JPWO2002027916A1 - 発振回路、電子回路、これらを備えた半導体装置、時計及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、発振回路、電子回路、これらを備えた半導体装置、時計及び電子機器に関する。
[背景技術]
携帯用の腕時計や電子機器に用いられる前記発振回路は、半導体基板上に構成されたその主要回路部分が、この半導体基板と別の箇所に設けられた水晶振動子と入出力端子を介して接続されていることが多い。このため、入出力端子を介して外部から侵入するサージ電圧から前記主要回路部分を保護するために、前記主要回路部分の入出力端子側には静電保護回路が設けられている。
しかし、従来の回路では、静電保護回路のサージ電圧バイパス用に発振回路駆動用電源を利用していたため、何らかの原因で発振回路の電源電圧に変動が生じると、これが前記静電保護回路の寄生容量値の変動を引き起こし、この結果、発振回路の発振周波数が変動してしまうという問題があった。
[発明の開示]
本発明の目的は、入出力端子を介して外部から侵入するサージ電圧から前記主要回路部分を保護することができ、しかも発振回路の電源電圧の変動の影響を受けることなく、安定した周波数で発振することができる発振回路、電子回路、これらを備えた半導体装置、時計及び電子機器を提供することにある。
(1) 前記目的を達成するため、本発明の発振回路は、
発振回路の信号路と定電圧側との間に接続され、信号路に侵入する第1の極性の静電圧を第1の半導体整流素子を介してバイパス用定電圧側へバイパスさせる第1の静電保護回路と、
前記信号路と基準電位側との間に接続され、信号路に侵入する第2の極性の静電圧を第2の半導体整流素子を介して前記基準電位側へバイパスさせる第2の静電保護回路と、
を含み、
前記バイパス用定電圧は、発振回路の電源電圧とは別に供給される定電圧であることを特徴とする。
また、本発明の発振回路は、
発振回路の信号路と定電圧側との間に接続され、信号路に侵入する第1の極性の静電圧を第1の半導体整流素子を介してバイパス用定電圧側へバイパスさせる第1の静電保護回路と、
前記信号路と基準電位側との間に接続され、信号路に侵入する第2の極性の静電圧を第2の半導体整流素子を介して前記基準電位側へバイパスさせる第2の静電保護回路と、
を含み、
定電圧供給回路からの供給定電圧及びこの供給定電圧を分圧・昇圧し得た定電圧の一方を発振回路の電源電圧として使用し、他方を前記バイパス用定電圧として使用することを特徴とする。
電子回路では、発振回路の電源とは別に、各種の定電圧が用意されている場合が多く、また、同一電源から、発振回路用の電源電圧と、その電圧変動の影響を受けにくい他の定電圧を生成することもできる。
本発明の発振回路では、静電保護回路を、発振回路用の電源側ではなく、この電源電圧の変動の影響の少ない定電圧側へ接続する構成を採用している。これにより、発振回路用電源の電圧が変動しても、静電保護回路に接続されたバイパス用定電圧が変動することがないため、静電保護回路を構成する半導体整流素子の寄生容量値の変動を効果的に抑制することができる。
このようにして、本発明によれば、発振回路の電源電圧が変動しても、発振周波数が変動することのない発振回路を得ることができる。
ここにおいて、前記静電保護回路に用いられる第1、第2の半導体整流素子としては、例えばダイオードや、バイポーラトランジスタ等を、必要に応じて用いることができる。
(2)また、本発明において、
前記第1の静電保護回路は、
前記発振回路の信号路と主電源との間に接続され、信号路に侵入する第1の極性の静電圧を前記主電源電圧側へバイパスさせる第3の半導体整流素子を含むように形成してもよい。
前記第3の半導体整流素子の寄生容量値は、
前記第1の半導体整流素子の寄生容量値より小さな値に設定してもよい。
特に、第3の半導体整流素子の寄生容量値は、第1の半導体整流素子の寄生容量値に比べ無視できる程度に小さい値に設定してもよい。
このようにすることにより、主電源電圧の変動により、第3の半導体整流素子の寄生容量値が変化した場合でも、これにほとんど影響を受けることなく、さらに安定した発振周波数の発振出力を得ることが可能となる。
また、本発明において、前記各半導体整流素子の寄生容量を、
位相補償用コンデンサの一部または全部として用いてもよい。
このようにすることにより、位相補償用コンデンサの一部又は全部を省略することができ、この結果、さらに回路全体の集積度を高めることが可能となる。
(3)また、本発明の発振回路は、
発振回路の信号路と定電圧側との間に接続され、信号路に侵入する第1の極性の静電圧を第1の半導体整流素子を介してバイパス用定電圧側へバイパスさせる第1の静電保護回路と、
前記信号路と基準電位側との間に接続され、信号路に侵入する第2の極性の静電圧を第2の半導体整流素子を介して前記基準電位側へバイパスさせる第2の静電保護回路と、
を含み、
前記バイパス用定電圧は、
前記信号路と電源電圧ラインとの間にリーク電流が発生した場合でも、前記リーク電流による前記信号路の電圧変動により、前記第1及び第2の半導体整流素子がオンしない値に設定されたことを特徴とする。
ここにおいて、
前記電源電圧をVss、前記半導体整流素子の順方向オン電圧をVFon、リーク電流が発生した場合における前記信号路と電源電圧ラインとの間の電位差をVRとすると、
前記バイパス用定電圧Vregは、前記電源電圧|Vss|の動作予定電圧の範囲内で、次式
を満足する値に設定してもよい。
また、前記バイパス用定電圧は、
