JPS64939B2 - - Google Patents

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JPS64939B2
JPS64939B2 JP5523980A JP5523980A JPS64939B2 JP S64939 B2 JPS64939 B2 JP S64939B2 JP 5523980 A JP5523980 A JP 5523980A JP 5523980 A JP5523980 A JP 5523980A JP S64939 B2 JPS64939 B2 JP S64939B2
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Japan
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aliphatic dicarboxylic
acid
dicarboxylic acid
treating
acid ester
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Yoichiro Ueda
Jiro Higuchi
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、脂肪族ジカルボン酸エステル特に炭
素約12乃至18の脂肪族ジカルボン酸と炭素約1乃
至3の飽和1価アルコールとのエステルの処理方
法の改良に関する。
脂肪族ジカルボン酸エステル、例えばドデカン
二酸、ブラシル酸、ペンタデカン二酸、タブシン
酸、シス―9―オクタデセン二酸等のエステルは
ムスク系香料の中間体として重要であり、これら
のエステルの簡便な製造法が望まれている。
従来からエステル化反応粗液を中和処理するた
め種々の方法が提案されて来た。一般的に行われ
ている方法としては、アルカリ金属塩等の塩基性
中和剤を水溶液として用いて中和処理を行なう方
法である。しかし、この方法では酸性物質を十分
に中和して酸価を極めて低い値に抑えるため、か
なり多量のアルカリ量を必要とし、又、中和処理
をくり返したが、望ましい結果は得られなかつ
た。具体的には、1)中和後、アルカリ金属塩及
びそれと遊離のジカルボン酸及びそのモノエステ
ルの塩は目的のエステルへ若干ではあるが溶解
し、十分に除去するためには多量の水を用い、且
つ、くり返し水洗処理を行う必要があつた。その
際、ジカルボン酸及びそのモノエステルの塩は界
面活性作用を有するので、液―液界面の不明瞭性
のため、その煩雑さは大変なものであつた。2)
又、多量の水の使用によつて、エステル層に残存
したアルコールはその相溶性のため、全てロスと
なつた。3)中和処理に際し、その性状から目的
エステルのケン化分解が少なからず起つた。
更には、目的エステルの保存に際しても、エス
テルのケン化反応等の副(分解)反応が起るが、
前述したアルカリ金属塩が残留したときには助長
された。
斯くの如くして、これらのエステルの製造に伴
う困難さは、1)使用されるジカルボン酸及びそ
のモノエステルの塩が界面活性剤として作用する
こと、2)上記の低級アルコールが水と相溶性を
有すること、3)生成エステルが酸性及びアルカ
リ性の条件下でケン化分解されやすいことの3点
に要約されるが、本発明が対象とする脂肪族ジカ
ルボン酸エステルは他のエステル類と比較して、
特にこれ等現象が著しく、従来の一般的技術では
これ等の問題は解決し得なかつた。
本発明らは、上記欠陥を克服するため鋭意研究
した結果、これ等3点に起因する製造技術上の問
題を一挙に解決し、本発明に到達した。即ち、本
発明は次の通りである。
(1) 炭素数12乃至18の脂肪族ジカルボン酸と炭素
数1乃至3の飽和1価アルコールとの酸触媒に
