JPWO2002053821A1 - 上糸カセット付きミシン及び上糸カセット - Google Patents

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Abstract

カセット装着部(3)を小型化した上糸カセット付きミシンが提供される。ミシンのアーム頭部に天秤移動領域を含むカセット装着部(3)を縦溝状に形成し、このカセット装着部(3)に、糸駒(62)が縦向きに収容された上糸カセット(2)が鉛直上方から着脱可能に装着される。針上停止位置に対応する位置に天秤(25)を停止させた状態で、上糸カセット(2)をカセット装着部(3)に装着することにより、天秤(25)の糸掛け部と糸調子器(9)に糸掛けが行われる。

Description

技術分野
本発明は、アーム部のカセット装着部に着脱自在に装着される上糸カセットを備えた上糸カセット付きミシン及び上糸カセットに関するものである。
背景技術
通常のミシンにおいては、アーム部内に主軸で駆動される天秤機構や針棒駆動機構が配設され、天秤はアーム頭部の縦スリットから部分的に突出し上下に往復駆動される。アーム部の上端側に糸駒装着部が設けられ、アーム部の前面側に糸調子器と糸調子バネが配設され、この糸調子器の付近に糸調子器の調節ダイヤルが設けられている。針棒はアーム頭部の下方へ突出して、この針棒の下端部に針が取付けられ、縫製対象の生地を押える押え足とこの押え足を支持する押え棒は、押え上げレバーにより生地を押える下降位置と上方へ退避させた退避位置とに切換え可能である。
縫製を停止して上糸の糸駒を交換する場合、押え足は退避位置にあり、糸調子器が開放状態になっている。その状態で糸駒を交換し、この糸駒から繰り出した上糸を複数の糸案内部を経て糸調子器に導き、開放状態の1対の糸調子皿の間と糸調子バネとに糸掛けし、天秤の糸掛け部に糸掛けし、その後針の針穴に上糸の端部を糸通しする。このように、上糸の糸駒を交換する際には糸調子器、糸調子バネ、天秤の糸掛け部に糸掛けを行い、更に、針穴に糸通しを行なう。
米国特許第3,749,039号には、上糸カセットをアーム部に着脱可能に構成し、糸掛けを簡単に行えるようにした技術が記載されている。このミシンのアーム部の左右方向ほぼ中央部にはカセット装着部が設けられ、このカセット装着部に上方から上糸カセットを着脱可能になっている。前記カセット装着部は、天秤機構の天秤が上下に往復移動する天秤移動空間の右側に形成され、天秤の先端側部分はカセット装着部の左端部に突入して上下に往復移動する。
この米国特許第3,749,039号に記載の上糸カセットは、正面視ほぼ台形をなすカセットケースを有し、このカセットケースはケース本体と開閉蓋からなる。カセットケース内の上部の糸駒収容部には糸駒がその軸心を水平にして収容され、この糸駒の上糸は右方へ所定長さほぼ水平に繰り出される。カセットケースの中央部の下部には糸調子器を突入させる為の第1切欠き部が形成され、カセットケースの左端部の下部には天秤を導入する為の第2切欠き部が形成されている。
糸駒から繰り出された上糸を案内する5つの糸案内が設けられている。第1糸案内はカセットの右端部の上部に設けられ、第2,第3糸案内は第1切欠き部を挟む位置に設けられ、第4,第5糸案内は第2切欠き部を挟む位置に設けられている。第1糸案内には、上糸カセットをカセット装着部に装着しない状態で上糸に抵抗を付与し且つカセット装着後には開放する第1抵抗付与部が設けられている。第5糸案内には、カセット未装着の状態で上糸に抵抗を付与し且つカセット装着後には開放する第2抵抗付与部が設けられている。この第2抵抗付与部では第1抵抗付与部よりも強い抵抗を付与するようになっている。
アーム部に設けたカセット装着部の左端部分には、上糸カセットを装着する際に上糸を案内して天秤の糸掛け部に案内する糸案内部材が設けられている。この糸案内部材は左右1対のアーム板とウェブとを一体形成したもので、1対のアーム板の後端には上糸を案内する案内面が形成され、これらアーム板には天秤の糸掛け部に対応するノッチ(切欠き部)が形成されている。また、上糸カセットとカセット装着部には、上糸カセットの装着時に糸調子器の1対の糸調子皿を開いた状態にし、上糸カセットの装着完了後に1対の糸調子皿を閉じる機構が設けられている。
上糸カセットをカセット装着部に装着する場合には、最初に、手動操作で主軸を回転させて天秤を最下位置に移動させる。次に、上糸カセットを上方からカセット装着部に装着していくと、上糸が糸案内部材で案内されつつ下降し、第2,第3糸案内の間の上糸が糸調子器と糸調子バネに自動的に糸掛けされ、第4,第5糸案内の間の上糸が糸案内部材の案内面で案内されて天秤の糸掛け部に自動的に糸掛けされ、上糸カセットが装着完了状態になると、第1,第2抵抗付与部が開放状態になり、その後の縫製中には糸駒から上糸が繰り出される。
一方、特開昭55−81693号公報には、ミシンのカセット式通糸装置が提案されている。このカセット式通糸装置では、アーム部の天秤移動領域とその右側領域に設けたカセット装着部と、このカセット装着部を開閉するカバー体を設け、このカバー体に上糸カセットを着脱する。カセット装着部には糸調子器と糸取りバネとが突出し、カセット装着部の左端部には天秤移動空間がある。
上糸カセットは、糸巻体収容部と、1対の脚部などを有し、糸巻体の中心から繰り出した上糸を1対の脚部の間に延ばして自由スパンを形成する。カバー体を前方へ90度回動させて開き、このカバー体に上糸カセットをセットしてから、カバー体を閉じる。天秤を最下位置にしてカバー体を閉じる閉動作の際、上糸カセットの自由スパンが糸調子器と糸取りバネに自動的に糸掛けされる。その後、天秤を上昇させると、天秤の糸掛け部に自動的に上糸が掛けられる。尚、前記カバー体を閉じた状態では、糸巻の軸心は水平方向且つ前後方向に向いている。
他方、特開平7−24173号公報にはミシンのアーム頭部の左側面のカートリッジ装着部に着脱可能に装着される上糸カートリッジが記載されている。この上糸カートリッジは、ケース内に糸巻(糸駒)を保持し、ケースの壁部に天秤の糸掛け部が突入するスリットが形成され、ケース内には天秤の糸掛け部に掛ける上糸を支持するカートリッジレバーを設け、天秤の糸掛け部の上下方向の位置に関係なくカートリッジをカートリッジ装着部に装着して天秤の糸掛け部に糸掛けすることができるようになっている。
発明の開示
前述の米国特許第3,749,039号に記載の上糸カセットは、ミシンのアーム部の左右方向ほぼ中央部の前面部に形成したカセット装着部に装着される。この上糸カセットにおいては、上糸カセット内に糸駒を横向き姿勢に収容し、その糸駒から右方へ上糸を所定長さ繰り出し、第1〜第5糸案内を経て外部へ導くため、上糸カセットの左右方向幅が非常に大きくなり、上糸カセットが大型のものになってしまう。同様に、ミシンのアーム部に形成するカセット装着部も大型化し、アーム部のデザイン上の制約も多くなる。
しかも、主軸を手動で回転させて天秤の糸掛け部を最下位置(糸緩め位置)に保持した状態で、上糸カセットをカセット装着部に装着するようになっており、上糸カセットをカセット装着部に装着した状態では、第1,第2抵抗付与部が開放されるため、縫製開始時に天秤が最上位置(糸締め位置)に移動する際に、糸駒から上糸が繰り出されるとは限らず、針穴の方の上糸が引っ張られて、上糸が針穴から外れてしまうおそれがある。
通常、ミシンを停止させる場合、針棒を最上位置にして停止するが、このとき天秤もその最上位置の付近の糸締め途中の位置にある。前述の米国特許第3,749,039号に記載のミシンでは、上糸カセットを装着する際に、天秤を手動操作により最下位置に切換える必要があるため、その操作が煩わしいものとなる。
ミシンのアーム部の内部のうちアーム頭部に近い部分には、主軸に連結された針棒クランクや天秤クランクが配設され、その左側付近に天秤が往復移動する天秤運動空間がある。前記クランク類は回転半径が大きく、広いスペースを取る。
前述の米国特許第3,749,039号に記載のミシンでは、天秤運動空間及びその右側の空間に前記クランク類と干渉しないようにカセット装着部を形成するため、カセット装着部が前方(手前側)へ張り出し、アーム部の前後方向幅が大きくなり大型化してしまう。
本発明は、上糸カセットとカセット装着部とを小型化可能にするとともに、操作性の優れた上糸カセット付きミシン及び上糸カセットを提供する。
本発明にかかる上糸カセット付きミシンは、例えば、糸駒を収納した上糸カセットがアーム部に着脱可能に装着される上糸カセット付きミシンにおいて、天秤の糸掛け部が往復移動する天秤移動領域の近傍に設けられ、前記上糸カセットが着脱可能に装着されるカセット装着部を備え、前記上糸カセットは、カセットケースと、このカセットケース内に設けられた糸駒を保持する糸駒保持部とを有し、前記糸駒保持部に保持した糸駒の軸心方向とこの糸駒からの糸の繰り出し方向との少なくとも一方を天秤の糸掛け部の往復移動方向とほぼ平行にして、前記カセット装着部へ装着されるように構成することができる。
このように構成された上糸カセット付きミシンは、上糸カセットの左右方向、すなわち、天秤の糸掛け部の往復移動方向と交差する方向の幅を小さく構成して上糸カセットとカセット装着部の小型化を図ることが可能となる。一般に、ミシンにおいては、縫い針が被縫製物を貫通する方向にひろがるスペースよりも、縫い針の往復移動方向に交差する方向、すなわち、天秤の糸掛け部の往復移動方向に交差する方向にひろがるスペースの方がミシンの設置スペースに大きな影響を及ぼす。従って、天秤の糸掛け部の往復移動方向と交差する方向の幅を小さく構成した上糸カセットとカセット装着部は、ミシンの小型化に大きく貢献することができる。
また、カセット装着部は、天秤の糸掛け部が往復移動する天秤移動領域の近傍に設けられるが、上糸カセットの左右方向の幅を小さくして小型化してあるため、アーム部における天秤移動領域から左側の部位、すなわち、アーム部の先端側に対応する部位にカセット装着部を形成することが可能となる。
また、例えば、上記構成に対して、更に、カセット装着部を上糸カセットを上方から着脱するように形成すると共に、上糸カセットの着脱の際上糸カセットを直線状に案内する溝状の案内部を形成することも可能である。
このような構成とすることにより、上糸カセットを装着する際には、上方からカセット装着部に挿入して直線的に下方へ移動させればよいことになるので、簡単な操作で上糸カセットを装着することできるようになる。