発振回路の電源電圧として供給される定電圧Vreg2とは別に供給される定電圧Vreg1としてもよい。
また前記バイパス用定電圧Vreg1と、発振回路の電源電圧として供給される定電圧Vreg2は
の条件を満足するように設定してもよい。
また定電圧供給回路からの供給定電圧及びこの供給定電圧を分圧・昇圧し得た定電圧の一方Vreg2を発振回路の電源電圧として使用し、他方Vreg1を前記バイパス用定電圧として使用してもよい。
また、前記バイパス用定電圧として、
温度変化に対する電圧変動が小さな温度特性の定電圧を用いるてもよい。例えば、感温センサを駆動するための定電圧は、温度特性がちいさいため、これをバイパス用定電圧として用いることができる。
また、前記バイパス用定電圧を供給する定電圧供給回路の出力と、前記基準電位との間に、信号路に侵入する第1の極性の静電圧を第1の半導体整流素子を介してバイパス用定電圧側へ放電させるための放電用半導体整流素子を設けてもよい。
(4)また、本発明の発振回路を用いて、電子回路を形成してもよい。
また、前記電子回路は、発振回路と、前記発振回路の出力に基づいて被駆動部を駆動する駆動回路を含むように形成してもよい。
これにより、発振回路から供給される安定した周波数出力を用いて、良好に動作することができる電子回路を得ることが可能となる。
また、本発明の発振回路又は電子回路を用いて半導体装置を形成してもよい。
すなわち、水晶振動子を用いた発振回路や、この発振回路を用いた電子回路を半導体装置上に形成する場合には、所定回路基板上に形成された発振回路の主要回路部分と、この回路基板と異なるエリアに設けられた水晶振動子とを配線を介して接続する場合が多い。この場合に、水晶振動子と、主要回路部分との接続部分から、サージ電圧等の静電圧がノイズとして主要回路部分に侵入し、回路内部が破壊される恐れがある。
このような場合でも、本発明によれば、回路に侵入するサージ電圧等の静電圧を、静電保護回路を用いて良好に除去することができ、しかも安定した発振出力を用いて回路各部を良好に動作させることが可能な半導体装置を実現することができる。
また、本発明の発振回路又は電子回路を用いて時計を形成してもよい。また、時計は、発振回路と、前記発振回路に基づいて時刻表示をなす時刻表示部とを含むように形成してもよい。
本発明によれば、主電源の電源電圧が変動した場合でも、これに影響を受けることなく正確な計時動作を行うことができる時計を得ることができる。
また、本発明の発振回路又は電子回路を用いて電子機器を形成してもよい。
また、電子機器は、発振回路と、前記発振回路の出力を用いて被駆動部を駆動する駆動回路と、被駆動部とを含むように形成してもよい。
これにより、発振回路の電源電圧が変動した場合でも、これに影響を受けることなく正確な発振出力を生成し、回路各部を動作させることができる電子機器を実現することができる。
特に、本発明の発振回路又は電子回路を用いて形成された時計、電子機器は、交換可能な電池や充電可能な二次電池等を主電源として用いる携帯型の時計や、電子機器として極めて好適なものとなる。
[発明を実施するための最良の形態]
本発明の好適な実施の形態を、本発明をアナログ表示型の腕時計に適用した場合を例に取り詳細に説明する。
(1)全体構成
図1には、この腕時計に用いられる電子回路の一例が示されている。
この腕時計は、図示しない発電機構を内蔵している。使用者が腕時計を装着し腕を動かすと、発電機構の回転錘が回転し、そのときの運動エネルギーにより発電ロータが高速回転され、発電ステータ側に設けられた発電コイル10から交流電圧が出力される。
この交流電圧が、ダイオード12で整流され、二次電池14を充電する。この二次電池14は、昇圧回路16及び補助コンデンサ18と共に主電源20を構成する。
本実施の形態では二次電池14の電圧が低くて時計の駆動電圧に満たないときには、昇圧回路16により二次電池14の電圧を時計駆動可能な高電圧に変換し、補助コンデンサ18に蓄電する。そして、この補助コンデンサ18の電圧を電源電圧Vssとして時計回路30が動作する。
この時計回路30は、半導体装置として構成されており、この半導体装置に端子を介して接続された水晶振動子42を用いて予め設定された発振周波数、ここで32768Hzの周波数の発振出力を生成し、この発振出力を分周することにより、一秒毎に極性の異なる駆動パルスを出力するように構成されている。この駆動パルスは、時計回路30に接続されたステップモータの駆動コイル22へ入力される。これにより、図示しないステップモータは、駆動パルスが通電される毎にロータを回転駆動し、図示しない時計の秒針、分針、時針を駆動し、時刻をアナログ表示することになる。
(2)水晶発振回路
図2には、本実施の形態の特徴である水晶発振回路40の具体的な回路構成が示されている。
この水晶発振回路40は、基本的には、インバータ60、フィードバック抵抗62、ドレイン抵抗64、位相補償用コンデンサ66、68を含んで構成され、発振周波数fsの発振出力を、分周及び機能回路81へ向け出力する。
そして、第1、第2の定電圧発生回路32−1、32−2は、主電源20から供給される電圧Vssから第1、第2の定電圧Vreg1、Vreg2を生成する。これら第1、第2の定電圧Vreg1、Vreg2は、同一電圧でも異なる電圧でもよい。そして、第2の電圧Vreg2は、発振回路駆動用電源電圧として用いられ、インバータ60に印加される。
ところで、図1に示す時計回路30は、図11に示すように水晶振動子42を除いて基本的には半導体装置としてのCMOS−IC300として形成されており、発振回路主要部を構成するCMOS−IC300と水晶振動子42は配線310を介して接続されている。