よるエステル化反応で得られる反応粗液の中和
処理に際し、実質上、水の不存在下で、芳香族
炭化水素を共存させ、固体状の塩基性金属炭酸
塩から選ばれた少くとも1種の塩基性化合物を
用いて、反応粗液を中和処理した後、該塩基性
化合物を分離することを特徴とする脂肪族ジカ
ルボン酸エステルの処理方法。
(2) 炭素数12乃至18の脂肪族ジカルボン酸がドデ
カン二酸、ブラシル酸、ペンタデカン二酸、タ
プシン酸或いはシス―9―オクタデセン二酸で
ある特許請求の範囲第1項記載の脂肪族ジカル
ボン酸エステルの処理方法。
(3) 炭素数1乃至3の飽和1価アルコールがメチ
ルアルコール、エチルアルコール、n―プロピ
ルアルコール或いはiso―プロピルアルコール
である特許請求の範囲第1項記載の脂肪族ジカ
ルボン酸エステルの処理方法。
(4) 酸触媒が硫酸或いはパラトルエンスルホン酸
である特許請求の範囲第1項記載の脂肪族ジカ
ルボン酸エステルの処理方法。
(5) 塩基性金属酸化物が酸化マグネシウムである
特許請求の範囲第1項記載の脂肪族ジカルボン
酸エステルの処理方法。
(6) 塩基性金属水酸化物が水酸化カルシウムであ
る特許請求の範囲第1項記載の脂肪族ジカルボ
ン酸エステルの処理方法。
(7) 塩基性金属炭酸塩が炭酸カルシウムである特
許請求の範囲第1項記載の脂肪族ジカルボン酸
エステルの処理方法。
(8) 芳香族炭化水素がベンゼン、トルエン、或い
はキシレンである特許請求の範囲第1項記載の
脂肪族ジカルボン酸エステルの処理方法。
本発明の方法を実施すれば、次の利点が得られ
る。
1)処理工程中に水を一切使用しないことによ
つて、操作困難な水洗時の分液工程を回避出来、
未反応アルコールが水洗処理で失なわれない。
又、生成エステルのケン化分解を極少又は皆無に
来ること。2)目的エステルを芳香族炭化水素で
稀釈することによつて、該エステル単独での性状
を改善し、操作性をより円滑とし、且つ製品エス
テルの保存安定性を向上せしめること。3)固体
の塩基性化合物を使用することによつて、固―液
系操作となし、液―液分離の煩雑さを回避出来る
こと。4)1)〜3)により副(分解)反応を抑
止したことによつて、精製工程を省略し、その
まゝ目的エステルを次工程へ廻わすことが出来る
こと。等本発明の方法は特殊な香料分野での脂肪
族ジカルボン酸エステルに適用し、その工業化の
道を開いたのである。
本発明にいうエステル化反応粗液は、ジカルボ
ン酸とアルコールとを酸触媒の存在下でエントレ
ーナーを用いるか、用いずに反応させ、反応によ
り生成する水及び未反応アルコールを系外に除い
た後のものであり、中和、水洗などの処理を施す
前のものである。
従つて、エステル化反応粗液は目的ジエステル
の他に、残存アルコール酸触媒、モノエステル、
エントレーナーなどを含んでおり、エステル化反
応にエントレーナーを使用しない場合には芳香族
炭化水素で過剰の未反応アルコールを置換したも
のを意味している。この場合、未反応ジカルボン
酸及びそのモノエスステルは次工程に影響を与え
ない程度の濃度になるように、予め反応操作で制
御される。
本発明で使用する塩基性化合物としては粉末状
或いは粒状等の固体状の形態をなす塩基性金属酸
化物、例えば酸化マグネシウム、酸化カルシウム
等;塩基性金属水酸化物、例えば水酸化マグネシ
ウム、水酸化カルシウム等;或いは塩基性金属炭
酸塩,例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム等が良
く、好ましくは酸化マグネシウム、水酸化カルシ
ウム、炭酸カルシウムである。これらは中和能力
に加えて、吸着能力も備えているものから選ばれ
る。
本発明に使用する塩基性化合物の使用量は接触
方法、接触時間によつて異なるが、エステル化反
応に用いた酸触媒に対して過剰量であり、2〜15
