、この焼成工程は、温度を昇温させる代わりに、又はUV照射によって行うこともできる。なお、所望により昇温とUV照射を共に行ってもよい。
また、焼成工程は、空気雰囲気下、Nガス雰囲気下、又はArなどの不活性ガス雰囲気下で行うことができる。
焼成工程後、酸化物層が上述のような特性を有する構造体を得ることができる。
また、本発明は、上記構造体の酸化物層を誘電体材料として用いることができる。即ち、本発明は、該誘電体材料を備える種々の製品を提供することができる。例えば、製品として、コンデンサ;フィルタ;アクチエータ;ボルテージコントロールオシスレータ;並びに加速度又は力センサ及び光センサなどの各種センサなどを挙げることができる。
例えば、本発明の構造体、特に酸化物層を有してなるコンデンサ及びフィルタについて、以下に説明する。
本発明のコンデンサは、用いる誘電体が上述のように高耐電圧であり、かつその酸化物層の層厚を薄く制御することができることから、従来と同じ厚さであっても大容量のコンデンサ、又は同じ容量であっても薄いコンデンサを得ることができる。また、酸化物層は、その結晶構造がほぼ単結晶に近い状態であるため、信頼性の高いコンデンサを提供できる。
なお、本発明を用いてコンデンサを作製する場合、次のように行うのがよい。即ち、上記基体の代わりに、第1の電極を用いるのがよい。該第1の電極は、それを支える基板を有していてもよい。第1の電極の一方の表面に、又は第1の電極が基板を有する場合、該基板を有しない表面に、酸化物層を設けるのがよい。さらに、酸化物層の上に第2の電極を配置するのがよい。なお、このように作製したコンデンサの上にさらにコンデンサを積層することもできる。例えば、得られたコンデンサを基体として用い、さらにその上、即ち第2の電極上に酸化物層を設けることを順次、所望回数繰り返すことにより、所望の積層数のコンデンサを得ることができる。
本発明のフィルタ、即ち本発明の酸化物層を備えるフィルタは、以下のような特徴を有する。酸化物層の結晶性が良いため、Q値が高く共振特性がシャープになる。上述のように、酸化物層の層厚を少なくとも2nmから制御可能であることから、共振周波数の選択が広がる。空胴共振器と比較して、1/1000以下の体積で実現可能である。平面構造で共振器を形成できるため、量産性が高い。さらに、誘電体をフォトリソ技術でパターン化すると分波器等の他機能回路を形成できる。
なお、本発明を用いてフィルタを作製する場合、次のように行うのがよい。即ち、上記基体の代わりに、第1の電極を用いるのがよい。該第1の電極は、それを支える基板を有していてもよい。第1の電極の一方の表面に、又は第1の電極が基板を有する場合、該基板を有しない表面に、酸化物層を設けるのがよい。さらに、酸化物層の上に抵抗成分及び/又はリアクタンス成分を配置するのがよい。
実施例
以下、実施例を用いて、本発明をより具体的に説明する。但し、本実施例は単に例示であって、本発明を限定するものと解釈してはならない。
(実施例1)
<酸化物層用塗布液A−1の調製>
チタニウムn−ブトキサイド(Ti(OBu)0.05モル、n−ブタノール0.3モル、エチルベンゼン0.45モル及び水0.05モルをオートクレーブに入れ、密封し、150℃、圧力10気圧として、1.0時間反応を行い、反応液を得た。この反応液は透明な液体であった。
得られた液100mlを80℃で15分間エバポレーターに付して溶媒を除去し、塗布液A−1を20ml得た。塗布液A−1をサンプル管に入れ、透過光を観察したところ、淡黄色の透明液体であった。また、液が入ったサンプル管を回転させると運動方向に紡錘形が観察された。
<表面処理した基体B−1の調製>
基体として、結晶面が<100>である3インチSiウエハを用いた。
Siウエハは、次の順で表面処理した。即ち、(1)水洗、(2)BHF処理、(3)水洗、(4)第1の処理としての20%フッ硝酸処理、(5)水洗、(6)濃硫酸処理、(7)沸騰濃硫酸処理及び過酸化水素水添加処理、(8)水洗、(9)BHF処理、(10)水洗、及び(11)酸素プラズマ処理を行い、表面処理した基体B−1を得た。
上記の水洗((1)、(3)、(5)及び(8))は、バッチ槽での揺動水洗30秒及びハンドシャワーによる洗浄30秒を一セットとしてこれらを6セット以上行った。
(2)BHF処理は、常温で2分間浸漬することにより行った。
(4)20%フッ硝酸処理は、20秒間浸漬することにより行った。
(6)濃硫酸処理は、常温で5分間浸漬することにより行った。
(7)沸騰濃硫酸処理及びその後の過酸化水素の添加処理は、315℃で15分間濃硫酸に浸漬し、その後、過酸化水素水を数ml程度に分けて添加した。過酸化水素水の総量は、濃硫酸2リットルに対して100ml程度を目安にした。総量を添加後、5分間放置した。
(11)酸素プラズマ処理は、O:100ml/min、100W×5分間の条件で行った。
<塗布>
上記で得られた塗布液A−1 0.1mlを基体B−1に塗布した。塗布に際して、MIKASA社製1H−DX2型スピンコーターを用いてスピンコーティングを行い、塗布基体C−1を得た。
<焼成>
