JPWO2002040999A1 - 体外診断薬 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ドライケミストリーによる検査法に使用される体外診断薬および診断方法に関する。より詳細には、長期保存の後も一定以上の精度が保たれる体外診断薬および診断方法に関する。
背 景 技 術
近年、臨床検査において、様々な検査法が利用されてきているが、その検査法の一つに、ドライケミストリーによる検査法がある。ドライケミストリーとは、フィルムまたは試験紙のような固相マトリクスに乾燥状態で担持された試薬に対して、液体状の被検試料を点着させることを包含する、試料中の被検物質を測定する方法である。ドライケミストリーで用いられる体外診断薬の方式としては、濾紙に試薬を担持させた単層式、および展開層、反応層、試薬層などを層上に積層させた多層式などが挙げられる。ドライケミストリーによる検査法の特徴としては、試薬が既に固相マトリクス上に担持されているため、試薬の調製が不要で、省スペースで保存することができ、被検試料量が少量でよいことなどが挙げられる。
代表的なドライケミストリーによる検査法としては、イムノクロマトグラフィー法がある。イムノクロマトグラフィー法とは、抗原抗体反応および毛細管現象を利用した検査法である。この方法において用いられる体外診断薬では、メンブランフィルター等の担体上に、固定化された抗体(または抗原)および検出試薬に感作された抗体(または抗原)が、それぞれ乾燥状態で担持されている。検査の際には、前記体外診断薬上に抗原(または抗体)を含んだ被検試料を添加し、毛細管現象により展開させ、反応部位においてサンドイッチ型の抗原抗体反応を生じさせ、次いで反応部位を発色させることにより、被検試料中の抗原(または抗体)の同定、存在の有無、または抗原(または抗体)量を測定する。抗原抗体反応の形態としては、サンドイッチ型の反応のほかに、競合型の反応を利用するイムノクロマトグラフィー法もあるが、デバイスの構造および検査の方法は同様である。このイムノクロマトグラフィー法の原理を利用したイムノクロマトデバイスは、妊娠検査薬に代表されるように、主として、反応部位における発色の有無により、陽性または陰性を判定する定性判定に利用されている。
イムノクロマトグラフィー法を利用した検査法の利点としては、上記に示したドライケミストリーとしての利点に加え、操作の簡便性、迅速な判定、低価格が挙げられる。従って、イムノクロマトグラフィーを利用した検査法は、臨床検査に限らず、近年、着目されているポイント・オブ・ケア(以下、POCと略称する)においても、適応可能である。特に、POCの概念に基づく医療診断現場では、試薬の扱いが問題となってくる。この点で、定性判定に用いられるイムノクロマトデバイスは、室温での保存が可能であり、取扱いに際して、デバイスに担持されている抗原、固定化抗体、標識抗体などの試薬についての専門的な知識または技術を必要とせず、使用者にとって取り扱いやすいデバイスである。
さらに近年において、このイムノクロマトグラフィー法は、反応部位の発色の濃さによる測定を用いて、半定量または定量判定においても利用されはじめている。半定量または定量の手段としては、一般的には反射吸光法により、反応部位における吸光度を測定する方法がある。定量判定により、定性判定では判明しない種々の医学的事項が明らかとなることから、定量判定の有用性が注目されている。
しかしながら、発色の有無による定性判定とは異なり、半定量または定量測定においては、発色の有無だけでなく発色の濃さも問題となることから、より高い保存安定性が要求される。従来の定量イムノクロマトデバイスにおいては、製造直後は高精度の定量判定が可能であるが、長時間の保存時に、その高精度な定量性を維持していないという欠点があった。高精度な定量性を維持するためには、試料の担体への展開および標識抗体の溶出が経時的に均一である必要がある。
デバイスの安定性維持の具体的な方策としては、イムノクロマトデバイスの重要な要素である固定化抗体の親和性の低下を防ぐ目的として、特許第1849714号公報に開示されるような、安定化剤としてウシ血清アルブミン(以下、BSAと略称する)およびデキストリンを含ませるという方策が採用されていた。しかし、この方法では定量測定における保存安定性は不充分であった。
さらに、イムノクロマトデバイス以外のドライケミストリーによる体外診断薬についても、高精度定量デバイスは存在するが、室温での保存安定性が悪く、POCにおいて利用することは困難であった。
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、定量測定においても優れた保存安定性を有する体外診断薬を提供することを目的とする。
発 明 の 要 旨
本発明は、上記課題を解決するために、検体中の被検物質を測定するために用いられる体外診断薬であって、前記被検物質と特異的に反応する試薬と、親水性材料(例えば、糖または糖誘導体)とを含むことを特徴とする体外診断薬を提供する。
本発明は、以下を提供する:
(1) 検体中の被検物質を測定するための体外診断薬であって、
1)該被検物質と特異的に反応する試薬と、
2)少なくとも1つの水酸基および少なくとも1つのアルデヒド基またはケトン基を含む化合物と、
を含む、体外診断薬。
(2) 前記試薬は、抗体もしくは抗原またはその誘導体である、項目1に記載の体外診断薬。
(3) 前記化合物は、糖または糖誘導体である、項目1に記載の体外診断薬。
(4) さらに、ウシ血清アルブミン、カゼイン、界面活性剤、またはスキムミルクを含む、項目1に記載の体外診断薬。
(5) 前記化合物は、糖アルコールまたはその誘導体を含む、項目1に記載の体外診断薬。