モル倍、好ましくは2〜10モル倍である。接触温
度は10〜70℃であり、好ましくは20〜50℃であ
る。こゝで、温度が約70℃以上では原料アルコー
ルと芳香族炭化水素が共沸混合物を形成し、又、
副(分解)反応を助長するため、好ましくない。
接触時間は0.5〜3時間であり、好ましくは0.5〜
1.5時間である。
本発明に使用する芳香族炭化水素としては次工
程への影響から目的エステル中に未反応アルコー
ルが残らないように、原料アルコールより沸点の
高いもの、もしくは原料アルコールと共沸混合物
を形成するものが良く、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等が使用できる。
芳香族炭化水素/エステルの使用割合は重量比
で1/1〜3/1程度が好適に使用される。これ
等はエステル化反応に際し、エントレーナー(脱
水剤)として用い、引続いてこれを利用すること
がより合理的であるが、他方、エステル化反応に
エントレーナーを用いない場合には、本発明の処
理を行なうに際して、反応粗液から過剰の未反応
アルコールを回収し、稀釈剤として芳香族炭化水
素を加えた後、塩基との接触処理をすることが肝
要である。この場合、理由は明らかでないが、こ
れら芳香族炭化水素は稀釈剤として働くのみなら
ず、加水分解の抑止効果も持つものと考えてい
る。
本発明の実施に当つては一般的に固体と液体を
接触させ、そして分離するために採用されうる如
何なる公知の方法、例えば充填床―液流下方式、
混合撹拌―別方式等でも利用することができ
る。
本発明の処理方法はドデカン二酸、ブラシル
酸、ペンタデカン二酸、タプシン酸、シス―9―
オクタデセン二酸等の炭素数12乃至18の脂肪族ジ
カルボン酸と過剰量のメチルアルコール、エチル
アルコール、n―プロピルアルコール、iso―プ
ロピルアルコール等の炭素数1乃至3の飽和1価
アルコールを硫酸、パラトルエンスルホン酸等の
酸触媒の存在下、反応させて得られるエステルの
処理に有効なものである。
本発明によつて得ることが出来る脂肪族ジカル
ボン酸エステルは、さらに精製工程を経ることな
く、次の反応工程に用いることが出来る。特に、
水分、残存アルコール、モノエステルによる影響
の大きなデイークマン反応、アシロイン反応など
の縮合反応、エステル交換反応によるポリエステ
ルの製造等には適しており、本発明の方法はこれ
ら反応の原料エステルの簡便な製造法を与えるも
のである。
以下、具体的な実施例を挙げて、本発明を更に
詳細に説明する。
実施例 1 タプシン酸(純度94.2%)100g、エタノール
64.4g、ベンゼン60.5g及びパラトルエンスルホ
ン酸(1水和物)5.50gを容量500mlの三つ口フ
ラスコに入れ、連続脱水操作による常法に従つて
エステル化反応を行なつた。反応時間11時間後の
ガスクロによるモノエステルの存在量は0.2%で
あつた。該反応粗液を50℃まで冷却し、粉末状の
酸化マグネシウム10.0g(酸触媒に対して8.6モ
ル倍)とベンゼン100gとを加え、20℃において
1時間撹拌した後固形物を別し、滓をベンゼ
ン30gですゝいで、液からアスピレーター減圧下
にベンゼン及び過剰のエタノールを蒸溜回収し
た。粗エステルの得量は117.3gであり、ガスク
ロによるとモノエステルの存在量は0.2%であり、
酸価は0.44であつた。該粗エステルを密閉容器中
室温下に保存し、20日後再び分析したところ、モ
ノエステルは0.2%であり、酸価は0.46であつた。
また、この粗エステル中のタプシン酸ジエチルの
純度は95.2%であり、エステル化の収率は99%で
あつた。
実施例 2 シス―9―オクタデセン二酸(純度86.0%)
12.0g、エタノール8.67g、ベンゼン4.20g及び
濃硫酸0.38gを容量50mlのナスフラスコに入れ、
