JPS64831B2 - - Google Patents
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- JPS64831B2 JPS64831B2 JP9116782A JP9116782A JPS64831B2 JP S64831 B2 JPS64831 B2 JP S64831B2 JP 9116782 A JP9116782 A JP 9116782A JP 9116782 A JP9116782 A JP 9116782A JP S64831 B2 JPS64831 B2 JP S64831B2
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Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01S—DEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
- H01S3/00—Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range
- H01S3/02—Constructional details
- H01S3/03—Constructional details of gas laser discharge tubes
- H01S3/034—Optical devices within, or forming part of, the tube, e.g. windows, mirrors
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Description
【発明の詳細な説明】
発明の技術分野
本発明は、ヘリウム・ネオン・ガスレーザ装置
に係り、とくに6328Åの波長のレーザ光線出力を
増大しうる共振器のミラーの波長に関する。
に係り、とくに6328Åの波長のレーザ光線出力を
増大しうる共振器のミラーの波長に関する。
背景技術およびその問題点
ヘリウム・ネオン・ガスレーザを波長6328Åで
発振させる場合、波長6328Åに対応する遷移はネ
オンの3S2から2P4準位であるが、他方同一の上
の準位3S2を共有して3P4に遷移するレーザ発振
が3.39μmに存在している。波長3.39μmの発振は、
6328Åの発振よりもはるかに増幅利得が大きいた
め、両者は同一レーザ内でしばしば同時に発振
し、いわゆる競合現象を示し、6328Å線は単独で
発振する場合に比較して出力が低下する。この現
象は1mW級程度の出力が小さい場合には目立た
ないが5mW級以上の高出力のヘリウム・ネオ
ン・ガスレーザ装置の場合には特に顕著になる。
そこで従来波長3.39μmにおける誘導放射を選択
的に阻止するため次のような手段がとられた。
発振させる場合、波長6328Åに対応する遷移はネ
オンの3S2から2P4準位であるが、他方同一の上
の準位3S2を共有して3P4に遷移するレーザ発振
が3.39μmに存在している。波長3.39μmの発振は、
6328Åの発振よりもはるかに増幅利得が大きいた
め、両者は同一レーザ内でしばしば同時に発振
し、いわゆる競合現象を示し、6328Å線は単独で
発振する場合に比較して出力が低下する。この現
象は1mW級程度の出力が小さい場合には目立た
ないが5mW級以上の高出力のヘリウム・ネオ
ン・ガスレーザ装置の場合には特に顕著になる。
そこで従来波長3.39μmにおける誘導放射を選択
的に阻止するため次のような手段がとられた。
(イ) 共振器内に3.39μmに対して強い吸光度を示
し、6328Åに対しては透明度の高い気体、たと
えばメタンあるいはメタノール蒸気などを導入
する。
し、6328Åに対しては透明度の高い気体、たと
えばメタンあるいはメタノール蒸気などを導入
する。
(ロ) 共振器内に損失の少ないプリズム等の分散素
子を導入し、その分散を利用して6328Åに対し
ては共振状態であり、3.39μmに対して非共振
状態を保つ。
子を導入し、その分散を利用して6328Åに対し
ては共振状態であり、3.39μmに対して非共振
状態を保つ。
(ハ) 放電管に沿つてフエライト磁石などをならべ