(6) 前記化合物は、スクロースまたはソルビトールを含む、項目1に記載の体外診断薬。
(7) 前記化合物は、スクロースおよびソルビトールを含む、項目1に記載の体外診断薬。
(8) 前記化合物は、約3w/v%以上の濃度で存在する、項目1に記載の体外診断薬。
(9) 前記化合物は、約3w/v%〜約10w/v%の濃度で存在する、項目1に記載の体外診断薬。
(10) 前記試薬は、2以上存在し、該2以上の試薬は、第一の抗体もしくは抗原またはその誘導体、および第二の抗体もしくは抗原またはその誘導体を含む、項目1に記載の体外診断薬。
(11) 前記試薬は、コロイド粒子、ラテックス粒子、色素、ミセル、酵素、蛍光物質またはリン光物質により標識されている、項目1に記載の体外診断薬。
(12) 前記試薬および前記化合物は、支持体に担持されている、項目1に記載の体外診断薬。
(13) 前記試薬および前記化合物は、前記支持体において別個の領域に担持されている、項目12に記載の体外診断薬。
(14) 前記支持体は、固相マトリクスである、項目12に記載の体外診断薬。
(15) 前記支持体は、多孔性材料を含む、項目12に記載の体外診断薬。
(16) 前記支持体が標識領域、判定領域および試料導入領域を備え、
1)該標識領域は、前記被検物質に結合する第1の抗体または抗原を含み、
2)該判定領域は、該被検物質に結合する第2の抗体または抗原を含み、そして該標識領域と流体連絡するように配置され、
3)該試料導入領域は該標識領域と流体連絡するように配置されている、
項目12に記載の体外診断薬。
(17) 前記化合物は、前記標識領域および前記判定領域からなる群より選択される少なくとも1つの領域に含まれる、項目16に記載の体外診断薬。
(18) 前記化合物は、前記標識領域に含まれる、項目16に記載の体外診断薬。
(19) 検体中の被検物質を測定するための体外診断薬を製造する方法であって、該方法は:
1)該被検物質と特異的に反応する試薬を提供する工程;および
2)少なくとも1つの水酸基および少なくとも1つのアルデヒド基またはケトン基を含む化合物を提供する工程、
を包含する、方法。
(20) 検体中の被検物質を検出する方法であって、該方法は:
A)体外診断薬を提供する工程であって、該体外診断薬は、
1)該被検物質と特異的に反応する試薬と、
2)少なくとも1つの水酸基および少なくとも1つのアルデヒド基またはケトン基を含む化合物と、
を含む、工程;
B)該体外診断薬に該検体を提供する工程;
C)該体外診断薬を、該検体と該試薬とが特異的に反応する条件下に配置する工程;ならびに、
D)該検体と該試薬との特異的反応に起因する信号を検出する工程、
を包含する、方法。
(21) 以下:
1)該被検物質と特異的に反応する試薬と、
2)少なくとも1つの水酸基および少なくとも1つのアルデヒド基またはケトン基を含む化合物と、
を含む体外診断薬の、検体中の被検物質を測定するための使用。
発明の詳細な説明
本明細書の全体にわたり、単数形の冠詞(例えば、英語の場合は「a」、[an」、「the」など、独語の場合の「ein」、「der」、「das」、「die」などおよびその変化形、仏語の場合の「un」、「une」、「des」、「le」、他の言語における対応する冠詞、形容詞など)は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。
本発明は、検体中の被検物質を測定するための体外診断薬を提供する。この体外診断薬は、
1)該被検物質と特異的に反応する試薬と、
2)親水性材料とを含む。
本明細書において、「体外診断薬」とは、被験体の身体の外部において、少なくとも1つの特定の生物学的パラメータについてモニターすることができる物(product)をいう。体外診断薬は、状況に応じてどのような形態でも採り得、組成物であってもよく、デバイスの形態であってもよい。
本明細書において、「親水性材料」とは、水分子との親和性が強い原子団を含む材料をいう。本明細書において、親水性材料は、タンパク質の立体構造を破壊しないことが必要とされる。そのような親水性材料の例としては、例えば、リジン、アルギニン、グルタミン酸、アスパラギン酸などのアミノ酸の側鎖、核酸のリン酸基、セリン、トレオニンのアミノ酸側鎖、糖または糖誘導体の水酸基などが挙げられる。
1つの実施形態において、上記親水性材料は、少なくとも1つの水酸基および少なくとも1つのアルデヒド基またはケトン基を含む化合物を包含する。従って、好ましい実施形態では、本発明は、検体中の被検物質を測定するための体外診断薬を提供する。この体外診断薬は、
1)該被検物質と特異的に反応する試薬と、
2)少なくとも1つの水酸基および少なくとも1つのアルデヒド基またはケトン基を含む化合物とを含む。
1つの好ましい実施形態において、上記親水性材料は、糖または糖誘導体であり得る。
本明細書において、糖とは、少なくとも1つの水酸基および少なくとも1つのアルデヒド基またはケトン基を含む、ポリヒドロキシアルデヒドまたはポリヒドロキシケトンをいう。本明細書において、糖はまた、炭水化物ともいい、両者は互換的に用いられる。
本発明の体外診断薬で用いる糖は、液体に溶解できるものであればよく、例えば、グルコース、マンノース、ガラクトース、およびフルクトース等の単糖、並びにマルトース、イソマルトース、セロビオース、ラクトース、およびスクロース等のオリゴ糖が挙げられる。また、単糖、またはオリゴ糖を化学的に結合させた多糖でもよい。糖には立体異性体が存在するが、すべての立体異性体を適用可能である。この中では、スクロースが好ましい。