また、上糸カセットを取り外す際には、上糸カセットを上方へ直線的に移動させればよいので、やはり、簡単な操作で上糸カセットを取り外すことができる。
また、本発明にかかる上糸カセット付きミシンは、例えば、糸駒を収納した上糸カセットがアーム部に着脱可能に装着される上糸カセット付きミシンにおいて、前記アーム部の先端部分の前面部に設けられ、前記上糸カセットが着脱可能に装着されるカセット装着部と、前記アーム部において、前記カセット装着部の近傍でより基部側の部位に設けられ、天秤の糸掛け部が往復移動する天秤移動領域と、前記カセット装着部の下端側部位で突出して設けられた糸調子器とを備え、前記上糸カセットは、カセットケースを備え、前記カセットケースには、前記糸駒をその軸心を鉛直にして保持する糸駒保持部と、前記糸駒から繰り出された糸を前記カセットケースの外へ供給する糸出口と、前記糸駒から繰り出された糸を前記糸出口へ導く糸経路と、天秤の糸掛け部をカセットケース内へ突入させる為のスリットと、糸調子器をカセットケース内へ突入させる為の切欠き部とが形成されるように構成することも可能である。
このように構成された上糸カセット付きミシンでは、上糸カセットは、そのカセットケース内に糸駒をその軸心を鉛直にして保持する糸駒保持部を有するため、上糸カセットの左右方向の幅を小さくして、上糸カセットとカセット装着部の小型化を図ることができる。
また、アーム部においてカセット装着部の右端側部分、すなわち、より基部側に天秤の糸掛け部が往復移動する天秤移動領域を設けるので、アーム部内部の回転半径の大きな針棒クランクや天秤クランクも、アーム部の先端部分よりも右側、すなわち、より基部側に配置されることになる。よって、カセット装着部を、前記アーム部の先端部分の前面部に設けることで、カセット装着部は、天秤移動領域から左側部分、すなわち、アーム部内部で針棒クランクや天秤クランクが配置されている位置よりもアーム部の先端側、すなわち、それらと干渉しない部位にカセット装着部を形成することが可能となる。
従って、アーム部において、カセット装着部とそこに装着される上糸カセットがアーム部の前側(手前側)、すなわち、ユーザーの操作側へ張り出さないように配置することができる。このため、上糸カセット付きであっても、大型化することなくミシンを構成することが可能になる。
また、天秤を糸締め側の位置に保持し、糸調子器の糸調子皿を開いた状態にして、上糸カセットを装着しながら天秤の糸掛け部と糸調子皿に上糸を糸掛けするように構成することも可能となる。このような構成にした場合は、上糸カセットの装着操作に伴って、天秤の糸掛け部と糸調子皿に上糸を容易に糸掛けすることができるため、操作性を向上させることが可能となる。
また、例えば、糸調子器は、糸調子皿と糸調子バネとを有し、前記上糸カセットをカセット装着部に装着する装着動作に連動して、上糸カセットの上糸を天秤の糸掛け部と糸調子皿と糸調子バネに糸掛けするように構成することも可能である。
このように構成した場合は、上糸カセットをカセット装着部に装着する装着動作に連動して、上糸カセットの上糸を天秤の糸掛け部と糸調子皿と糸調子バネに糸掛けするため、糸掛けの作業が非常に簡単化し、上糸カセットを交換することで上糸の交換を能率的に行えるようになる。
また、例えば、糸経路は、糸駒保持部の糸駒から上方へ上糸を繰り出してからカセットケースの糸出口へ導くように構成し、前記上糸カセットに、糸経路の上流部において上糸に通過抵抗を与える第1挟持部と、カセットケースの糸出口付近において上糸に通過抵抗を与える第2挟持部とを設け、前記第1挟持部は、上糸カセットをカセット装着部に未装着の状態でも装着した状態でも上糸に通過抵抗を付与してその上糸を糸調子器との間で緊張させるように構成することも可能である。
このような構成とした場合は、糸駒保持部の糸駒から上方へ上糸を繰り出してからカセットケースの糸出口へ導くように糸経路を構成したので、必要に応じてカセットケース内の側部や下端部に沿って上糸を導くことができる。第1,第2挟持部を設けて上糸に通過抵抗を付与するため、上糸カセットの取扱中に上糸が勝手に繰り出したりすることがなく、上糸カセットをカセット装着部に装着しながら、天秤の糸掛け部や糸調子器に糸掛けする際に、糸駒から上糸を確実に繰り出すように構成することができる。
但し、この場合、第2挟持部が第1挟持部よりも強い通過抵抗を付与するように設定することが望ましく、また、上糸カセットの装着完了後には第2挟持部が開放されることが望ましい。
しかも、第1挟持部は、上糸カセットをカセット装着部に未装着の状態でも装着した状態でも上糸に通過抵抗を付与して糸調子器との間で上糸を緊張状態にするので、上糸の糸よりによる糸の絡まりや糸切れ等が発生するのを防止することができる。
また、例えば、上糸カセットをカセット装着部に装着完了前の状態では、第2挟持部で与える通過抵抗が第1挟持部で与える通過抵抗よりも大きくなるように構成することも可能である。
このように構成すれば、上糸カセットをカセット装着部に装着する際に、糸駒から上糸を確実に繰り出すことができ、天秤の糸掛け部や糸調子器に糸掛けするのに好適である。
また、例えば、上糸カセットのカセットケースに、その内部に収容した糸駒の糸色を識別する為の色識別手段を設けるように構成することも可能である。
このように構成した場合は、上糸カセットを交換することで上糸を交換する際に、カセットケースに設けた色識別手段を介して糸駒の糸色を識別できるため、上糸の色を簡単に知ることができ、操作性が向上させることがきる。
また、例えば、糸駒を保持する糸駒保持部のうちの前記糸駒の下端部に当接する部分に、前記糸駒の外周面よりも半径方向内側に窪んだ凹部を形成することもできる。
このような構成とした場合は、上糸カセットの糸駒保持部から糸駒を取り外す際に、前記凹部に指を掛けて糸駒を簡単に取り外すことができため、操作性を向上させることが可能となる。
また、例えば、前記上糸カセットのカセットケースの外面部に、上糸カセットの外部へ延びた上糸の糸端側部分を仮止め可能な糸止め部を設けるようにすることも可能である。
このように構成することにより、上糸カセットをカセット装着部から取り外したとき、カセット外へ延びた上糸をカセットケースの外面に巻付け、その上糸の糸端側部分を糸止め部に仮止めすることができる。
また、本発明にかかる上糸カセットは、例えば、ミシンのアーム部に着脱可能に装着される上糸カセットにおいて、カセットケースと、糸駒と、このカセットケース内に設けられ、糸駒をカセットケース内で保持する糸駒保持部と、この糸駒から繰り出された糸を糸出口へ導く糸経路とを備え、ミシンに装着された際、前記糸駒保持部に保持した糸駒の軸心方向とこの糸駒からの糸の繰り出し方向との少なくとも一方が天秤の糸掛け部の往復移動方向とほぼ平行になるように、前記糸駒或いは前記糸経路を配置して構成することが可能である。
このように構成された上糸カセットも、左右方向、すなわち、天秤の糸掛け部の往復移動方向と交差する方向の幅を小さく構成することができるので、この上糸カセット自身の小型化のみならず、この上糸カセットが装着されるミシンの小型化にも大いに貢献することが可能となる。
更に、本発明にかかる上カセット付きミシンの例として前述したような特徴のうち、上糸カセットにかかわる特徴をも備えるように上糸カセットを構成することも可能である。
上糸カセットをこのような特徴を備えるように構成した場合は、上糸カセット自体の取り扱い易さや、この上糸カセットをミシンに装着する際の操作性を向上させることが可能となる。
発明の実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。この電子制御式ミシンは、アーム頭部のカセット装置部に糸駒を収容した上糸カセットを装着可能に構成し、その上糸カセット2を装着する際の装着動作と連動して、天秤の糸掛け部と糸調子器に糸掛けを行なうと共に針の針穴に糸通しを行うように構成したものである。
最初に、ミシン1の基本構造、糸通し機構10について順に説明し、その後上糸カセット2、カセット装着部3、天秤機構8、糸通しの為の伝達機構115、糸調子器9の為の連動機構134の順に説明する。尚、以下の説明は、ミシンを操作する者から視た前後左右を前後左右として説明する。
第1図〜第3図に示すように、この電子制御式ミシン1は、ベッド部4と、ベッド部4の右端部に立設された脚柱部5と、脚柱部5の上端から左方に延びるアーム部6を有する。アーム部6には、針棒上下動機構7、カセット装着部3、天秤機構8、糸調子器9、自動糸通し機構10が設けられている。尚、カセット装着部3はアーム部6の頭部(アーム頭部)に設けられている。アーム部6内には、主軸11が1対の軸受12を介して回転可能に支持され、主軸11は図示外のミシンモータの駆動力で回動駆動される。
次に、針棒上下動機構7について説明するが、この機構は一般的な構造ものであるので簡単に説明する。第1図、第3図〜第8図に示すように、アーム部6のアーム頭部には、針棒台フレーム13が立向きに配設され、針棒台フレーム13は後壁部14と左壁部15とを有し、後壁部14の下端と上端には前方へ延びる下支持部14aと上支持部14bが夫々一体形成されている。左壁部15の上端部には、上支持部14bよりも上方に延びる枢支腕部15aが形成され、針棒18は上支持部14bと下支持部14aを上下動可能に挿通している。
枢支腕部15aの上端部には、左右方向向きの軸部材16aが固着され、前面開放状の平面視略コ字形状の枢支金具16が軸部材16aに固定的に連結され、枢支金具16は前後方向向きの水平な支持軸17を介してミシン機枠に揺動可能に支持され、針棒台フレーム13は支持軸17を揺動中心として左右方向(針振り方向)へ揺動可能である。尚、ステッピングモータにより針棒台フレーム13を介して針を揺動駆動する機構は一般的なものであるのでその説明は省略する。
針棒18は上支持部14bと下支持部14aに上下動可能に支持され、針棒18の下端には針19が着脱可能に取付けられている。
第3図、第11図〜第13図に示すように、主軸11の左端側部分には、天秤機構8の天秤クランク20が設けられ、その天秤クランク20にクランクピン21を介して針棒クランク22が回動自在に連結されている。針棒18の略中段部には針棒抱き23が固定され、針棒クランク22が針棒抱き23に連結されている。縫製の際、ミシンモータにより主軸11が回転駆動され、針棒クランク22により針棒18が上下に往復駆動される。
