JPH0157928B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、脱穀粒タンクに内部穀粒搬出スクリ
ユーを水平あるいはほぼ水平に内装し、このスク
リユーからの穀粒に対するスロワー式揚送装置
を、前記スクリユーの終端部から延出すると共
に、前記スクリユー、あるいは、このスクリユー
の筒軸に内装された伝動軸に連動連結したコンバ
インの穀粒搬送装置に関する。

上記穀粒搬送装置において、従来、揚送装置を
機体の前後方向あるいは横方向にほぼ沿う状態に
倒伏した格納姿勢と、機体の上方でかつ外側に向
かつて延びる使用姿勢とに切換えられるようにす
るのに、水平方向の軸芯周りでの回動部と、スロ
ワー筒の軸芯周りでの回動部との両回動部が備え
られていたために、姿勢切換えに手間が掛かるば
かりでなく、スロワー筒を複数個の筒部分に分割
形成せねばならず揚送装置構造が複雑になつてい
た。

本発明の目的は、前記両姿勢への切換えが可能
なものを、切換えが操作簡単にできると共に構造
簡単に得られるように、さらには、これに起因す
るスクリユーからスロワーへの穀粒供給トラブル
をも構造簡単に解消できるようにすることにあ
る。

本発明の特徴構成は、冒記したコンバインの穀
粒搬送装置において、前記揚送装置の基端部を、
水平面に対して傾斜すると共に機体下方側ほど機
体外側に位置する１軸芯周りで揺動自在に取付
け、スロワー回転支軸の支持部材を、前記回転支
軸の上方において前記搬出スクリユーからの穀粒
を前記スロワーの下端側に案内する形状に形成し
たことにあり、その作用及び効果は次のとおりで
ある。

すなわち、揚送装置を一箇所で回動させるだけ
で、倒伏姿勢においては機体の前後方向あるいは
横方向に沿う状態になり、かつ、起立姿勢におい
ては先端側ほど機体から外側に離れる状態にな
る。従つて、穀粒を所定位置に揚送搬送できると
共に走行時には安全な状態に格納できながらも、
格納姿勢と使用姿勢の一方から他方への切換えが
１軸芯周りで揺動させるだけで操作簡単にできる
と共に、回動部を一箇所に設けるだけで済み、構
造簡単に構成できるようにできた。

この場合、スロワーの上端側が搬出スクリユー
の側方に位置することになるが、搬出スクリユー
からの穀粒をスロワー上端側に流入しにくいよう
に前記支持部材によつてスロワー下端側に落下案
内させるから、スロワーの下降回転側や上昇回転
側の終端部に供給される穀粒量が多くなることを
抑制でき、スロワーの放てき作用力が低下する等
のトラブルが極力生じないようにできるに至り、
しかも、そのための部材に支持部材を兼用でき、
構造簡単にできた。

以下に、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図及び第２図に示すように、植立穀稈を回
転リール１により刈取装置２に掻き込んで刈取る
と共に、刈因穀稈を回転体３及びコンベア４ａ，
４ｂによりフイーダー５に沿わせて後方に搬送す
るように構成した前処理部を、運転部６、原動部
７、前記処理部からの刈取穀稈の全体を扱室に供
給して脱穀すると共に脱穀処理物を穀粒と塵埃と
に選別する脱穀選別部８、脱穀粒タンク９、及
び、このタンク９から穀粒を取出すと共に揚送す
る穀粒搬送装置１０の夫々を有したクローラ式走
行機体の前部にシリンダ１１による上下揺動操作
が自在に連結して、コンバインを構成してある。

