JPS647869B2 - - Google Patents

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JPS647869B2
JPS647869B2 JP11676381A JP11676381A JPS647869B2 JP S647869 B2 JPS647869 B2 JP S647869B2 JP 11676381 A JP11676381 A JP 11676381A JP 11676381 A JP11676381 A JP 11676381A JP S647869 B2 JPS647869 B2 JP S647869B2
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JP
Japan
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film
layer
polyolefin
nitrogen
polymer
Prior art date
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Expired
Application number
JP11676381A
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English (en)
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JPS5818261A (ja
Inventor
Kenji Tsunashima
Tosha Yoshii
Takeo Fukuyama
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP11676381A priority Critical patent/JPS5818261A/ja
Publication of JPS5818261A publication Critical patent/JPS5818261A/ja
Publication of JPS647869B2 publication Critical patent/JPS647869B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は実用強さを有しながら手切れ性にすぐ
れ、かつ印刷性、接着性および蒸着性にすぐれた
二軸延伸ポリオレフイン積層フイルムに関する。 一般にポリオレフインフイルムはすぐれた機械
的、化学的性質、透明性、水蒸気遮断性を有して
いるので、包装用フイルムとして好適である。か
かる用途においては、通常その表面に印刷用イン
キによる印刷を施して用いられる。 従来ポリオレフインフイルム用印刷インキとし
ては、ポリアミド系やゴム系の接着剤組成物をバ
インダーとするものが用いられてきた。しかしこ
れらのバインダーはトルエンを主組成とする有機
溶剤を使用しており、かかる溶剤はバインダー中
から揮発しにくく、残存しやすい欠点を有してお
り、従つて印刷後の乾燥に時間がかかり、印刷速
度を上げることができず、更に乾燥後もなお有機
溶剤臭が残り食品包装等の規制の厳しい用途には
適用できないのが実情である。 一方、セロフアンの印刷に用いられているセロ
フアン用印刷インキのバインダーは、ニトロセル
ロース系樹脂であり、メタノールを主組成とする
溶剤を用いているため、乾燥速度が速く、溶剤臭
が残ることもない。 以上のような理由から、ポリオレフインフイル
ムの印刷にセロフアン用インキを使用することと
が当然考えられる。しかし一般にはポリオレフイ
ンフイルムの表面は、セロフアン用インキに対す
る親和性に乏しく、実用上満足な印刷フイルムを
得ることができない。そこで、セロフアン用イン
キに対して実用上充分な親和性をフイルム表面に
付与することが必要となる。 包装用ポリオレフインフイルムとしては、上記
の印刷性の他に、制電性を付与することによつて
より好適となる。一般にポリオレフインは極めて
良好な絶縁体であり、そのためにポリオレフイン
フイルム単体では、送膜中あるいは巻き出し、巻
き取り等によつて帯電しやすく、この帯電現象に