て不均一磁界を生ぜしめ、これにより相対的に
3.39μm線の増幅利得低下させる。
て不均一磁界を生ぜしめ、これにより相対的に
3.39μm線の増幅利得低下させる。
以上のように従来のものは特別の付加装置を設
けることが必要であり、高価となる。それ故6328
Åの波長での反射率を大きく、3.39μmでの波長
の反射率を小さくとるようにレーザ・ミラー分光
反射率特性を設計することが考えられるが、この
方法としては、従来特公昭50−37519号公報で知
られるものがある。即ちその発明の要旨は次の通
りである。
けることが必要であり、高価となる。それ故6328
Åの波長での反射率を大きく、3.39μmでの波長
の反射率を小さくとるようにレーザ・ミラー分光
反射率特性を設計することが考えられるが、この
方法としては、従来特公昭50−37519号公報で知
られるものがある。即ちその発明の要旨は次の通
りである。
(1) 高反射側ミラーの多層膜構成をSub・|
〔H・L〕12−H・6L|Airの26層とする。ここ
でH,Lはそれぞれ光学的膜厚がλ0/4の高屈
折率物質及び低屈折率物質の層であり、λ0は中
心波長でλ0=6328Åである。一方出力側ミラー
の多層膜構成はSub・|〔H・L〕6−H・L′|
Airの14層である。ここで出力側ミラーのH,
Lは、光学的膜厚がλ0′/4であり、λ′0は中心
波長でλ′0=6700Åである。また最終層L′は光
学的膜厚が8475Åである。即ちL′5Lである。
前記高反射側ミラーと出力側ミラーとを有する
ヘリウム・ネオン・ガスレーザ装置である。
〔H・L〕12−H・6L|Airの26層とする。ここ
でH,Lはそれぞれ光学的膜厚がλ0/4の高屈
折率物質及び低屈折率物質の層であり、λ0は中
心波長でλ0=6328Åである。一方出力側ミラー
の多層膜構成はSub・|〔H・L〕6−H・L′|
Airの14層である。ここで出力側ミラーのH,
Lは、光学的膜厚がλ0′/4であり、λ′0は中心
波長でλ′0=6700Åである。また最終層L′は光
学的膜厚が8475Åである。即ちL′5Lである。
前記高反射側ミラーと出力側ミラーとを有する
ヘリウム・ネオン・ガスレーザ装置である。
(2) 高反射側ミラーの多層膜構成をSub・|
〔H・L〕12H・L′|Airの26層とすると、ここ
でH,Lは、光学的膜厚がλ′0/4であり、λ′0
は中心波長で、λ′0=6700Åである。また最終
層L′は光学的膜厚が8475Åである。即ちL′
5Lである。前記高反射側ミラーと(1)に記載の
出力側ミラーとを有するヘリウム・ネオン・ガ
スレーザ装置である。
〔H・L〕12H・L′|Airの26層とすると、ここ
でH,Lは、光学的膜厚がλ′0/4であり、λ′0
は中心波長で、λ′0=6700Åである。また最終
層L′は光学的膜厚が8475Åである。即ちL′
5Lである。前記高反射側ミラーと(1)に記載の
出力側ミラーとを有するヘリウム・ネオン・ガ
スレーザ装置である。
以上の(1)または(2)の多層膜構成のレーザ・ミラ
ーを用いて、6328Åの波長に於ける反射率を高
く、また3.39μmの波長に於て反射率を低く抑え
ている。
ーを用いて、6328Åの波長に於ける反射率を高
く、また3.39μmの波長に於て反射率を低く抑え
ている。
しかし、上述の多層膜構成によるレーザ・ミラ
ーには次に述べるような欠点がある。
ーには次に述べるような欠点がある。
(a) 出力側ミラーの層数が14層でありこれでは出
力側ミラーにしては層数が多く、しかも最終層
L′が約5Lであるので、実質は19層である。こ
れは、出力側ミラーとしては層数が多過ぎ、し
かも膜厚が厚過ぎるため6328Åの線での適切な
透過率、例えば約1.3%の値を大幅に下まわつ
てしまい、6328Åの光出力が不足してしまう。
力側ミラーにしては層数が多く、しかも最終層
L′が約5Lであるので、実質は19層である。こ
れは、出力側ミラーとしては層数が多過ぎ、し
かも膜厚が厚過ぎるため6328Åの線での適切な
透過率、例えば約1.3%の値を大幅に下まわつ
てしまい、6328Åの光出力が不足してしまう。
(b) 出力側ミラーの最終層L′の中心波長λ′0が、
高反射側ミラーのλ′0=6328Åと異なつて約
6700Åに設定されており、両ミラーの製造にあ