得られた塗布基体C−1を焼成した。焼成工程は、空気雰囲気下で行い、最高焼成温度500℃で行った。なお、詳しい昇温及び降温工程は、次の通りであった。即ち、室温から300℃まで3時間で昇温;300℃で1時間保持;300℃から500℃まで2時間で昇温;500℃で2時間保持;500℃から300℃まで2時間で降温;300℃で1時間保持;300℃から室温まで3時間で降温;という条件であった。
上記条件で焼成したところ、焼成体D−1を得た。焼成体D−1についてX線回折(CuKα)を測定したところ、2θ=約25°、48°及び53°にピークを有し、アナターゼ型TiOの結晶が得られたことがわかった(図1参照)。また、TiOの膜厚を、TOPOMETRIX社製原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定した結果、100nmであることがわかった。さらに、焼成体D−1の電子顕微鏡像を観察したところ、図2に示すように、緻密且つ格子像が観察されるTiO膜を有することがわかった。なお、図2には、Si基板とTiO膜との間に、厚さ2nmの層1が観察された。この層1の組成を分析したところ、SiとTiとO(酸素)とから成ることが確認された。
また、得られた焼成体D−1を熱衝撃試験に付した。熱衝撃試験は、−40℃で1時間保持し次いで+80℃で1時間保持する熱履歴を1000回行った。試験後の焼成体D−1を観察したところ、クラックは全く観察されなかった。これは、Si基板とTiO膜とが上記の層1を介して強固に接着していることによるものと考えられる。
得られたTiO膜のみを用いて、その耐電圧を測定した。耐電圧の測定に際して、TiO膜の両面に1.5mmの金を蒸着してこれを電極とした。これをアドバンテスト社製R8340A型マルチメーターを用いて測定した。
測定の結果、このTiO膜は、260kV/cmの耐電圧を有することがわかった。これは、単結晶TiOの耐電圧(約300kV/cm)に匹敵する値であった。
(実施例2)
実施例1の塗布基体C−1を用いた。該塗布基体を紫外線照射することにより焼成を行い、焼成体D−2を得た。
紫外線は、λ=200〜300nmであり、これを1時間行った。
得られた焼成体D−2について、実施例1と同様にX線回折測定及び電子顕微鏡像を観察した。その結果、X線回折については、実施例1と同様に、2θ=約約25°、48°及び53°にピークを有し、TiOの結晶が得られたことがわかった(図1参照)。また、電子顕微鏡像(図3)から緻密且つ格子像が観察されるTiO膜を有することがわかった。さらに、実施例1の熱衝撃試験と同じ試験を行った結果、全くクラック、剥離等の破壊は観察されなかった。
(実施例3〜6)
実施例1の塗布液A−1及び基体B−1と同じものを用い、表2記載のように塗布回数を変更し、塗布基体C−2〜C−5を得た。
得られた塗布基体C−2〜C−5を実施例1の焼成と同じ工程により焼成し、焼成体D−3〜D−6を得た。それぞれ、緻密なTiOの結晶の膜を有することが確認された。また、実施例1の熱衝撃試験と同じ試験を行った結果、全くクラック等の欠陥は観察されなかった。さらに、焼成体D−3〜D−6の酸化物層の膜厚をそれぞれ測定した。膜厚の測定結果も表2に示す。なお、膜厚についての誤差は、±10nmであった。
Figure 2002062569
表2から分かるように、塗布回数と膜厚とは、驚くほどの相関関係(比例関係)を有することがわかった。このことから、塗布回数を変化させることにより、得られる酸化物層の膜厚を制御できることがわかる。
(実施例7)
実施例1において基体B−1を基体B−2に代え且つ塗布工程をディップコーティングに代えた以外、その他の条件を実施例1と同じ条件で行い、焼成体D−7を得た。なお、基体B−2は、材料がガラスからなり、その形状は実施例1の基体B−1のウエハと異なり、湾曲部及びパイプ形状を含む異形状であった。得られた焼成体D−7は、緻密なTiOの結晶の膜を有することが確認された。また、実施例1の熱衝撃試験と同じ試験を行った結果、全くクラック、剥離等の破壊は観察されなかった。このことから、異形状の基体からでも本発明の構造体を製造できることがわかった。
産業上の利用可能性
本発明は、誘電体材料、該材料の製造方法、並びに該材料を用いた種々の電子デバイス、特に該材料を備える種々の製品、例えばコンデンサ;フィルタ;アクチエータ;ボルテージコントロールオシスレータ;並びに加速度又は力センサ及び光センサなどの各種センサなどに応用することができる。
また、本発明は、高い密着性を有する等の本発明の効果から、耐食性保護膜、表面を傷つけにくくするハードコート膜などの保護膜として用いることができる。
さらに、基体の層と酸化物層との組合わせにより、又は酸化物層を複数層とすることにより、無反射膜に応用することができる。
また、本発明は、1つの酸化物層又は複数の酸化物層により、ガス透過性を低下させるか又は全くガス透過性をなくす、いわゆるガスバリヤ膜として応用することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、焼成体D−1及びD−2のX線回折測定結果である。
図2は、焼成体D−1の電子顕微鏡像を示す図である。
図3は、焼成体D−2の電子顕微鏡像を示す図である。

