JPS647581B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、タイヤの周面にトレツドパターンを
カツトするグルービング方法及び装置に関する。

［従来技術］ 特殊なタイヤ、例えば大量生産に不向きなタイ
ヤ、例えば試作用タイヤにトレツドパターンを形
成する場合、従来ではタイヤの周面にトレツドパ
ターンを転写し、このパターン模様にあわせて作
業者がナイフでゴムをカツトする、いわゆるハン
ドカツト方式が採用されている。

ところが、この方式では、人手や時間がかかる
ので製品コストが高くなり、またタイヤ毎にトレ
ツドパターンが微妙に変わりタイヤ性能がばらつ
くという問題があつた。

一方、特開昭56−162633号公報には、タイヤ支
持台に相当する機構（リム、シヤフト、モータ
等）と、ナイフ支持基台に相当する機構（カツ
タ・ナイフ、モータ、支持アーム等）と、前後移
動機構に相当する機構（軌道、モータ、ボールス
クリユー等）、コンピユータに相当する装置（数
値制御装置等）を備えたタイヤ・トレツドを溝付
加工する装置が開示されている。

そして、当業装置では、タイヤ・カーカスまた
は、タイヤ・テンプレートを利用し、カーカスま
たはテンプレートのトレツドデザインを実際に追
跡しながらプログラムを作り、このプログラムに
基づいて各カツト動作軸を制御するようにしてい
る。

ところが、タイヤに溝を切つてゆく時に、１本
１本のタイヤに寸法のバラツキがあるので、当該
装置のように、基準となるトレツドデザインをプ
ログラムしてタイヤ上の距離で溝を切つたので
は、タイヤ１周分に溝を切り終わつた時に、切り
始め位置と切り終わり位置とが合わないことがあ
る。

［発明の目的］ 本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたも
ので、トレツドパターンを自動的にかつ正確にカ
ツトするグルービング方法及び装置を提供して、
省力化、低コスト化及びトレツドパターンの均一
化を図ることを目的とするものである。

［発明の構成］ このため本発明に係る方法は、回転自在に支持
されたタイヤの周面にカツト溝を形成するナイフ
を、タイヤ軸方向とタイヤ深さ方向とに移動させ
るようにし、上記タイヤの周面にカツトすべきト
レツドパターンを予めカツト溝毎に分解して、各
カツト溝における横行量、前後量をコンピユータ
の記憶装置に記憶させ、上記タイヤの基準位置に
設けたスタートマークを検出したときのスタート
信号をカツト開始のタイミングとし、上記タイヤ
の回転に同期して発生するタイミング信号の合わ
せて上記ナイフによるカツト溝のカツトタイミン
グを取り、上記コンピユータからの指令信号に応
じて上記ナイフによりタイヤに予め決められたト
レツドパターンをカツトするようにしたことを特
徴とするものである。

また、本発明に係る装置は、タイヤを回転自在
に支持するタイヤ支持台と、該タイヤ支持台の側
方に設けられ、該タイヤの周面にカツト溝を形成
するナイフを支持した基台と、該基台をタイヤ軸
方向に移動させる横行機構と、該基台をタイヤ深
さ方向に移動させる前後移動機構と、上記タイヤ
の全周を所定の角度に分割して、この分割した回
転角度毎にタイミングパルスを発生するタイミン
グパルス発生器と、上記タイヤの基準位置に設け
たスタートマークを検出するスタート信号出力装
置と、上記タイミングパルス発生器から出力する
タイミング信号と上記スタート信号出力装置から
出力するスタート信号とが入力されるとともに、
上記タイヤの周面にカツトすべきトレツドパター
ンを予めカツト溝毎に分解して、各カツト溝にお
ける横行量、前後量を記憶する記憶装置を備えた
コンピユータとを設け、上記スタート信号をカツ
ト開始のタイミングとし、上記タイヤの回転に同
期して発生するタイミング信号に合わせて上記ナ
イフによる各カツト溝のカツトタイミングを取
り、上記コンピユータからの指令信号に応じて、
上記横行機構によるナイフの横行量、前後移動機
構によるナイフの前後移動量を制御するようにし
たことを特徴とするものである。

［実施例］ 以下、本発明の実施例を添付図面について詳細
に説明する。

第１図及び第２図に示すように、周面１ａにト
レツドパターンを形成すべきタイヤ１は、作業フ
ロア２に立設したタイヤ支持台３により縦位置で
回転自在に支持される。

該タイヤ支持台３側方の作業フロア２上に架台
４を配置し、該架台４上にはタイヤ１の周面１ａ
に対して前後案内される前後基台５を設け、該前
後基台５に前後モータ６で回転されるねじ軸７を
螺合して、該前後モータ６により前後基台５を前
後動させる。