たり蒸着中に中心波長の切り換えを行なわなけ
ればならない。これは、蒸着中の作業ミス発生
につながりやすいし、また切り換え作業も操作
が多くかかる不都合がある。
高反射側ミラーのλ′0=6328Åと異なつて約
6700Åに設定されており、両ミラーの製造にあ
たり蒸着中に中心波長の切り換えを行なわなけ
ればならない。これは、蒸着中の作業ミス発生
につながりやすいし、また切り換え作業も操作
が多くかかる不都合がある。
(c) 波長3.39μmでの反射率が、高出力側ミラー
で0.2%あるいは0.1%であるが、出力側ミラー
では1.4%であり必ずしも充分小さく抑えられ
ていない。このため3.39μmの波長のレーザ光
線の出力がわずかではあるが混入する。
で0.2%あるいは0.1%であるが、出力側ミラー
では1.4%であり必ずしも充分小さく抑えられ
ていない。このため3.39μmの波長のレーザ光
線の出力がわずかではあるが混入する。
発明の目的
本発明は以上の如き従来技術の不都合を解消
し、3.39μmの波長における反射率をほとんど零
に抑え、また6328Åの波長においては高反射側ミ
ラーでの反射率を99.9%以上ほゞ100%に近くし、
出力側ミラーでの透過率を所要の適切な値にして
6328Åの線を効率よくとり出しうるヘリウム・ネ
オン・ガスレーザ装置を提供するものである。
し、3.39μmの波長における反射率をほとんど零
に抑え、また6328Åの波長においては高反射側ミ
ラーでの反射率を99.9%以上ほゞ100%に近くし、
出力側ミラーでの透過率を所要の適切な値にして
6328Åの線を効率よくとり出しうるヘリウム・ネ
オン・ガスレーザ装置を提供するものである。
発明の概要
この発明は共振器を構成する一対のミラーのう
ち、高反射側ミラーの多層膜は、高屈折率物質H
と低屈折率物質Lの交互層より成り、基板側から
数えて最終層の物質が低屈折率物質Lであり、反
射帯の中心波長λrが約6328Åでであつて、前記
最終層の光学的膜厚がλr/2×3またはλr/2×4で あり、他の層は全てλr/4であつて、また出力
側ミラーの多層膜は、高屈折率物質Hと低屈折率
物質Lの交互層を主体としており、基板側から数
えて最終層の物質が低屈折率物質Lであり、反射
帯の中心波長がλtが約6328Åであつて、前記最終
層の光学的膜厚がλt/2×3であり、他の層は全て λt/4である。このような2種類のレーザ・ミラ
ーを有してなる。
ち、高反射側ミラーの多層膜は、高屈折率物質H
と低屈折率物質Lの交互層より成り、基板側から
数えて最終層の物質が低屈折率物質Lであり、反
射帯の中心波長λrが約6328Åでであつて、前記
最終層の光学的膜厚がλr/2×3またはλr/2×4で あり、他の層は全てλr/4であつて、また出力
側ミラーの多層膜は、高屈折率物質Hと低屈折率
物質Lの交互層を主体としており、基板側から数
えて最終層の物質が低屈折率物質Lであり、反射
帯の中心波長がλtが約6328Åであつて、前記最終
層の光学的膜厚がλt/2×3であり、他の層は全て λt/4である。このような2種類のレーザ・ミラ
ーを有してなる。
発明の実施例
ヘリウム・ネオン・ガスレーザ用ミラーは、第
1図に示すような透明基板1上に形成された高屈
折率物質H,2と低屈折率物質L,3の交互層を
主体とした誘電体多層膜で構成されており、各層
の光学的膜厚はλ0/4を標準とする。ここでλ0は
出力として得るヘリウム・ネオン・ガスレーザの
発振波長で、λ0=6328Åである。そして各ミラー
の反射帯の中心波長をλ0またはλ0付近に、 ら
ぶ。誘電体多層膜としては、酸化セリウム
(CeO2)と弗化マグネシウム(MgF2)の系、硫
化亜鉛(ZnS)と弗化マグネシウムの系、硫化亜
鉛と氷晶石(Na3AlF6)の系あるいは、二酸化
チタン(TiO2)と二酸化シリコン(SiO2)の系
等が用いられるが、ここではハードコートされた
二酸化チタンと二酸化シリコンの系を例にとつて
述べる。
1図に示すような透明基板1上に形成された高屈
折率物質H,2と低屈折率物質L,3の交互層を
主体とした誘電体多層膜で構成されており、各層
の光学的膜厚はλ0/4を標準とする。ここでλ0は
出力として得るヘリウム・ネオン・ガスレーザの
発振波長で、λ0=6328Åである。そして各ミラー