第11図〜第15図、第17図に示すように、アーム部6には、針19の上下運動に調時して上糸24を取り上げる天秤25を備えた天秤機構8が設けられている。
天秤25の先端部に上方から糸掛け可能な糸掛け部26が形成され、カセット装着部3の右端側部分の全高に亙って、天秤25の糸掛け部26が上下に往復移動可能な天秤移動領域27が設けられている。カセット装着部3の下部に突出するように、上糸に通過抵抗を付与する為の糸調子器9が設けられている。
この糸調子器9は、押え足28を昇降させる押え上げレバー29により開閉操作可能であり、後述するように、上糸カセット2の装着時にも、糸調子器9が開閉操作される。尚、脚柱部5内にはほぼ立て向きの縦軸が配設され、その縦軸はギヤ機構を介して主軸11に連動連結され、この縦軸の駆動力がベッド部4内の糸捕捉用釜に伝達される。一般的な電子制御ミシンと同様に、針19と糸捕捉用釜とステッピングモータで駆動される布送り機構との協働により加工布30に縫製が施される。
次に、針19の針穴19aに上糸24を糸通しする自動糸通し機構10について、第5図〜第10図、第14図、第15図、第17図、第19図を参照して説明する。
針棒台フレーム13の上支持部14bと下支持部14aには、針棒18の左側に位置する糸通し軸31とスライダーガイド軸32とが上下動可能に支持されている。糸通し軸31の上端部は、ブラケット16と軸部材16aの間の隙間に挿通しており、糸通し軸31の略中段部には、水平方向に突出する摺動ピン33が固着されている。
糸通し軸31の下端部には、合成樹脂製のフック保持部材34が固着され、フック保持部材34の上側と下側に対応する糸通し軸31に、側面視略コ字形状の第1糸案内部材35(第17図参照)の上支持部,下支持部が回動可能に支持されている。この第1糸案内部材35のうち、上支持部と下支持部とを連結する鉛直状の連結壁36には、上糸24を係合して案内する糸ガイド36aが切欠き状に形成されている。
第9A図〜第9C図に示すように、フック保持部材34にはフック機構37が固定され、このフック機構37は、糸通しフック37aと、糸通しフック37aの両側に位置する2枚のガイド部材37bと、これら糸通しフック37aとガイド部材37bを水平に貫通する糸保持ワイヤ37cなどから構成されている。糸通しフック37aの先端部にはフック部が形成され、糸通しの際針穴19aにこのフック部が挿通し、針19が前記ガイド部材37bにより案内されつつ針穴19aの直前に位置する上糸24を引っ掛けるようになっている。
フック保持部材34には、第2糸案内部材38が一体的に固着され、この第2糸案内部材38の略先端近傍部が下方に屈曲形成され、その屈曲部が糸案内部38aとして機能している。糸案内部38aは、糸通し軸31に対しフック機構37と略反対側に位置し且つ所定距離だけ離隔している。即ち、この第2糸案内部材38とフック機構37とが一定の位置関係を保持して糸通し軸31に一体的に設けられている。
次に、糸通し軸31を所定角度だけ回動させる回動機構について説明する。
第5図〜第8図、第14図、第15図、第17図、第19図に示すように、針棒台フレーム13の背面側において糸通し軸31とスライダーガイド軸32の上端部には、合成樹脂製の糸通しスライダ40が上下動可能に外嵌されている。即ち、糸通しスライダ40は、上枢支部41及び下枢支部42と、外周壁部43と、糸通しスライダ爪44とを有する。
上枢支部41及び下枢支部42は、糸通し軸31とスライダーガイド軸32とにわたって設けられ、外周壁部43は、これら上枢支部41と下枢支部42とを鉛直状に連結し且つ糸通し軸31の前記上端部の外周の略半分を覆うように形成されている。この外周壁部43には螺旋状の糸通しスライダカム部43aが形成されている。上枢支部41と下枢支部42の左端部には、糸通しスライダ爪44が連結され、その左端略中段部分に爪部44aが形成されている。
糸通し軸31の略中段部のうち、下枢支部42の直ぐ上側に対応する位置には、所定長さの摺動ピン33が貫通状に固定され、この摺動ピン33の奥側端部が糸通しスライダカム部43aに係合している。糸通し軸31のうち摺動ピン33よりも一定長さ下側には、バネ受けピン45が貫通状に固定され、糸通し軸31のうち下枢支部42とバネ受けピン45との間には、圧縮コイルバネ46が外装されている。スライダーガイド軸32のうち下枢支部42と、針棒台フレーム13の下支持部14aとの間には、糸通しスライダ40を上方へ付勢する為の圧縮コイルバネ47が外装されている。
ここで、オフセット部材48について説明すると、第4図〜第8図に示すように、糸通し軸31とスライダーガイド軸32には、糸通しスライダ40の背面側で且つ針棒台フレーム13の上支持部14b、下支持部14a間の高さの約3/4長さ範囲において、オフセット部材48が上下動可能に装着されている。このオフセット部材48は、上支持部49と、下支持部50と、これら上支持部49と下支持部50とを連結する鉛直状の連結壁51等から構成されている。上支持部49は、糸通し軸31とスライダーガイド軸32とに挿通され、下支持部50は糸通し軸31のみに挿通されている。
針棒18の針棒抱き23の直ぐ上方には、係合片としての糸通し位置決め部材52が固定され、オフセット部材48の上支持部49の右端部分が、この糸通し位置決め部材52に上方から当接可能に構成されている。この上支持部49の右端部分が糸通し位置決め部材52に当接した状態で、糸通しフックが針19の針穴19aの高さ位置に合致するようになっている(第6図参照)。連結壁51の左端下部には、オフセット部材カム部53が形成され、このオフセット部材カム部53は、下方に向かう程左側に突出する傾斜部53aと、この傾斜部53aの下端から鉛直下方に延びる平坦部53bであって、糸通しスライダ爪44の爪部44aよりもやや左方に突出する平坦部53bとを有する。
後述する上糸カセット2により糸通しスライダ40を、圧縮コイルバネ47の付勢力に抗して第5図に示す上限位置から下方に押下げると、糸通し軸31とスライダーガイド軸32とオフセット部材48が追従して下降し、オフセット部材48の上支持部49が糸通し位置決め部材52に当接した状態で停止する(第6図参照)。このとき、糸通し軸31とスライダーガイド軸32に対して糸通しスライダ40が相対的に下降するので、摺動ピン33が螺旋状の糸通しスライダカム部43aに沿って移動する。糸通し軸31が平面視にて時計回り方向に所定角度だけ回動して糸通しされる(第9A図〜第9C図参照)。
この糸通しのとき、フック機構37が針19に接近する方向に回動され、前記糸通しフックが針穴19aに挿通する。同時に、第2糸案内部材38がフック機構37と同期して時計回り方向(針19から遠ざかる方向)に回動される。糸通しに際して、糸通し軸31の下端部に回動可能に支持された第1糸案内部材35を第2糸案内部材38から離隔する方向に回動させるリンク機構54も設けられている。即ち、糸通し軸31が糸通しの為に回動する前の待機状態のときには、第2糸案内部材35が前方向きの姿勢であり、第2糸案内部材38の糸案内部38aは、連結壁36の糸ガイド36aの直ぐ内側に位置している。
糸通し軸31が下限位置まで下降した後に回動するときには、フック機構37と第2糸案内部材38とが平面視にて時計回り方向に一体的に回動すると共に、リンク機構54を介して第1糸案内部材35が反時計回り方向に回動する。つまり、第1糸案内部材35は、第2糸案内部材38から離隔移動し且つフック機構37に接近移動するようになっている。尚、リンク機構54付近部には、上糸24を微圧挟持する支持板55、糸案内皿56も設けられている。
次に、上糸カセット2について説明する。
第1図、第10図、第14図〜第36図に示すように、可動操作体としての上糸カセット2は、左右方向幅が小さな縦長の直方体に近い形状のカセットケース57と、糸駒62を収容する糸駒収容部57aと、糸駒収容部57a内に糸駒62を保持する糸駒保持部58と、糸駒保持部58に保持された糸駒62と、糸駒62から繰り出される上糸24を糸出口68まで案内する糸経路59と、天秤機構8の天秤25の糸掛け部26が上下に往復移動する領域である天秤移動領域57bと、糸調子器9を突入させる糸調子器収容部57c等を有する。尚、カセットケース57の底壁のうちの右端近傍部に糸出口68が形成されている。
カセットケース57は、合成樹脂製のカセット本体60と開閉蓋61とを有し、カセット本体60の右端部に開閉蓋61が開閉可能に連結されている。但し、開閉蓋61はカセット本体60に対して上下にスライドさせて開閉するように構成してもよい。糸駒62の上糸24の糸色を識別する糸色識別手段として、開閉蓋61は透明な材料で構成され、カセットケース57内の糸駒62の糸色を識別可能となっている。尚、別の糸色識別手段として、例えば、開閉蓋61に糸駒62を視る為の開口穴を形成してもよく、或いは、カセットケース57の表面の一部に糸駒62の上糸24の色と同色のシールを貼ってもよい。
第10図、第16図、第28図〜第33図に示すように、天秤移動領域57bはカセットケース57内の右側の約1/3幅部分に形成され、糸駒収容部57aはカセットケース57内の左側の約2/3幅部分のうちの上部約2/3部分に形成され、糸調子器収容部57cはカセットケース57内の左側の約2/3幅部分のうちの下部約1/3部分に形成され、カセット本体60内の左端部には糸経路59の為の領域が仕切壁66,99で仕切られている。
天秤移動領域57bにおいてカセット本体60の後壁には天秤25の糸掛け部26と後述の糸案内部材106Aを突入させる為の縦長のスリット101が形成されている。糸調子器収容部57cにおいてカセット本体60の後壁と底壁には、糸調子器収容部57cに糸調子器9を導入する為の切欠き部96が形成されている。天秤移動領域57bと糸駒収容部57a及び糸調子器収容部57cの間には鉛直の仕切壁67,100が形成され、糸駒収容部57cと糸調子器収容部57aの間には開閉蓋61側へ突出する水平な支持壁63が形成されている。
