JPS647439Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、人体から発せられる赤外線を検出し
て侵入警報を発する警報装置に係り、特に電磁シ
ールド効果の優れる警報装置に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

従来、人体から発せられる赤外線を検出して侵
入警報を発する警報装置は、種々提案されてい
る。この種の警報装置は、例えば、人体から発せ
られる赤外線を集光する方向調整自在の集光ミラ
ーと、該集光ミラーの焦点位置に配設された赤外
線検出センサと、該検出センサの検出信号に基づ
き受光量の変化分から侵入者の有無を判別する回
路とを、ケース内に収容して構成され、室内の壁
等に設置される。

そして、室内等に侵入者があれば、この侵入者
からは、例えば、波長範囲8.5〜15μmの赤外線が
発せられるので、これを集光ミラーを介して赤外
線検出センサで検出し、侵入者の動きに応じて変
化する受光量の変化分から侵入者有りを判別して
警報信号を出力する。そしてこの警報信号に基づ
いてブザー等の警報器を作動させる。

しかし、この種の警報装置では、人体から発せ
られる微弱な赤外線を受光して侵入警報を発する
構造となつているため、外部からの、及び内部の
電気回路相互間からの電磁障害を受けて誤操作す
る恐れがあつた。

〔考案の目的〕

本考案は、上記欠点を除去するためになされた
もので、外部からの、及び内部の電気回路相互間
からの電磁障害を防止した電磁シールド効果の優
れる高精度な警報装置を提供することを目的とす
る。

〔考案の概要〕

この目的を達成するために、本考案では、前面
にケースを構成する蓋体の赤外線受光用窓を介し
て入射される赤外線を受光するための受光用開口
部と、背面に回路等の部品装着用の開口部と、内
部に小室区画用のしやへい壁とを有し、これらの
全表面に導電層が形成され、かつ前記受光用開口
部に導電性メツシユ部材が張設された樹脂成形の
筐体と、前記部品装着用の開口部を封止する導電
性の裏蓋とで、ケース本体を構成し、前記メツシ
ユ部材を介して入射する赤外線を集光する集光ミ
ラーと、前記赤外線検出センサとを、前記筐体の
内壁、しやへい壁及びメツシユ部材で電磁的にし
やへいして前記ケース本体内に収納すると共に、
侵入者の有無を判別する回路を、プリント基板に
搭載し、このプリント基板と、前記筐体の内壁及
びしやへい壁とで、電磁的にシールドされる複数
の小室内に、前記回路を電磁的に相互干渉を及ぼ
さないようにブロツク化して収納したことを特徴
とする。

〔考案の実施例〕

以下、添付図面を参照しつつ本考案の一実施例
を説明する。

第１図はこの実施例に係る警報装置の正面図、
第２図は平面図である。図において、１はプラス
チツク等の樹脂で成形したケースであり、このケ
ース１は蓋体２と、この蓋体２により前面をおお
われる電気回路部品等を収納したケース本体３と
で構成され、両者はねじ４等で固着される。ここ
で蓋体２には、赤外線透過率のよい透明あるいは
半透明の樹脂等からなる赤外線受光用の窓５が設
けられ、風等の外部環境状態の変化にともなう受
光精度の低下を防止している。

第３図は第１図の−線断面図、第４図は警
報装置の分解斜視図、第５図はケース本体３の正
面図、及び第６図はケース本体３を背面から見た
分解斜視図である。第３図に示すように、ケース
本体３は、プラスチツク等の樹脂で成形加工され
た筐体１０と、この背面を封止する金属等の導電
性の裏蓋１１とで構成される。ここで筐体１０を
樹脂で作るのは、金属よりもその成形加工が容易
なためである。そしてこの筐体３は、第４図及び
第６図に示すように、前面に赤外線受光用窓５を
介して入射される赤外線を受光するための受光用
開口部１２と、背面に部品装着用の開口部１３
と、内部に小室区画用のしやへい壁１４とを有
し、これらの全表面にはシールド効果をもたせる
ために金属メツキ等からなる導電層が形成され
る。さらに、第４図及び第５図に示すように、受
光用開口部１２には金属メツシユ等からなる導電
性のメツシユ部材１５が張設されると共に、背面
の開口部１３には前記裏蓋１１がねじ等で固着さ
れ、ケース本体３の内部に収納される受光素子及
び電気回路等を電磁的にシールドして外部からの
電磁障害を防止している。ここで、第６図に示す
ように背面の開口部１３には、その内周面に沿つ
て段部１６が設けられると共に、この段部１６に
は背面方向に突出する複数個の突起１７が設けら
れる。そして開口部１３に裏蓋１１を固着した際
に、突起１７が裏蓋１１に接触し、これにより筐
体１０と裏蓋１１との安定した電気的接触が得ら
れ、外部に対する電磁シールド効果が向上する。

