JP2800843B2 - 光電式煙感知器 - Google Patents

光電式煙感知器

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JP2800843B2
JP2800843B2 JP16783990A JP16783990A JP2800843B2 JP 2800843 B2 JP2800843 B2 JP 2800843B2 JP 16783990 A JP16783990 A JP 16783990A JP 16783990 A JP16783990 A JP 16783990A JP 2800843 B2 JP2800843 B2 JP 2800843B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、投光素子より煙監視領域に照射された光線
の煙粒子による散乱光を受光素子により検出して煙の存
否を検出する光電式煙感知器に関するものである。
【従来の技術】
従来より、この種の光電式煙感知器として、第2図お
よび第3図に示すように、ハウジング1の内部を光学基
台2によって上下2室に分離し、上室である回路収納室
11に投光素子3や受光素子4を実装した回路基板5を配
設し、下室である煙監視室12に投光素子3からの光を照
射するとともに、煙監視室12に導入された煙粒子による
散乱光を受光素子4で受光するようにしたものが提供さ
れている。回路基板5には、投光素子3の駆動回路や受
光素子4の出力に基づいて煙の存否を判定する煙検出回
路等が実装されている。煙検出回路は少なくとも一部が
集積回路6によって構成され、受光素子4はこの集積回
路上に設けられている。煙粒子による散乱光を受光素子
4に集光する受光レンズ7と投光素子3とは光学基台2
に装着されている。受光レンズ7には、入射した光を反
射させる反射面7aと、反射面7aで反射された光を受光素
子4に集光するレンズ部7bとが設けられている。煙粒子
は、ハウジング1の下部の周壁に形成された煙導入口
(図示せず)を通して煙監視室12に導入される。煙監視
室12内での煙の存否は、投光素子3から照射された光の
煙粒子による散乱光を受光素子4で受光することによっ
て検出するから、投光素子3からの直接光が受光レンズ
7に入射しないように、投光素子3と受光レンズ7とは
互いの光軸が非平行になるように配置されている。 ところで、煙粒子の検出感度を高めるには、投光素子
の送出され受光素子4で受光される光のうち、煙粒子に
よる散乱光である信号成分と、煙監視室12の内面などで
の反射光である雑音成分との比(S/N比)を大きくとる
必要がある。S/N比が大きいと、ノイズマージンが大き
くとれ、高感度にでき、投光素子3の出力に多少の変動
があっても煙粒子の検出感度に対して影響が少ないなど
の利点が得られる。 S/N比を大きくすために、従来構成では、以下のよう
な対策がなされている。すなわち、煙導入口と煙監視室
12との間に迷路状の煙導入路を備えたラビリンス体20を
配置して煙監視室12に外光が導入されないようにし、ま
た、煙監視室12などの内面を黒色にして反射光を少なく
している。さらに、第4図のように光学基台2に遮光用
突起16を突設して投光素子3からの直接光が受光レンズ
7に導入されないようにするとともに、受光レンズに受
光面以外からの光が導入されないように遮光カバー13を
配置している。
【発明が解決しようとする課題】
上記従来構成では、投光素子3と受光レンズ4との位
置関係によっては、第4図に示すように、投光素子3か
らの光の一部が受光レンズ7に直接入射することがあ
る。受光レンズ7の寸法や取付位置にはばらつきがある
から、投光素子3から受光レンズ7に直接入射した光が
受光素子4の出力にどの程度影響するかは予測できない
ところである。したがって、投光素子3から受光レンズ
7に直接光が入射すると、S/N比が低下するだけでな
く、煙粒子の検出感度のばらつきの原因にもなる。 このような問題を解決するには、投光素子3を第4図
の破線で示すような位置に配置することが考えられる
が、投光素子3と受光素子4との距離が離れることによ
ってハウジング1の径が大きくなるという問題が生じ
る。また、遮光用突起16の突出量を大きくすることも考
えられるが、煙監視室12のうち投光素子3からの光が照
射される領域が狭くなり、受光素子4に入射する信号成
分が減少して結果的にS/N比が小さくなるという問題が
生じる。 本発明は上記問題点の解決を目的とするものであり、
投光素子や受光素子の配置に変更を加えることなく受光
レンズへの不要光の入射を低減させてS/N比を向上させ
た光電式煙感知器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記目的を達成するために、ハウジング
内に形成された煙監視領域に投光する投光素子と、投光
素子より照射された光線の煙粒子による散乱光を受光す