Claims (47)

  1. 基体と該基体上にある酸化物層とを有する構造体であって、前記酸化物層は第1の金属の酸化物を有し、該酸化物は結晶性を有し、且つ前記基体と前記酸化物層とは、−10℃で1時間保持し次いで+80℃で1時間保持する熱履歴を1000回行う熱衝撃試験に耐える密着性を有する、構造体。
  2. 基体と該基体上にある酸化物層とを有する構造体であって、前記酸化物層は第1の金属の酸化物を有し、該酸化物は結晶性を有し、且つ前記基体と前記酸化物層とは、−40℃で1時間保持し次いで+80℃で1時間保持する熱履歴を1000回行う熱衝撃試験に耐える密着性を有する、構造体。
  3. 前記基体と前記酸化物層との間に、該基体の成分と該酸化物層の成分とを有してなる層を有する請求項1又は2記載の構造体。
  4. 前記酸化物層は第1の耐電圧を有し、該第1の耐電圧が、該酸化物層と同一組成の単結晶からなる誘電体の第2の耐電圧の60%以上である請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の構造体。
  5. 前記酸化物層は少なくとも2nmの厚さからその膜厚が制御可能である請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の構造体。
  6. 前記第1の金属が、Mg、Al、Si、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、In、Sn、Sb、Cs、Ba、Ta、W、Os、Ir、Pb、Bi、La、Ce及びGdからなる群から選ばれる1種以上である請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の構造体。
  7. 前記第1の金属の酸化物が、酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウムストロンチウム、タンタル酸ストロンチウムビスマス、ニオブ酸ストロンチウムビスマス、及びビスマス層状構造強誘電体からなる群から選ばれる請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の構造体。
  8. 前記基体の表面層が前記酸化物層である請求項1〜請求項7のいずれか1項記載の構造体。
  9. 前記基体が、単結晶シリコン、導電性酸化物、金属、及び高分子材料からなる群から選ばれる請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の構造体。
  10. 前記基体が第1の電極であり、前記酸化物層が誘電体層である請求項1〜請求項9の構造体を有してなるコンデンサ。
  11. 前記基体が第1の電極であり、前記酸化物層が誘電体層である請求項1〜請求項9の構造体を有してなるフィルタ。
  12. 第1の電極と該第1の電極上にある誘電体層と該誘電体層上にある第2の電極を有するコンデンサであって、前記誘電体層は第1の金属の酸化物を有し、該酸化物は結晶性を有し、且つ前記第1の電極と前記誘電体層とは、−10℃で1時間保持し次いで+80℃で1時間保持する熱履歴を1000回行う熱衝撃試験に耐える密着性を有する、コンデンサ。
  13. 第1の電極と該第1の電極上にある誘電体層と該誘電体層上にある第2の電極を有するコンデンサであって、前記誘電体層は第1の金属の酸化物を有し、該酸化物は結晶性を有し、且つ前記第1の電極と前記誘電体層とは、−40℃で1時間保持し次いで+80℃で1時間保持する熱履歴を1000回行う熱衝撃試験に耐える密着性を有する、コンデンサ。
  14. 前記第1の電極と前記誘電体層との間に、該第1の電極の成分と該誘電体層の成分とを有してなる層を有する請求項12又は13記載のコンデンサ。
  15. 前記誘電体層は第1の耐電圧を有し、該第1の耐電圧が、該誘電体層と同一組成の単結晶からなる誘電体の第2の耐電圧の60%以上である請求項12〜請求項14のいずれか1項記載のコンデンサ。