すなわち、水晶振動子42は、入出力端子を介してCMOS−IC300の内部に構成された水晶発振回路40の主要回路部に接続されている。従って、この入出力端子から、サージ電圧が入力し内部回路を破壊する恐れがある。
このようなサージ電圧としては、例えば製品組付け時に治具から侵入するサージ電圧や、人間等のオペレータから侵入するサージ電圧などが考えられる。
このため、水晶発振回路40の内部には静電保護回路200−1、200−2が設けられている。
これら各静電保護回路200−1、200−2は、各入力端子に接続された信号路毎にそれぞれ設けられている。各静電保護回路200−1、200−2は、同一の構成であるため、ここでは一方の静電保護回路200−1を例にとり説明する。
この静電保護回路200−1は、抵抗70と、発振回路の信号路に侵入するマイナス極性の静電圧を第1の半導体整流素子72を介して選択的にバイパス用定電圧側へバイパスさせる第1の静電保護回路部210と、発振回路の信号路に侵入するプラス極性の静電圧を第2の半導体整流素子74を介して選択的にアース側へバイパスさせる第2の静電保護回路部220とを含んで構成されている。
前記抵抗70は、信号路に直列に接続され、サージ電圧から各整流素子72、74を保護するものである。
前記第1、第2の半導体整流素子72、74は、PN接合型のダイオードを用いて構成されている。そして、第1の半導体整流素子72を構成するダイオードは、定電圧発生回路32−1の定電圧(Vreg1)出力端子側に逆方向接続されており、第2の半導体整流素子74を構成するダイオードは、アース(VDD)側に順方向接続されている。
これにより、外部から侵入したマイナス極性のサージ電圧は、定電圧端子Vreg1側へバイパスされ、プラス極性のサージ電圧はアース側へバイパスされることになり、半導体回路内部への侵入が防止される。
本実施の形態の特徴は、第1の半導体整流素子72のバイパス用定電圧として、発振回路の駆動電源の電源電圧Vreg2が変動してもその電圧の変動しない定電圧Vreg1を用いたことにある。
図2〜4には、このような定電圧Vreg1供給の各種の実施の形態が示されている。
まず、図2に示す電子回路について説明する。
本実施の形態の電子回路は、異なる定電圧Vreg1、Vreg2を生成する複数の定電圧発生回路32−1、32−2を含み、一方の定電圧Vreg1で感温センサ400を駆動し、他方の定電圧Vreg2で水晶発振回路40を駆動する。
前記感温センサ400は、電子回路の使用環境の温度を検出し、その検出信号を分周回路及び機能回路81へ供給する。
ここにおいて、分周回路及び機能回路81は、水晶発振回路40の出力を分周する分周回路として機能するとともに、各種の機能回路としても機能するものである。
本実施の形態の水晶発振回路40の特徴は、第1の静電保護回路210が接続されるバイパス用定電圧として、発振回路の駆動用定電圧とは異なる定電圧、具体的には感温センサ400の駆動用定電圧Vreg1を用いたことにある。
具体的には、各第1の静電保護回路200−1,200−2において、第1の半導体整流素子として機能するpn接合型ダイオード72、72は、その一端側が発振回路の信号路側に接続され、他端側が定電圧Vreg1側へ接続されている。
次に、図3に示す実施の形態について説明する。
本実施の形態は、水晶発振回路40を駆動する定電圧Vreg2を生成する定電圧発生回路32−2と、静電保護回路200−1,200−2専用のバイパス用定電圧Vreg1を生成する定電圧発生回路32−1とを含む。
水晶発振回路40は、前記定電圧Vreg2により駆動される。
各静電保護回路200−1,200−2は、第1の半導体整流素子として機能するダイオード72、72の一端側が、静電保護回路専用の定電圧Vreg1側へ接続される。
次に、図4に示す実施の形態について説明する。
本実施の形態の電子回路は、所定の定電圧Vreg1を生成する定電圧発生回路32と、この定電圧Vreg1を分圧し所定の定電圧Vreg2を生成する分圧回路33とを含む。
そして、水晶発振回路40は、前記定電圧Vreg2を用いて駆動される。
さらに、各静電保護回路200−1,200−2は、第1の半導体整流素子として機能するダイオード72、72を介して前記定電圧Vreg1側へ接続されている。
なお、必要に応じて、水晶発振回路40を前記定電圧Vreg1を用いて駆動し、前記各静電保護回路200−1,200−2を、定電圧Vreg2側へ接続するような構成を採用してもよい、また、分圧回路33から複数の定電圧が分圧出力される場合には、前記複数の分圧出力及び前記定電圧Vreg1のいずれかを水晶発振回路40の駆動用に用い、残りのいずれかを前記各静電保護回路200−1,200−2へ接続するような構成を採用してもよい。また、分圧回路のかわりに、昇圧回路を用いてもよい。
これら図2〜図4に示す構成を採用することにより、主電源20の電源電圧Vssや発振回路の電源電圧Vreg2が何らかの原因で変動してもこれら、各半導体整流素子72、74の寄生容量は変化せず、水晶発振回路40の発振周波数fsは常に一定の値となる。
以下に、その詳細を説明する。
図5には、前記バイパス用定電圧Vreg1と、電源電圧Vssの関係が示されている。主電源から供給される電源電圧Vss(本実施の形態では負の値をとる)の絶対値は、常に定電圧発生回路32から出力される定電圧Vreg1(本実施の形態では負の値をとる)の絶対値より大きな値をもつ。しかし、この電源電圧Vssは、負荷の変動や、主電源20の充電状態等により図5に示すように変動することが多い。