糸駒保持部58は、糸駒62をその軸心を鉛直向きに保持するように構成されているため、カセットケース57の左右方向の幅を小さくし、カセットケース57及びカセット装着部3の小型化を図ることができる。糸駒保持部58は、支持壁63(収容部の壁部に相当する)と糸駒保持軸64とで構成されている。この支持壁63には糸駒保持軸64が上方に突出するように設けられている。この糸駒保持軸64は、周方向に3つ割りに形成されて拡径方向に弾性変形可能であり、種々のサイズの軸穴を有する糸駒62を保持可能になっている。
支持壁63のうち、糸駒62の下端(軸心方向の一端)と当接する部分の前端部には、糸駒62を下方から押して糸駒保持軸64から上方へ取り外す為の凹部65が形成されている。この凹部65は、糸駒62の外周面よりも半径方向内側に窪んだ切欠き状に形成され、上糸24が弛んでも糸駒62と支持壁63の間に上糸24が入り込まないようになっている。
次に、糸経路59について説明する。第14図、第15図、第17図〜第21図に示すように、糸経路59は、糸駒保持部58に保持した糸駒62からの繰り出し点79を基点とし、糸駒62から上方へ繰り出した上糸24をカセットケース57の糸出口68に導く上糸案内経路である。糸経路59は、第1案内部69と、第1挟持部70と、第2案内部71と、第3案内部72と、第2挟持部73とを有する。糸駒62を糸駒保持部58に保持した状態で、糸駒62から上方へ繰り出された上糸24は、第1案内部69、第1挟持部70、第2案内部71、第3案内部72、第2挟持部73を順に経由してカセットケース57の右端近傍の下端部の糸出口68に導かれる。
第17図、第19図、第22図〜第25図に示すように、第1案内部69と第1挟持部70は、糸経路59の上流側部分に設けられている。第1案内部69は、カセットケース57の頂部に設けられている。第1案内部69は、カセット本体60に形成されたピン支持部材74と、このピン支持部材74から前方へ突出し更に右方へ曲折した平面視L字状の案内ピン75と、開閉蓋61に形成された糸抜け防止用のリブ76等で構成されている。
案内ピン75は、前後方向に所定長さのある糸案内部を有し、この糸案内部を外部に臨ませるように、カセット本体60と開閉蓋61の頂部壁には、矩形切欠き状の開口部77,78が夫々対向状に形成され、外部の糸駒から供給される上糸を開口部77,78から第1案内部69へ導入可能になっている。糸駒62から繰り出された上糸24は、案内ピン75の糸案内部に前後方向に移動自在に掛けられ、これにより糸駒62と第1案内部69間の距離があまり長くない場合でも、糸駒62から上糸24を円滑に引き出すことができる。
第1挟持部70について説明すると、第23図、第24図に示すように、第1挟持部70は、糸経路59の上流側部分において上糸24に通過抵抗を与えると共に上糸に糸よりによる糸の絡まり等が発生するのを防止する為のものであり、この第1挟持部70は、カセットケース57内の左端部の上端付近に設けられている。第1挟持部70は、糸案内部80aを有する押え板80と、この押え板80に上糸24を押圧する板バネ81とを備えた糸より発生防止機構82からなる。
押え板80と板バネ81はカセット本体60の仕切壁66に固定されている。
押え板80の糸案内部80aは、上方開放の狭幅の切欠きであり、糸案内部80aがカセット本体60よりも前方へ突出している。板バネ81は糸案内部80aの左側面に当接して糸案内部80aとの間に上糸24を挟持し、上糸24に通過抵抗を付与することにより上糸24に糸よりによる糸の絡まり等が発生するのを防止する。
次に、第14図、第15図、第17図〜第21図、第26図、第27図に示すように、第2,第3案内部71,72と第2挟持部73は、糸経路59の下流側部分に設けられている。第2案内部71はカセットケース57内の左端部の下端部にあり、第3案内部72はカセットケース57内のうちの糸調子器収容部57cと天秤移動領域57bの境界部の下端部にあり、第2挟持部73はカセットケース57内の右端近傍の下端付近にある。
上糸24は、第1案内部69から第1挟持部70へ斜めに延び、この第1挟持部70から第2案内部71へ鉛直に延び、第2案内部71から第3案内部72へ水平に延び、第3案内部72から第2挟持部73へほぼ水平に或いは傾斜状に延びている。このように、上糸24は、カセットケース57の下端部に沿って横断する状態に導かれている。
第2案内部71は、カセット本体60の後壁部に設けたピン支持部83と、このピン支持部83に固定されて前方へ突出する案内ピン84と、開閉蓋61に形成された糸抜け防止用のリブ85などからなる。ピン支持部83とリブ85とで上糸24の前後方向位置が適切に設定される。第3案内部72は、カセット本体60の後壁部に設けたピン支持部86と、このピン支持部86に固定されて前方へ突出する案内ピン87と、開閉蓋61に形成された糸抜け防止用のリブ88などからなる。ピン支持部86とリブ88とで上糸24のの前後方向位置が適切に設定される。
次に、第2挟持部73について説明する。第14図、第15図、第17図〜第21図、第33図〜第36図に示すように、第2挟持部73は、糸出口68の付近において上糸24に通過抵抗を与えるものである。上糸カセット2をカセット装着部3に未装着の状態においても、装着完了しない状態においても、第2挟持部73は上糸24に第1挟持部70よりも強い通過抵抗を与えるように構成してある。そのため、上糸カセット2の装着時に上糸24を天秤25の糸掛け部26と糸調子器9に糸掛けする際に、第2案内部71と第2挟持部73の間で、上糸24が緊張状態を維持するため、天秤25の糸掛け部26と糸調子器9に確実に糸掛けすることができるうえ、その糸掛けに際して必要な上糸24を糸駒62から確実に上糸24を繰り出すことができる。つまり、第3案内部72と第2挟持部73とが、天秤25の糸掛け部26に糸掛けする際にその上糸24を操作する上糸操作部として機能とする。
第2挟持部73は、軸心を左右方向に水平に向けた可動の可動軸部材94と、上糸24を案内する案内ピン89と糸保持板90と板バネ部材91などで構成されている。可動軸部材94は、小径の軸部と、カセット本体60の下端部の右側面に対して出没自在の大径の操作用ボタン94aとからなる。この可動軸部材94は、カセット本体60の右端近傍かつ下端近傍部の縦壁部92,93に左右方向へ水平移動可能に装着され、板バネ部材91で右方へ弾性付勢されている。
可動軸部材94の左端部には、案内ピン89の後端部が前後方向向きに貫通固着され、案内ピン89と縦壁部93の左側面の間には、案内ピン89との間に上糸24を保持する糸保持板90が固着され、可動軸部材94と共に右方へ付勢された案内ピン89と糸保持板90との間に上糸24を挟持することで、上糸24に通過抵抗を付与するようになっている。
第14図、第18図に示すように、上糸カセット2をカセット装着部3から取り外した状態においては、板バネ部材91の付勢力により、操作用ボタン94aの先端部がカセット本体60の右側面から突出している。そのため、上糸カセット2をカセット装着部3に装着しない状態において、糸駒62から上糸24を繰り出す場合には、操作用ボタン94aを指で押し込むことで、可動軸部材94と案内ピン89を左方へ移動させて第2挟持部73を開放状態にし、第1挟持部70の通過抵抗に抗して上糸24を繰り出すことができる。そして、後述のように、上糸カセット62をカセット装着部3に装着完了した状態では、上糸24に通過抵抗を与えないように第2挟持部73は開放状態となる。
第19図、第20図に示すように、上糸カセット2をカセット装着部3に装着完了した状態においても第2挟持部73を開放状態にする為に、カセット装着部3の右側壁に操作用ボタン94aを逃す為の縦溝部95aと、上糸カセット2の装着完了状態において操作用ボタン94aを退入状態にする上糸開放カム95が形成されている。これらについてはカセット装着部3の説明において後述する。
上糸カセット2をカセット装着部3に装着完了した状態では、第2挟持部73は開放状態となるが、上糸カセット57内の糸調子器収容部57cに突入する糸調子器9に上糸24が挟持されて通過抵抗を付与されるため、第1挟持部70と糸調子器9との間の上糸24は緊張状態を維持する。そのため、糸経路59の糸調子器9よりも上流側の上糸24に糸よりによる糸の絡まり等が発生することはない。
尚、前記糸調子器9をアーム部6に装備する代わりに、上糸カセット2内に糸調子器9を装備することも可能であり、この場合も前記同様に、第1挟持部70と糸調子器9間の上糸24が緊張状態を維持するため、糸よりにいる糸の絡まり等が発生するのを防止できる。
前記のように、上糸24を第1挟持部70で挟持し、かつ糸調子器9の後記糸調子皿間で挟持して通過抵抗を与え、これらの間でその上糸を緊張状態とした場合、糸調子器9の糸調子皿の入口部分で上糸が挟持されて抵抗が加わると、この部分において、その糸本来の構造上のよりがさらに締まる方向に強化されるので、前記第1挟持部70と糸調子器9の糸調子皿との間の上糸部分には、常に、糸本来の構造上のよりがさらに強化された糸よりが発生している。
この状態で、もしも、この間の上糸部分が弛んだ場合、この上糸部分のある所で折れ曲がって、この部分を中心として糸同士が直線状やだんご状に絡まる現象が生じる。このような絡まり部分が糸調子器9の糸調子皿に案内されると、その糸調子皿に引っ掛かって糸切れや糸の引きつり等が発生する。
しかしながら、前記のように、上糸24を前記第1挟持部70と糸調子器9の糸調子皿とでそれぞれ挟持してこの間の上糸部分を緊張状態としておくことにより、前記のような絡まり現象が発生しない。尚、糸調子器9の糸調子皿を通過した上糸部分は、前記のように強化された糸よりが戻される。
次に、上糸カセット2をカセット装着部3に装着する際に、糸調子器9をカセットケース57内の糸調子器収容部57cに突入させる為の構成について説明する。第1図、第14図、第15図、第23図、第26図、第30図、第31図に示すように、糸調子器収容部57cの下方において、カセット本体60と開閉蓋61の底壁には、矩形切欠き状の開口部97,98が夫々対向状に形成され、カセット本体60の後壁部には、開口部97に連なる部分長円形状の切欠き部96が形成されている。上糸カセット2の装着の際、切欠部96と開口部97,98を通って糸調子器9が糸調子器収容部57cに突入状に収容される。