本明細書において、糖誘導体とは、糖のある置換基を別の置換基で置き換えたもの、および糖の酸化還元反応により得られる糖の改変体をいう。ここで、置換基としては、アルキル、置換されたアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、シクロアルケニル、置換されたシクロアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、炭素環基、置換された炭素環基、ヘテロ環基、置換されたヘテロ環基、ハロゲン、ヒドロキシ、置換されたヒドロキシ、チオール、置換されたチオール、シアノ、ニトロ、アミノ、置換されたアミノ、カルボキシ、置換されたカルボキシ、アシル、置換されたアシル、チオカルボキシ、置換されたチオカルボキシ、アミド、置換されたアミド、置換されたカルボニル、置換されたチオカルボニル、置換されたスルホニルおよび置換されたスルフィニルが挙げられるがこれらに限定されない。
本発明の体外診断薬で用いる糖誘導体は、液体に溶解できるものであればよく、例えば、単糖、オリゴ糖または多糖を、タンパク質、脂質または核酸等の生体成分に修飾したもの、糖アルコール、イノシトール、ウロン酸、アスコルビン酸、アミノ糖、糖燐酸エステルおよび天然糖タンパク質などが挙げられる。この中では、糖アルコールが好ましい。
糖または糖誘導体は、吸湿性を有し、乾燥性も少なく、温度変化に対して水分の保有量を保つことに優れている。よって、このようにすることにより、体外診断薬中の湿度が適度に保たれることから、高精度な定量測定に対しても保存安定性を有する体外診断薬を得ることができる。
本発明の体外診断薬で用いることができる糖アルコールは、アルドースもしくはケトースのカルボニル基の還元により得られる鎖状の多価アルコールまたはそれらの立体異性体であればよく、例えば、グリセロール、エリトリトール、トレイトール、リビトール、アラビニトール、キシリトール、アリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、ダルシトール、およびタリトール、または、グリセロール、エリトリトール、トレイトール、リビトール、アラビニトール、キシリトール、アリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、ダルシトール、およびタリトールの立体異性体が挙げられる。また、上記鎖状の多価アルコールまたはそれらの立体異性体のうち、2つ以上を化学的結合させたものでもよく、例えば、グリセロール、エリトリトール、トレイトール、リビトール、アラビニトール、キシリトール、アリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、ダルシトール、もしくはタリトール、または、グリセロール、エリトリトール、トレイトール、リビトール、アラビニトール、キシリトール、アリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、ダルシトール、もしくはタリトールの立体異性体であるD体およびL体のうち、2つ以上を化学的結合させたものが挙げられる。また、上記鎖状の多価アルコールまたはそれらの立体異性体、例えば、グリセロール、エリトリトール、トレイトール、リビトール、アラビニトール、キシリトール、アリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、ダルシトール、もしくはタリトール、またはグリセロール、エリトリトール、トレイトール、リビトール、アラビニトール、キシリトール、アリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、ダルシトール、もしくはタリトールの立体異性体と、天然に存在する糖もしくは天然には存在せず人工的に合成された糖、または天然に存在する糖もしくは天然には存在せず人工的に合成された糖の立体異性体とを、アルコール基を介して部分的にまたは全体的に結合させたものでもよい。この中では、糖アルコールがソルビトールであることが好ましい。
従って、好ましくは、上記材料は、糖アルコールまたはその誘導体を含み得る。より好ましくは、上記材料は、スクロースまたはソルビトールを含み得る。上記材料は、スクロースおよびソルビトールを含むことも好ましくあり得る。
1つの実施形態において、上記材料は、約1w/v%より多くあり得る。より好ましくは、上記材料は、約3w/v%以上の濃度で存在し得る。さらに好ましくは、上記材料は、約3w/v%〜約10w/v%の濃度で存在し得る。上記材料の含有濃度は、これらの範囲に限定されることはなく、例えば、下限として、約1w/v%、約1.5w/v%、約2w/v%、約2.5w/v%、約3w/v%、約4w/v%、約5w/v%、約6w/v%、約7w/v%、約8w/v%、約9w/v%、約10w/v%、約15w/v%などが挙げられる。上記材料の含有濃度の上限としては例えば、約1.5w/v%、約2w/v%、約2.5w/v%、約3w/v%、約4w/v%、約5w/v%、約6w/v%、約7w/v%、約8w/v%、約9w/v%、約10w/v%、約12.5w/v%、約15w/v%、約17,5w/v%、約20w/v%、約30w/v%、約40w/v%、約50w/v%などが挙げられるがそれらに限定されない。上記範囲としては、上記の下限と上限との任意の組合せであり得る。
本発明で用いることができる試薬は、被検物質と特異的に反応するものであればよく、例えば、抗体、抗原、アビジン、ビオチン、核酸などが挙げられる。この中では、抗原または抗体が好ましい。従って、別の局面において、本発明において用いられる試薬は、抗体もしくは抗原またはその誘導体であり得る。「特異的に反応する」とは、目的とする物体に対して、他の物体よりも強い相互作用を示すことを意味する。
