JPS647931B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、穀粒タンク内に設けられた穀粒搬出
用の搬出スクリユーと、この搬出スクリユーの終
端側に設けられ、かつ前記穀粒タンクの外部へ穀
粒を搬送する揚送装置とを１つの駆動源に連動さ
せるように構成した穀粒搬送装置に関する。

従来、この種の穀粒搬送装置として、例えば、 (a) 実公昭48−16555号公報 に開示されたような構造のものが知られていた。
上記(a)に示されたものにおいては、駆動源に連動
されて揚送装置を駆動する伝動軸と、搬出スクリ
ユーとをコンパクトに配設するために、搬出スク
リユーを筒軸にして、その筒軸に前記揚送装置の
伝動軸を内装支持させるようにしていた。

ところで、上記(a)に示されたものは、揚送装置
への伝動は前記伝動軸で行われるとともに、搬出
スクリユーへの伝動もクラツチを介して前記伝動
軸で行われるのであつて、揚送装置を始動操作す
ると搬出スクリユーも共に始動するようになつて
いた。従つて、上記従来構造のものでは、搬出ス
クリユーで詰まりが生じた場合、前記クラツチが
切れて搬出スクリユーのみ停止することとなつ
て、穀物を搬出スクリユーですり潰す等の不都合
を解消できるものの、揚送装置側で詰まりが生じ
た場合、その詰まりを揚送装置自体の搬送力で解
消しようとしても、搬出スクリユーからの穀粒供
給が続行される欠点があり、詰まり解決に時間が
掛かるとか、揚送装置自体による解消が不能にな
り、揚送装置を開けて詰まりを人為的に解消しな
ければならなくなる不都合が生じたり、揚送装置
がスロワー式の場合に、スロワーが始動直後でま
だ回転加速度が十分付かなくて低速回転状態にあ
るうちに搬出スクリユーからスロワーに穀粒供給
され、詰まりが生じ易くなるとか、揚送がスムー
ズに行われる状態になるのに時間が掛かる不都合
が生じていた。

本発明は、上記実情を鑑みてなされたものであ
つて、揚送装置において詰まりが生じないように
始動できるとともに、例えその詰まりが生じた場
合でも、人為的に搬出スクリユーを停止し、かつ
揚送装置のみ駆動する状態に切換えて、その詰ま
りの解消を図り得て、その上、コンパクトな構造
となる穀粒搬出装置の提供を目的とする。

本発明にかかる穀粒搬送装置は、上記目的を達
成するために、冒記のものにおいて、前記揚送装
置への伝動軸を前記搬出スクリユーの筒軸に相対
回転自在に内装すると共に、前記伝動軸及び前記
筒軸の入力側を前記穀粒タンクの外部へ延出した
状態で、前記搬出スクリユー及び揚送装置の夫々
に、前記駆動源からの入力部を設け、かつ、それ
ら入力部の夫々に動力伝達の断続を行うクラツチ
を設けて、さらに、前記両クラツチを、１本の操
作レバーに対して、その操作レバーの操作経路中
において、前記両クラツチを共に切つた状態で維
持する操作域と、前記両クラツチを共に入れた状
態に維持する操作域と、それら両操作域の間で前
記揚送装置側のクラツチのみが入る状態で維持す
る操作域が存在するように、連係させて構成して
あることを特徴構成とする。

すなわち、揚送装置への伝動軸を搬出スクリユ
ーの筒軸に相対回転自在に内装してあるから、搬
出スクリユーへの伝動系と揚送装置への伝動系を
別系統にしながらも、両伝動系を同一スペース内
に納まるコンパクトなものにでき、有利な配設が
行えるとともに、 (ア) 搬出スクリユーの筒軸における入力部のクラ
ツチを切り状態にして、かつ、揚送装置の伝動
軸における入力部のクラツチを入り状態にする
こと によつて、伝動軸のみに伝動することができるか
ら、揚送装置のみの駆動を可能にでき、揚送装置
に詰まりが生じた際に、搬出スクリユーも揚送装
置も駆動している状態から、１本の操作レバーの
操作で上述の(ア)の状態に切換えて、搬出スクリユ
ーから揚送装置に穀粒供給されないように揚送装
置のみを駆動して、詰まり解消が揚送装置自体に
よつて迅速にできる。