該前後基台５には、横行モータ８で回転される
ねじ軸９を設け、該ねじ軸９に横行基台１０を螺
合して、横行モータ８により横行基台１０を横行
させる。

該横行基台１０には、ナイフ１１を支持したナ
イフ基台１２を設ける。

ナイフ基台１２を回転式としてロータリアクチ
ユエータ１３を設けると、ナイフ１１の切込み角
度を調節することができる。

上記ナイフ１１は、カツト溝の形状に応じて、
Ｕ形、Ｖ形、形等を選択し、またナイフ１１の
先端部は必要によりヒータ等で温度を上げて使う
こともできる。

上記ナイフ１１の横行量、前後量はマイクロコ
ンピユータ１５により後述の如く制御される。

上記タイヤ支持台３には、タイヤ１の全周を例
えば2000に分割して、この分割した回転角度毎に
タイミングパルスを発生するタイミングパルス発
生器１６を設けると共に、タイヤ１の基準位置に
設けたスタートマーク（図示せず。）を検出して
カツト開始のタイミングを規定するスタート信号
を出力するスタート信号出力装置１７を設けてい
る。

上記タイミングパルス発生器１６から出力する
タイミングパルスおよびスタート信号出力装置１
７から出力するスタート信号はマイクロコンピユ
ータ１５に入力している。

上記マイクロコンピユータ１５は、第３図に示
すように、中央処理装置１８、リードオンメモリ
（ROM）１９、ランダムアクセスメモリ
（RAM）２０および外部記憶装置２１からなる
周知の構成を有し、前後モータ６、横行モータ
８、タイミングパルス発生器１６、スタート信号
出力装置１７および外部記憶装置２１と上記中央
処理装置１８との間には夫々Ｉ／Ｏインターフエ
ース２２〜２６が介装される。

マイクロコンピユータ１５の外部記憶装置２１
には、第４図に示すように、タイヤ１の周面１ａ
に形成されるべきトレツドパターンを記憶させ
る。

例えば、前後量（深さ）10mm、ナイフ１１によ
つて決まる幅８mmは一定とし、カツト溝Ａの横行
量を０mmとして基準とし、カツト溝Ｂの横行量−
30mm、カツト溝Ｃの横行量＋30mm、カツト溝Ｄの
横行量−20〜０mm、角度60度、カツト溝Ｅの横行
量０〜20mm、角度60度、カツト溝Ｆの横行量−30
〜−20mm、角度60度、カツト溝Ｇの横行量10〜30
mm、角度60度というようにカツト溝毎に分解し
て、各カツト溝Ａ〜Ｇにおける横行量、前後量、
角度を記憶させる。

角度は、タイヤ１の回転角とナイフ１１の横行
量との関数から求められる。

これらのデータは、上述の如く、タイヤ１の全
周を2000分割して、この分割した回転角度毎に発
生するタイミングパルスと対応するように、2000
分割して記憶させる。

上記のように構成すれば、まず、タイヤ１をタ
イヤ支持台３にセツトする。タイヤ１はインフレ
ートさせる場合とインフレートさせない場合があ
る。

タイヤ１を回転させると、回転角度に応じてタ
イミングパルス発生器１６からタイミングパルス
が発生する。

このタイミングパルスに応動して中央処理装置
１８からの制御信号により前後モータ６と横行モ
ータ８が制御される。

カツト溝Ａをカツトする場合、横行モータ８に
より横行基台１０が横行されナイフ１１が０mm位
置にきて、前後モータ６により前後基台５が前動
されナイフ１１がタイヤ１の周面に切込んで、カ
ツト溝Ａがカツトされる。

ついで、カツト溝Ｂをカツトする場合はナイフ
１１が−30mm位置、つづいてカツト溝Ｃをカツト
する場合はナイフ１１が＋30mm位置に夫々きて、
上述と同様にしてカツト溝Ｂ，Ｃが順次カツトさ
れる。

つぎに、カツト溝Ｄをカツトする場合、横行モ
ータ８により横行基台１８が横行されナイフ１１
が−20mm位置にきて、前後モータ６により前後基
台５が前動されナイフ１１がタイヤ１の周面に切
込み、同時にタイヤ１の回転に同期して横行モー
タ８による横行基台１８の０mm位置までの横行に
より角度60度でカツト溝Ｄがカツトされる。

ついで、カツト溝Ｅをカツトする場合はナイフ
１１が０mm位置、つづいてカツト溝Ｆをカツトす
る場合はナイフ１１が−30mm位置、さらにつづい
てカツト溝Ｇをカツトする場合はナイフ１１が＋
10mm位置に夫々きて、上述と同様にして角度60度
でカツト溝Ｅ，Ｆ，Ｇが順次にカツトされる。