の反射帯の中心波長をλ0またはλ0付近に、 ら
ぶ。誘電体多層膜としては、酸化セリウム
(CeO2)と弗化マグネシウム(MgF2)の系、硫
化亜鉛(ZnS)と弗化マグネシウムの系、硫化亜
鉛と氷晶石(Na3AlF6)の系あるいは、二酸化
チタン(TiO2)と二酸化シリコン(SiO2)の系
等が用いられるが、ここではハードコートされた
二酸化チタンと二酸化シリコンの系を例にとつて
述べる。
実施例その1……高反射側ミラー
高反射側ミラーは、6328Åでの反射率を極力大
きくすることが望まれるが、通常99.9%以上の反
射率であれば実用的に問題なく使用される。透明
ガラス基板1上に形成された二酸化チタンTと二
酸化シリコンSの系から成り反射帯の波長λrを
出力線と同じ波長λ0=6328Åまたはその付近に
らぶ。そして、上述の反射率の値は、層数が合計
22層以上24層の間であれば満足される。今層数を
24層とし、最終層の光学的膜厚がλr/2の整数
倍の構成、即ち、 Sub|〔T・S〕11・T・n2S|Air ……() に於て、n(n=1,2…)を変えた場合の
3.39μmでの反射率とnの関係を第2図の折線4
に示す。尚、二酸化チタン及び二酸化シリコンは
基板加熱をしながら電子ビームによつて蒸着され
たものである。第2図より、高反射側ミラーの
3.39μmでの反射率は、最終層が6Sまたは8S、即
ち光学的膜厚がλr/2×3,λr/2×4の時、殆ど零 の値をとることがわかる。またこの時、6328Åで
の反射率は、最終層の光学的膜厚がλr/2の整
数倍であれば変らず、約99.98%である。第3図
に、Sub.|〔T・S〕11・T・6S|Airの構成の高
反射側ミラーの分光透過率の一例を示す。これは
分光器により400nmから800nmの範囲の透過率を
測定したものである。第3図に於て、曲線6aは
縦線のフルスケールが100%で、曲線6bは縦軸
のフルスケールが10%での表示である。これから
6328Åでの透過率は殆ど零、即ち反射率が殆んど
100%であることがわかる。また第4図に同じ高
反射側ミラーの2.5μmから25μmの範囲の分光反
射率の一例を示す。これは赤外分光器により反射
率を測定したものである。これより、3.39μmの
反射率の値は0.1%以下で殆ど零であることがわ
かる。
きくすることが望まれるが、通常99.9%以上の反
射率であれば実用的に問題なく使用される。透明
ガラス基板1上に形成された二酸化チタンTと二
酸化シリコンSの系から成り反射帯の波長λrを
出力線と同じ波長λ0=6328Åまたはその付近に
らぶ。そして、上述の反射率の値は、層数が合計
22層以上24層の間であれば満足される。今層数を
24層とし、最終層の光学的膜厚がλr/2の整数
倍の構成、即ち、 Sub|〔T・S〕11・T・n2S|Air ……() に於て、n(n=1,2…)を変えた場合の
3.39μmでの反射率とnの関係を第2図の折線4
に示す。尚、二酸化チタン及び二酸化シリコンは
基板加熱をしながら電子ビームによつて蒸着され
たものである。第2図より、高反射側ミラーの
3.39μmでの反射率は、最終層が6Sまたは8S、即
ち光学的膜厚がλr/2×3,λr/2×4の時、殆ど零 の値をとることがわかる。またこの時、6328Åで
の反射率は、最終層の光学的膜厚がλr/2の整
数倍であれば変らず、約99.98%である。第3図
に、Sub.|〔T・S〕11・T・6S|Airの構成の高
反射側ミラーの分光透過率の一例を示す。これは
分光器により400nmから800nmの範囲の透過率を
測定したものである。第3図に於て、曲線6aは
縦線のフルスケールが100%で、曲線6bは縦軸
のフルスケールが10%での表示である。これから
6328Åでの透過率は殆ど零、即ち反射率が殆んど
100%であることがわかる。また第4図に同じ高
反射側ミラーの2.5μmから25μmの範囲の分光反
射率の一例を示す。これは赤外分光器により反射
率を測定したものである。これより、3.39μmの
反射率の値は0.1%以下で殆ど零であることがわ
かる。
実施例その2……出力側ミラー
出力側ミラーは、ヘリウム・ネオン・レーザ装
置内で発振した波長(λ0)6328Åの光を一部取り
出すため、6328Åでの透過率は通常1.1%から1.9