本明細書において「抗原」とは、抗体を惹起する任意の物質をいい、そのような抗原としては、ハプテン、タンパク質、細菌、ウイルス、および抗ウイルス抗体などが挙げられる。ここで、ハプテンとしては、例えば、ダイオキシン、アンフェタミン、メタンフェタミン、エストラジオールなどの低分子化合物が挙げられる。タンパク質としては、ヘモグロビン、アルブミン、ヘモグロビンAlc(グリコヘモグロビン)、HDL(高密度リポタンパク質)、LDL(低密度リポタンパク質)、HCV抗体(C型肝炎ウイルス抗体)、HIV抗体(ヒト免疫不全ウイルス抗体)、CEA(癌胎児性抗原)、AFP(α−フェトプロテイン)、CRP(C反応性タンパク質)、SAA(血清アミロイドA)、hcG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)などが挙げられる。細菌としては、大腸菌属、サルモネラ菌属、黄色ブドウ球菌属、腸炎ビブリオ菌属に属する細菌などが挙げられる。ウイルスとしては、HIV、HBsなどが挙げられる。
本明細書における、「抗体」とは、上記抗原に対して惹起されたものが包含される。本願明細書においては、抗体は、抗体の全体ならびにその免疫原性の誘導体およびフラグメントをも含むことが意図される。抗体の免疫原性フラグメントとは、免疫原性を有する抗体の任意のフラグメントをいう。抗体の免疫原性フラグメントとしては、例えば、FabまたはF(ab)2’などの可変領域が挙げられるがそれらに限定されない。従って、抗体の免疫原性フラグメントは、免疫反応を惹起し得る限り、どのようなフラグメントでもよい。
別の実施形態において、本発明の体外診断薬は、ウシ血清アルブミン、カゼイン、界面活性剤、またはスキムミルクをさらに含み得る。
1つの局面における本発明の体外診断薬において、上記試薬は、2以上存在する。この2以上の試薬は、第一の抗体もしくは抗原またはその誘導体、および第二の抗体もしくは抗原またはその誘導体を含み得る。
好ましい実施形態において、上記試薬は、コロイド粒子、ラテックス粒子、色素、ミセル、酵素、蛍光物質またはリン光物質により標識されていてもよい。
1つの実施形態において、上記試薬および上記材料は、支持体に担持され得る。好ましくは、上記試薬および上記化合物は、上記支持体において別個の領域に担持され得る。
好ましい実施形態において、上記支持体は、固相マトリクスであり得る。このマトリクスは、層状(固層マトリクス)であってもよい。上記支持体は、好ましくは、多孔性材料を含み得る。ここで、試薬と、糖または糖誘導体とは、固相マトリクスに担持されていることが好ましい。
固相マトリクスは、概して、試料液を吸水、保水および展開することができ、さらに生体物質を物理的または化学的に吸着させることができるものであれば良く、例えば、ガラス繊維濾紙、メンブランフィルター等が挙げられる。
本発明の体外診断薬は、固相マトリクスとして、試料導入領域、被検物質である抗原または抗体に結合する第1の抗体または抗原を含む標識領域、および上記被検物質である抗原または抗体に結合する第2の抗体または抗原を含む判定領域を備え、上記試料導入領域に導入された試料液が上記標識領域を経て上記判定領域に移動するように上記試料導入領域、上記標識領域および上記判定領域が配置されており、上記試料導入領域、上記標識領域または上記判定領域に糖または糖誘導体を含み、抗原・抗体の特異的結合反応に基づいて試料液中の被検物質である抗原または抗体を測定することを特徴とする。
このようにすることにより、少なくとも試料導入領域、標識領域または判定領域中の湿度が適度に保たれるので、試料液の担体への展開が経時的に均一となる。よって高精度な定量測定に対しても保存安定性を有する体外診断薬を得ることができる。
好ましい実施形態において、本発明の体外診断薬において、上記支持体は、標識領域、判定領域および試料導入領域を備え、
1)上記標識領域は、上記被検物質に結合する第1の抗体または抗原を含み、
2)上記判定領域は、上記被検物質に結合する第2の抗体または抗原を含み、そして上記標識領域と流体連絡するように配置され、
3)上記試料導入領域は上記標識領域と流体連絡するように配置されている。
その好ましい形態において、本発明の体外診断薬は、体外診断デバイスの形態を採り得るがそれらに限定されない。従って、体外診断薬は、組成物の形態を採り得る。
ここで、標識領域に糖または糖誘導体を含むことが好ましい。このようにすると、第1の抗体(または抗原)の固相マトリクスに対する非特異的な吸着が緩和され、第1の抗体(または抗原)の溶出性が経時的に均一となるので、より保存安定性の高い体外診断薬を得ることができる。
1つの実施形態において、第1の抗体(または抗原)は、コロイド粒子、ラテックス粒子、色素またはミセルにより標識されていてもよく、少なくとも標識領域に糖または糖誘導体を含むことが好ましい。
試料導入領域の材料は、試料液が適度な速度で展開することができるものであればよく、例えば、ニトロセルロースおよびガラス濾紙が挙げられる。
また、標識領域および判定領域の材料としては、第1および第2の抗体(または抗原)を担持することができ、かつ試料液が適度な速度で展開することができるものであればよく、例えば、ニトロセルロースおよびガラス濾紙が挙げられる。
本発明における一つの実施形態としては、例えば、自動分析機器で被検体物質を測定する際に必要となる体外診断薬で、キュベット、またはエッペンチューブなどの容器の液状の試薬に、あらかじめ糖または糖誘導体を含ませて乾燥物としたものである。これを用いて測定する際には、多種多用な使用法が期待でき、例えば、上記凍結乾燥物を含む容器に緩衝液等を注入溶解した後に、分析機器のキュベットに移し替え測定することができる。あるいは、溶液が入っている容器を、直接、分析機器に設置することにより、機器が自動で緩衝液等を注入し、即時測定を行うことも可能である。乾燥試薬含容器を使用することにより、使用者は試薬調製をする必要もなく、また試薬が固体状態なので、液体状態とは異なり取り扱いが簡単である。また、容器が使い捨てであれば洗浄する必要もなく、なお簡単な取り扱いが期待できる。しかも、室温での保存も可能となるため、さらに簡単な取り扱いが期待できる。