第1図、第3図、第11図〜第15図、第26図、第27図、第30図、第31図に示すように、天秤移動領域57bの下方において、カセット本体60と開閉蓋61の底壁には、矩形切欠き状の開口部102,103が夫々対向状に形成され、カセット本体60の後壁には、開口部102に連なり且つ下端から上端近くまで延びる縦長のスリット101が形成され、上糸カセット2をカセット装着部3に装着する際に、これら開口部102,103とスリット101を通って天秤25の糸掛け部26と糸案内部材106Aがカセットケース57内へ突入状に導入される。
第21図、第22図、第24図に示すように、カセット本体60の後壁のうちの糸駒収容部57aに面する後壁は、糸駒62の収容のために後方へ部分円筒状に膨出しており、その部分円筒部の下端に対応する部位には、カセット装着部3の後述の受止め部109に上方から係合して上糸カセット2の高さ位置を決定する係合部112が形成されている。カセット本体60の後壁の左右両端部には、カセット装着部3の後述のガイド溝110,111に夫々係合可能な突条的な係合部113,114が形成されている。上糸カセット2をカセット装着部3に装着した状態で、開閉蓋61の前面がアーム部6の前面と同一面となし、カセット本体60と開閉蓋61の上壁がアーム部6の上面と同一面をなすように形成されている(第19図、第22図参照)。
次に、上糸カセット2の糸止め部104について説明する。第25図、第30図、第35図、第36図に示すように、カセットケース57の外面部のうち、開閉蓋61の枢支部の面取り部105と、開閉蓋61を閉じた状態でこの面取り部105に接するカセット本体60との間に、上糸カセット2の外部へ延びた上糸24の糸端側部分を仮止めするように構成され、これら面取り部105とカセット本体60の一部とで糸止め部104が構成される。但し、糸止め部104Aとして、第35図、第36図に示すように、カセットケース57の外面部に、ケース側に付勢された板バネ片を設け、この板バネ片に上糸24の糸端部分を仮止めするように構成してもよい。
次に、上糸カセット2を上方から着脱自在に装着する為のカセット装着部3について説明する。第1図、第2図、第4図、第21図に示すように、操作体装着部としてのカセット装着部3は、ミシンのアーム部6の先端側部分(アーム頭部)の前面部に正面視にて縦長の長方形状に且つほぼ左右に細長の長方形断面溝状に形成されている。カセット装着部3の右端側部分には、天秤25の糸掛け部26が往復移動する上下に細長い天秤移動領域27が設けられ、この天秤移動領域27を除くカセット装着部3の大部分は天秤移動領域27の左側に位置している。
糸駒保持部58に保持した糸駒62の軸心を天秤25の糸掛け部26の往復移動方向とほぼ平行にして、鉛直方向上方から上糸カセット2を装着したり、鉛直上方へ上糸カセット2を取り外したりできるようにカセット装着部3の上端と下端は開放状に形成されている。カセット装着部3の中央よりもやや左側部位の下端付近には、糸調子器9がその軸心を前後方向向きにして前方へ突出する状態に設けられている。カセット装着部3の後壁の下部には、上糸カセット2の係合部112を受け止めて、上糸カセット57を所定の高さ位置に位置決めする段状の受止め部109が形成されている。カセット装着部3の左側壁と右側壁の後端付近には、上糸カセット2の係合部113,114を夫々摺動自在に導入して案内するガイド溝110,111が夫々形成されている。
次に、第2挟持部73を開放状態に切換える為にカセット装着部3に設けた上糸開放カム95について説明する。第18図、第20図に示すように、カセット装着部3の右側壁の後部には、前記の縦溝部95aとその終端側に位置する上糸開放カム95が形成されている。縦溝部95aはカセット装着部3の上端から下端付近部まで連続しており、上糸開放カム95は縦溝部95aの下端にテーパ部95bを介して連続し縦溝部95aよりも左側へ突出している。
従って、第17図、第18図に示すように、上糸カセット2をカセット装着部3に装着して装着完了直前まで、カセット本体60の右側面から突出した操作用ボタン94が溝部95aに沿って移動する。このとき、第2挟持部73は上糸24に通過抵抗を付与する。上糸カセット57をカセット装着部3に完全に装着し上糸カセット57の装着が完了した状態では、操作用ボタン94が上糸開放カム95に当接して左方へ押動された状態となる。このとき、第2挟持部73は開放状態となり、上糸24に通過抵抗が付与されなくなる。
次に、天秤機構8について詳しく説明する。
第11図〜第14図に示すように、この天秤機構8は、上糸カセット2をカセット装着部3に装着する動作に連動して糸掛け部26に上糸24を糸掛けできるように工夫した特有の構造のものである。この天秤機構8は、カム式天秤機構を例としているが、リンク式天秤機構にも同様に、以下の構成を適用可能である。
この天秤機構8は、主軸の駆動力で天秤クランク20を介して駆動される天秤25と、この天秤25の糸掛け部26の移動軌跡の全長に沿って湾曲状に延びる糸案内隙間108を形成する糸案内部材106Aを有し、この糸案内隙間108に上方から上糸24を導入して糸掛け部26に糸掛け可能に構成してある。
糸案内部材106Aは、天秤25の先端部(糸掛け部26)の移動軌跡の全長に沿って湾曲状に延び糸案内隙間108を空けて前後に離隔した1対の糸案内具106からなる。1対の糸案内具106は下端部で連続した1本の線状部材(金属製又は合成樹脂製)で構成され、後側の糸案内具106の上端部分が後方へ水平に延びてミシン機枠の頂部枠に枢支金具107を介して回動自在に支持され、糸案内部材106Aの下端部は自由端をなしている。前側の糸案内具106の上端部は前側へ屈曲されて、糸案内隙間108へ上方から上糸24を導入する為の導入口108aが形成されている。尚、糸案内部材106Aと天秤25の糸掛け部26は、カセット装着部3の後壁の開口からカセット装着部3内へ突出している。
天秤25の先端側部分には、先端側所定長さ部分を後方へ折り返すことで形成された平面視にてU形の案内部25aが設けられている。1対の糸案内具106はU形案内部25aを相対摺動自在に挿通しており、U形案内部25aが上下に往復運動するとき、1対の糸案内具106は上端部において回動しながらU形案内部25aで案内されるため、U形案内部25aに対する摺動抵抗も小さく、騒音も殆ど発生しない。U形案内部25aのうちの1対の糸案内具106の間(つまり、糸案内隙間108)に対応する部位には、上方から上糸24を掛ける糸掛け部26であって上面に上糸を掛けるU形凹部を有する糸掛け部26が形成されている。
従って、糸駒62の軸心を天秤25の糸掛け部26の往復移動方向とほぼ平行にして、上糸カセット2を鉛直上方から装着するとき、その装着動作に連動して自動的に、上糸カセット57の第3案内部72と第2挟持部73の間の上糸24を導入口108aから糸案内隙間108に導入して天秤25の糸掛け部26に簡単に掛けることができる。尚、糸案内部材106Aは、線状部材ではなく、金属製又は合成樹脂製の板状部材で構成してもよい。
次に、上糸カセット2の作動を自動糸通し機構10に伝達する伝達機構115について説明する。第5図〜第8図に示すように、この伝達機構115は、上糸カセット2の作動を糸通しスライダ作動機構116を介して自動糸通し機構10に伝達すると共に、糸通し位置決め部材52との係合により解除作動する係合機構117が設けられている。この糸通しスライダ作動機構116は、糸通しスライダ作動部材軸118(以下、軸118という)と、糸通しスライダ作動部材119と、糸通しスライダ作動部材レバー120(以下、レバー120という)と、糸通しスライダ作動爪121(以下、作動爪121という)と、糸通しスライダ作動爪バネ122(捩じリバネ122)と、糸通しスライダ作動部材ストッパー123(以下、ストッパー123という)等から構成されている。
第4図、第5図、第10図に示すように、カセット装着部3の近傍においてアーム部6内には、軸118が鉛直方向に支持され、この軸118に側面視略コ字形状の糸通しスライダ作動部材119が上下動可能に支持されている。糸通しスライダ作動部材119には平面視コ字形状のレバー120が固着され、このレバー120の前板部のうち右端の略中段部に、板状のレバー部120aが前方に突出するように設けられている。レバー部120aの先端部は、アーム部6内からカセット装着部3の受止め部109を貫通して所定長さ突出するように形成されている。受止め部109の略中段部から下端にわたりスリット124が形成され、レバー部120aがこのスリット124に沿って上下動可能に構成されている。
軸118の上端近傍の天板にはブラケット125が固着され、軸118の背面側で且つストッパー123とレバー120とにわたり引張コイルバネ126が介装され、レバー120(つまりレバー部120a)を上方に付勢するようになっている。尚、上糸カセット2の装着完了状態(縫製位置)を保持するため、引張コイルバネ126の付勢力よりも糸保持ボタン94とカム95間に作用する摩擦抵抗が大きくなるように構成されている。
係合機構117について説明すると、第4図〜第8図に示すように、レバー120の右端側上部には、作動爪121が枢支されている。この作動爪121は、その下端部が糸通しスライダ爪44の爪部44aに係合可能なロック位置と、爪部44aとの係合状態が解除された解除位置とにわたって揺動可能に構成されている。但し、枢支軸127には、糸通しスライダ作動部材119、作動爪121間に作用する捩じりバネ122が外装され、作動爪121をロック位置側に付勢するようになっている。
作動爪121の下端部は、オフセット部材カム部53に対して当接離隔可能に構成され、糸通しスライダ作動部材119をロック位置の状態で下方に押し下げると、作動爪121の下端部がオフセット部材カム部53の傾斜部53aに当接し傾斜部53aに沿って左方に移動し、オフセット部材48の上支持部49の右端部分が、糸通し位置決め部材52に上方から当接した状態で、第6図に示すように、解除位置に切り換わって係合機構117が解除作動されるように構成されている。作動爪121が解除位置に切換わると、糸通しスライダ40及びオフセット部材48は、第6図に示す下限位置から圧縮コイルバネ46,47の付勢力により上方復帰するようになっている。
ストッパー123について説明すると、第4図〜第8図に示すように、ブラケット125の左端部には、ストッパー軸128が前後方向向きに支持され、このストッパー軸128に側面視略逆L字形状のストッパー123が枢支されている。ストッパー123は、ストッパー軸128から略鉛直下方向きに延びる鉛直部129と、ストッパー軸128から略水平右向きで且つ針棒18の上方位置まで延びる水平部130と、これら鉛直部129と水平部130を第8図において時計回り方向に付勢する前記引張コイルバネ126(第10図参照)とを有する。鉛直部129の下端部には、下方に向かう程左斜め向きに傾斜する傾斜部131が形成されている。