これに対し、定電圧発生回路32から出力される定電圧Vreg1は、この主電源の電圧Vssの影響が少なく、既に一定の電圧となる。
以下に、第1の半導体整流素子72を、従来のように、容量の大きな主電源20の電圧Vss側へ接続する場合に発生する問題を説明する。
主電源20の電圧Vssが変動すると、半導体で構成される第1、第2の半導体整流素子72、74の寄生容量の値が変動する。
IC内部のPN接合で作られている半導体整流素子72、74、特にダイオー
ドのP、N接合部分の寄生静電容量Cは、通常次式で表される。
同式から、電源電圧VA=Vssが変化すると、この寄生容量Cが変化することが理解される。
そして、この寄生容量Cが変化すると、結果的に発振回路40の発振周波数fsも変動してしまう。以下にこれをより詳細に説明する。
(2−1)発振周波数の変動対策
図6(A)には、発振回路40の等価回路が示されている。
図6(B)には、水晶振動子42、図6(C)にはその等価回路が示されている。
この図6(C)に示す等価回路を用いると、図6(A)に示す発振回路40は、図6(D)に示す回路として表される。
そして、この図6Dの等価回路で表されるLC発振回路(発振回路40)の発振周波数fsは、次式で表される。
この式から、発振回路の内部容量CG′が変わると、発振周波数fsが変動することがわかる。すなわち、前記数2には、第1、第2の半導体整流子72、74の寄生容量値CVDD、CVSSが含まれるため、これらの値が変化すると、発振周波数fsが変動してしまう。
これに対し、本実施の形態では、前記第1の半導体整流素子72を、電圧が変動しない定電圧Vreg1に接続している。このため、電源電圧Vssの変動の影響を受けることなく、水晶発振回路40は常に一定周波数fsの発振出力を生成することが可能となる。
さらに、このような構成とすることにより、前記第1及び第2の半導体整流素子72、74の寄生容量の値は常に一定の値となる。従って、この寄生容量の値を積極的に、位相補償用コンデンサ66、68として活用することができる。これにより、図2〜4に示す位相補償用コンデンサ66、88の容量値を小さなものとすることができ、または場合によっては、これらのコンデンサ66、88を、省略することもできる。
このようにすることにより、水晶発振回路40の部品点数を低減し、その集積度を高めることが可能となる。
また、本実施の形態によれば、第1及び第2の半導体整流素子72、74の寄生容量を、前記位相補償用コンデンサ66、68の一部または全部として活用することにより、半導体整流素子72、74自体の寄生容量値を大きなものとすることができる。
すなわち、前記位相補償用コンデンサ66、68と、ダイオード72、74とを全く別に設ける場合には、水晶発振回路40全体の容量を少なくし、その消費電力を低減するという観点から、ダイオード72、74は、寄生容量が小さなものを用いる必要がある。この場合には、この寄生容量値に応じて、静電破壊耐性も低下する。
これに対し本実施の形態では、半導体整流素子72、74の寄生容量を前記位相補償用のコンデンサとして積極的に活用することにより、半導体素子として寄生容量値の大きなものを用いることができる。この結果、素子72、74自体の静電破壊耐性を高め、回路全体の静電保護能力を高めることが可能となる。
(3)他の実施の形態
図7には、本発明の他の一例が示されている。この実施の形態の静電保護回路では、第3の半導体整流素子78を用い、これを主電源Vssに逆方向接続することを特徴とする。これにより、容量の大きな主電源20側へサージ電圧のバイパス回路を構成することができるため、静電保護回路200の静電破壊耐性をさらに高めることができる。
なお、この場合には電源電圧Vssの変動の影響を受けて、第3の半導体整流素子78の寄生容量値が変動する。このため、第3の半導体整流素子78の寄生容量値に比べ、第1の半導体整流素子72の寄生容量値を一桁から二桁程度大きく設定することで、第3の半導体整流素子78の寄生容量値の変動量が、第1の半導体整流素子72及び第3の半導体整流素子78の合成寄生容量値の変動量に対して数パーセント程度の影響に収まるようにすることが望ましい。これにより、回路全体の静電容量の値を常に安定したものとし、より安定した発振出力を得ることができる。
(4)従来技術との対比
図8には、半導体整流素子72を主電源Vss側へ接続した従来の静電保護回路の一例が示されている。図8に示す従来例では、電源電圧Vssの変動する主電源に接続された第1の半導体整流素子72は、寄生容量値CVSSが変動する素子として回路的に表現される。
ここで、従来の静電保護回路を用いた水晶発振回路の一例について、周波数偏差の検討を以下に述べるように行った。
図8の従来回路では、発振回路40のゲート60を構成するトランジスタのゲート端子及びドレイン端子から見た、静電保護回路200を含むIC(半導体装置)の内部回路の合成容量であるCG、CDの実測データは、次式で示す値となった。ここにおいて、抵抗62の抵抗値Rfは極めて大きいため、次式に示すCGの値からはCDOの値は省略し、CDの値からはCGOの値は省略する。
この従来回路において、電源電圧Vssが1.1ボルトから2.4ボルトへ変動したとき、第1の半導体整流素子72の寄生容量値CVSSの変動量はΔCVSS=0.07(PF)であった。
次に、この寄生容量値の変動量が、水晶発振回路40の静電容量全体に占める割合の検討を行う。
まず、数3に示すCGに対する静電保護回路200−2の寄生容量値の変動量の比を求めると、その値は次式で示すようになる。