本発明における他の実施形態としては、免疫血清検査法において、例えば、免疫比濁法、ネフェロメトリー、ラテックス凝集法、放射性免疫測定法、酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法、化学発光免疫測定法、微粒子係数免疫測定法等の免疫血清検査法を利用する際に用いられる体外診断薬で、キュベット、またはエッペンチューブなどの容器に入った抗体もしくは抗原溶液に、あらかじめ糖または糖誘導体を含ませ凍結乾燥物としたものである。試薬の取り扱いおよび測定の際には、上記自動分析機器での使用と同様に扱える。
1つの実施形態において、上記化合物は、上記標識領域および上記判定領城からなる群より選択される少なくとも1つの領域に含まれ得る。好ましくは、上記化合物は、少なくとも上記標識領域に含まれ得るが、すべて領域の含まれていても良い。
1つの局面において、本発明は、検体中の被検物質を測定するための体外診断薬を製造する方法を提供する。この方法は:
1)上記被検物質と特異的に反応する試薬を提供する工程;および
2)少なくとも1つの水酸基および少なくとも1つのアルデヒド基またはケトン基を含む化合物を提供する工程、
を包含する。
1つの実施形態において、本発明の体外診断薬は、被検物質と特異的に反応する試薬の溶液に糖または糖誘導体を混合した後、その溶液を自然乾燥または凍結乾燥することにより作製することができる。
試薬と、糖または糖誘導体とを固相マトリクスに担持させる場合には、被検物質と特異的に反応する試薬の溶液に糖または糖誘導体を混合し、その溶液を固相マトリクスに含浸または固定化させた後、自然乾燥または凍結乾燥することにより作製することができる。なお、ここで「含浸」とは、溶出可能な状態で担持することを指し、「固定化」とは、溶出不可能な状態で担持することをいう。
また、本発明の体外診断薬は、第1の抗体(または抗原)を含む溶液に糖または糖誘導体を混合し、その溶液を標識領域に含浸させ、または/および第2の抗体(または抗原)を含む溶液に糖または糖誘導体を混合し、その溶液を判定領域に固定化させた後、自然乾燥または凍結乾燥することにより作製することができる。
別の局面において、本発明は、検体中の被検物質を検出する方法を提供する。ここで、上記方法は:
A)体外診断薬を提供する工程であって、上記体外診断薬は、
1)上記被検物質と特異的に反応する試薬と、
2)少なくとも1つの水酸基および少なくとも1つのアルデヒド基またはケトン基を含む化合物と、
を含む、工程;
B)上記体外診断薬に上記検体を提供する工程;
C)上記体外診断薬を、上記検体と上記試薬とが特異的に反応する条件下に配置する工程;ならびに、
D)上記検体と上記試薬との特異的反応に起因する信号を検出する工程、
を包含する。
別の局面において、本発明は、本発明の体外診断薬の、検体中の被検物質を測定するための使用に関する。
本発明の診断方法または検出方法を用いることで、例えば、血液中に含まれる成分(例えば、HbAlc(グリコヘモグロビン)、HDL(高密度リポタンパク質)、LDL(低密度リポタンパク質)、HCV抗体(C型肝炎ウイルス抗体)、HIV抗体(ヒト免疫不全ウイルス抗体)、CEA(癌胎児性抗原)、AFP(α−フェトプロテイン)、CRP(C反応性タンパク質)、SAA(血清アミロイドA)など)を検出することができる。これは、例えば、上記タンパク質に対する抗体を検出および固定のために用いたイムノクロマトデバイスに血液を点着し、一定時間後の呈色強度を反射吸光度で測定することで、タンパク質濃度を定量することができる。
本発明によってもたらされる効果としては、長期保存(例えば、1ヶ月)後にも高精度で診断・検出を行うことができることが挙げられる。本明細書において、一定期間後の精度を評価するための指数として、「安定度指数」を使用する。本明細書における「安定度指数」とは、体外診断薬の製造後14日目の感度を基準(0)とし、その後の感度を基準と比較したものをいう。従って、14日目の感度が−10であり、30日目の感度が20である場合は、安定度指数は+30である。安定度指数は、0に近ければよい。他方、測定時点ごとの変動が少ないこと、すなわち経時変化が少ないこともまた好ましい。本発明において、安定度指数の数値は、好ましくは、±20以内であり得る。より好ましくは、安定度指数は±10以内であり得る。±20以内の変化であれば、デバイスのばらつきの影響が大きく、単に劣化によるものとはいえないことから、許容範囲といえる。別の局面において、本発明では、安定度指数は、各測定時点相互の相違が20以内であることが好ましい。より好ましくは、点相互の相違は10以内であり得る。保存安定性を評価する上で、測定データにつき重視すべきことは、次の測定結果の予測である。保存安定性試験では、最終測定時点後の測定結果を予測することも重要であり得る。従って、経時的な変化が少ない、特に連続的にそれほど変化しないことが望ましい。逆に、1つの濃度において、安定度指数が±20の範囲外であり、しかも、経時的に安定度指数の絶対値が増加する傾向が見られた場合、これは、それ以後の測定で信頼性のないデータを示す可能性が高いといえる。しかも、その濃度以外でも、安定度指数の絶対値が20を超えるようになると予想され、本明細書における比較例でも、実際同様の傾向が観察された。