また、揚送装置がスロワー式である場合等に、
搬出スクリユーも揚送装置も停止している状態か
ら、１本の操作レバーの操作で上述の(ア)の状態に
切換えることにより、先ず揚送装置のみを始動さ
せ、揚送装置が高速回転してから搬出スクリユー
を始動させると、搬出スクリユーから供給された
穀粒を即座に高速で揚送させ得るので、揚送装置
における詰まりを回避しながらも、揚穀が最初か
らスムーズに行われるようにでき、逆に穀粒搬出
を停止する場合には、揚送装置が搬出スクリユー
よりも後に停止するので、揚送装置に残留する穀
粒を少なくでき、このことによつても、揚送装置
における詰まりの回避が図られることになる等の
効果を奏するに至つた。

以下に、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図に示すように、植立穀稈を回転リール１
により刈取装置２に掻き込んで刈取ると共に、刈
取穀稈を回転体３及びコンベア４ａ，４ｂにより
フイーダー５に沿わせて後方に搬送するように構
成した前処理部を、運転部６、原動部７、前記前
処理部からの刈取穀稈の全体を扱室に供給して脱
穀すると共に脱穀処理物を穀粒と塵埃とに選別す
る脱穀選別部８、脱穀粒タンク９、及び、このタ
ンク９から穀粒を取出すと共に揚送する穀粒搬送
装置１０の夫々を有したクローラ式走行機体の前
部にシリンダ１１による上下揺動操作が自在に連
結して、コンバインを構成してある。尚同図に示
す９ａは、タンク９の揺動開閉蓋であり、この開
閉蓋９ａには、開放操作用の把手２６が遊端部に
備えられ、閉操作用の把手２７が蓋９ａの開放状
態においても運転部６から手が届くように内面側
に位置させて備えられている。

前記穀粒搬送装置１０を構成するに、第２図に
示すように、タンク９内の底部にスクリユー１２
を駆動自在に設けると共に、このスクリユー１２
の搬送終端部からスロワー式揚送装置１３を延出
し、タンク内穀粒がスクリユー１２によつて機体
横一端側に搬出され、回動するスロワー１３ａの
放てき作用によりスロワー筒１３ｂに沿わせて揚
送され、回転式排出筒部１３ｃから吐出されるよ
うにしてある。

前記スロワー筒１３ｂの基端部を、タンク９か
ら延出されたブラケツト１４に、機体下方側ほど
機体の横外側で後方側に位置する１本の軸芯Ｐ周
りでの回動操作が自在に取付けて、揚送装置１３
を、タンク９から後方に機体前後方向にほぼ沿う
状態で延びると共に原動部７の上方近くに位置す
る状態にした下降格納姿勢と、タンク９から上方
で機体の横外側に向かつて延びる状態にした上昇
使用姿勢とに切換えられるようにしてある。

前記穀粒搬送装置１０の駆動を可能にするに、
第２図に示すように、搬出スクリユー１２の筒軸
１２ａにおける揚送装置１３側とは反対側の端部
を、タンク９から延出の支持筒１５に揺動自在に
取付けたテンシヨンアーム１６ａを有する第１ベ
ルトテンシヨンクラツチ１６、中間軸１７、及
び、伝動ベルト１８を介してエンジン１９に連動
させ、そして、前記スロワー１３ａの回転支軸１
３ｄを、ベベルギア機構２０、前記スクリユー筒
軸１２ａに相対回転自在に内装した伝動軸２１、
前記支持筒１５に揺動自在に取付けたテンシヨン
アーム２２ａを有する第２ベルトテンシヨンクラ
ツチ２２の夫々を介して、前記中間軸１７に連動
させ、搬出スクリユー１２及び揚送装置１３の
夫々に１つの原動源としてのエンジン１９から伝
動するように構成し、かつ、揚送装置１３のみの
駆動が可能となるように、第１クラツチ１６によ
つて搬出スクリユー１２のみを駆動停止できるよ
うに構成してある。

