JPH11204364A - 誘電体薄膜コンデンサの製造方法 - Google Patents

誘電体薄膜コンデンサの製造方法

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JPH11204364A
JPH11204364A JP436398A JP436398A JPH11204364A JP H11204364 A JPH11204364 A JP H11204364A JP 436398 A JP436398 A JP 436398A JP 436398 A JP436398 A JP 436398A JP H11204364 A JPH11204364 A JP H11204364A
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JP
Japan
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thin film
dielectric thin
dielectric constant
layer
dielectric
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JP436398A
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English (en)
Inventor
Yukinori Kawamura
幸則 河村
Hiroyuki Fujisawa
広幸 藤澤
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鉛を含むペロブスカイト型酸化物結晶を用いた
高誘電率の誘電体薄膜コンデンサを得る。 【解決手段】ゾルゲル法で形成した誘電体薄膜14の表
面層に生じる低誘電率層14bを、逆スパッタや超精密
ラッピングフィルムを用いた研磨等の物理的手段、また
はふっ硝酸溶液によるエッチング等の化学的手段で除去
し、その表面上に上部電極16を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高誘電率を有する
誘電体薄膜を用いた誘電体薄膜コンデンサの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】鉛(以下Pbと記す)を含む複合ペロブ
スカイト酸化物は、室温で大きな比誘電率を有するた
め、コンデンサ材料として有用である。特に、組成がP
b(M1 1/2 M21/2 )O3 で表わされ、M1がスカン
ジウム(Sc)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)
のいずれかの金属、M2がタンタル(Ta)、ネオビウ
ム(Nb)のいずれかの金属であるセラミックスのバル
ク材料は、いずれも室温で10000以上の比誘電率を
有する。従って、このセラミックスを薄膜化してコンデ
ンサを構成できれば容量が非常に大きく、しかも小型、
軽量のコンデンサを実現できて、小型電源やフィルター
のIC回路に組み込むことにより、電気機器(特に携帯
機器)の小型化、軽量化に大きく寄与できることにな
る。このためこのセラミックスの薄膜化が検討されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このセラミックス材料
の薄膜化のため、ささまざまな化学的、または物理的薄
膜形成法が検討されているが、これまで報告されている
範囲では、薄膜化したこのセラミックスの比誘電率はバ
ルク材料の1/10〜1/5に減少してしまう。その原
因として、通常誘電体薄膜形成の後、良質の結晶とす
るため700℃程度の温度で熱処理するいわゆる結晶化
処理を施すが、Pbの蒸気圧が他の金属元素に比べ高い
ため、結晶化温度でPbが蒸発し、表面近傍の組成が変
化して低誘電率層が形成されることが挙げられる。
【0004】図2は、試作された薄膜コンデンサの断面
図である。シリコンウェハ21上に、スパッタ法により
チタン(Ti)膜22、白金(Pt)膜23を形成した
後、ゾルゲル法により、Pb(M11/2 M21/2 )O3
の誘電体薄膜24を堆積し、更にその上にスパッタ法に
より白金(Pt)層22を形成したものである。ゾルゲ
ル法において、誘電体薄膜24を堆積後約700℃の結
晶化処理をすると、誘電体薄膜24の表面層に低誘電率
層24bができる。
【0005】いま、誘電体薄膜の表面近傍に低誘電率層
が存在すると、コンデンサ全体の容量は、低誘電率層の
コンデンサと高誘電率層のコンデンサの直列結合の容量
となる。CL を低誘電率層の容量、CH を高誘電率層の
容量として、CL <<CH の場合、コンデンサ全体の容