る受光素子と、煙監視領域からの散乱光を受光素子に集
光する受光レンズと、ハウジングの内部を回路基板を配
置する回路収納室と煙監視領域が形成される煙監視室と
に分離する光学基台とを具備し、受光素子の出力に基づ
いて煙監視領域内での煙の存否を検出する光電式煙感知
器において、受光レンズは、煙監視領域からの散乱光の
進行方向を変更する反射面を有したプリズム部と、プリ
ズム部により進行方向が変更された光を受光素子に集光
するレンズ部とを一体に備え、投光素子と受光レンズと
は互いの光軸が非平行になるように光学基台に装着さ
れ、投光素子からの直射光の受光レンズへの入射を防止
する手段として、光学基台から煙監視領域側に突出する
遮光用突起と、光学基台とは別体に設けられ受光レンズ
の受光面の一部を覆う遮光部材とを備えているのであ
る。
【作用】
上記構成によれば、受光レンズの受光面の一部を、光
学基台とは別体に設けられ投光素子からの直射光の受光
レンズへの入射を防止する遮光部材により覆うようにし
ているので、遮光部材が受光レンズの受光面の一部を覆
うことによって、投光素子から受光レンズに対して光が
直接入射することが防止されてS/N比が向上するのであ
る。とくに、遮光部材を受光側に設けていることによっ
て、投光側に遮光部材を設ける場合に比較すると、煙監
視室への光の照射領域は変化せず、煙粒子が存在すれば
十分に多くの散乱光を発生させることができるのであっ
て、煙粒子の有無に対する散乱光の光量変化を十分に大
きくして高いS/N比を得ることができるのである。逆に
投光側に遮光部材を設けた場合には、煙粒子が存在して
いても散乱光の光量が減少してしまうから、煙粒子の有
無による散乱光の光量変化が少なくなり、結果的に高い
S/N比を得ることができなくなるのである。また、投光
素子や受光レンズについては配置になんら変更がなく、
光学基台とは別体の遮光部材を付加しているだけである
から、ハウジングが大形化することもないのである。
【実施例】
基本構成は、従来構成と同様であるから、まず、基本
構成について第2図および第3図に基づいて説明する。 ハウジング1は、下面開口する有底円筒状のボディ10
と、ボディ10の開口面に装着される円筒状のラビリンス
体20と、ラビリンス体20の下端面を覆うカバー30とによ
り形成される。ラビリンス体20は、周部に水平断面が略
く形に形成された多数の隔壁(図示せず)を有し、隣合
う隔壁の間に略く形の煙導入路を形成したものである。
煙導入路の一端部はハウジング1の外周面に開口して煙
導入口となり、煙導入路の他端部はラビリンスン体20の
中央部に形成された円形の煙監視室12に連通する。隔壁
は反射が生じないようにした黒色とされ、かつ、煙導入
路が屈曲していることにより、外光が煙監視室12に導入
されないようにしてある。ラビリンス体20の周面には防
虫網21が装着され、煙監視室12への虫の侵入が防止され
ている。 一方、ボディ10には、光学基台2と回路基板5とが納
装され、光学基台2よりも上部が回路収納室11となって
いる。回路基板5には集積回路6が面実装され、この集
積回路6には、ホトダイオードなどによりなる受光素子
4のほか、受光素子4の出力に基づいて煙の存否を検出
する煙検出回路、投光素子駆動回路、電源回路が組み込
まれている。煙検出回路は、受光素子4の出力を処理す
るアナログ信号処理回路と、アナログ信号処理回路の出
力に基づいてスイッチング回路を制御するディジタル回
路とを備えている。すなわち、この集積回路6には、集
積回路6の中に組み込めない部品や組み込むのが望まし
くない部品以外は、煙感知器に必要な回路がすべて組み
込まれているのである。回路基板5には、発光ダイオー
ドよりなる投光素子3、サージ保護素子、感度調節用の
可変抵抗器、コンデンサなども実装されている。回路基
板5はボディ10の内底面に沿うように配置されている。 投光素子3は、回路基板5に結合された光学基台2に
設けられた保持筒14内に挿入されることにより位置決め
される。また、光学基台2には受光レンズ7が保持され
る。 受光レンズ7は、散乱光を反射させて進行方向を変更
する反射部7aと、反射部7aにより進行方向が変更された
光線を、集積回路6に組み込まれた受光素子4に集光す
るレンズ部7bとをアクリルやポリカーボネイトのような
透明材料により一体に形成したものである。反射部7aは
全反射を利用して光線の進行方向を変更し、レンズ部7b
は回転双曲面になっている。 光学基台2には、受光レンズ7におけるレンズ部7bか
ら受光素子4に至る光路を囲むように遮光筒15が一体に
形成され、光学基台2を回路基板5に結合したときに、
遮光筒15の一端面が回路基板5に当接するようになって
いる。この構成により、集積回路6には煙監視室12から
の光であって受光レンズ7を通った光以外は入射せず、
光学基台2と回路基板5との間に迷光が侵入しても、そ
のような迷光による誤報が防止されるのである。また、