実施例―1と同様の操作によつてエステル化反応
を行なつた。反応時間3時間後のガスクロによる
モノエステルの存在量は0.3%であつた。該反応
粗液を50℃まで冷却して粉末状の酸化マグネシウ
ム1.20g(酸触媒に対して7.7モル倍)とベンゼ
ン10gとを加え、30℃において0.5時間撹拌した
後固形物を別し、滓をベンゼン10gですゝい
で、液からアスピレーター減圧下にベンゼン及
び過剰のエタノールを蒸留回収した。粗エステル
の得量は13.30gであり、ガスクロによると、モ
ノエステルの存在量は0.4%であり、酸価は0.69
であつた。この粗エステル中のシス―9―オクタ
デセン二酸ジエチルの純度は88.5%であり、エス
テル化の収率は97%であつた。
実施例 3 ブラシル酸(純度93.2%)100g、n―プロパ
ノール100g、トルエン100g及び濃硫酸3.40gを
用い、実施例―1と同様の操作によつてエステル
化反応を行なつた。反応時間6時間後のガスクロ
によるモノエステルの存在量は0.2%であつた。
該反応粗液を70℃まで冷却して粉末状の水酸化カ
ルシウム25.7g(酸触媒に対して10モル倍)とト
ルエン100gとを加え、50℃において1.5時間撹拌
した後、固形物を別し、滓をトルエン70gで
すゝいで液から常圧下にトルエン及び過剰のn
―プロパノールを蒸留回収した。粗エステルの得
量は126.2gであり、ガスクロによるとモノエス
テルの存在量は0.3%であり、酸価は0.56であつ
た。この粗エステル中のブラシル酸ジn―プロピ
ルの純度は96.4%であり、エステル化の収率は97
%であつた。
実施例 4 ペンタデカン二酸(純度97.2%)12.0g、メタ
ノール30g、及び濃硫酸0.30gを容量100mlのナ
スフラスコに入れて加熱還流し、ソツクスレー抽
出器に入れたモレキユラーシーブ3A15gで生成
する水を吸着しながら常法に従つてエステル化を
行なつた。反応時間3時間後のガスクロによるモ
ノエステルの存在量は0.2%であつた。常圧・単
蒸留によつて未反応メタノールを留去した後、蒸
留残にキシレン30gを加えて均一溶液とし、沈降
性炭酸カルシウム1.3g(酸触媒に対して4.2倍モ
ル)を加え、20℃において1.5時間撹拌した後固
形物を別し、滓を5g、キシレン5gですゝ
いで液からアスピレーター減圧下にキシレンを
蒸留回収した。粗エステルの得量は13.5gであ
り、ガスクロによるとモノエステルの存在量は
0.4%であり、酸価は0.72であつた。この粗エス
テル中のペンタデカン二酸ジメチルの純度は93.7
%であり、エステル化の収率は98%であつた。
実施例 5 タプシン酸(純度94.2%)100g、エタノール
64.8g、ベンゼン64.4g及び濃硫酸3.32gを用い、
実施例―1と同様の操作によつてエステル化反応
を行なつた。反応時間6時間後のガスクロによる
モノエステルの存在量は0.2%であつた。該反応
粗液を50℃まで冷却して沈降性炭酸カルシウム
7.5g(酸触媒に対して2.2モル倍)とベンゼン
100gとを加え、30℃において1時間撹拌した後
固形物を別し、滓をベンゼン30gですゝいで
液からアスピレーター減圧下にベンゼン及び過
剰のエタノールを蒸留回収した。粗エステルの得
量は121.1gであり、ガスクロによるとモノエス
テルの存在量は0.3%であり、酸価は0.56であつ
た。この粗エステル中のタプシン酸ジエチルの純
度は92.5%であり、エステル化の収率は99%であ
つた。
実施例 6 ドデカン二酸(純度95.1%)100g、iso―プロ
パノール200g及びパラトルエンスルホン酸(1
水和物)3.32gを容量500mlの三つ口フラスコに
入れ、更にモレキユラーシーブ4A120gを用い、
実施例―4と同様の方法によつてエステル化を行