また、数3に示すCDに対する静電保護回路200−1の寄生容量値の変動量の比を求めると、その値は次式で示すようになる。
ここで、CGP、CDPは、発振回路40の配線容量値をそれぞれ表すものである。
このような寄生容量値の変動量から、発振回路の周波数偏差の値を求めると、その値は(df/dv)=3(PPM)となる。これを月差に換算すると、8秒程度となる。例えば時計に許容される月差が15秒程度の場合には、この15秒のうち8秒が寄生容量値の変動によって引き起こされるということは到底許容されるものではない。
これに対し、図2〜4に示すよう、第1の半導体整流素子72を、電圧が変動しない電源Vreg1へ接続することにより、このような寄生容量値の変動分はほとんど無視できるようになり、水晶発振回路40自体の発振周波数の周波数偏差も、従来回路に比べ無視できる程度に改善することができる。
また、同様な検証を、図7に示す他の実施の形態の静電保護回路を用いた水晶発振回路40について行った。図9は、この静電保護回路の等価回路図である。この場合には、第3の半導体整流素子78が、寄生容量値CVSSが変化する素子となる。
図9に示す回路においても、第3の半導体整流素子78の寄生容量値は、第1の半導体整流素子72の寄生容量値に比べ十分小さく成形されているため、その寄生容量値CVSSが変動した場合でも、回路全体の周波数偏差を図8に示す静電保護回路を用いた場合に比べ大幅に少なくできる。
(5)静電保護回路に接続するバイパス用定電圧Vreg1の実施の形態
5−1:第1の実施の形態
静電保護回路200−1に接続するバイパス用定電圧Vreg1は、発振回路40の信号路と電源電圧Vssのラインとの間にリーク電流が発生した場合でも、前記リーク電流に起因する前記信号路の電圧変動により、前記第1及び第2の半導体整流素子72、74がオンしない値に設定する。
例えば、図12に示すように、前記電源電圧をVss、前記半導体整流素子72、74の順方向オン電圧をVFon、リーク電流が発生した場合における前記信号路と電源電圧ラインとの間の電位差をVRとすると、前記バイパス用定電圧|Vreg|は、前記電源電圧|Vss|の動作予定電圧の範囲内(例えば、1.2〜2Vの範囲内)で、次式
を満足する値に設定する。
これにより、発振回路40の信号路と電源電圧Vssラインとの間にリーク電流が発生した場合でも、これに影響されることなく、安定した発振を維持することができる。以下にその詳細を説明する。
前記実施の形態では、定電圧発生回路32−1と32−2とを別々に形成し、静電保護回路200−1、200−2に接続されるバイパス用定電圧Vreg1と、発振回路40に供給される定電圧Vreg2とを別々に形成する場合を例にとり説明した。ここでは説明を簡単にするために、両定電圧発生回路32を同一の回路として形成し、静電保護回路200−1、200−2と発振回路40とに同一の定電圧Vregを提供する場合を想定して説明する。
本実施の形態の回路において、静電保護回路200−1、200−2に接続するバイパス用定電圧Vreg1は、発振回路40の入出力端子71−1,71−2と、電源電圧Vssのライン73間に、湿度等の環境変化に起因してリーク電流が発生した場合でも、発振回路40の発振動作が停止しない値に設定することが好ましい。
すなわち、静電保護回路200−1,200−2が付加されている発振回路40の入出力端子71−1,71−2と、電源電圧Vssライン73の間には、湿度などの環境変化に応じてリーク電流が発生することがある。
このリーク電流は、図11に示すように、ICを回路基板に実装した場合に、湿度等の環境変化によって回路基板の絶縁抵抗が低下し、発生するものである。具体的には、図11に示す回路基板において、発振回路の入出力端子に接続される回路基板の配線パターン310と、電源電圧Vssの配線パターン(電源電圧ライン)との間の絶縁抵抗が低下し発生するものである。特に、この回路基板の材質がポリイミドの場合に、この現象は顕著に発生する。
図12は、発振回路40の入出力端子71−1,71−2と、電源電圧Vssのライン73の間にリーク電流が発生したときの等価回路を表す。
リーク電流が発生すると、静電保護回路200−1,200−2を形成している半導体整流素子D2(72)には、次式で示す順方向電圧VFが印加される(静電保護回路200−1、200−2の抵抗rによる電圧降下は小さいため無視する)。
このとき、前記半導体整流素子72,74がオンする順方向オン電圧をVFonとする。この順方向オン電圧は、通常0.6V程度となる。順方向電圧VFが、この順方向オン電圧以上の値となると、半導体整流素子D2がオンし、順方向電流が流れる。
このため、順方向電圧VFは、VFon以下の値に設定する。
(電源電圧の極性がVssを基準電位としてプラス電源VDDの場合は、半導体整流素子D1に順方向電流が流れる。)
この順方向電流が流れると以下の不具合が発生する。
・定電圧Vregが電源電圧Vss側(絶対値で大)へ変動してしまう。
・定電圧Vregが変動する為、静電保護回路部の半導体整流素子に寄生する容量値が変動し周波数電圧偏差が大きくなる。
・定電圧Vregが電源電圧Vss側(絶対値で大)へ変動する事により、発振回路の消費電流が増大する。
・半導体整流素子D2が完全にON状態となると、発振回路の発振が停止する。
このような不具合を発生させないよう、具体的には半導体整流素子D2をオンさせないように、静電保護回路200−1、200−2が接続されるバイパス用定電圧Vregは、上記(数6)と(数7)を満足する値に設定する必要がある。