よる障害は種々の面で問題になつており、そのう
ち特に問題となるのは印刷時にインキが静電気に
よつてはじかれたり、静電気によつてゴミが付着
することである。 更に印刷、包装後、殺菌等の目的で熱水に浸す
ような用途(ボイル用途)においては、最終的包
装形態において上記の対インキ接着性、制電性等
がかかる熱水処理によつて低下もしくは消滅しな
いことが要求される。 従来、表面活性に乏しいプラスチツクフイルム
を活性化する方法として、薬液(硫酸−クロム酸
混液)処理、熱風処理、オゾン処理、火炎処理、
高電圧印加火炎処理、放射線処理、コロナ放電処
理、グロー放電処理等が堤案されている。しかし
かかる従来技術では、セロフアン用印刷インキに
対する印刷性のような高い表面活性を要求される
用途に対しては、活性化及び制電性の程度が不足
であつたり、かかる技術を実施する場合に、作業
性、安全性、生産性、採算性等の点で、工業的規
模での生産に問題があり、いずれも実用化に至つ
ていないのが現状である。 また、易接着組成物を製膜中又は製膜後にポリ
オレフインフイルム(特にポリプロピレンフイル
ム)に塗布することにより、表面を活性化する方
法が提案され実用化されているが、かかる方法に
より製造されたフイルムは、透明性及びすべり性
が悪く、ブロツキングしやすい等の欠点を有する
のみならず、印刷前あるいは印刷後に熱水に浸し
た場合、印刷性を失つたり、あるいは印刷層が剥
離する欠点を有していた。 一方、従来からポリオレフインフイルムに制電
性を付与する方法としては、製膜時に帯電防止剤
を練り込み混合しフイルム状に成形後、通常の大
気中でコロナ放電処理(以下ACD処理という)
を増す方法が一般に行なわれている。 かかる方法は、実用上ほぼ満足しうる制電性を
ACD処理面に付与すると同時に、印刷インキに
対するある程度の接着性改善効果も認められる。
しかし、セロフアン用印刷インキのように高い表
面活性を要求するインキに対しては、接着性改善
効果は認められず、従つてポリオレフインフイル
ムにセロフアン用印刷インキを用いるという最近
の市場の要求からはかけ離れている。またかかる
方法によつてフイルムの両面に制電性を付与する
ためには、両面にACD処理を施す必要があり、
その場合フイルムが著しくブロツキングしやすく
なるという欠点がある。 一方、セロフアンは手で任意の方向に容易に切
れる特性を有するが、一般にポリオレフインフイ
ルムは強靭にすぎ手切れ性が悪いという欠点があ
る。フイルムを包装用あるいは接着テープ用等に
使用する場合、ある程度の実用強さと手切れ性を
兼ね備えていなければならない。ところが延伸さ
れたプラスチツクフイルムは分子が高度に配向さ
れ強靭であるため、手あるいはデイスペンサーに
よつてうまく切れず、仮りに切れたとしても切断
箇所が白化し美しい切断ができなかつた。このよ
うな手切れ性の悪さを改良するため従来からフイ
ルムの延伸を一軸にのみ行なう方法、電子線を照
射して脆化させる方法、あるいはポリスチレン等
の脆い素材を使用する方法等が知られているが、
手切れ性と実用強さをうまくバランスさせること
のできる方法は見出されていないのが現状であ
る。 本発明の目的は上述の従来技術の欠点を解消
し、印刷性、接着性、蒸着性にすぐれたいわゆる
易接着フイルムで、かつ手切れ性と実用強さを備
えたフイルムを提供することにある。 即ち、本発明は極限粘度0.5〜1.5の結晶性低分
子量ポリオレフインからなる厚さ5〜50μmの層
(A)の片面または両面に、これより融点の高い結晶
性ポリオレフインからなる厚さ0.5〜8μmの層(B)
が積層されており、この積層フイルムの(片面ま
たは)両面の表面から100Å以内の表層部に基材
ポリマーの炭素原子100個当り2個以上のアミノ
型および/またはイミノ型窒素を有していること
を特徴とする二軸延伸易接着性ポリオレフイン積
層フイルムである。 本発明の積層フイルムの層(A)として用いる結晶
性低分子量ポリオレフインとは、プロピレンと他
のオレフイン(炭素数2および4〜10)との共重
合体(プロピレン含量70〜99.5重量%)、エチレ
ンと他のオレフイン(炭素数3〜10)との共重合
体(エチレン含量70〜99.5重量%)、ブテン−1