傾斜部131と鉛直部129の交差する左端部分にストッパー部132(段部に相当する)が形成され、糸通しスライダ作動部材119の下端部には、このストッパー部132に上方から係合可能なストッパー係合部119aが形成されている。針棒18の上端つまりストッパー123が500Aから500Bの適正範囲にある場合(第8図参照)には、上糸カセット2により糸通しスライダ作動部材119が第5図に示す上限位置から下方に移動するとき、ストッパー係合部119aがストッパー123の傾斜部131に接触し、その後、傾斜部131の左端に対して糸通しスライダ作動部材119のガイド壁119bが摺動する。
糸通しスライダ作動部材119の下方移動に伴い、ストッパー123が引張コイルバネ126の付勢力に抗して反時計回り方向に揺動するから、糸通しスライダ作動部材119は上限位置から第6図に示す下限位置まで移動可能となる。針棒18の上端が適正範囲外にある場合には、ストッパー123が500Bの位置(第8図参照)から更に時計方向回りに揺動する。この状態で糸通しスライダ作動部材119を下方に移動させようとしても、ストッパー部132に対してストッパー係合部119aが係合するから、糸通しスライダ作動部材119は移動不可能となり、糸通しが禁止される。
第7図に示すように、糸通しスライダ作動部材119のガイド壁119bが、ストッパー123の傾斜部131に摺動することで、ストッパー123の水平部130の高さ位置が規制されて、最上位置のときの針棒18の上端と水平部130との間に微小隙間Sが形成され、針棒18とストッパー123との打撃音の発生を防止している。
次に、糸調子器9と、糸調子器9の為の連動機構134について説明する。
連動機構134は、上糸カセット2のカセット装着部3への装着動作の途中において上糸カセット2により1対の糸調子皿133を開放させ且つ装着動作の完了時には糸調子皿133を閉じさせる機構である。
第4図、第10図、第16図、第37図〜第45図に示すように、糸調子器9は、上糸カセット2がカセット装着部3に装着された状態ではカセットケース57内の糸調子器収容部57cに突入する。糸調子器9は1対の糸調子皿133と、これら糸調子皿133を支持する軸部材と、後側の糸調子皿133の後側にある作動板139と、後側の糸調子皿133と作動板139を前方へ弾性付勢するバネ部材と、糸調子皿133の付近で上糸24を弾性的に支える糸調子バネ135と、バネ力調節用の糸調子ダイヤル136などを備えた一般的な構造のものである。
第37図〜第45図に示すように、連動機構134は、上糸カセット57の後側面に形成されたカム部137と、縦向きのレバー状のカム従動部材138と、回動アーム151とを有する。カセット本体60の後壁のうち左端側部分の上半部には、後方にやや突出する突条のようなカム部137が形成されている。糸調子器9を支持するフレーム140の上部にはブラケット141が形成され、このブラケット141には、カム従動部材138の長さ方向途中部が左右方向向きの水平ピンにて回動自在に支持され、このカム従動部材138は捩じりバネ144により第41図において時計回り方向へ付勢されている。
カム従動部材138の上端部にはローラ142が遊転可能に枢着されている。
カセット装着部3の後壁の左側部分には、上糸カセット57のカム部137を後方へ突出させるスリット143(第14図参照)が形成され、このスリット143から後方へ突出したカム部137にローラ142が当接可能になっている。回動アーム151の右端部は縦向きのピンにてベース板155の下板部にピン連結されて水平回動可能であり、カム従動部材138の下端部が回動アーム151の左端部分の後面に当接し、回動アーム151の突部151aが作動板139に当接可能になっている。
カム部137の形状とローラ142の位置を適切に設定することで、上糸カセット57の装着途中において糸調子皿133を開かせて1対の糸調子皿133と糸調子バネ135に糸掛けし、その後上糸カセット57の装着完了時に糸調子皿133を閉じるように構成してある。即ち、上糸カセット57がカセット装着部3に装着されて上糸カセット2が糸調子器9の上方所定距離まで達したときに、カム部137にローラ142が乗り上げてカム従動部材138が第41図において反時計回りに回動し、回動アーム151と作動板139とで糸調子皿133を開かせる。
その状態で上糸カセット57が下降して来ると、第2、第3案内部71,72間の上糸24が1対の糸調子皿133の間に糸掛けされ、その後上糸カセット57が装着完了状態になる頃カム部137は低くなりローラ142を後方へ押さなくなるので、回動アーム151が後方へ復帰回動し、作動板139が後方へ復帰移動し、1対の糸調子皿133が閉じた状態になる。尚、以上の上糸カセット57の装着時の連動機構134の作動は、押え上げレバー29の位置(下方回動位置または上方回動位置)に関係なく生じる。
次に、通常のミシンと同様に、押え上げレバー29の操作で1対の糸調子皿133を開かせる機構は、周知の機構であるので簡単に説明する。第37図〜第45図に示すように、押え上げレバー29の上端部は機枠に回動自在に枢支され、この押え上げレバー29のカム部29aに係合した係合アーム152の上端部も機枠に回動自在に枢支されている。係合アーム152は連結ロッド153により水平な三角板154の後端部に連結されている。三角板154は機枠側のベース板155下板部の下側に配設され、この三角板154の前端部の左端部がベース板155の下板部に縦向きのピンにて回動自在に枢着され、三角板154の前端部の右端部が作動板139に当接している。
従って、押え上げレバー29が下方回動位置にあるとき、連結ロッド153が右方へ引っ張られないので三角板154が回動せず、糸調子皿133が閉じた状態を保持する。押え上げレバー29を上方回動位置に切換えると、連結ロッド153が右方へ引っ張られるため三角板154が回動して糸調子皿133が開いた状態となる。
次に、前記ミシン1の作用と上糸カセット2の作用について説明する。
第14図、第23図〜第27図に示すように、上糸カセット2をカセット装着部3に装着してない状態において、上糸カセット2の開閉蓋61を開き糸駒62を糸駒保持部58に装着する。次に、糸駒62から引き出した上糸24を第1案内部69に掛け、第1挟持部70の糸案内部80aに掛けて板バネ81で押圧する。次に、その上糸24を第2,第3案内部71,72に順々に掛け、第2挟持部73の案内ピン89と糸保持板90との間に挟持させる。
次に、板バネ部材91の付勢力に抗して操作用ボタン94aを指で押圧し、案内ピン89を糸保持板90から離隔させてから、上糸24を外部へ所定長さ引っ張り出し、その後操作用ボタン94aを押圧するのを解除して第2挟持部73のにより上糸24を挟持し、開閉蓋61を閉じる。尚、上糸カセット2への糸掛け手順を判り易くするため、第1案内部69、第1挟持部70、第2,第3案内部71,72、第2挟持部73の各近傍に糸掛け順指示マークを貼着し、そのマークの順番に従って糸掛けさせるように構成してもよい。
一方、ミシン1が縫製停止状態のときには、通常針棒18は針上位置に停止しており、天秤25の糸掛け部26は第13図に示す糸締め側の略中段位置に停止している。この状態において、カセット装着部3に上方から上糸カセット2を装着していく。カセット装着部3は上方と下方の両方に開放されているため、上糸カセット2の糸出口68から約20cm程度引出された上糸24は、カセット装着部3の下方に鉛直向きに垂れ下がる。尚、縫製開始時には、天秤25の糸掛け部26は前記の糸締め側の略中段位置から上昇してから下降することになる。
第15図、第16図に示すように、上糸カセット2の装着途中において、上糸カセット2の係合部112がレバー部120aに当接した状態で上糸カセット2を一旦停止させる。このとき、第15図に示すように、第3案内部72と第2挟持部73との間の上糸24が糸案内隙間108に導入されて天秤25の糸掛け部26に掛かった状態になっている。この場合、第2挟持部73は第1挟持部70よりも強い通過抵抗を与えるから、上糸24がカセット2内に引き戻されることなく糸駒62から上糸24が必要量繰出される。尚、この移動停止位置を確認する為の1対の合印146が上糸カセット2とミシン1に設けられている。
次に、上糸カセット2の糸出口68から下方に垂れ下がった上糸24を、針棒糸掛け147と糸ガイド36aに順に掛け、支持板55と糸案内皿56との間に微圧にて挟持させた後、糸端を図示外の糸切り刃で切る。次に、第17図に示すように、上糸カセット2を引張コイルバネ126の付勢力に抗して下方に押下げると、上糸カセット2の作動が伝達機構115を介して自動糸通し機構10に伝達され、針穴19aへ上糸24を通す糸通しが実行される。上糸カセット2の糸通し作動部としての係合部112がレバー120の先端のレバー部120aを下方へ移動させるため、上糸カセット2の移動が伝達機構115に伝達される。これと並行して、天秤25に対して上糸カセット57が相対的に下方移動するため、第3糸案内部72と第2挟持部73間の糸経路が長くなる関係上、糸駒62からの上糸24の繰り出しがなされる。
このとき、既述の如く、連動機構134により糸調子器9の糸調子皿133を開放させ、第2,第3案内部71,72間の上糸24が糸調子皿133の間と糸調子バネ135に糸掛けされる。第1挟持部70と第2挟持部73とにより両部間の上糸24に一定の張力を付与しているから、天秤25、糸調子皿133、糸調子バネ135に確実に上糸24が掛かることになる。第2挟持部73は第1挟持部70よりも強い通過抵抗を上糸24に与えるから、上糸24が第2挟持部73を逆流してカセット2内に引き戻されることはなく、前記のような糸掛けに必要な量の上糸24は糸駒62から確実に繰り出される。しかも、第1挟持部70から第2挟持部73間の上糸24に弛みが生じないため、その上糸24に糸よりにいる糸の絡まり等が生じることもない。