  16. 前記誘電体層は少なくとも10nmの厚さからその膜厚が制御可能である請求項12〜請求項15のいずれか1項記載のコンデンサ。
  17. 前記第1の金属が、Mg、Al、Si、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、In、Sn、Sb、Cs、Ba、Ta、W、Os、Ir、Pb、Bi、La、Ce及びGdからなる群から選ばれる1種以上である12〜請求項16のいずれか1項記載のコンデンサ。
  18. 前記第1の金属の酸化物が、酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウムストロンチウム、タンタル酸ストロンチウムビスマス、ニオブ酸ストロンチウムビスマス、及びビスマス層状構造強誘電体からなる群から選ばれる請求項12〜請求項16のいずれか1項記載のコンデンサ。
  19. 第1の電極と該第1の電極上にある誘電体層と該誘電体層上にある抵抗成分及び/又はリアクタンス成分を有するフィルタであって、前記誘電体層は第1の金属の酸化物を有し、該酸化物は結晶性を有し、且つ前記第1の電極と前記誘電体層とは、−10℃で1時間保持し次いで+80℃で1時間保持する熱履歴を1000回行う熱衝撃試験に耐える密着性を有する、フィルタ。
  20. 第1の電極と該第1の電極上にある誘電体層と該誘電体層上にある抵抗成分及び/又はリアクタンス成分を有するフィルタであって、前記誘電体層は第1の金属の酸化物を有し、該酸化物は結晶性を有し、且つ前記第1の電極と前記誘電体層とは、−40℃で1時間保持し次いで+80℃で1時間保持する熱履歴を1000回行う熱衝撃試験に耐える密着性を有する、フィルタ。
  21. 第1の金属の塩、水、疎水性溶媒、及び親水性溶媒をオートクレーブ中で混合して混合物を得る工程を有する、第1の金属の酸化物形成用液の調製方法。
  22. 前記混合工程を温度20〜300℃及び圧力1〜30気圧の条件下で行う請求項21記載の方法。
  23. 前記第1の金属の塩が、アルコキシド及び有機酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項21又は請求項22記載の方法。
  24. 前記疎水性溶媒が、直鎖又は分岐鎖の炭化水素及び芳香族炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項21〜請求項23のいずれか1項記載の方法。
  25. 前記親水性溶媒が、炭素数1〜10のアルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項21〜請求項24のいずれか1項記載の方法。
  26. 基体上に酸化物層を有する構造体の製造方法であって、該方法は、酸化物層用塗布液を調製する塗布液調製工程;塗布液調製工程とは別に基体表面を前処理して前処理済基体を得る基体表面前処理工程;前処理済基体に酸化物層用塗布液を塗布して塗布基体を得る塗布工程;及び塗布基体を焼成して基体上に酸化物層を形成する焼成工程を有し、基体表面前処理工程は、基体の表面を1次元又は2次元的な規則構造を有する面とする第1の処理を含む、構造体の製造方法。
  27. 前記酸化物層の酸化物は結晶性を有し、且つ前記構造体は、基体と前記酸化物層とが、−10℃で1時間保持し次いで+80℃で1時間保持する熱履歴を1000回行う熱衝撃試験に耐える密着性を有する請求項26記載の方法。
  28. 前記酸化物層の酸化物は結晶性を有し、且つ前記構造体は、基体と前記酸化物層とが、−40℃で1時間保持し次いで+80℃で1時間保持する熱履歴を1000回行う熱衝撃試験に耐える密着性を有する請求項26記載の方法。
  29. 塗布液調製工程は、第1の金属の塩、水、疎水性溶媒及び親水性溶媒をオートクレーブ中で混合する混合工程、及び混合して得られた液を濃縮する濃縮工程を有し、前記構造体の酸化物層が第1の金属の酸化物である請求項26〜請求項28のいずれか1項記載の方法。