なつた。反応時間7時間後のガスクロによるモノ
エステルの存在量は0.3%であつた。常圧単蒸留
によつて未反応sio―プロパノールを留去した後、
蒸留残にベンゼン250g及び粉末状の酸化マグネ
シウム8.5g(酸触媒に対して7.3モル倍)を加え
て30℃において0.5時間撹拌した後固形物を別
した。アスピレーター減圧下にベンゼンを蒸留回
収した。粗エステルの得量は134.6gであり、ガ
スクロによるものとモノエステルの存在量は0.3
%であり、酸価は0.51であつた。また、この粗エ
ステル中のドデカン二酸ジiso―プロピルの純度
は93.4%であり、エステル化の収率は97%であつ
た。
実施例 7 タプシン酸(純度94.2%)100g、エタノール
64.8g、ベンゼン64.4g及びパラトルエンスルホ
ン酸(1水和物)5.50gを用い、実施例―1と同
様の操作によつてエステル化反応を行なつた。反
応時間7.5時間後のガスクロによるモノエステル
の存在量は0.1%であつた。該反応粗液を50℃ま
で冷却し、粉末状の水酸化カルシウム10.0g(酸
触媒に対して4.7モル倍)とベンゼン100gとを加
え、50℃に保温しながら1時間撹拌した後固形物
を別し、滓をベンゼン30gですゝいで液か
らアスピレーター減圧下にベンゼン及び過剰のエ
タノールを蒸留回収した。粗エステルの得量は
117.5gであり、ガスクロによるとモノエステル
の存在量は0.1%であり、酸価は0.08であつた。
該エステルを密閉容器中室温下に保存し、20日後
再び分析したところモノエステルは0.1%であり、
酸価は0.10であつた。また、この粗エステル中の
タプシン酸ジエチルの純度は94.2%であり、エス
テル化の収率は98%であつた。
比較例1 (水洗) タプシン酸(純度94.9%)100g、エタノール
64.8g、ベンゼン64.4g及び濃硫酸3.36gを用い、
実施例―1と同様の操作によつて、エステル化反
応を行なつた。反応時間5時間後のガスクロによ
るモノエステルの存在量は0.4%であつた。該反
応粗液を室温に冷却後ベンゼン100gと水200gを
加えて撹拌すると分液困難な混合系となつた。食
塩20gを加えて塩析を行ない、分液する水層を可
能な限り抜きとり、再び飽和食塩水200gを加え
て水洗操作を繰り返した。該有機層を硫酸マグネ
シウムで脱水処理した後、溶媒を減圧下に留去し
た粗エステルの得量は112.4gであり、ガスクロ
によるとモノエステルの存在量は3.4%であり、
酸価は6.12であつた、このエステル中のタプシン
酸ジエチルの純度は89.9%であり、エステル化収
率は89%であつた。
比較例2 (アルカリ水溶液) 比較例―1と同様にしてエステル化反応を行な
つた。反応時間5時間後のガスクロによるモノエ
ステルの存在量は0.3%であつた。該反応粗液を
室温に冷却後ベンゼン100gで稀釈し、5%炭酸
ソーダ水溶液と混合撹拌すると分液困難な混合系
となつた。食塩10gを加えて塩析を行ない分液の
後飽和食塩水100gを加えて有機層を洗浄した。
該有機層を比較例―1と同様に処理した。粗エス
テルの得量は103.6gであり、ガスクロによると
モノエステルの存在量は5.6%であり、酸価は
11.4であつた。このエステル中のタプシン酸ジエ
チルの純度は92.0%であり、エステル化の収率は
84%であつた。
比較例3 (アルカリ) 比較例―1と同様にしてエステル化反応を行な
つた。反応時間7時間後のガスクロによるモノエ
ステルの存在量は0.2%であつた。該反応粗液を
50℃まで冷却して粒状の炭酸水素ナトリウム11.5
g(酸触媒に対し4.0モル倍)とベンゼン100gと
を加え、50℃において1時間撹拌した後固形物を
別した。液からアスピレーター減圧下にベン
ゼン及び過剰のエタノールを蒸留回収した。粗エ
ステルの得量は119.4gであり、ガスクロによる