光学基台2には、投光素子3と受光レンズ7との中間位
置において遮光用突起16が一体に突設され、投光素子3
から受光レンズ7に直接光が入射されるのを防止してい
る。受光レンズ7の背面には光学基台2とは別体の遮光
カバー13が配設され、受光レンズ7の受光面以外から光
が入射するのを防止している。ここにおいて、第1図に
示すように、遮光カバー13には、受光レンズ7の受光面
の一部を覆う形で遮光部材としての遮光片13aが一体に
突設されており、遮光用突起16とともに投光素子3から
受光レンズ7の受光面への直接光の入射を防止してい
る。遮光片13の突出量は、投光素子3からの直接光の入
射を防止するのに必要な最小限の寸法に若干の余裕を持
たせた程度とし、受光レンズ7への入射光量に対する影
響を最小限にしている。さらに、遮光片13aの先端面
は、先端ほど受光レンズ7から離れるように傾斜した傾
斜面13bを形成しており、遮光片13aの先端面による反射
光が受光レンズ7に入射するのを防止している。 以上のように構成されているから、ラビリンス体20の
外周面より煙監視室12に煙粒子が導入されると、煙監視
室12において煙粒子による散乱光が生じ、受光素子4で
はこの散乱光を検出し、集積回路6から煙検知信号が出
力されるのである。また、受講素子4は煙検出回路とと
もに集積回路6に組み込まれて回路基板5に対して面実
装されているから、外来雑音の影響を受けにくくなり、
シールド部材を設けなくとも信号対雑音比を良好にする
ことができる。さらに、投光素子2と受光レンズ7との
光軸を、取付面に対して傾斜させているので、煙監視室
12の体積を大きくとることができ、最大感度を高めるこ
とができるのである。しかも、受光レンズ7に反射部7a
を設けて煙監視室12からの散乱光の進行方向を変更する
ようにしているので、取付面に平行な面における投光素
子2と受光素子との距離を小さくすることができ、ハウ
ジング1の外径を小さくすることができるのである。
【発明の効果】
本発明は上述のように、投光素子からの直射光の受光
レンズへの入射を防止する手段として、光学基台から煙
監視領域側に突出する遮光用突起と、光学基台とは別体
に設けられ受光レンズの受光面の一部を覆う遮光部材と
を備えているので、遮光部材が受光レンズの受光面の一
部を覆うことによって、投光素子から受光レンズに対し
て光が直接入射することが防止されてS/N比が向上する
という利点がある。とくに、遮光部材を受光側に設けて
いることによって、投光側に遮光部材を設ける場合に比
較すると、煙監視室への光の照射領域は変化せず、煙粒
子が存在すれば十分に多くの散乱光を発生させることが
できるのであって、煙粒子の有無に対する散乱光の光量
変化を十分に大きくして高いS/N比を得ることができる
という利点を有する。また、投光素子や受光レンズにつ
いては配置になんら変更がなく、光学基台とは別体の遮
光部材を付加しているだけであるから、ハウジングが大
形化することもないという効果を奏するのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示す要部断面図、第2図は本
発明に係る光電式煙感知器の基本構成を示すハウジング
を除いた断面図、第3図は同上の一部切欠分解斜視図、
第4図は従来例を示す要部断面図である。 1……ハウジング、2……光学基台、3……投光素子、
4……受光素子、7……受光レンズ、7a……反射部、7b
……レンズ部、12……煙監視室、13……遮光カバー、13
a……遮光片。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハウジング内に形成された煙監視領域に投
    光する投光素子と、投光素子より照射された光線の煙粒
    子による散乱光を受光する受光素子と、煙監視領域から
    の散乱光を受光素子に集光する受光レンズと、ハウジン
    グの内部を回路基板を配置する回路収納室と煙監視領域
    が形成される煙監視室とに分離する光学基台とを具備
    し、受光素子の出力に基づいて煙感知領域内での煙の存
    否を検出する光電式煙感知器において、受光レンズは、
    煙監視領域からの散乱光の進行方向を変更する反射面を
    有したプリズム部と、プリズム部により進行方向が変更
    された光を受光素子に集光するレンズ部とを一体に備
    え、投光素子と受光レンズとは互いの光軸が非平行にな
    るように光学基台に装着され、投光素子からの直射光の
    受光レンズヘの入射を防止する手段として、光学基台か
    ら煙監視領域側に突出する遮光用突起と、光学基台とは
    別体に設けられ受光レンズの受光面の一部を覆う遮光部
    材とを備えて成ることを特徴とする光電式煙感知器。
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