  30. 前記混合工程を、温度20〜300℃及び圧力1〜30気圧の条件下で行う請求項29記載の方法。
  31. 基体表面前処理工程は、第1の処理後、酸素プラズマ処理を有する請求項26〜30のいずれか1項記載の方法。
  32. 前記基体が、単結晶シリコン、導電性酸化物、金属、及び高分子材料からなる群から選ばれる請求項26〜31のいずれか1項記載の方法。
  33. 前記第1の金属が、Mg、Al、Si、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、In、Sn、Sb、Cs、Ba、Ta、W、Os、Ir、Pb、Bi、La、Ce及びGdからなる群から選ばれる1種以上である請求項29〜請求項32のいずれか1項記載の方法。
  34. 前記酸化物層の酸化物が、酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウムストロンチウム、タンタル酸ストロンチウムビスマス、ニオブ酸ストロンチウムビスマス、及びビスマス層状構造強誘電体からなる群から選ばれる1種以上である請求項29〜請求項32のいずれか1項記載の方法。
  35. 請求項1〜請求項8のいずれかの1項記載の構造体を有してなる保護膜。
  36. 請求項1〜請求項8のいずれかの1項記載の構造体を有してなる保護膜であって、酸化物層が保護膜に相当する保護膜。
  37. 前記保護膜が、耐食性保護膜又はハードコート膜である請求項35又は請求項36記載の保護膜。
  38. 請求項26〜請求項34のいずれかの1項記載の構造体の製造方法によって作成される保護膜。
  39. 請求項36又は37記載の保護膜の製造方法であって、請求項26〜請求項34のいずれかの1項記載の構造体の製造方法において酸化物層が保護膜に相当する保護膜の製造方法。
  40. 請求項1〜8のいずれか1項記載の構造体を有してなる無反射膜。
  41. 請求項1〜8のいずれか1項記載の構造体を有してなる無反射膜であって、基体と酸化物層との組合せによって、又は複数の酸化物層によって無反射が提供される無反射膜。
  42. 請求項26〜請求項34のいずれかの1項記載の構造体の製造方法によって作成される無反射膜。
  43. 請求項40又は41記載の無反射膜の製造方法であって、請求項26〜請求項34のいずれかの1項記載の構造体の製造方法において基体と酸化物層との組合せによって、又は複数の酸化物層によって無反射が提供される無反射膜の製造方法。
  44. 請求項1〜8のいずれか1項記載の構造体を有してなるガスバリヤ膜。
  45. 請求項1〜8のいずれか1項記載の構造体を有してなるガスバリヤ膜であって、酸化物層がガスバリヤ膜に相当するガスバリヤ膜。
  46. 請求項26〜請求項34のいずれかの1項記載の構造体の製造方法によって作成されるガスバリヤ膜。
  47. 請求項44又は45記載のガスバリヤ膜の製造方法であって、請求項26〜請求項34のいずれかの1項記載の構造体の製造方法において酸化物層がガスバリヤ膜に相当するガスバリヤ膜の製造方法。
JP2002562555A 2001-02-05 2002-01-30 酸化物層を有する構造体、該構造体の製造方法、並びに該構造体を用いたコンデンサ及びフィルタ Pending JPWO2002062569A1 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001027713 2001-02-05
JP2001027713 2001-02-05
JP2001173166 2001-06-07
JP2001173166 2001-06-07
PCT/JP2002/000708 WO2002062569A1 (fr) 2001-02-05 2002-01-30 Structure a couche d'oxyde, procede de production de cette structure, et condensateur et filtre utilisant cette structure