とモノエステルの存在量は1.4%であり、酸価は
2.7であつた。この粗エステル中のタプシン酸ジ
エチルの純度は91.3%であり、エステル化の収率
は96%であつた。
比較例4 (溶媒ナシ) 実施例―6と同様にしてエステル化を行なつ
た。反応時間10時間後のガスクロによるモノエス
テルの存在量は0.2%であつた。該反応粗液を30
℃に冷却し、粉末状の酸化マグネシウム(酸触媒
に対して14.2モル倍)を加えて2.0時間撹拌した
後固形物を別した。液からアスピレーター減
圧下に過剰のiso―プロパノールを蒸留回収した
粗エステルの得量は114.2gであり、ガスクロに
よるモノエステルの存在量は0.3%であり、酸価
は2.08であつた。該粗エステルを密閉容器中室温
下に保存し、20日後再び分析したところ、モノエ
ステルは3.9%であり、酸価は8.70であつた。又、
この粗エステル中のドデカン二酸ジiso―プロピ
ルの純度は97.4%であり、エステル化の収率は、
98.0%であつた。
参考例 (次工程への影響) 実施例―1で得られた粗エステルを用いて文献
公知の方法(N.J.Leonard,C.W.
Schimelpfenig,Jr.,Journal of Organic
Chemistry,23,1708(1958))に従つてデイーク
マン反応によるシクロペンタデカノンの合成を試
みたところ、粗エステル11.65gから純度98.2%
のシクロペンタデカノン3.64gを得た。
尚、比較例―1及び2で得られた粗エステルは
不純物も多く、これをそのまゝ用いたデイークマ
ン反応ではシクロペンタデカノンの合成成績は全
く問題とならなつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 炭素数12乃至18の脂肪族ジカルボン酸と炭素
    数1乃至3の飽和1価アルコールとの酸触媒によ
    るエステル化反応で得られる反応粗液の中和処理
    に際し、実質上、水の不存在下で、芳香族炭化水
    素を共存させ、固体状の塩基性金属酸化物、塩基
    性金属水酸化物或いは塩基性金属炭酸塩から選ば
    れた少くとも1種の塩基性化合物を用いて反応粗
    液を中和処理した後、該塩基性化合物を分離する
    ことを特徴とする脂肪族ジカルボン酸エステルの
    処理方法。 2 炭素数12乃至18の脂肪族ジカルボン酸がドデ
    カン二酸、ブラシル酸、ペンタデカン二酸、タプ
    シン酸或いはシス―9―オクタデセン二酸である
    特許請求の範囲第1項記載の脂肪族ジカルボン酸
    エステルの処理方法。 3 炭素数1乃至3の飽和1価アルコールがメチ
    ルアルコール、エチルアルコール、n―プロピル
    アルコール或いはiso―プロピルアルコールであ
    る特許請求の範囲第1項記載の脂肪族ジカルボン
    酸エステルの処理方法。 4 酸触媒が硫酸或いはパラトルエンスルホン酸
    である特許請求の範囲第1項記載の脂肪族ジカル
    ボン酸エステルの処理方法。 5 塩基性金属酸化物が酸化マグネシウムである
    特許請求の範囲第1項記載の脂肪族ジカルボン酸
    エステルの処理方法。 6 塩基性金属水酸化物が水酸化カルシウムであ
    る特許請求の範囲第1項記載の脂肪族ジカルボン
    酸エステルの処理方法。 7 塩基性金属炭酸塩が炭酸カルシウムである特
    許請求の範囲第1項記載の脂肪族ジカルボン酸エ
    ステルの処理方法。 8 芳香族炭化水素がベンゼン、トルエン、或い
    はキシレンである特許請求の範囲第1項記載の脂
    肪族ジカルボン酸エステルの処理方法。
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