また、第３図及び第４図に示すように、前記受
光用開口部１２内には入射光を焦点に集光する集
光ミラー２０と赤外線を電気信号に変換する赤外
線検出センサ２１を取付けた筒状のホルダ２２が
回転自在に接着される。すなわちホルダ２２の背
面開口部には、赤外線受光用窓５及び受光用開口
部１２のメツシユ部材１５を通して入射される人
体から発せられた赤外線を集光する集光ミラー２
０が取付けられると共に、該ホルダ２２の前面開
口部には集光ミラー２０の焦点に位置する赤外線
検出センサ２１が取付けられる。またホルダ２２
の上下端部に設けられる回転軸２３，２３の上方
の回転軸２０には、これとほぼ直交して回転用レ
バー２４が筐体１０の上端から露出するように設
けられる。そして該ホルダ２２を筐体１０の内
壁、しやへい壁１４及びメツシユ部材１５で電磁
的にしやへいし、外側から回転用レバー２４によ
つてホルダ２２、すなわち集光ミラー２０の角度
調整を行なうようにしたので、検出センサ２１が
受ける外部からの電磁障害及び内部の電気回路か
らの電磁障害を簡単に防止できる。

さらに、第６図に示すように、筐体１０の背面
開口部１３内の段部１６には該筐体１０にリード
線等でアース接続されたプリント基板３０がねじ
等で固着される。ここでプリント基板３０の外縁
には複数個の欠切き３１が設けられ、この欠切き
３１内に段部１６に突設された突起１７を嵌入し
て該プリント基板３０を段部１６に直接固着す
る。そしてプリント基板３０の表面、筐体１０の
内壁及びしやへい壁１４とで電磁的にシールドさ
れた複数の小室Ａ，Ｂ，Ｃを形成する。プリント
基板３０の表面には、赤外線検出センサ２１の検
出信号に基づき侵入者の有無を判断する回路（図
示せず）を、電磁的干渉を及ぼさないように区
分、すなわちブロツク化して搭載し、このブロツ
ク化された電気回路を前記複数の小室Ａ，Ｂ，Ｃ
ごとに収納するようにしている。これにより電気
回路内部で生じる電磁的な相互干渉を防止してい
る。またプリント基板３０の表面には入，出力端
子３２（第３図及び第５図参照）が搭載される。
この入，出力端子３２は前記回路としやへい壁１
４等で電磁的に分離されている。

第７図はプリント基板３０に搭載される電気回
路の構成図である。この電気回路は、赤外線検出
センサ２１の出力を増巾する増幅回路４０と、こ
の増幅回路４０の出力信号を入力し、この入力信
号レベルが設定値を超えたときにパルス信号を出
力する判定回路４１と、電源電流を入力しかつ判
定回路４１の出力信号を外部に取出す入，出力端
子３２とで構成される。そしてこの回路には入，
出力端子３２を介して外部に設けられた電源回路
４２が接続され、この電源回路４２から前記各回
路に電源電圧が印加されると共に、入，出力端子
３２には外部に設けられたドライバ、ブザー等の
警報器が接続される。ここで判定回路４１は、例
えば、増幅回路４０の出力信号を基準信号レベル
と比較するコンパレータ、コンパレータの出力信
号に基づいてパルス信号を出力するワンシヨツト
マルチバイブレータ等で構成され、侵入者があつ
たときはパルス信号を出力して、外部に接続され
るドライバを介して警報器を作動させる。さら
に、プリント基板３０に搭載される各回路はブロ
ツク化されて前記複数の小室Ａ，Ｂ，Ｃ内に収納
される。これにより回路各部間で生じる電磁的な
相互干渉が防止される。なお、前記回路間、例え
ば赤外線検出センサ２１と増幅回路４０との間に
はLC等のローパスフイルタを挿入し、赤外線検
出センサ２１の出力信号に重畳する高周波ノイズ
等を減衰させると共に、入，出力端子３２と内部
回路との間にLC等のフイルタを挿入し、必要な
周波数帯は充分に通過するが、不必要な周波数成
分は減衰させてノイズの侵入を防止するようにす
れば、警報装置の精度がより向上する。また第７
図の回路において、電源回路４２、ブザー等の警
報器などを、赤外線検出センサ２１、増幅回路４
０及び判定回路４１と電磁的にしや断してケース
本体３内に収納するようにしてもよい。