従って、本発明を用いれば、例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年などを含むがそれらに限定されない長期間の保存後も高精度で診断・検出することができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をさらに詳しく説明する。以下の実施例は、例示の目的のみに提供される。従って、本発明の範囲は、実施例のみに限定されるものではなく、請求の範囲によってのみ限定される。
実 施 例
以下の実施例で用いられる試薬、器具、システムは、当該分野において一般に用いられるものを用いた。なお、体外診断薬としてイムノクロマトデバイスを例に挙げて説明するが、本発明は、以下の実施例に制約されるものではない。
(実施例1)
試料液および被検物質である抗原としてヒト尿およびhCGを用い、標識領域に糖アルコールであるソルビトールを含み、ヒト尿中のhCGを定量的に測定するイムノクロマトデバイスを作製し、その保存安定性を評価した。図1に、本実施例1によるイムノクロマトデバイスの構造を示す。
(ニトロセルロースメンブランの調製)
第2の抗体として抗hCG−β抗体を、リン酸緩衝液(pH7.4)で濃度調整を行った後に、得られた抗hCG−β抗体溶液を、溶液吐出装置により厚さ150μmのニトロセルロースメンブラン(ミリポア社製:ハイフローメンブレン)中央領域にライン状に塗布し、乾燥させることにより、判定領域12を作製した。引き続いて、ニトロセルロースメンブランを、1%スキムミルクを含有する、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(以下、Trisと表す)−HCl緩衝液(pH8.2)中に浸漬させて30分間振とうさせ、さらに別のTris−HCl緩衝液(pH8.2)中に浸漬させて10分間振とうさせた。こうして得られたニトロセルロースメンブランを室温で乾燥させた。
(金コロイド感作抗hCG−α抗体液の調製)
まず、還流中の0.01%塩化金酸溶液200mlに1%クエン酸溶液4mlをすばやく添加することにより、金コロイドを作製した。この金コロイド溶液を室温で冷却した後、0.2M炭酸カリウム溶液を添加してpH9.0に調整した。引き続いて、第1の抗体として5mg/mlの抗hCG−α抗体を含むPBS緩衝溶液500μlを加えて数分間攪拌させ、さらに、10%ウシ血清アルブミン(以下、BSAと表す)溶液(pH9.0)を20ml加えた。こうして得られた金コロイド感作抗hCG−α抗体を含む反応混合液から、未反応の抗hCG−α抗体、およびBSAを取り除くために、2回遠心分離を行った。こうして精製された金コロイド感作抗hCG−α抗体を、ソルビトールを10%含むリン酸緩衝液(pH7.4)に懸濁させ、0.8μmフィルター(ADVANTEC社製:DISMIC−25cs)にてろ過し、4℃で貯蔵した。
(イムノクロマトデバイスの作製)
上記ニトロセルロースメンブラン上の判定領域12から離れた位置の一部に、溶液吐出装置を用いて、作製した金コロイド感作抗hCG−α抗体液を塗布し、乾燥させることにより、ニトロセルロースメンブラン上に標識領域11を作製した。また、ニトロセルロースメンブラン上の金コロイド感作抗hCG−α抗体液を塗布していない箇所を試料導入領域10とした。
最後に、厚さ0.5mmの白色PETからなる基板13上に、上記ニトロセルロースメンブランを貼り付け、5mm×50mmの短冊上に切り取り、イムノクロマトデバイスを作製した。
金コロイド感作抗hCG−α抗体液を調製する工程においてソルビトールを使用しないこと以外は実施例1と同様の方法により、標識領域にソルビトールを含まないイムノクロマトデバイスを作製し、比較例1とした。
(試料液の調製)
既知濃度のhCG溶液をヒト尿中に加えることにより、100U/l、1000U/lおよび10000U/lの濃度に調整した。
(hCG濃度の定量測定)
試料液中のhCG濃度の定量測定は、実施例1のイムノクロマトデバイスについては、イムノクロマトデバイスの作製直後と、作製から3日、14日、28日、および62日目、比較例1のイムノクロマトデバイスについては、イムノクロマトデバイスの作製直後と、作製から7日、14日、28日、および62日目とし、その間のイムノクロマトデバイスの保存温度はともに、4℃、25℃、および40℃とした。
測定の際には、作製したイムノクロマトデバイスの試料導入領域10に、100U/l、1000U/lまたは10000U/lのhCG液を40μl添加して、メンブラン上に展開させた。試料液中のhCG濃度の定量は、判定領域12における5分後の発色を、反射吸光分光光度計(島津製作所製:CS9300)を用い520nmにおける反射吸光度を計測することにより行った。
図2に実施例1におけるイムノクロマトデバイスの4℃での保存安定性を示す図、図3に比較例1におけるイムノクロマトデバイスの4℃での保存安定性を示す図、図4に実施例1におけるイムノクロマトデバイスの25℃での保存安定性を示す図、図5に比較例1におけるイムノクロマトデバイスの25℃での保存安定性を示す図、図6に実施例1におけるイムノクロマトデバイスの40℃での保存安定性を示す図、および図7に比較例1におけるイムノクロマトデバイスの40℃での保存安定性を示す図を示す。図2〜7において、横軸は、イムノクロマトデバイスを作製してから測定を行うまでの保存日数、縦軸は、作製直後の測定により作成したhCG濃度−反射吸光度の検量線をもとにして、各測定での反射吸光度から求めたhCG濃度と、試料液中の実際のhCG濃度との差を表す感度差であり、黒丸は濃度100U/lの試料液についてのデータ、白丸は濃度1000U/lの試料液についてのデータ、三角は濃度10000U/lの試料液についてのデータを表す。