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2002062569A1 true JPWO2002062569A1 (ja) 2004-11-11

Family

ID=26608892

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002562555A Pending JPWO2002062569A1 (ja) 2001-02-05 2002-01-30 酸化物層を有する構造体、該構造体の製造方法、並びに該構造体を用いたコンデンサ及びフィルタ

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2002062569A1 (ja)
WO (1) WO2002062569A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4876422B2 (ja) * 2005-03-31 2012-02-15 大日本印刷株式会社 積層体
CN102362324B (zh) 2009-03-23 2014-04-09 东洋铝株式会社 电极结构体、电容器、电池及电极结构体的制造方法
KR20130076793A (ko) 2010-04-07 2013-07-08 도요 알루미늄 가부시키가이샤 전극 구조체의 제조 방법, 전극 구조체 및 콘덴서

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0737754A (ja) * 1993-07-16 1995-02-07 Murata Mfg Co Ltd 誘電体薄膜素子
US5939194A (en) * 1996-12-09 1999-08-17 Toto Ltd. Photocatalytically hydrophilifying and hydrophobifying material
JP3314134B2 (ja) * 1996-03-29 2002-08-12 京セラ株式会社 複合酸化物薄膜の製造方法
JPH11204364A (ja) * 1998-01-13 1999-07-30 Fuji Electric Co Ltd 誘電体薄膜コンデンサの製造方法
JPH11283864A (ja) * 1998-03-27 1999-10-15 Hokuriku Electric Ind Co Ltd コンデンサとその製造方法
DE69939680D1 (de) * 1998-12-24 2008-11-20 Murata Manufacturing Co Keramische Zusammensetzung für Hochfrequenzanwendungen, dielektrischer Resonator, dielektrischer Filter, dielektrischer Duplexer und Kommunikationsvorrichtung

Also Published As

Publication number Publication date
WO2002062569A1 (fr) 2002-08-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8951603B2 (en) Method for producing ferroelectric thin film
Kang et al. (1− x) Ba (Zr 0.2 Ti 0.8) O 3–x (Ba 0.7 Ca 0.3) TiO 3 Ferroelectric Thin Films Prepared from Chemical Solutions
JPH0369512A (ja) 改良ペロブスカイト薄膜
US20050191518A1 (en) Electronic device formed from a thin film with vertically oriented columns with an insulating filler material
US20160254439A1 (en) Process for making lead zirconate titanate (pzt) layers and/or platinum electrodes and products thereof
JPH06236988A (ja) 多層構造
JP2013505189A (ja) 低温度での強誘電体薄膜の製造方法、その方法で得られた強誘電体薄膜及びそのアプリケーション
CA2569927C (en) Process for preparing piezoelectric materials
Dippel et al. Evolution of short-range order in chemically and physically grown thin film bilayer structures for electronic applications
US5925183A (en) Method for producing layer-structured perovskite thin film of bismuth-based compounds having ferroelectric properties
KR20160138417A (ko) Mn 도프의 PZT 계 압전체막 형성용 조성물 및 Mn 도프의 PZT 계 압전체막
EP3125316B1 (en) Mn AND Nb CO-DOPED PZT-BASED PIEZOELECTRIC FILM
JPWO2002062569A1 (ja) 酸化物層を有する構造体、該構造体の製造方法、並びに該構造体を用いたコンデンサ及びフィルタ
KR0156044B1 (ko) 층상구조 산화물의 화학용액 처리방법
EP3261138B1 (en) Piezoelectric ptzt film
CN110643948A (zh) 一种钛酸锶/钌酸锶铁电超晶格薄膜材料及其制备方法
CN107346802B (zh) 压电膜及其制备方法
CN104072131B (zh) 铁电薄膜形成用组合物的制造方法及其用途
US6153317A (en) Perovskite phase thin films and method of making
Golosov et al. Ferroelectric properties of niobium-doped strontium bismuth tantalate films
Saif et al. Substrate effect on structural and humidity sensing of sol-gel derived Er-BaTiO3 thin films
JP7168079B2 (ja) 圧電体膜および圧電素子
Golosov et al. Influence of the annealing temperature on the ferroelectric properties of niobium-doped strontium–bismuth tantalate
He et al. Combinatorial preparation and ferroelectric properties of compositionally gradient PZT thin films
Wang et al. Microstructure and electrical properties of PZT thin films deposited by laser ablation on template layer

Legal Events

Date Code Title Description
AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20040728

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071106

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080507