量CT は、 CT =1/(1/CL +1/CH )=CL H /(CL
+CH )≒CL とあらわされる。
【0006】このように、誘電率が小さい低誘電率層が
あると、コンデンサ全体の容量は、低誘電率層の容量に
大きく影響される結果となる。薄膜の比誘電率が小さく
なる他の原因としては、結晶性がバルクセラミックス
に比べ悪い、下部金属電極を通してPb元素が拡散
し、下部電極近傍に低誘電率層が形成される、などが考
えられている。
【0007】本発明においてはの原因に着目し、誘電
体薄膜の表面近傍に形成される低誘電率層を除去し、容
量の大きい薄膜コンデンサの製造方法を確立することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題解決のため本発
明は、Pbを含むペロブスカイト型酸化物結晶からなる
誘電体薄膜を一対の対向する金属電極で挟んだ構造であ
って、その誘電体組成が Pb(M11/2 M21/2 )O3 で表わされ、M1がSc、Zn、Mgのいずれか、M2
がTa、Nbのいずれかである誘電体薄膜コンデンサの
製造方法において、基板上に金属電極を形成し、その金
属電極上に誘電体薄膜を形成した後、誘電体薄膜表面近
傍の低誘電率層を除去し、その上に上部電極を形成する
ものとする。
【0009】誘電率が小さい低誘電率層があると、コン
デンサ全体の容量は、低誘電率層の容量に大きく影響さ
れる結果となるが、表面近傍の低誘電率層を除去するこ
とにより、その影響が取り除かれて高誘電率層だけの薄
膜コンデンサとなる。ゾルゲル法により、誘電体薄膜を
形成したものにおいては、Pbの蒸発により表面近傍の
組成が変化して低誘電率層が形成されている。
【0010】表面層の低誘電率層を除去する方法として
は、逆スパッタ、ラッピングフィルムを用いた研磨、フ
ッ酸溶液等を用いた化学的エッチングのいずれの方法で
も、表面層を薄く均一に除去でき、かつエッチング後の
表面に悪影響を残さない方法であって採ることができ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】[実施例1]図1(a)は、本発
明の方法にかかる誘電体薄膜コンデンサの、基板に金属
電極と誘電体薄膜を形成した状態の断面図である。11
は、基板として用いた熱酸化膜付きのシリコンウエハ、
12、13はいずれもRFマグネトロンスパッタ法で形
成した厚さがそれぞれ20nm、200nmのチタン
(Ti)膜と白金(Pt)膜である。14は誘電体薄膜
のPb(Sc 1/2 Ta1/2 )O3 である。
【0012】誘電体薄膜14は、有機金属を用いたゾル
ゲル法で形成した。まず、Pb(Sc1/2 Ta1/2 )O
3 の化学量論組成に混合したゾルを、通常のスピンコー
ト法で塗布する。回転数は3000rpmである。塗布
と空気中での仮焼を数回繰り返し、膜厚を600nmと
する。仮焼成温度は400℃で、本焼成温度は、700
℃とした。誘電体薄膜14の表面近傍に低誘電率層14
aが生じている。
【0013】その後、基板をスパッタ装置のチャンバー
内のアノードにセットし、接続したRF電源(13.5
6MHz)により、Arガス圧約7Paの条件で約10
分間逆スパッタした。これにより、表面層が約100n
mエッチングされて、表面層の低誘電率層14aは除去
され高誘電率層14bだけが残る。その後、再びRFマ
グネトロンスパッタ法で白金を蒸着して、厚さ200n
m、直径1mmの上部電極16を設ける。
【0014】図1(b)は、最終的に形成された誘電体
薄膜コンデンサの断面図である。比較のために、膜厚5
00mnとなるようにゾルゲル法で誘電体薄膜を形成し
た後、表面層を除去せずに上部電極を設けた誘電体薄膜
コンデンサを作製した。両者の誘電特性を測定し比較し
た結果、比較例の誘電体薄膜コンデンサでは比誘電率が
2000程度であったのに対し、本発明の方法にかかる
誘電体薄膜コンデンサでは比誘電率が3000〜350
0であった。
【0015】これは、表面層の低誘電率層が除去され
て、高誘電率層のみの薄膜コンデンサが作製されたこと
の証明である。逆スパッタによる表面層のエッチング量
を変えて薄膜コンデンサを試作した。50nmのエッチ
ングでは不十分であり、200nmのエッチングでは1
00nmのものと変わりが無かった。このことから、低
誘電率層の厚さは100nm以下であり、100nmの
エッチングで十分であることがわかった。
【0016】[実施例2]実施例1の逆スパッタ法の代
わりに、ラッピングフィルムを用いて低誘電率層を除去
する方法を試みた。用いたフィルムは、超精密ラッピン
グフィルム(例えば住友3M社製#20000)であ
る。実施例1と同様にゾルゲル法で誘電体層を形成した