以上のように構成される警報装置の動作につい
て説明する。まず、集光ミラー２０の角度を回転
用レバー２４で調整して警報装置を室内の壁等に
取付け、プリント基板３０に搭載された入，出力
端子３２に電源線、ブザー等の警報器などを接続
して設置する。そして室内に外部からの侵入者が
あれば、この侵入者から発せられる赤外線が蓋体
２の受光用窓５及びケース本体３のメツシユ部材
１５を介して集光ミラー２０に入射され、この焦
点位置にある赤外線検出センサ２１に集光され
る。すると赤外線検出センサ２１は受光した赤外
線を電気信号に変換してプリント基板３０に搭載
した電気回路に与えるので、この電気回路では侵
入者の動きによつて変化する受光量の変化分から
侵入者を判別して出力端子３２から警報信号を出
力する。これによりブザー等の警報器が作動して
警告を発する。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、集光ミ
ラーと赤外線検出センサとを、全表面に導電層を
形成した筐体の内壁、しやへい壁及びメツシユ部
材で電磁的にしやへいしてケース体内に収納する
と共に、プリント基板に搭載した電気回路を電磁
的に相互干渉を及ぼさないようにブロツク化し
て、プリント基板、筐体の内壁及びしやへい壁と
で電磁的にシールドされる複数の小室内にそれぞ
れ収納したので、外部からの、及び内部の電気回
路相互間からの電磁障害を簡単に防止でき、これ
により検出精度が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る警報装置の正
面図、第２図は第１図の平面図、第３図は第１図
の−線断面図、第４図は第１図の分解斜視
図、第５図は第１図中の蓋体を取り除いたケース
本体の正面図、第６図は第５図を背面から見た分
解斜視図、第７図は第１図中の電気回路の概略構
成図である。 １……ケース、２……筐体、３……ケース本
体、５……受光用窓、１０……筐体、１１……裏
蓋、１２……受光用開口部、１３……筐体内部、
１４……しやへい壁、１５……導電性メツシ部
材、２０……集光ミラー、２１……赤外線検出セ
ンサ、２２……ホルダ、３０……プリント基板、
３２……入、出力端子、４０……増幅回路、４１
……判定回路、４２……電源回路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ケース本体と赤外線受光用窓を有する蓋体とを
   具えたケースと、該ケース本体内に取付けられ前
   記受光用窓を通して入射する人体から発せられる
   赤外線を集光する集光ミラーと、該集光ミラーの
   焦点位置に配設され受光した赤外線を電気信号に
   変換する赤外線検出センサと、前記ケース本体内
   に収容され前記赤外線検出センサの検出信号に基
   づき受光量の変化分から侵入者の有無を判別する
   回路とを具備した警報装置において、 前記ケース本体を、前面に前記赤外線受光用窓
   を介して入射される赤外線を受光するための受光
   用開口部と、背面に部品装着用の開口部と、内部
   に小室区画用のしやへい壁とを有し、これらの全
   表面に導電層が形成され、かつ前記受光用開口部
   に導電性メツシユ部材が張設された樹脂成形の筐
   体と、前記部品装着用の開口部を封止する導電性
   の裏蓋とで構成し、 前記メツシユ部材を介して入射する赤外線を集
   光する集光ミラーと、前記赤外線検出センサと
   を、前記筐体の内壁、しやへい壁及びメツシユ部
   材で電磁的にしやへいして前記ケース体内に収納
   し、 前記侵入者の有無を判別する回路を、プリント
   基板に搭載し、このプリント基板と、前記筐体の
   内壁及びしやへい壁とで電磁的にシールドされる
   複数の少室内に、前記回路を電磁的に相互干渉を
   及ぼさないようにブロツク化して収納したことを
   特徴とする警報装置。