［発明の効果］ 以上の説明からも明らかなように、本発明に係
る方法は、コンピユータの記憶装置に、タイヤの
周面にカツトすべきトレツドパターンを予めカツ
ト溝毎に分解して、各カツト溝における横行量、
前後量を記憶させ、タイミング基準位置に設けた
スタートマークを検出したときのスタート信号を
カツト開始のタイミングとし、タイヤの回転に同
期して発生するタイミング信号に合わせてナイフ
による各カツト溝のカツトタイミングを取り、コ
ンピユータからの指令信号に応じてナイフにより
タイヤに予め決められたトレツドパターンをカツ
トするものである。

したがつて、タイヤの回転に同期して発生する
タイミング信号に合わせて、ナイフによる各カツ
ト溝のカツトタイミングを取るようにしているの
で、タイヤの寸法にバラツキがあつても切り始め
位置と切り終わり位置とが常に一致し、タイヤの
周面にトレツドパターンを正確にカツトできる。

また、加えてトレツドパターンを予めカツト溝
毎に分解して、各カツト溝における横行量、前後
移動量を記憶装置に記憶させ、タイヤのスタート
マークを検出したときのスタート信号をカツトの
タイミングとしているから、この点でもタイヤの
周面にトレツドパターンを正確にカツトできる。

さらに、コンピユータからの指令に応じてトレ
ツドパターンを自動的にカツトできるようにな
り、省力化、低コスト化、トレツドパターンの均
一化が図れるようになる。

また、本発明に係る装置は、タイヤ支持台と、
ナイフを支持した基台と、基台の横行機構と、基
台の前後動機構と、タイミングパルス発生器と、
スタート信号出力装置と、コンピユータとで構成
したものであるから、ナイフの制御が自由自在に
行なえ、コンピユータからの指令信号に応じてグ
ルービング作業が正確に行なえる。

【図面の簡単な説明】

第１図はグルービング装置の平面図、第２図は
第１図の正面図、第３図は制御回路図、第４図は
トレツドパターン図である。 １……タイヤ、１ａ……周面、２……タイヤ支
持台、５……前後基台、６……前後モータ、８…
…横行モータ、１０……横行基台、１１……ナイ
フ、１２……ナイフ基台、１５……マイクロコン
ピユータ、１６……タイミングパルス発生器、１
７……スタート信号出力装置、１８……中央処理
装置、２１……外部記憶装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 回転自在に支持されたタイヤの周面にカツト
   溝を形成するナイフを、タイヤ軸方向とタイヤ深
   さ方向とに移動させるようにし、上記タイヤの周
   面にカツトすべきトレツドパターンを予めカツト
   溝毎に分解して、各カツト溝における横行量、前
   後量をコンピユータの記憶装置に記憶させ、上記
   タイヤの基準位置に設けたスタートマークを検出
   したときのスタート信号をカツト開始のタイミン
   グとし、上記タイヤの回転に同期して発生するタ
   イミング信号に合わせて上記ナイフによるカツト
   溝のカツトタイミングを取り、上記コンピユータ
   からの指令信号に応じて上記ナイフによりタイヤ
   に予め決められたトレツドパターンをカツトする
   ようにしたことを特徴とするタイヤのグルービン
   グ方法。 ２ タイヤを回転自在に支持するタイヤ支持台
   と、該タイヤ支持台の側方に設けられ、該タイヤ
   の周面にカツト溝を形成するナイフを支持した基
   台と、該基台をタイヤ軸方向に移動させる横行機
   構と、該基台をタイヤ深さ方向に移動させる前後
   移動機構と、上記タイヤの全周を所定の角度に分
   割して、この分割した回転角度毎にタイミングパ
   ルスを発生するタイミングパルス発生器と、上記
   タイヤの基準位置に設けたスタートマークを検出
   するスタート信号出力装置と、上記タイミングパ
   ルス発生器から出力するタイミング信号と上記ス
   タート信号出力装置から出力するスタート信号と
   が入力されるとともに、上記タイヤの周面にカツ
   トすべきトレツドパターンを予めカツト溝毎に分
   解して、各カツト溝における横行量、前後量を記
   憶する記憶装置を備えたコンピユータとを設け、
   上記スタート信号をカツト開始のタイミングと
   し、上記タイヤの回転に同期して発生するタイミ
   ング信号に合わせて上記ナイフによる各カツト溝
   のカツトタイミングを取り、上記コンピユータか
   らの指令信号に応じて、上記横行機構によるナイ
   フの横行量、前後移動機構によるナイフの前後移
   動量を制御するようにしたことを特徴とするタイ
   ヤのグルービング装置。