と他のオレフイン(炭素数2、3および5〜10)
との共重合体(ブテン−1含量70〜99.5重量%)、
4−メチルペンテン−1と他のオレフイン(炭素
数2〜10)との共重合体(4−メチルペンテン−
1含量70〜99.5重量%)などのオレフイン共重合
体(2元共重合体だけでなく、3元あるいはそれ
以上の共重合体も含む。共重合様式はランダム共
重合、ブロツク共重合のいずれでもよい)、およ
びプロピレン、エチレン、ブテン−1、4−メチ
ルペンテン−1などの炭素数2〜10のオレフイン
のホモポリマであり、極限粘度が0.5〜1.5の範
囲、好ましくは0.7〜1.2の範囲にあるものであ
る。特に好ましいのは、極限粘度0.5〜1.5の範囲
の上記オレフイン共重合体であり、さらに好まし
いものとしては、極限粘度0.5〜1.5の範囲の上記
オレフイン共重合体に、極限粘度0.5〜1.5の範囲
の上記オレフインモノポリマを混合した混合組成
物である(混合物重量基準で、オレフインホモポ
リマ量が2〜40%)。このような結晶性低分子量
ポリオレフインの極限粘度は、0.5〜1.5好ましく
は0.7〜1.2の範囲にあることが本発明目的達成の
ために必要である。この範囲より低い極限粘度で
は、フイルムが脆くなりすぎて実用強さが不足と
なり、また逆に、この範囲より高い極限粘度で
は、任意方向の手切れ性がなくなつてくる。次
に、この結晶性低分子量ポリオレフインからなる
層(A)の厚さは、5〜50μm、好ましくは10〜40μ
mの範囲にあることが必要である。この範囲より
薄い場合は、実用強さが不足するとともに、薄す
ぎるため取り扱い作業性が劣つたものとなつてし
まう。一方、この範囲より厚い場合は、任意方向
の手切れ性が不足してくる。 次に層(A)の片面または両面に積層される層(B)に
ついて説明する。 層(B)を構成するポリマーは層(A)を構成するポリ
マーより融点の高い結晶性ポリオレフインであ
る。そして層(A)と層(B)のポリマーの融点差は1〜
50℃が好ましく、更に好ましくは5〜30℃の範囲
である。層(B)に用いる結晶性ポリオレフインとし
てはプロピレン、エチレン、ブテン−1、4−メ
チルペンテン−1、あるいはこれら以外の炭素数
10以下のオレフインのホモポリマ、コポリマある
いはブロツクコポリマである。そして極限粘度は
0.5〜2.0、好ましくは0.7〜1.5の範囲のものであ
る。この層(B)の1層の厚さは0.5〜8μm、好まし
くは1〜5μmの範囲であることが必要である。
この範囲より薄い場合は、実用強さの不足したフ
イルムとなり、逆にこの範囲より厚くなると任意
方向の手切れ性がなくなる。 本発明は上記の層(A)の片面または両面に層(B)を
積層するが、その積層フイルムの(片面または)
両面、即ちA/B型積層フイルムの(A側または
B側あるいは)AおよびB側並びにB/A/B型
積層フイルム(一方のB側または)両方のB側の
表面から100Å以内の表層部に基材ポリマーの炭
素原子100個当り2個以上(N/C=0.02以上)
のアミノ型および/イミノ型窒素を有している必
要がある。 また層(A)と層(B)の積層の態様としては少なくと
もA/BまたはB/A/B形が存在すれば十分で
あり、したがつて更にこれらに他のフイルムを積
層すること、たとえばA/B型のA側にヒートシ
ール層を設けヒートシール層/A/Bの形にする
ことも可能である。 本発明の該窒素の濃度(N/C)は、0.02以下
であれば高いほどセロフアン用印刷インキの接着
性は向上する。上限はその要求特性によつて変る
ので一律に制限し難いが、基材フイルム自体の特
性面から0.02以上、0.1以下、好ましくは0.05以下
程度の範囲である。N/Cが大きすぎるとすべり
性、耐ブロツキング性、ヘイズ等のフイルムとし
ての物理的特性が変化するので注意を要する。該
窒素の濃度(N/C)が0.02より小さくなると、
セロフアン用インキに対する接着強度が著しく低
下し、実用上満足な印刷性を示さなくなると同時
に、制電性も不十分となる。 また、フイルムの物性面からすると、本発明の
該窒素は基材フイルムの表層100Å以内の表面に
存在する必要がある。かかる深さは、浅ければ浅
いほど好ましく、表面にのみ上記窒素が該濃度に
存在するのが最も好ましい。該窒素が表面から