ここで、充電式時計の場合は、電源電圧Vssが−2V程度となるので、前記(数6)、(数7)を満足する定電圧Vregは、次式で与えられることとなる。すなわち、前記不具合を発生させないためには、バイパス用定電圧Vregを、次式を満足するように設定する必要がある。
より具体的には、発振回路が動作できる電源電圧Vssの電圧範囲としての動作予定範囲内(例えば1.2〜2Vの範囲内)で、次式を満足するようにバイパス用定電圧Vregの値を設定する必要がある。
以上の構成を採用することにより、本実施の形態によれば、発振回路40の信号(例えば入出力端子71−1,71−2)と電源電圧Vssのライン73との間にリーク電流が発生した場合でも、このリーク電流に起因する発振回路40の信号路(入出力端子71−1,71−2)の電圧変動により、半導体整流素子72がオンすることはない。この結果、前記リーク電流の発生があった場合でも、発振回路を安定して発振させることが可能となる。
なお、以上は、電源電圧Vssの極性が基準電位に対してマイナス極性の場合を例に取り説明したが、これとは逆に、電源電圧の極性が、基準電位に対してプラス極性の場合にも本発明を同様に適用することができる。このような場合でも、基準電位をVssとし、バイパス用定電圧Vregを、電源電圧VDDの動作予定範囲内において、前記(数8)を満足するように設定することにより、半導体整流素子D1(74)がオンして順方向電流が流れるという事態の発生を防止し、発振回路を安定して駆動することが可能となる。(この場合、数8のVssはVDDとなる。)
また、前述したように、発振回路40の定電圧Vreg2と、静電保護回路200−1、200−2のバイパス用定電圧Vreg1とを、共通の定電圧発生回路32を用いて同一の定電圧とすると、発振回路40の低消費電流化をねらい発振回路40の駆動用定電圧を小さく設定することができなくなるという問題が発生する。
すなわち、静電保護回路200−1、200−2のバイパス用定電圧Vreg1と発振回路40の駆動用定電圧Vreg2とを同一とすると、(数8)のVRを大きくしない限り、つまり、絶縁抵抗が大きい回路基板を使用しない限り、発振回路40の低消費電流化を狙い定電圧Vreg2を小さく設定する事ができなくなる。
このような問題を解決するために、バイパス用定電圧Vreg1は、発振回路40の駆動予定電圧Vreg1とは別の定電圧として設定することが好ましい。具体的には、図2〜4に示すように、それぞれ別の定電圧発生回路32−1,32−2を用い、バイパス用定電圧Vreg1と、発振回路駆動用定電圧Vreg2とをそれぞれ別々に生成することが好ましい。そして、定電圧発生回路32へ供給するバイパス用定電圧Vreg1を、上記(数8)を満足するように設定し、さらに発振回路40の駆動用として供給する定電圧Vreg2を、発振回路40の低消費電力化に最適となるように絶対値の小さな値に設定することが好ましい。このようにすることにより、発振回路40の低消費電流、低消費電力化と、発振回路40の発振周波数の安定性を両立させることが可能となる。
すなわち、定電圧発生回路32−1の出力Vreg1を上記(数8)を満足するように設定し静電保護回路200−1、200−2へ接続する。そして、定電圧発生回路32−2の出力Vreg2を発振回路40の低消費電流化に最適となるように絶対値で小さく設定し発振回路40へ接続する。こうする事で、発振回路40の低消費電流化と発振回路40の発振周波数安定性を両立させる事が可能となる。
また、複数の定電圧発生回路がある場合、静電保護回路の定電圧と発振回路の定電圧を別設定とすることにより、静電気印加時の放電電流による過渡的な定電圧変動の影響を発振回路に与えないようにすることもできる。
但し、静電保護回路200−1,200−2のバイパス用定電圧Vreg1と発振回路40の駆動用定電圧Vreg2は、以下の(数9)の条件を満足する必要がある。((数9)を満足しないと発振回路が通常発振している時、発振出力がVreg2レベルになる毎に半導体整流素子D2に順方向電流が流れてしまうからである。)
すなわち、図2〜図4に示すように、バイパス用定電圧Vreg1を、発振回路40の電源電圧として供給される定電圧Vreg2とは別に供給される定電圧として生成する場合には、前記バイパス用定電圧Vreg1と、発振回路40の駆動用定電圧Vreg2とは、前記(数9)の条件を満足するように設定する。これにより、発振回路の低消費電流化と、発振周波数の安定性という2つの課題を達成することが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態では、静電保護回路200−1、200−2と発振回路40とに同一の定電圧Vregを提供してもよく、また、発振回路の低消費電流化のために、前述したように別々に設定されたバイパス用定電圧Vreg1と駆動用定電圧Vreg2とを提供してもよい。
5−2:第2の実施例
また、本発明の回路に用いられるバイパス用定電圧Vreg1は、温度変化に対する電圧変動が小さな温度特性の定電圧を用いることが好ましい。以下にその詳細を説明する。
発振回路40の駆動用定電圧Vreg2は、図13に示すように、発振回路40の発振停止電圧Vstoの温度特性と傾きが等しくなるように設定する。
これは、発振回路40の動作保証温度範囲において、発振回路40の発振が停止しないように(数10)の条件を満足し、しかも発振回路40の低消費電流化のため極限まで定電圧Vreg2を発振停止電圧付近まで近づけた小さな値に設定するためである。
このことは、発振回路40の発振停止電圧Vstoの温度特性が大きい場合には、発振回路40の駆動用定電圧Vreg2の温度特性も同様に大きくなることを意味する。