%程度の範囲のもの即ち反射率が98.1%から98.9
%程度の範囲のものが要求される。
置内で発振した波長(λ0)6328Åの光を一部取り
出すため、6328Åでの透過率は通常1.1%から1.9
%程度の範囲のもの即ち反射率が98.1%から98.9
%程度の範囲のものが要求される。
上述の透過率、あるいは反射率を満足するに
は、二酸化チタンTと二酸化シリコンSよりなる
交互層の系の場合には、合計12層程度であれば良
い。反射帯の中心波長λtは出力線の波長λ0と同一
またはその付近に らぶ。今、12層の場合、最終
層の光学的膜厚がλt/2の整数倍の構成、即ち、 Sub|〔T・S〕5・T・n2S|Air ……() に於て、n(n=1,2…)を変えた場合の、
3.39μmでの反射率とnとの関係を第2図の折線
5に示す。第2図より、出力側ミラーの3.39μm
での反射率は、最終層が6S、即ち光学的膜厚が
3/2λtの時最小である。また、その時の反射率は
0.1%以下であり、殆ど零の値をとることがわか
る。また、この時6328Åでの透過率は約1.3%で
ある。第5図に、Sib.|〔T・S〕5・T・6S|Air
の構成の400nmから800nmの範囲の分光透過率の
測定結果の一例を第5図に示す。第5図で曲線7
aは縦軸のフルスケールが100%で、曲線7bは
同フルスケールが10%での表示である。分光透過
率の測定結果からも6328Åでの透過率の値が約
1.3%(反射率が98.7%)であることがわかる。
また同じ出力側ミラーの2.5μmから25μm迄の分
光反射率の赤外分光器による測定結果の一例を第
6図に示す。3.39μmで反射率の値が0.1%以下で
殆ど零の値とすることができる。
は、二酸化チタンTと二酸化シリコンSよりなる
交互層の系の場合には、合計12層程度であれば良
い。反射帯の中心波長λtは出力線の波長λ0と同一
またはその付近に らぶ。今、12層の場合、最終
層の光学的膜厚がλt/2の整数倍の構成、即ち、 Sub|〔T・S〕5・T・n2S|Air ……() に於て、n(n=1,2…)を変えた場合の、
3.39μmでの反射率とnとの関係を第2図の折線
5に示す。第2図より、出力側ミラーの3.39μm
での反射率は、最終層が6S、即ち光学的膜厚が
3/2λtの時最小である。また、その時の反射率は
0.1%以下であり、殆ど零の値をとることがわか
る。また、この時6328Åでの透過率は約1.3%で
ある。第5図に、Sib.|〔T・S〕5・T・6S|Air
の構成の400nmから800nmの範囲の分光透過率の
測定結果の一例を第5図に示す。第5図で曲線7
aは縦軸のフルスケールが100%で、曲線7bは
同フルスケールが10%での表示である。分光透過
率の測定結果からも6328Åでの透過率の値が約
1.3%(反射率が98.7%)であることがわかる。
また同じ出力側ミラーの2.5μmから25μm迄の分
光反射率の赤外分光器による測定結果の一例を第
6図に示す。3.39μmで反射率の値が0.1%以下で
殆ど零の値とすることができる。
発明の効果
以上の実施例に述べた高反射側ミラー及び出力
側ミラーを用いて第7図に示すような5mW級の
高出力ヘリウム・ネオン・ガスレーザ装置を作製
する。第7図に於て、高反射側ミラーは、透明基
板11上に前記実施例その1の()の構成(n
=12)の多層膜12を形成したものであり、出力
側ミラーは透明基板13上に同じく()の構成
(n=5)の多層膜14及び反射防止膜15を形
成したものである。以上の高出力ヘリウム・ネオ
ン・レーザ装置は3.39μmの波長の影響が無視出
来るものであり、6328Åでの発振出力を効率よく
得ることができるヘリウム・ネオン・ガスレーザ
装置である。また高反射側ミラーも出力側ミラー
もその反射帯の中心波長を同じに らんでいるの
で、製作が容易で管理もしやすいという利点もあ
る。
側ミラーを用いて第7図に示すような5mW級の
高出力ヘリウム・ネオン・ガスレーザ装置を作製
する。第7図に於て、高反射側ミラーは、透明基
板11上に前記実施例その1の()の構成(n
=12)の多層膜12を形成したものであり、出力
側ミラーは透明基板13上に同じく()の構成
(n=5)の多層膜14及び反射防止膜15を形