100Åを超え深い所に、N/Cで0.02以上存在す
ると、かかる表層部が凝集破壊され易くなり、滑
り性、耐ブロツキング性、透明性を著しく損い、
更には熱歪み、シワ等の変形を生じやすくなり実
用上問題となる。かかるN/Cの値は後述の
ESCAにより注意深く測定されて決定されるもの
である。 本発明のアミノ型又は/及びイミノ型窒素とは
基材フイルムを構成する炭化水素部分に直接反応
付着した−NH2、=NH及びそれらの複合反応体
であつて、通常のグラフト重合法や付加重合法に
よつて基材フイルム表面にモノマーを付着せしめ
たものとはフイルム構造上明確に区別されるもの
である。しかも本発明品は、セロフアン用印刷イ
ンキの接着性及び制電性の面からみても、かかる
従来法によるものよりも優れたものであり、かつ
該モノマー層の存在によつて基材フイルム特性を
阻害するという欠点もないという特徴を有する。 かかる本発明の効果は前記従来技術を単に組合
しても達成できるものではないことを、本発明者
らの実験結果にもとづいて説明する。すなわち、
第1に通常の帯電防止剤を製膜時に練込み混入し
たポリオレフインフイルムに上記の極性基を付与
するプロセスを実行した場合、セロフアン用イン
キに対する印刷性は優れているが、制電性の発現
が見られない。第2に、第1のプロセスの後にさ
らにACD処理を施した場合、制電性は発現する
が、フイルム表層のアミノ型又はイミノ型窒素か
らなる極性基がACD処理によつて破壊されてし
まい、セロフアン用インキに対する印刷性が消失
してしまう。第3に、通常の帯電防止剤を製膜時
に練込み混入したポリオレフインフイルムに、ま
ずACD処理を施し、その後にアミノ型又はイミ
ノ型窒素からなる極性基を付与するプロセスを実
行した場合、ACD処理によつて発現していた制
電性が、次の極性基付与プロセスによつて消失し
てしまう上に、極性基の生成効率も極端に低くな
る。 本発明の目的である任意方向の手切れ性と、実
用強さを兼ねそなえる範囲は、本積層フイルムの
落球衝撃強さでうまく表現することができる。つ
まり、任意方向の手切れ性を持つためには、本発
明フイルムの厚さ範囲内、つまり6〜66μm、好
ましくは12〜50μmの厚さ範囲内において、この
落球衝撃強さが25Kg・cm以下、好ましくは20Kg・
cm以下であることが極めて望ましいことである。
また逆に、実用強さを持つためには、落球衝撃強
さが2Kg・cm以上、好ましくは5Kg・cm以上ある
ことが極めて望ましい。従つて、本発明の目的で
ある任意方向の手切れ性と実用強さを兼ね備える
ということを数値で言いかえれば、落球衝撃強さ
が2〜25Kg・cm、好ましくは5〜20Kg・cmの範囲
の値を持つ3層積層ポリオレフインフイルムと表
現することもできる。 次に本発明フイルムの製造方法の一般例を述べ
る。まず、結晶性低分子量ポリオレフインを(A)層
とし、これより高融点の結晶性ポリオレフインを
(B)層として、たとえばB/A/Bの形の3層積層
シートを公知の共押出方法で製造する。この場
合、(A)層ポリマの極限粘度は、フイルム製造終了
後の(A)層の極限粘度が0.5〜1.5、好ましくは0.7〜
1.2の範囲に納まるようなものを用いる。また、
(B)層ポリマの極限粘度は、フイルム製造終了後の
(B)層の極限粘度が0.5〜2.0、好ましくは0.7〜1.5
の範囲に納まるようなものを用いる。共押出など
を容易化するためには、(B)層の極限粘度は、上記
範囲内で、(A)層の極限粘度の±20%、好ましくは
±10%以内の範囲に入つていることが望ましい。
この3層積層シートの(A)層および(B)層の厚さは、
フイルム製造終了後の(A)層の厚さが5〜50μm、
好ましくは10〜40μmの範囲に入るようにし、ま
た(B)層の厚さが0.5〜8μm、好ましくは1〜5μm
の範囲に入るようにする。また、(B)層のポリマの
融点は、(A)層のそれより、1〜50℃、好ましくは
5〜30℃高いようにしておく。 このような3層積層シートを、同時二軸延伸あ
るいは逐次二軸延伸のような公知の二軸延伸方法
で、長手方向および幅方向に各々1.5〜15倍、好
ましくは2〜10倍二軸延伸する。この時の延伸温
度は、(A層ポリマの融点−10)℃以上、(B)層ポ