従って、発振駆動用定電圧Vreg2を、静電保護回路200のバイパス用定電圧Vreg1として使用すると、静電保護回路200の半導体整流素子の寄生容量も温度変化により大きく変動する。これに伴い、発振回路40の発振周波数も変動してしまうため、発振回路の発振安定性が低下するという問題が発生する。
このため、本実施の形態の回路では、図2〜図4に示すように発振回路駆動用の定電圧Vreg2と、静電保護回路200のバイパス用定電圧Vreg1とを異なる定電圧として生成する。そして、しかも前記バイパス用定電圧Vreg1として、発振回路の駆動用定電圧Vreg2と比べて温度特性の小さな定電圧を用いる。このように、バイパス用定電圧Vreg1として、温度特性の小さな定電圧を用いることにより、発振回路40の動作保証温度範囲での静電保護回路200の半導体整流素子の寄生容量変動が抑制でき、発振回路40の発振周波数の安定性を向上させることが可能となる。
なお、上記温度特性の小さなバイパス用定電圧Vreg1としては、例えば図2に示すように、感温センサ400の駆動用定電圧Vreg1を使用することが好ましい。このような感温センサ400用の駆動用定電圧Vreg1は、周囲の温度変化の影響を受けることなく温度を正確に測定するために、温度特性の傾きが1mv/℃以下の傾きとなるように設定されている。このため、周囲の温度の変動があった場合でもその電圧はほとんど変化することはない。
図14には、温度特性の傾きが小さな、感温センサ駆動用定電圧Vreg1を生成するための定電圧発生回路の一例が示されている。
この定電圧発生回路32−1において、I262及び、I263のNchトランジスタは同一サイズで構成してあり、I262及び、I263の各トランジスタの電流増幅率は
となる。又、I262はデプレッション型、I263はエンハンスメント型であり、閾値電圧は
となる。この場合、定電圧発生回路32−1の出力Vreg1は以下の式のようになり、I262及び、I263の閾値電圧差をもつ定電圧Vreg1が生成される。
トランジスタI262及び、I263の閾値電圧は同一の温度特性を持つため、閾値電圧差は変化せず、温度に依存しない定電圧Vreg1が生成される事になる。
但し、静電保護回路の定電圧Vreg1と発振回路の定電圧Vreg2は上記(数8)(数9)の条件を満足する必要がある。
5−3:第3の実施の形態
図15に示すように、例えば、本実施の形態の回路に負の極性の静電圧が印加された場合を想定すると、この負の極性の静電気を静電保護回路(第1の半導体整流素子)200を介してバイパス用定電圧Vreg1側へ放電させるための放電経路1000が形成される。
このため本実施の形態の回路において、定電圧を供給する複数の定電圧発生回路32が存在する場合には、定電圧駆動領域(定電圧駆動されている回路全体の規模)の大きい方の定電圧発生回路32の定電圧を、静電保護回路用のバイパス用定電圧Vreg1として使用することが好ましい。以下にその詳細を説明する。
図15において、D3は、定電圧発生回路32により定電圧駆動される回路全体(静電保護回路200を除く)の等価回路を概略的に表したものである。定電圧駆動される回路は、基本的には半導体で構成されるため、同図に示すように寄生ダイオードD3として等価的に表されることになる。
上記定電圧駆動される回路の数が多くなるほど、前述したように等価的に表される寄生ダイオードD3の容量も大きなものとなる。
ここで、定電圧駆動される回路の数が多くなり、寄生ダイオードD3の容量が大きなものとなることを、定電圧駆動領域が大きくなるという。前記半導体整流素子D3は、定電圧駆動領域にできる寄生ダイオードを表す。
そして、負の極性の静電気が印加された場合、寄生ダイオードD3の雪崩現象を利用して前記放電経路1000が生成されることになる。
このとき、前述したように、定電圧駆動される回路規模、具体的には定電圧駆動領域が大きい場合には、等価回路として表現される図15に示す寄生ダイオードD3の面積が大きくなり、その放電能力が高まり、この結果、寄生ダイオードD3の耐静電気特性も良好なものとなる。
以上の理由から、複数の定電圧発生回路32から供給される定電圧が存在する場合には、前記バイパス用定電圧Vreg1としては、定電圧駆動領域(定電圧駆動されている回路規模)の大きい方の定電圧を用いることが好ましい。
又、耐静電気特性を向上させる為、寄生ダイオードD3とは別に、定電圧発生回路32に対し、意図的に半導体整流素子D4を並列に接続し、これを前記放電回路1000の一部とする構成を採用してもよい。
尚、この場合でも、静電保護回路200のバイパス用定電圧Vreg1と発振回路40の駆動用定電圧Vreg2は上記(数8)(数9)の条件を満足する必要がある。
5−4:第4の実施例
本案件の実施の形態はプラス電源VDDを基準電位とし、電源電圧Vss及び定電圧Vregはマイナスの極性のものとして説明したが、本発明はマイナス電源Vssを基準電位とし、電源電圧VDD及び定電圧Vregをプラスの極性で構成したものみ対しても適用できる。
(6)その他
なお、前記各実施の形態では、半導体整流素子として、ダイオードを用いるものを例にとり説明したが、これ以外にも必要に応じ各種の半導体整流素子を用いて保護回路を形成することができる。例えば図10に示すように、バイポーラトランジスタを半導体整流素子として用いて静電保護回路を形成してもよい。