後、超精密ラッピングフィルムで表面層を約100nm
研磨した。
【0017】実施例1と同様に上部電極を設けて、薄膜
コンデンサとし、評価した。結果は、本実施例の方法の
薄膜コンデンサでは、比誘電率が2500〜3000で
あり、実施例1に比べやや低い値であったが、比誘電率
が高くなることが確認された。この方法は、逆スパッタ
のための装置が不要であり、手軽に実施できる利点があ
る。実施例1に比べて比誘電率が低い理由は、確認した
わけではないが、機械的に削ったため、欠陥または残留
歪みによるものと考えられる。
【0018】誘電体層の表面層を薄く除去する方法とし
ては、適当な濃度に調製したふっ硝酸溶液を用いたエッ
チングによっても実施できる。そのような化学的なエッ
チングであれば、実施例2のような欠陥または残留歪み
の問題は生じないと思われる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、高
誘電率を有するPbを含むペロブスカイト型酸化物結晶
からなる誘電体薄膜を形成した後、上部電極を形成する
前に誘電体薄膜の表面近傍の低誘電率層を物理的または
化学的に除去することにより、高い比誘電率を有する誘
電体薄膜コンデンサを実現できた。
【0020】本発明は、小型電源やフィルターのIC回
路等に組み込むコンデンサの小型化、軽量化の要求を満
たし、電気機器(特に携帯機器)の小型化、軽量化に大
きく寄与することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の製造方法にかかる誘電体薄膜
コンデンサのウエハに金属電極、誘電体層を形成した状
態の断面図、(b)は低誘電率層を除去した後、上部電
極を形成した状態の断面図
【図2】本発明の製造方法によらない誘電体薄膜コンデ
ンサの断面図
【符号の説明】
11 Siウェハ 12 Ti層 13 Pt層 14 誘電体層 14a 高εr層 14b 低εr層 16 上部電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉛(Pb)を含むペロブスカイト型酸化物
    結晶からなる誘電体薄膜を一対の対向する金属電極で挟
    んだ構造であって、その誘電体組成が Pb(M11/2 M21/2 )O3 で表わされ、M1がスカンジウム(Sc)、亜鉛(Z
    n)、マグネシウム(Mg)のいずれか、M2がタンタ
    ル(Ta)、ネオビウム(Nb)のいずれかである誘電
    体薄膜コンデンサの製造方法において、基板上に金属電
    極膜を形成し、その金属電極膜上に誘電体薄膜を形成し
    た後、誘電体膜表面近傍の低誘電率層を除去し、その上
    に上部電極を形成することを特徴とする誘電体薄膜コン
    デンサの製造方法。
  2. 【請求項2】ゾルゲル法により、誘電体薄膜を形成する
    ことを特徴とする請求項1記載の誘電体薄膜コンデンサ
    の製造方法。
  3. 【請求項3】逆スパッタにより、誘電体薄膜表面層の低
    誘電率層を除去することを特徴とする請求項1または2
    に記載の誘電体薄膜コンデンサの製造方法。
  4. 【請求項4】ラッピングフィルムを用いた研磨により、
    誘電体薄膜表面層の低誘電率層を除去することを特徴と
    する請求項1または2に記載の誘電体薄膜コンデンサの
    製造方法。
  5. 【請求項5】化学的エッチングにより、誘電体薄膜表面
    層の低誘電率層を除去することを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の誘電体薄膜コンデンサの製造方法。
  6. 【請求項6】ふっ硝酸溶液により、誘電体薄膜表面層の
    低誘電率層を除去することを特徴とする請求項5記載の
    誘電体薄膜コンデンサの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002062569A1 (fr) * 2001-02-05 2002-08-15 Ct For Advanced Science & Tech Structure a couche d'oxyde, procede de production de cette structure, et condensateur et filtre utilisant cette structure
EP1686598A1 (fr) * 2005-02-01 2006-08-02 Commissariat A L'Energie Atomique Condensateur à champ de claquage élevé

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