リマの融点以下の範囲とすることが好ましい。次
いで、この二軸延伸されたフイルムを、(A)層ポリ
マの融点以上、(B)層ポリマの融点以下の温度範囲
で、1〜100秒間、好ましくは3〜30秒間熱処理
する。この熱処理は、フイルムを緊張状態に保つ
て行なう緊張熱処理でもよく、あるいは、フイル
ムの長手方向および/または幅方向に、元の長さ
の1〜20%弛緩を許しつつ行なう弛緩熱処理でも
よく、あるいはこれらの組合せでもよい。かくし
て得られた3層積層フイルムは、(A)層の厚さが5
〜50μm、好ましくは10〜40μmの範囲にあり、
また(B)層の厚さが0.5〜8μm、好ましくは1〜5μ
m範囲にあるものであり、したがつて全体の厚さ
は6〜66μm、好ましくは12〜50μmの範囲にあ
るものである。 次にこの積層フイルムの深さ100Å以内の表層
に炭素原子100個あたり2個以上のアミノ型また
は/及びイミノ型窒素を導入し、制電性を発現せ
しめる手段としては、該フイルムを、実質的に窒
素からなり、かつ酸素濃度が0.1vol%以下の、減
圧または常圧または加圧の気体雰囲気中で、該フ
イルム1m2あたり20〜150ワツト・分の交流電気
エネルギーを印加してコロナ放電処理する方法
(以下NCD処理という)を用いる。 このようにして得られたフイルムは、優れた印
刷性、制電性を有するのみならず、熱水に浸漬す
る用途において、すぐれた耐熱水性を示す。さら
に驚くべきことは、かかる方法によれば、フイル
ムの片面にのみNCD処理を施すことにより、両
面に制電性が付与できることである。 本発明の基材フイルム表層にアミノ型又は/及
びイミノ型窒素を導入するための装置(NCD処
理装置)の一例を図に示し、以下これについて詳
述する。 図において、1は空気の混入を防ぐためのシー
ル構造体である。窒素はシール構造体に設けられ
た供給口2から導入され、排出口3から外部に排
出される。シール構造体内部を均一の気体組成に
するために撹拌フアン4を設ける。窒素供給口及
び排出口それぞれにおける残留酸素濃度を、酸素
濃度計5で測定する。アンワインダー6から巻き
出されるフイルム7は、処理ロール8の表面上で
NCD処理され、移送されてワインダー9で巻き
取られる。処理ロール8は接地され、ロール表面
は誘電体で被覆されている。ジエネレータ10か
らの制御された電圧は、高圧ケーブル11を介し
て電極12に印加される。放電は電極とフイルム
の間隙で発生する。 図に示した態様の他に、工業的にはたとえばア
ンワインダー6、ワインダー9をシール構造体の
外部に設ける方法もある。 本発明の上記製造方法について、さらに具体的
条件をあげて説明すると次の様である。 先ず、窒素供給口と窒素排出口に於ける酸素濃
度がいずれも0.1vol%以下で同一な濃度を保持す
るに必要な窒素を、供給口より供給し続ける。こ
の時、シール構造体内の圧力は、減圧から加圧の
いずれでもよく、通常は操作性の点から常圧が選
ばれる。 フイルムの走行速度は毎分2〜300mの範囲で
行なえるが、さらに望ましくは10〜200m/分の
範囲で行う。電極とフイルム表面との距離は0.3
〜5.0mm(さらに望ましくは0.5〜2mm)の範囲が
好適である。電極に印加する電圧は、任意波形の
交流を用いることができるが、電圧5〜40KV
(Peak−to−Peak)、周波数50Hz〜50MHzの正弦
波が好適である。印加する電気エネルギーの総和
は、被処理フイルム1m2あたり20〜150ワツト・
分が一般的であり、更に好適には40〜120ワツ
ト・分である。通常は上記電気エネルギーを1回
に印加する方法で実施できるが、極薄の基材に対
しては複数回に分割して印加する方法が適当であ
る。この分割印加処理法は、極薄基材にシワやピ
ンホールが発生するのを防ぐのに有効である。 上記条件において20ワツト・分/m2未満の電気
エネルギーを印加した場合は、N/C=0.02以上
のアミノ型又はイミノ型窒素が形成されず、従つ
てセロフアン用インキ印刷性及び制電性が不十分
である。また150ワツト・分/m2を超えて印加し
た場合には、過処理となり、処理表層に劣化層が
生成し、接着強度が著しく低下する原因となる。
同時に過処理の場合は、処理による改質層の深さ