また、前記実施の形態では、本発明を携帯用の腕時計に適用する場合を例にとり説明したが、本発明の発振回路と静電保護回路は、これ以外にも、例えば各種電子機器、例えば携帯電話、携帯用のコンピュータ端末等の各種電子機器における基準信号源として用い、この基準信号源の出力信号に基づいて各電子機器の駆動部(回路)を駆動するように適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明が適用された腕時計用の電子回路の一例を示すブロック図である。
図2は、図1に示す電子回路の時計回路部分の一例を示すブロック図である。
図3は、時計回路部分の他の実施の形態を示すブロック図である。
図4は、時計回路部分の他の実施の形態を示すブロック図である。
図5は、本実施の形態の回路で用いられる2種類の電源の電圧変動の様子を示す説明図である。
図6は、同図(A)は図2の水晶発振回路の等価回路図、同図(B)は水晶振動子の説明図、同図(C)は水晶振動子の等価回路図、同図(D)は水晶振動子の等価回路を考慮して作成された同図(A)の等価回路図である。
図7は、他の静電保護回路の説明図である。
図8は、従来用いられた静電保護回路の説明図である。
図9は、図7に示す静電保護回路の等価回路図である。
図10は、他の種類の半導体素子を用いて構成された静電保護回路の説明図である。
図11は、基板上における水晶振動子と発振回路主要部を構成するC−MOS−ICとの配置の説明図である。
図12は、発振回路の信号路と電源電圧ラインとの間にリーク電流が発生した場合の等価回路図である。
図13は、発振回路の動作保証温度範囲における発振停止電圧と発振駆動用定電圧との温度特性を示す説明図である。
図14は、感温センサ駆動用の定電圧発生回路の概略説明図である。
図15は、負の極性の静電気が印加された場合における放電経路の説明図である。
Claims (19)
- 発振回路の信号路と定電圧側との間に接続され、信号路に侵入する第1の極性の静電圧を第1の半導体整流素子を介してバイパス用定電圧側へバイパスさせる第1の静電保護回路と、
前記信号路と基準電位側との間に接続され、信号路に侵入する第2の極性の静電圧を第2の半導体整流素子を介して前記基準電位側へバイパスさせる第2の静電保護回路と、
を含み、
前記バイパス用定電圧は、
発振回路の電源電圧とは別に供給される定電圧であることを特徴とする発振回路。 - 請求項1において、
定電圧供給回路からの供給定電圧及びこの供給定電圧を分圧・昇圧し得た定電圧の一方を発振回路の電源電圧として使用し、他方を前記バイパス用定電圧として使用することを特徴とする発振回路。 - 請求項1、2のいずれかにおいて、
前記第1の静電保護回路は、
前記発振回路の信号路と主電源との間に接続され、信号路に侵入する第1の極性の静電圧を前記主電源電圧側へバイパスさせる第3の半導体整流素子を含むことを特徴とする発振回路。 - 請求項3において、
前記第3の半導体整流素子の寄生容量値は、
前記第1の半導体整流素子の寄生容量値より小さな値に設定されたことを特徴とする発振回路。 - 請求項1の発振回路と、前記発振回路の出力に基づいて被駆動部を駆動する駆動回路を含むことを特徴とする電子回路。
- 請求項1の発振回路と、前記発振回路を装着する回路基板とを含むことを特徴とする半導体装置。
- 請求項1の発振回路と、前記発振回路に基づいて時刻表示をなす時刻表示部とを含むことを特徴とする時計。
- 請求項1の発振回路と、前記発振回路の出力を用いて被駆動部を駆動する駆動回路と、被駆動部とを含むことを特徴とする電子機器。
- 発振回路の信号路と定電圧側との間に接続され、信号路に侵入する第1の極性の静電圧を第1の半導体整流素子を介してバイパス用定電圧側へバイパスさせる第1の静電保護回路と、
前記信号路と基準電位側との間に接続され、信号路に侵入する第2の極性の静電圧を第2の半導体整流素子を介して前記基準電位側へバイパスさせる第2の静電保護回路と、
を含み、
前記バイパス用定電圧は、
前記信号路と電源電圧ラインとの間にリーク電流が発生した場合でも、前記リーク電流による前記信号路の電圧変動により、前記第1及び第2の半導体整流素子がオンしない値に設定されたことを特徴とする発振回路。 - 請求項9、10のいずれかにおいて、
前記バイパス用定電圧は、
発振回路の電源電圧として供給される定電圧Vreg2とは別に供給される定電圧Vreg1であることを特徴とする発振回路。 - 請求項9において、
定電圧供給回路からの供給定電圧及びこの供給定電圧を分圧・昇圧し得た定電圧の一方Vreg2を発振回路の電源電圧として使用し、他方Vreg1を前記バイパス用定電圧として使用することを特徴とする発振回路。 - 請求項9において、
前記バイパス用定電圧として、
温度変化に対する電圧変動が小さな温度特性の定電圧を用いることを特徴とする発振回路。 - 請求項9において、
前記バイパス用定電圧を供給する前記定電圧供給回路の出力と、前記基準電位との間に、信号路に侵入する第1の極性の静電圧を第1の半導体整流素子を介してバイパス用定電圧側へ放電させるための放電用半導体整流素子を設けることを特徴とする発振回路。 - 請求項9の発振回路と、前記発振回路の出力に基づいて被駆動部を駆動する駆動回路を含むことを特徴とする電子回路。
- 請求項9の発振回路と、前記発振回路を装着する回路基板とを含むことを特徴とする半導体装置。
- 請求項9の発振回路と、前記発振回路に基づいて時刻表示をなす時刻表示部とを含むことを特徴とする電子時計。
- 請求項9の発振回路と、前記発振回路の出力を用いて被駆動部を駆動する駆動回路と、被駆動部とを含むことを特徴とする電子機器。
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