図からわかるように、比較例1のイムノクロマトデバイスでは、保存日数が長くなるに従って感度が低下する傾向がみられ、その傾向は保存温度が高くなるに従って顕著になっている。それに対して、実施例1のイムノクロマトデバイスでは、いずれの保存温度においても、作製から14日目までは感度の変化がみられるが、14日目以降は62日目までほぼ安定した感度が得られた。実施例1のイムノクロマトデバイスは、図6に示す40℃での保存安定性加速試験において、14日目から約1ヶ月保存安定性が維持されているので、室温での保存安定性に換算すると、約1〜1.5年間の保存安定性を保証することできる。また、CV値の変動についても、精度も保証することができる。
(実施例2)スクロース濃度の最適化
金コロイド感作抗hCG−α抗体液を調製する工程において、スクロースを0、1、3、5、7、10%それぞれの条件で金コロイド感作抗hCG−α抗体液に含ませること以外は、イムノクロマトデバイスの作製は、実施例1と同様の方法である。
(試料液の調製)
既知濃度のhCG溶液を血清に加えることにより、0.01、0.1、1mg/dlのhCG溶液を調製した。
(hCG濃度の定量測定)
実施例のそれぞれのスクロース濃度が担持されているイムノクロマトデバイスを、40℃で30日間保存し、イムノクロマトデバイスの作製直後と作製から30日後の測定結果を評価することで、最適スクロース濃度を決定した。実施例1の結果(図2〜7)から40℃、1ヶ月保存において、感度劣化を−20%前後内で抑えることができれば、4℃、25℃における1.5年の保存安定性は保証することができる。
測定の際には、作製したイムノクロマトデバイスの試料導入領域10に、0.01、0.1、1mg/dlのhCG液を40ul添加して、メンブラン上に展開させた。試料液中のhCG濃度の定量は、判定領域12における5分後の発色を反射吸光分光光度計(島津製作所:CS9300)を用い520nmにおける反射吸光度を計測することにより行った。
図8に実施例2におけるイムノクロマトデバイスの作製直後の呈色強度を基準にして、40℃、1ヶ月保存後の劣化率を示す図である。以上の結果より、スクロース濃度3%以上の濃度を含むデバイスにおいては、40℃という過酷な条件での保存に関わらず、呈色強度の劣化を−20%前後に抑えることができている。
本実施例では、検体が血清であるため、多少の粘性があり、これが定量測定の精度に悪影響を及ぼすことが予想されるため、呈色強度の劣化を抑える範囲でできる限り低い糖濃度が望ましい。
(実施例3)保存安定性試験の実施
次に、hCG測定用イムノクロマトデバイスとして、糖濃度5%としたものと糖を含ませないものを用意し、リアルタイム保存安定性試験を行った。これについて実施例3に示す。
実施例3のイムノクロマトデバイスの作製は、金コロイド感作抗hCG−α抗体液を調整する工程において、スクロースを5%含ませること、および全く使用しないこと以外は、実施例2と同様の方法でった。このように作製した、標識領域にスクロースを含まないものを比較例とし、スクロース5%w/vを含むイムノクロマトデバイスの実施例とした。以下にその詳細な説明を示す。
(hCG濃度の定量測定)
試料中のhCG濃度の定量測定は、実施例3のイムノクロマトデバイスを作製直後と作製から3日、7日、14日、25日、52日、80日保存後に行い、比較例のイムノクロマトデバイスについては、作製直後と作製から3日、7日、14日、26日、54日保存後に行った。保存温度は25℃とした。
測定の際には、作製したイムノクロマトデバイスの試料導入領域10に、0.01、0.1、1mg/dlのhCG液を40μl添加して、メンブラン上に展開させた。試料液中のhCG濃度の定量は、判定領域12における5分後の発色を反射吸光分光光度計(島津製作所:CS9300)を用い520nmにおける反射吸光度を計測することにより行った。
図9に実施例3におけるイムノクロマトデバイスの25℃での保存安定性を示す図、図10に実施例3におけるイムノクロマトデバイスの25℃での保存安定性の精度(CV値)を示す図、図11に比較例におけるイムノクロマトデバイスの25℃での保存安定性を示す図、図12に比較例におけるイムノクロマトデバイスの25℃での保存安定性の精度(CV値)を示す図を示す。図9および図11において横軸はイムノクロマトデバイスを作製してからの測定を行うまでの保存日数、縦軸は、作製直後の呈色強度に対する劣化の割合を示す。また、図10および図12は、横軸はイムノクロマトデバイスを作製してからの測定を行うまでの保存日数、縦軸は、定量精度の指標となるCV値を示す。さらに、図13および図14は、それぞれ実施例3および比較例の14日目の測定値を基準として劣化の割合を示した安定度指数で表された図である。
図からもわかるように、比較例のイムノクロマトデバイスでは、保存日数が長くなるに従って感度が低下する傾向がみられる。それに対して実施例3のイムノクロマトデバイスでは、作製から14日目までは感度劣化が見られるが14日目移行では、ほぼ安定した感度が得られた。また、CV値についても比較例では、性能の悪化がみられるが、実施例3のイムノクロマトデバイスでは、5%前後内にあり、定量精度も保証されていることが分かる。
とくに、安定度指数の点で検討すると、実施例3(図13)では、安定度指数は±20以内に保持されており、しかも3時点(25、52、80日)の測定結果は相互の感度の変動が少なく、以後の測定においても劣化が起こらない可能性が高いといえる。他方、比較例(図14)では、安定度指数は±20以内に保持されている濃度が多いものの、26および54日の時点の結果において相互で、最大で70%もの変動(低下)(0.01mg/ml)が観察され、他の濃度でも同様の変動(低下)傾向が見られる。従って、以後の測定において、安定度指数が望ましくない範囲になることが予測される。以上のように、本発明の体外診断薬が非常に長期にわたり精度よい結果を与えることが実証された。