が100Åを超える領域にまで達し、先に述べたよ
うに、該改質層の凝集破壊、ブロツキング、滑り
性低下、透明度低下、シワ等の問題を生じること
となる。 NCD処理部に供給する窒素ガス中に不純物と
して含まれる酸素の濃度は、0.1vol%以下とする
ことが必要であるが、0.05vol%以下とすればさ
らに望ましい。 以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明する
が本実施例における、極限粘度、融点、落球衝撃
強さ、N/C印刷インキ付着強さ、制電性は、次
のようにして測定した値を示すものである。 (1) 極限粘度 ポリマ0.1gを135℃のテトラリン100mlに完
全溶解させ、この溶液をFitz−Simmons型の
粘度計で135±0.05℃の恒温槽中で測定して比
粘度Sを求める。これより、次式によつて、極
限粘度を計算する。 極限粘度=S/〔0.1(1+0.22S)〕 なお、本発明で、(A)層あるいは(B)層のポリマ
の極限粘度とは、該層を構成しているポリマ
0.1gを採取して、上記方法で測定した値であ
る。従つて、該層がポリマの混合物から成る場
合でも、該ポリマ混合物0.1gを用いて測定し
た値をフイルム各層の極限粘度とする。 (2) 融点 走査型熱分析装置(パーキン・エルマー社製
のDSC−型)中に、ポリマ5mgをセツトし、
窒素雰囲気下で加熱し、290℃まで昇温する
(昇温速度20℃/分)。この温度に60秒間保持し
た後、該サンプルを取り出して、ただちに液体
窒素中に投入して急冷する。このサンプルを再
び測定セルにセツトし、昇温速度20℃/分で昇
温していき、結晶の融解に伴なう吸熱ピークの
ピーク部の温度を該ポリマの融点とする。な
お、ポリマが混合物やブロツク共重合体から成
るために、2つ以上のピークがあらわれる場合
には、ピーク高さが最も高いピークのピーク部
の温度を該ポリマの融点とみなす。 (3) 落球衝撃強さ 20±0.5℃の恒温室中にフイルムを一昼夜置
き、その状態で測定する。フイルムを5cm直径
の枠にぴんと張つた状態で固定する。その真上
に2mの高さから鋼球(直径38.1mm)を落す。
鋼球がフイルムを破壊した直後の鋼球の落下速
度を光電管で測定し、この速度をV(cm/sec)
とする。また、フイルムがない場合の該当部で
の落下速度をV0(cm/sec)とする。すると、
フイルムを破るのに要したエネルギー(これを
落球衝撃強さとする)は次式で求められる。 落球衝撃強さ(Kg・cm)=M(V0 2−V2)/2g 但し、M:鋼球の重量(Kg) g:重力加速度(980cm/sec2) (4) N/C(ESCA法) 国際電気株式会社製のESCAスペクトロメー
タES−200型を用い、処理フイルム表面のN1s
スペクトルとC1sスペクトルを測定し、N1sスペ
クトルのうちアミノ基とイミノ基の結合エネル
ギーに対応するピークの積分強度と、C1sスペ
クトルのメインピークの積分強度の比N/Cを
算出した。該ESCAスペクトロメータは、上記
で得られたN/Cが、そのまま、表面に存在し
ている。アミノ基またはイミノ基の個数と炭素
原子の個数との比になるように調整されてい
る。 (5) 印刷インキ付着強さ 処理面に、市販のセロフアン用印刷インキ
“セロカラーユニ”白(東洋インキ製造株式会
社製)をコーチング塗布し、60℃、1分間乾燥
した。常温常湿下で24時間放置後、市販のセロ
フアン粘着テープ(ニチバン株式会社製)によ
つて、90゜剥離し、次の基準に従つて剥離後の
付着面積をランクで表現した。
【表】 (6) 制電性(表面抵抗法) 以下の条件でフイルム両面の表面抵抗を測定
した。 表面抵抗計:ユニバーサルエレクトロメータ
MMA−17型(株式会社川口電機製作所
製) 測定電極:常温測定箱 P−601(株式会社川口
電機製作所製) 測定雰囲気:20℃、65%RH (7) 制電性(表面電荷減衰法) ロータリスタテイツクオネストメータを用
い、フイルムに加えられた電荷が半減するまで
の時間を測定した。 オネストメータ:スタチツクオネストメータ
S−4104(株式会社宍戸商会製) 印加電圧:−10KV 測定雰囲気:20℃、65%RH 実施例 1 次に2種類のポリマを用意した。 ポリマA:プロピレン・ブテン−1ランダム共重