前記穀粒搬送装置１０を構成するに、第３図に
示すように、前記タンク９の底部に、スクリユー
１２を水平あるいはほぼ水平に内装すると共に、
スクリユー筒軸１２ａの一端側をベルトテンシヨ
ンクラツチ１３及び中間軸１４等を介してエンジ
ン１５に連動させて、スクリユー１２の駆動を可
能にし、そして、前記スクリユー１２の搬送終端
部からスロワー式揚送装置１６を延出すると共
に、スロワー１６ａの回転支軸１６ｂを、ベベル
ギア機構１７、前記スロワー筒軸１２ａに相対回
転可能に内装した伝動軸１８及びベルトテンシヨ
ンクラツチ１９を介して前記中間軸１４に連動さ
せて、スロワー１６ａの駆動を可能にし、もつ
て、タンク内穀粒がスクリユー１２によつて機体
横一端側に搬出され、スロワー１６ａの放てき作
用によりスロワー筒１６ｃに沿わせて揚送され、
回転式排出筒部１６ｄから吐出されるようにして
ある。

前記スロワー筒１６ｃの基端部を、タンク９か
ら延出されたブラケツト２０に、機体下方側ほど
機体の横外側で後方側に位置する１本の軸芯Ｐ周
りでの回動操作が自在に取付けて、揚送装置１６
を、タンク９から後方に機体前後方向にほぼ沿う
状態で延びると共に原動部７の上方近くに位置す
る状態に下降させた倒伏格納姿勢と、タンク９か
ら上方で機体の横外側に向かつて延びる状態にし
た起立作用姿勢とに揺動切換えできるようにして
ある。

前記回転支軸１６ｂの支持部材２１を、スロワ
ー筒１６ｃのスロワー収納部における搬出スクリ
ユー１２側から延出させると共に、回転支軸１６
ｂの上方側に配置し、かつ、搬出スクリユー１２
からの穀粒をスロワー１６ａの下端側に案内する
湾曲側面２１ａを有する形状に形成して、搬出ス
クリユー１２からの穀粒がスロワー１６ａの上端
側に流入することを支持部材２１によつて抑制さ
れるように配慮してある。

上記実施構成にあつては、揚送装置１６を原動
部７の上方に倒伏格納すると共に、揚送装置１６
の基端部が原動部７の上縁より低レベルに位置し
ている関係上、格納時の揚送装置１６が側面視に
おいて若干傾斜する姿勢になるために、この傾斜
状態においても揚送装置１６が機体前後方向に沿
うように、前記回動軸芯Ｐを側面視においても傾
斜するようにしてあるが、格納時の揚送装置１６
を水平にできる場合には、回転軸芯Ｐを側面視に
おいて垂直になるようにしてもよい。又、本発明
は、前記スクリユー１２を機体前後方向に配設す
る場合にも適用できるのであり、要するに、前記
回動軸芯Ｐを、水平面に対して傾斜すると共に、
機体下方側ほど機体外側に位置する軸芯にすれば
良いのである。

又、本発明は、スロワー回転支軸１６ｂをスク
リユー１２に連動連結して、スロワー１６ａがス
クリユー１２と一体的に駆動及び停止操作される
ように構成する場合にも適用できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係るコンバインの穀粒搬送装置
の実施例を示し、第１図はコンバインの一部切欠
き側面図、第２図はコンバインの平面図、第３図
は揚送装置取付部の断面図である。 ９……穀粒タンク、１２……搬出スクリユー、
１２ａ……スクリユー筒軸、１６……揚送装置、
１６ａ……スロワー、１６ｂ……回転支軸、１８
……伝動軸、２１……支持部材、Ｐ……軸芯。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 脱穀粒タンク９に内部穀粒搬出スクリユー１
   ２を水平あるいはほぼ水平に内装し、このスクリ
   ユー１２からの穀粒に対するスロワー式揚送装置
   １６を、前記スクリユー１２の終端部から延出す
   ると共に、前記スクリユー１２、あるいは、この
   スクリユー１２の筒軸１２ａに内装された伝動軸
   １８に連動連結したコンバインの穀粒搬送装置で
   あつて、前記揚送装置１６の基端部を、水平面に
   対して傾斜すると共に機体下方側ほど機体外側に
   位置する１軸芯Ｐ周りで揺動自在に取付け、スロ
   ワー回転支軸１６ｂの支持部材２１を、前記回転
   支軸１６ｂの上方において前記搬送スクリユー１
   ２からの穀粒を前記スロワ１６ａの下端側に案内
   する形状に形成してあるコンバインの穀粒搬送装
   置。