成したものである。以上の高出力ヘリウム・ネオ
ン・レーザ装置は3.39μmの波長の影響が無視出
来るものであり、6328Åでの発振出力を効率よく
得ることができるヘリウム・ネオン・ガスレーザ
装置である。また高反射側ミラーも出力側ミラー
もその反射帯の中心波長を同じに らんでいるの
で、製作が容易で管理もしやすいという利点もあ
る。
以上、本発明の実施例として、二酸化チタンと
二酸化シリコンのみを用いたレーザ・ミラーを有
するヘリウム・ネオン・レーザ装置につき詳述し
たが、6328Åの出力光を大きくするため、出力側
ミラーの透過率をやや増加しても良い。そのため
に、出力側ミラーに於て、二酸化チタンの層の代
りに、屈折率が1.60から2.10の間の物質を少なく
とも一層挿入しても良い。例えば、一層を酸化ジ
ルコニウム(屈折率約1.87)を用いると、6328Å
での透過率は約1.6%になり、酸化アルミニウム
(屈折率約1.62)を用いると、6328Åでの透過率
は約1.85%となる。
二酸化シリコンのみを用いたレーザ・ミラーを有
するヘリウム・ネオン・レーザ装置につき詳述し
たが、6328Åの出力光を大きくするため、出力側
ミラーの透過率をやや増加しても良い。そのため
に、出力側ミラーに於て、二酸化チタンの層の代
りに、屈折率が1.60から2.10の間の物質を少なく
とも一層挿入しても良い。例えば、一層を酸化ジ
ルコニウム(屈折率約1.87)を用いると、6328Å
での透過率は約1.6%になり、酸化アルミニウム
(屈折率約1.62)を用いると、6328Åでの透過率
は約1.85%となる。
以上本発明の実施例は、二酸化チタンと二酸化
シリコンを主体とする誘電体多層膜の場合を例に
取り詳述したが、他の酸化セリウムとフツ化マグ
ネシウムの系、硫化亜鉛と弗化マグネシウムの系
に於てもそれぞれの物質の屈折率が二酸化チタン
と二酸化シリコンのそれに近いため、本発明が適
用されることはいうまでもない。
シリコンを主体とする誘電体多層膜の場合を例に
取り詳述したが、他の酸化セリウムとフツ化マグ
ネシウムの系、硫化亜鉛と弗化マグネシウムの系
に於てもそれぞれの物質の屈折率が二酸化チタン
と二酸化シリコンのそれに近いため、本発明が適
用されることはいうまでもない。
また本発明では、高反射側ミラー及び出力側ミ
ラーの両方が、3.39μmでの反射率を抑えた多層
膜構成である場合につき詳述したが、一方のミラ
ーだけに本発明のものを用いても半分ではあるが
効果があり、実際の5mW級高出力ヘリウム・ネ
オン・レーザに使用出来ることを確認している。
また本発明は、高出力ヘリウム・ネオン・レーザ
装置のみならず、1mW級等の他のヘリウム・ネ
オン・レーザ装置にも使用されることは言うまで
もない。
ラーの両方が、3.39μmでの反射率を抑えた多層
膜構成である場合につき詳述したが、一方のミラ
ーだけに本発明のものを用いても半分ではあるが
効果があり、実際の5mW級高出力ヘリウム・ネ
オン・レーザに使用出来ることを確認している。
また本発明は、高出力ヘリウム・ネオン・レーザ
装置のみならず、1mW級等の他のヘリウム・ネ
オン・レーザ装置にも使用されることは言うまで
もない。
第1図は一般のミラーの多層膜構成の概念図、
第2図は高反射側ミラー及び出力側ミラーの
3.39μmに於ける反射率と、最終層の光学的膜厚
との関係図、第3図は本発明の高反射側ミラーの
400nmから800nmの範囲の分光透過率曲線、第4
図は本発明の高反射側ミラーの2.5μm以遠の分光
反射率曲線、第5図は本発明の出力側ミラーの
400nmから800nmの範囲の分光透過率曲線、第6
図は本発明の出力側ミラーの2.5μm以遠の分光反
射率曲線、第7図はヘリウム・ネオン・レーザ装
置。 1,11,13……透明基板、2……高屈折物
質、3……低屈折率物質、4,5……3.39μmで
の反射率特性曲線、12……高反射側誘電体多層
膜、1……出力側誘電体多層膜、15……反射防
止膜。
第2図は高反射側ミラー及び出力側ミラーの
3.39μmに於ける反射率と、最終層の光学的膜厚
との関係図、第3図は本発明の高反射側ミラーの
400nmから800nmの範囲の分光透過率曲線、第4
図は本発明の高反射側ミラーの2.5μm以遠の分光
反射率曲線、第5図は本発明の出力側ミラーの