合体、ブテン−1含有量6重量%、極限粘度
0.90、融点150℃、酸化防止剤として、2,6
−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.2重量%
および帯電防止剤として、純度99%以上のステ
アリン酸モノグリセリドを0.6重量%含有させ
た。 ポリマB:プロピレンホモポリマ、極限粘度
1.15、融点164.5℃、アイソダチツク度97.2%、
ポリマAの場合と同じ酸化防止剤0.2重量%お
よびブロツキング防止剤としてゼオライトを
0.1重量%含有させた。 これら2種のポリマを2台の別々の押出機に供
給して、200℃で溶融押出し、3個のマニホルド
を有する3層積層用口金の中で溶融体同志を合流
せしめて、中心層がポリマAからなり、両表面層
がポリマBからなる3層積層シートの形とした。
これを口金から出して、ただちに表面温度35℃の
冷却用ドラムに静電荷を印加させながら密着せし
めて、冷却固化した。この3層積層シートを、
145℃の予熱ロールに接触させて十分に予熱した
後、赤外線ヒータで急速に加熱しつつ、長手方向
に0.5倍延伸し、ただちに20℃の冷却ロールに接
触させて急冷した。この一軸延伸シートを再び
150℃の熱風で十分に予熱した後、幅方向に8倍
延伸し、その緊張状態を保つたまま、155℃の熱
風中で5秒間熱処理し、次いで同じ熱風中でフイ
ルムを元の幅の6%分の弛緩を許容しつつ、3秒
間弛緩熱処理し、次いで再度同じ熱風中で3秒間
の緊張熱処理をし、しかる後、室温までゆるやか
に冷却した(平均冷却速度30℃/秒)。かくして
得られたフイルムの中心層の厚さは29μm、両表
面層の厚さは各3μmで、合計厚さは35μmの3層
積層フイルムであつた。このフイルムに対し、図
の装置を用い、次の条件でNCD処理を行なつた。 導入気体:窒素(製鉄化学工業(株)製高純度窒素ガ
ス、純度99.999vol%以上、湿度0.03%RH以
下) 酸素濃度計:ジルコニア酸素濃度計SEP−101(東
レ(株)製) 残留酸素濃度:導入口、排気口共に0.0008% フイルム走行速度:100m/分 電極−フイルム間至近距離:1.0mm ジエネレータ:高周波ジエネレータHF−401(春
日電機(株)製)周波数110KHz 印加した電気エネルギー:100ワツト・分/m2 処理ロールの温度:80℃ 有効処理幅:300mm 得られたフイルムを90%RHの雰囲気中に3日
間放置したのち、特性の評価を行ない表1の結果
を得た。
【表】 表1からわかるように、本発明の積層フイルム
は実用強さを有しながら、手切れ性にすぐれ、セ
ロフアン用インキに対する印刷性および制電性に
すぐれていることが理解できる。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の基材フイルムにアミノ型またはイ
ミノ型窒素を導入するための装置の概略図であ
る。 1:空気の混入を防ぐためのシール構造体、
2:窒素供給口、3:窒素排出口、4:撹拌フア
ン、5:酸素濃度計、6:アンワインダー、7:
フイルム、8:処理ロール、9:ワインダー、1
0:ジエネレータ、11:電力供給用高圧ケーブ
ル、12:電極。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 極限粘度0.5〜1.5の結晶性低分子量ポリオレ
    フインからなる厚さ5〜50μmの層(A)の片面また
    は両面にこれより融点の高い結晶性ポリオレフイ
    ンからなる厚さ0.5〜8μmの層(B)が積層されてお
    り、この積層フイルムの片面または両面の表面か
    ら100Å以内の表層部に基材ポリマーの炭素原子
    100個当り2個以上のアミノ型および/またはイ
    ミノ型窒素を有していることを特徴とする二軸延
    伸易接着性ポリオレフイン積層フイルム。
JP11676381A 1981-07-25 1981-07-25 二軸延伸易接着性ポリオレフィン積層フィルム Granted JPS5818261A (ja)

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