産業上の利用可能性
本発明によれば、体外診断薬において糖または糖誘導体を含ませることにより、定量測定を行う場合においても保存安定性を向上させることができる。本発明による体外診断薬は、使用者にとって、信頼性が高く、かつ取り扱いやすいものであり、臨床検査だけでなくPOCにおいても利用することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の実施の形態におけるイムノクロマトデバイスを示す斜視図である。
図2は、本発明の実施の形態におけるイムノクロマトデバイスの4℃での保存安定性を示すグラフである。
図3は、比較例におけるイムノクロマトデバイスの4℃での保存安定性を示すグラフである。
図4は、本発明の実施の形態におけるイムノクロマトデバイスの25℃での保存安定性を示すグラフである。
図5は、比較例におけるイムノクロマトデバイスの25℃での保存安定性を示すグラフである。
図6は、本発明の実施の形態におけるイムノクロマトデバイスの40℃での保存安定性を示すグラフである。
図7は、比較例におけるイムノクロマトデバイスの40℃での保存安定性を示すグラフである。
図8は、4℃、1ヶ月保存において、種々のスクロース濃度による呈色強度劣化(%)を示すグラフである。
図9は、実施例3におけるイムノクロマトデバイスの、25℃での感度の保存安定性を示す図である。
図10は、実施例3におけるイムノクロマトデバイスの25℃での精度(CV値)の保存安定性を示す図である。
図11は、比較例におけるイムノクロマトデバイスの25℃での保存安定性を示す図である。
図12は、比較例におけるイムノクロマトデバイスの25℃での保存安定性の精度(CV値)を示す図である。
図13は、本発明における実施例(図9)について、14日目の測定値を基準として劣化の割合を示した安定度指数で表された図である。
図14は、比較例(図11)について、14日目の測定値を基準として劣化の割合を示した安定度指数で表された図である。
(符号の説明)
10 試料導入領域
11 標識領域
12 判定領域
13 基板
Claims (21)
- 検体中の被検物質を測定するための体外診断薬であって、
1)該被検物質と特異的に反応する試薬と、
2)少なくとも1つの水酸基および少なくとも1つのアルデヒド基またはケトン基を含む化合物と、
を含む、体外診断薬。 - 前記試薬は、抗体もしくは抗原またはその誘導体である、請求項1に記載の体外診断薬。
- 前記化合物は、糖または糖誘導体である、請求項1に記載の体外診断薬。
- さらに、ウシ血清アルブミン、カゼイン、界面活性剤、またはスキムミルクを含む、請求項1に記載の体外診断薬。
- 前記化合物は、糖アルコールまたはその誘導体を含む、請求項1に記載の体外診断薬。
- 前記化合物は、スクロースまたはソルビトールを含む、請求項1に記載の体外診断薬。
- 前記化合物は、スクロースおよびソルビトールを含む、請求項1に記載の体外診断薬。
- 前記化合物は、約3w/v%以上の濃度で存在する、請求項1に記載の体外診断薬。
- 前記化合物は、約3w/v%〜約10w/v%の濃度で存在する、請求項1に記載の体外診断薬。
- 前記試薬は、2以上存在し、該2以上の試薬は、第一の抗体もしくは抗原またはその誘導体、および第二の抗体もしくは抗原またはその誘導体を含む、請求項1に記載の体外診断薬。
- 前記試薬は、コロイド粒子、ラテックス粒子、色素、ミセル、酵素、蛍光物質またはリン光物質により標識されている、請求項1に記載の体外診断薬。
- 前記試薬および前記化合物は、支持体に担持されている、請求項1に記載の体外診断薬。
- 前記試薬および前記化合物は、前記支持体において別個の領域に担持されている、請求項12に記載の体外診断薬。
- 前記支持体は、固相マトリクスである、請求項12に記載の体外診断薬。
- 前記支持体は、多孔性材料を含む、請求項12に記載の体外診断薬。
- 前記支持体が標識領域、判定領域および試料導入領域を備え、
1)該標識領域は、前記被検物質に結合する第1の抗体または抗原を含み、
2)該判定領域は、該被検物質に結合する第2の抗体または抗原を含み、そして該標識領域と流体連絡するように配置され、
3)該試料導入領域は該標識領域と流体連絡するように配置されている、
請求項12に記載の体外診断薬。 - 前記化合物は、前記標識領域および前記判定領域からなる群より選択される少なくとも1つの領域に含まれる、請求項16に記載の体外診断薬。
- 前記化合物は、前記標識領域に含まれる、請求項16に記載の体外診断薬。
- 検体中の被検物質を測定するための体外診断薬を製造する方法であって、該方法は:
1)該被検物質と特異的に反応する試薬を提供する工程;および
2)少なくとも1つの水酸基および少なくとも1つのアルデヒド基またはケトン基を含む化合物を提供する工程、
を包含する、方法。 - 検体中の被検物質を検出する方法であって、該方法は:
A)体外診断薬を提供する工程であって、該体外診断薬は、
1)該被検物質と特異的に反応する試薬と、
2)少なくとも1つの水酸基および少なくとも1つのアルデヒド基またはケトン基を含む化合物と、
を含む、工程;
B)該体外診断薬に該検体を提供する工程;
C)該体外診断薬を、該検体と該試薬とが特異的に反応する条件下に配置する工程;ならびに、
D)該検体と該試薬との特異的反応に起因する信号を検出する工程、
を包含する、方法。 - 以下:
1)該被検物質と特異的に反応する試薬と、
2)少なくとも1つの水酸基および少なくとも1つのアルデヒド基またはケトン基を含む化合物と、
を含む体外診断薬の、検体中の被検物質を測定するための使用。
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