第19図、第20図に示すように、上糸カセット2をカセット装着部3に装着完了した状態(即ち、受止め部109に係合部112が上方から係合した状態)においては、連動機構134により糸調子皿133が閉じ、糸通しスライダ作動部材119は上糸カセット2により最下位置に保持されたまま、糸通し軸31とスライダーガイド軸32が上方へ復帰して針穴19aに上糸24が通される。また、第20図に示すように、操作用ボタン94aが糸開放カム95で左方へ押動され、案内ピン89が糸保持板90から離隔して第2挟持部73が開放状態となり、上糸24が開放されて縫製可能状態となる。
しかも、上糸カセット57の装着が完了した状態において、1対の糸調子皿133が閉じ、第2挟持部73が開放状態になった場合でも、第1挟持部70で上糸24を挟持し、上糸24に通過抵抗を与えるようになっているため、上糸カセット57内の上糸24に糸よりによる糸の絡まり等が生じることはない。その結果、縫製中に糸の絡まりによる糸切れが生じにくくなる。このカセット装着部3に上糸カセット2を装着した状態において、糸案内部材106Aと天秤25の糸掛け部26が上糸カセット57内へ突出し、天秤25の糸掛け部26が上糸カセット2内をほぼ鉛直方向に往復移動可能となる。
ここで、第19図に示すように、カセット本体60の糸調子器収容部57cにおいて、糸調子器の下流側に、下方に切欠き状に形成された糸案内部を含む上糸押え部材180(鎖線で図示)を設け、上糸カセット2のカセット装着部3への装着動作により糸調子器9からその下流側に延びた上糸24を下方に押下げ配置するようにしてもよい。この場合、上糸24の糸調子器9の軸部材への接触部分が増し上糸24が不意に外れたりしなくなるし、糸調子バネ135による上糸24の取り上げ量を多くすることができる。上糸カセット2を取り外す際には、上糸24を上糸押え部材180から簡単に解離することができる。
以上のように、上糸カセット57をカセット装着部3に装着した状態で、糸駒62から上糸24を供給しながら縫製を行うことができる。上糸24の糸色を変更したり、上糸24を補充したりする為に、上糸カセット2をカセット装着部3から取外す際には、上糸カセット2の下端を指で上方へ押すことにより簡単に取外すことができる。
その取り外し後、上糸カセット2内には、天秤25と糸調子器9から外された弛み糸が残るので、操作用ボタン94aを指で押して第2挟持部73を開放状態に切換え、その状態のまま上糸カセット2内の弛み糸を外部へ引き出し、カセット外周に巻き付けて上糸24の糸端部分を糸止め部104又は糸止め部104Aに仮止めする。その後、操作用ボタン94を復帰させて第2挟持部73を閉じた状態にする。
本実施形態に係るミシン1と上糸カセット2は次の効果を奏する。
1)上糸カセット2内に糸駒62を収容し、上糸カセット2を交換することで糸駒62を交換可能にしたので、上糸24の交換が簡単になった。特に、上糸カセット2の装着動作に連動して、天秤25の糸掛け部26と糸調子器9の糸調子皿133と糸調子バネ135とに自動的に糸掛けするので、糸掛けの操作が非常に簡単になり能率的に行うことができる。上糸カセット2の装着動作に連動して、自動糸通し機構10を作動させて針穴29aに自動的に糸通しするので、糸通しも非常に簡単になり、上糸24の交換を迅速に能率的に行うことができる。
前述の米国特許第3,749,039号に記載のミシンでは、主軸を手動で回転させて天秤の糸掛け部を最下位置(糸緩め位置)に保持した状態で、上糸カセットをカセット装着部に装着するようになっており、上糸カセットをカセット装着部に装着した状態では、第1,第2抵抗付与部が開放されるため、縫製開始時に天秤が最上位置(糸締め位置)に移動する際に、糸駒から上糸が繰り出されるとは限らず、針穴の方の上糸が引っ張られて、上糸が針穴から外れてしまうおそれがある。
また、通常、ミシンを停止させる場合、針棒を最上位置にして停止するが、このとき天秤もその最上位置の付近の糸締め途中の位置にある。前述の米国特許第3,749,039号に記載のミシンでは、上糸カセットを装着する際に、天秤を手動操作により最下位置に切換える必要があるため、その操作が煩わしいものとなる。
これに対し、本実施形態に係るミシン1と上糸カセット2では、縫製を停止し、針棒18を針上位置に停止させると共に天秤25の糸掛け部26を糸締め側の位置に停止させた状態で、天秤25の位置を変えることなく、上糸カセット2を装着して天秤25の糸掛け部26と糸調子器9にに糸掛けできるため、上糸カセット2の装着と糸掛けの操作が非常に簡単で能率的に行うことができる。しかも、上糸カセット2を上方から直線的に移動させることでカセット装着部3に装着でき、また、装着状態の上糸カセット2を上方へ直線的に移動させて取り外すことができるため、上糸カセット2の着脱操作が簡単で、上糸カセット2を迅速に交換できる。
また、上糸カセット2のカセットケース57が透明であり、内部の糸駒62の糸色を容易に識別できるため、上糸24の交換、或いは上糸カセット2の交換の際に便利である。上糸カセット2の内部の糸駒62を支持する支持壁63に凹部65を形成したので、この凹部65に指をかけて糸駒62の下端を押し、糸駒62を糸駒保持部58から簡単に取り外すことができる。
2)上糸カセット2内に糸駒62をその軸心を縦向きにして保持し、その糸駒62から上方へ上糸24を繰り出し、糸経路59を通って糸出口68に導くように構成したので、上糸カセット2の左右方向幅を小さくすることができる。或いは、糸駒62の軸心と糸駒62からの上糸24の繰り出し方向を天秤25の糸掛け部26の往復移動方向とほぼ平行にして上糸カセット2をカセット装着部3に装着するように構成であるため、上糸カセット2の左右方向幅とカセット装着部3の左右方向幅を小さくすることができる。
このように、上糸カセット2は、左右方向幅の小さな縦長の直方体に近い小型のものであるので、天秤25の糸掛け部26の往復移動領域とその左側の部位に、つまりアーム頭部にカセット装着部3を配置することができた。その結果、天秤25の糸掛け部26の往復移動領域と重なる領域にカセット装着部3を形成することができスペース的に有利である。また、アーム部6の内部機構と干渉させずにカセット装着部3を極力後方に配置することができ、これにより上糸カセット2を装着した状態で上糸カセット2がアーム部6の前面から突出せず、アーム部6の外観も低下せず、アーム部6の前面のデザイン上の自由度も確保できる。
3)上糸カセット2内の糸経路59の上流部に上糸24に常時通過抵抗を与える第1挟持部70を設け、上糸カセット24を装着した状態で、第1挟持部70と糸調子器9間の上糸24を緊張状態に維持するため、糸よりによる糸の絡まりの発生を防止でき、縫製中に糸の絡まりに起因する糸切れや糸のひきつりを防止できる。
そして、糸出口68の付近に第2挟持部73を設け、上糸カセット2の装着前や装着完了前には上糸24に通過抵抗を与えるようにし、第2挟持部73は第1挟持部70よりも強い通過抵抗を与えるため、上糸カセット2の取扱中に上糸24が勝手に繰り出されることもなく、また、上糸カセット2の装着時に天秤25の糸掛け部26と糸調子器9に糸掛けする際に、上糸を糸駒62から確実に繰り出すことができる。
そして、上糸カセット2を装着しない状態では、操作用ボタン94aを指で操作して第2挟持部73を開放させ、上糸24を自由に繰り出すことができる。
上糸カセット2の装着完了後には操作用ボタン94aを上糸開放カム95で押圧して第2挟持部73を開放状態に切換えるため、縫製中には第2挟持部73の通過抵抗が上糸24に作用せず、上糸24の繰り出しが円滑になる。
上糸カセット2をカセット装着部3から取り外した際にカセットケース57外へ延びる上糸24をカセットケース57の外面に巻付けて、その糸端部分を糸止め部104,104Aに止めることができるので、非常に便利である。
4)上糸カセット2の頂部に第1案内部69と、前後に細長い開口部77,78と、これに平行に臨む案内ピン75の糸案内部とを設けたため、上糸24が案内ピン75に沿って自由に移動でき、その上糸24を糸駒62から抵抗なく円弧を描くようにして円滑に繰り出すことができるうえ、上糸カセット2の外部に配置した糸駒からの上糸を開口部77,78から上糸カセット2内に導入し、その内部の糸経路59により糸出口68に導いて縫製に供することができる。そのため、針19の代わりに2本針を装着して2本の上糸で縫製する際に、上糸カセット2内の糸駒62と上糸カセット2外のアーム部6の頂部の糸駒保持部に保持した糸駒とから上糸を供給して縫製することができる。
5)上糸カセット2の装着動作に連動して糸調子器9を開放状態にし、上糸カセット2の装着後には糸調子皿133を閉じる連動機構134を設けたため、前記のように上糸カセット2の装着動作に連動して糸調子器9に糸掛けすることができる。尚、カセット装着部3の下端側部分に糸調子器9を配置したので、上糸カセット2をカセット装着部3に上方から装着する装着動作と連動して糸調子器9に糸掛けするのに特に有利である。
6)天秤機構8は特有の構造のものであり、上糸カセット2の装着動作に連動して糸掛け部26に糸掛けするのに好適のものである。即ち、天秤25の糸掛け部26の移動軌跡の全長に沿って延びる湾曲状の糸案内隙間108を形成する糸案内部材106Aを設け、糸案内隙間108の上端の導入口108aから上糸24を導入して糸掛け部26に糸掛け可能に構成してある。そのため、糸導入口108aは糸掛け部26の移動軌跡から後方へ後退しない位置にあるから、天秤25の糸掛け部26を前記の糸締め側の位置(針棒18の針上停止位置に対応する位置)に停止させたまま、上糸カセット2のカセット装着部3への装着動作と連動して糸掛け部26に糸掛けすることができる。
しかも、糸案内隙間108は、糸掛け部26の移動軌跡の全長にわたるものであり、糸案内部材106Aをなす1対の糸案内具106を天秤25のU形案内部25aに相対摺動自在に挿通させてあるので、縫製時に天秤25が上下に往復移動しても、上糸24は糸案内具106で案内され、糸掛け部26から外れることはない。
また、後側の糸案内具106の上端部を回動自在に枢支してあるため、天秤25のU形案内部25aで1対の糸案内具106を案内できるから、1対の糸案内具106を線状部材のような加工し易い材料で安価に構成できるうえ、U形案内部25aと1対の糸案内具106間に摺動抵抗が殆ど作用しなくなり、摺動音も殆ど生じない。
産業上の利用可能性