前記穀粒搬送装置１０を駆動及び停止操作する
ための構造を構成するに、第３図に示すように、
１本の操作レバー２３を、十字揺動自在に設ける
と共に、レバーガイド２４の屈出ガイド溝のうち
の第１溝部分２５ａにて操作すると前記第１クラ
ツチ１６の操作部材１６ｂが入り位置ONと切り
位置OFFとに係止移送切換えされるように、第
２溝部分２５ｂにて操作すると前記第１クラツチ
操作部材１６ｂに係脱するように、第３溝部分２
５ｃにて操作すると前記第２クラツチ２２の操作
部材２２ｂに係脱し、第４溝部分２５ｄにて操作
すると前記第２クラツチ操作部材２２ｂが入り位
置ONと切り位置OFFとに係止移送切換えされる
ように構成してある。すなわち、操作レバー２３
を第１操作位置Ａにすると揚送装置１３及び搬出
スクリユー１２が共に駆動停止され、操作レバー
２３を第２操作位置Ｂ及び第３操作位置Ｃに操作
すると、揚送装置１３のみが駆動され、操作レバ
ー２３を第４操作位置Ｄに操作すると揚送装置１
３及び搬出スクリユー１２が共に駆動されるよう
に構成してあり、揚送装置１３及び搬出スクロワ
ー１２の両者を１本の操作レバー２３で駆動及び
停止操作できるように構成すると共に、揚送装置
１３が始動された後、スロワー１３ａに十分な回
転加速度が付くに要する時間が、経過してから搬
出スクリユー１２が始動操作されるように、操作
レバー２３の第２操作位置Ｂから第３操作位置Ｃ
への移動操作に、ガイド溝の屈曲によつて抵抗を
付与するように構成してある。

前記揚送装置１３はスクリユー式に変更可能で
ある。

前記第１クラツチ１６は、咬合式等に変更可能
である。

尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る穀粒搬送装置の実施例を示
し、第１図はコンバインの一部切欠き側面図、第
２図は穀粒搬送装置の断面図、第３図は穀粒搬送
装置操作レバーの操作位置を示す平面図である。 ９……穀粒タンク、１２……搬出スクリユー、
１２ａ……スクリユー筒軸、１３……揚送装置、
１６，２２……クラツチ、１９……駆動源、２１
……伝動軸、２３……操作レバー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 穀粒タンク９内に設けられた穀粒搬出用の搬
   出スクリユー１２と、この搬出スクリユー１２の
   終端側に設けられ、かつ前記穀粒タンク９の外部
   へ穀粒を搬送する揚送装置１３とを１つの駆動源
   １９に連動させるように構成した穀粒搬送装置で
   あつて、前記揚送装置１３への伝動軸２１を前記
   搬出スクリユー１２の筒軸１２ａに相対回転自在
   に内装すると共に、前記伝動軸２１及び前記筒軸
   １２ａの入力側を前記穀粒タンク９の外部へ延出
   した状態で、前記搬出スクリユー１２及び揚送装
   置１３の夫々に、前記駆動源１９からの入力部を
   設け、かつ、それら入力部の夫々に動力伝達の断
   続を行うクラツチ１６，２２を設けて、さらに、
   前記両クラツチ１６，２２を、１本の操作レバー
   ２３に対して、その操作レバー２３の操作経路中
   において、前記両クラツチ１６，２２を共に切つ
   た状態で維持する操作域と、前記両クラツチ１
   ６，２２を共に入れた状態に維持する操作域と、
   それら両操作域の間で前記揚送装置１３側のクラ
   ツチ２２のみが入る状態で維持する操作域が存在
   するように、連係させて構成してあることを特徴
   とする穀粒搬送装置。 ２ 前記揚送装置１３がスロワー式揚送装置であ
   る特許請求の範囲第１項に記載の穀粒搬送装置。