400nmから800nmの範囲の分光透過率曲線、第6
図は本発明の出力側ミラーの2.5μm以遠の分光反
射率曲線、第7図はヘリウム・ネオン・レーザ装
置。 1,11,13……透明基板、2……高屈折物
質、3……低屈折率物質、4,5……3.39μmで
の反射率特性曲線、12……高反射側誘電体多層
膜、1……出力側誘電体多層膜、15……反射防
止膜。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 共振器を構成する高反射側ミラーおよび出力
側ミラーを有するヘリウム・ネオン・ガスレーザ
装置において、 上記高反射側ミラーは、基板上に形成された酸
化チタンと酸化シリコンとの交互の22乃至24層か
らなる多層膜を有し、該多層膜の基板側から数え
て最終層が酸化シリコンであり且つ該最終層の光
学的膜厚が(λ0/2)×3、または(λ0/2)×
4、(λ0は反射帯の中心波長で、約6328Å)であ
るとともに他の層がすべてλ0/4であり、 上記出力側ミラーは、基板上に形成された酸化
チタンと酸化シリコンとの交互の12層からなる多
層膜を有し、該多層膜の基板側から数えて最終層
が酸化シリコンであり且つ該最終層の光学的膜厚
が(λ0/2)×3であるとともに他の層がすべて
λ0/4であることを特徴とするヘリウム・ネオ
ン・ガスレーザ装置。 2 出力側ミラーは、一部の酸化チタン層が、酸
化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムの層で置
き換えられてなる特許請求の範囲第1項記載のヘ
リウム・ネオン・ガスレーザ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9116782A JPS58209186A (ja) | 1982-05-31 | 1982-05-31 | ヘリウム・ネオン・ガスレ−ザ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9116782A JPS58209186A (ja) | 1982-05-31 | 1982-05-31 | ヘリウム・ネオン・ガスレ−ザ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS58209186A JPS58209186A (ja) | 1983-12-06 |
JPS64831B2 true JPS64831B2 (ja) | 1989-01-09 |
Family
ID=14018915
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9116782A Granted JPS58209186A (ja) | 1982-05-31 | 1982-05-31 | ヘリウム・ネオン・ガスレ−ザ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS58209186A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03120880A (ja) * | 1989-10-04 | 1991-05-23 | Nec Corp | ヘリウム・ネオンレーザ装置 |
WO1999065122A1 (fr) * | 1998-06-11 | 1999-12-16 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Resonateur optique de laser |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5037519A (ja) * | 1973-08-09 | 1975-04-08 |
-
1982
- 1982-05-31 JP JP9116782A patent/JPS58209186A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS58209186A (ja) | 1983-12-06 |
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