上糸カセット及びミシンのカセット装着部の小型化を可能とするとともに、小型で操作性の優れた上糸カセット付きミシンの提供を可能とする。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施形態の電子制御式ミシンと上糸カセットの正面図である。
第2図は、上糸カセットを取外した状態のミシンの平面図である。
第3図は、カセット装着部付近の内部構造を示す縦断面図である。
第4図は、カセット装着部付近の内部構造等を示す平面断面図である。
第5図は、針棒上下動機構と自動糸通し機構などの正面図である。
第6図は、糸通し直前状態を示す第5図相当図である。
第7図は、針棒とストッパーとの関係を示す第5図相当図である。
第8図は、針棒の適正高さ範囲を説明する第5図相当図である。
第9A図は糸通しフックによる糸通し直前状態を示す斜視図、第9B図は糸通し直後状態を示す斜視図、第9C図は糸通し後に糸通しフックが上昇した状態の要部断面図である。
第10図は、糸通しスライダ作動機構と上糸カセットなどの縦断側面図である。
第11図は、天秤機構とカセット装着部を示す要部縦断側面図である。
第12図は、天秤の糸掛け部の移動範囲を示す要部縦断側面図である。
第13図は、糸掛け部への糸掛け可能範囲を示す第12図相当図である。
第14図は、上糸カセット(装着直前状態)とカセット装着部の正面図である。
第15図は、上糸カセット(装着途中状態)とカセット装着部の正面図である。
第16図は、上糸カセット(装着途中状態)とカセット装着部などの縦断側面図である。
第17図は、上糸カセット(装着完了直前状態)とアーム頭部の正面図である。
第18図は、第2挟持部とカムの部分拡大断面図である。
第19図は、上糸カセット(装着完了状態)とアーム頭部の正面図である。
第20図は、第2挟持部(開放状態)とカムを示す第18図相当図である。
第21図は、カセット装着部に装着された上糸カセットの横断面図である。
第22図は、上糸カセット(装着完了状態)とカセット装着部などの縦断側面図である。
第23図は、上糸カセット(開閉蓋開状態)の正面図である。
第24図は、上糸カセットの縦断側面図である。
第25図は、上糸カセットの平面図である。
第26図は、上糸カセットの底面図である。
第27図は、糸経路の下流側部分を示す上糸カセットの部分切欠き横断平面図である。
第28図は、カセット本体と糸駒(装着前状態)の縦断側面図である。
第29図は、カセット本体と糸駒(装着後状態)の縦断側面図である。
第30図は、上糸カセット(開閉蓋開状態)の正面図である。
第31図は、上糸カセット(開閉蓋開状態)の底面図である。
第32図は、第1案内部を示すカセット本体の平面図である。
第33図は、第2,第3案内部と第2挟持部を示す上糸カセットの底面図である。
第34図は、第2,第3案内部と第2挟持部を示すカセット本体の横断面図である。
第35図は、糸止めの手順を説明する上糸カセットの正面図である。
第36図は、糸止め部等を示す上糸カセットの側面図である。
第37図は、押え上げレバーと糸調子器と連動機構などの正面図である。
第38図は、押え上げレバーと糸調子器と連動機構などの側面図である。
第39図は、押え上げレバーと糸調子器と連動機構などの平面図である。
第40図は、上糸カセット装着時の状態を示す第37図相当図である。
第41図は、上糸カセット装着時の状態を示す第38図相当図である。
第42図は、上糸カセット装着途中の状態を示すの第39図相当図である。
第43図は、上糸カセット装着完了状態を示す第39図相当図である。
第44図は、上糸カセット装着完了状態を示す第37図相当図である。
第45図は、上糸カセット装着完了状態を示す第38図相当図である。

Claims (18)

  1. 糸駒を収納した上糸カセットがアーム部に着脱可能に装着される上糸カセット付きミシンにおいて、
    天秤の糸掛け部が往復移動する天秤移動領域の近傍に設けられ、前記上糸カセットが着脱可能に装着されるカセット装着部を備え、
    前記上糸カセットは、カセットケースと、このカセットケース内に設けられた糸駒を保持する糸駒保持部とを有し、
    前記糸駒保持部に保持した糸駒の軸心方向とこの糸駒からの糸の繰り出し方向との少なくとも一方を天秤の糸掛け部の往復移動方向とほぼ平行にして、前記カセット装着部へ装着されるように構成されたことを特徴とする上糸カセット付きミシン。
  2. 前記カセット装着部は前記アーム部の先端部分の前面部に設けられたことを特徴とする請求の範囲第1項記載の上糸カセット付きミシン。
  3. 前記アーム部において前記カセット装着部より基部側部分に天秤の糸掛け部が往復移動する天秤移動領域が設けられたことを特徴とする請求の範囲第2項記載の上糸カセット付きミシン。
  4. 前記カセット装着部は、前記上糸カセットを上方から着脱するように形成されると共に、前記上糸カセットの着脱の際上糸カセットを直線状に案内する溝状の案内部が形成されていることを特徴とする請求の範囲第1項記載の上糸カセット付きミシン。
  5. 糸駒を収納した上糸カセットがアーム部に着脱可能に装着される上糸カセット付きミシンにおいて、
    前記アーム部の先端部分の前面部に設けられ、前記上糸カセットが着脱可能に装着されるカセット装着部と、
    前記アーム部において、前記カセット装着部の近傍でより基部側の部位に設けられ、天秤の糸掛け部が往復移動する天秤移動領域と、
    前記カセット装着部の下端側部位で突出して設けられた糸調子器とを備え、
    前記上糸カセットはカセットケースを備え、
    前記カセットケースには、
    前記糸駒をその軸心を鉛直にして保持する糸駒保持部と、
    前記糸駒から繰り出された糸を前記カセットケースの外へ供給する糸出口と、
    前記糸駒から繰り出された糸を前記糸出口へ導く糸経路と、
    天秤の糸掛け部をカセットケース内へ突入させる為のスリットと、
    糸調子器をカセットケース内へ突入させる為の切欠き部とが形成されていることを特徴とする上糸カセット付きミシン。
  6. 前記糸調子器は、糸調子皿と糸調子バネとを有し、前記上糸カセットをカセット装着部に装着する装着動作に連動して、上糸カセットの上糸を天秤の糸掛け部と糸調子皿と糸調子バネに糸掛けするように構成したことを特徴とする請求の範囲第5項記載の上糸カセット付きミシン。
  7. 前記糸経路は、前記糸駒保持部の糸駒から上方へ上糸を繰り出してからカセットケースの糸出口へ導くように構成され、
    前記上糸カセットに、糸経路の上流部において上糸に通過抵抗を与える第1挟持部と、カセットケースの糸出口付近において上糸に通過抵抗を与える第2挟持部とを設け、
    前記第1挟持部は、上糸カセットをカセット装着部に未装着の状態でも装着した状態でも上糸に通過抵抗を付与してその上糸を糸調子器との間で緊張させることを特徴とする請求の範囲第5項に記載の上糸カセット付きミシン。
  8. 前記上糸カセットをカセット装着部に装着完了前の状態では、第2挟持部で与える通過抵抗が第1挟持部で与える通過抵抗よりも大きくなるように構成されたことを特徴とする請求の範囲第7項記載の上糸カセット付きミシン。
  9. 前記上糸カセットのカセットケースに、その内部に収容した糸駒の糸色を識別する為の色識別手段を設けたことを特徴とする請求の範囲第1項記載の上糸カセット付きミシン。
  10. 前記糸駒を保持する糸駒保持部のうちの前記糸駒の下端部に当接する部分に、前記糸駒の外周面よりも半径方向内側に窪んだ凹部を形成したことを特徴とする請求の範囲第1項記載の上糸カセット付きミシン。
  11. 前記上糸カセットのカセットケースの外面部には、上糸カセットから上糸カセットの外部へ延びた糸の糸端側部分を係止可能な糸止め部を有することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の上糸カセット付きミシン。
  12. ミシンのアーム部に着脱可能に装着される上糸カセットにおいて、
    カセットケースと、
    糸駒と、
    前記カセットケース内に設けられ、前記糸駒をカセットケース内で保持する糸駒保持部と、
    前記カセットケース内に設けられ、前記糸駒から繰り出された糸を前記糸出口へ導く糸経路とを備え、
    ミシンに装着された際、前記糸駒保持部に保持した糸駒の軸心方向とこの糸駒からの糸の繰り出し方向との少なくとも一方が天秤の糸掛け部の往復移動方向とほぼ平行になるように、前記糸駒或いは前記糸経路を配置したことを特徴とする上糸カセット。
  13. 更に、前記カセットケースには、
    天秤の糸掛け部をカセットケース内へ突入させる為のスリットと、
    糸調子器をカセットケース内へ突入させる為の切欠き部とが形成されており、
    天秤の糸掛け部が往復移動する天秤移動領域の近傍に着脱可能に装着されることを特徴とする請求の範囲第12項に記載の上糸カセット。
  14. 前記糸経路は、前記糸駒保持部の糸駒から上方へ糸を繰り出してから前記糸出口へ導くように構成され、更に、
    前記カセットケース内に設けられ、前記糸経路の上流部において糸に通過抵抗を与える第1挟持部と、
    前記カセットケース内に設けられ、前記糸出口付近において糸に通過抵抗を与える第2挟持部とを備え、
    前記第1挟持部は、上糸カセットをカセット装着部に未装着の状態でも装着した状態でも上糸に通過抵抗を付与してその上糸を糸調子器との間で緊張させることを特徴とする請求の範囲第12項に記載の上糸カセット。
  15. ミシンに装着完了前の状態では、第2挟持部で与える通過抵抗が第1挟持部で与える通過抵抗よりも大きくなるように構成されたことを特徴とする請求の範囲第14項記載の上糸カセット。
  16. 更に、内部に収容した糸駒の糸色を識別する為の色識別手段を備えたことを特徴とする請求の範囲第12項記載の上糸カセット。
  17. 更に、前記糸駒を保持する糸駒保持部のうちの前記糸駒の下端部に当接する部分に、前記糸駒の外周面よりも半径方向内側に窪んだ凹部を形成したことを特徴とする請求の範囲第12項記載の上糸カセット。
  18. 前記上糸カセットのカセットケースの外面部には、上糸カセットから上糸カセットの外部へ延びた糸の糸端側部分を係止可能な糸止め部を有することを特徴とする請求の範囲第12項に記載の上糸カセット付きミシン。
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