JP3747763B2 - 光電式煙感知器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光素子を用いて煙検知エリアに光線を照射し、当該煙検知エリア内に存在する煙・埃・エアロゾル等の粒子によって散乱した光を、受光素子で検出することにより煙等を検知する、光電式煙感知器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の光電式煙感知器として、特開平3-111997号公報に記載されているものが知られている。図8及び図9は、夫々当該煙感知器の縦断面図と、横断面図であり、図に示すように、有底円筒状のハウジング1の底部内側に回路基板2が設置され、回路基板2には、電線4を介して接続される発光素子3と、受光素子5とが備えられると共に、発光素子3の駆動回路や、受光素子5の出力に基づいて煙等の存否を判定する煙検出回路等が実装されている。
【0003】
回路基板2を被覆するように設置される光学基台6は、煙粒子等による散乱光を受光素子5に集光するプリズムレンズ7と、保持筒に挿入された発光素子3とが装着されている。ここで、プリズムレンズ7は、散乱光を反射させて進行方向を変更するプリズム部7bと、プリズム部7bにより、進行方向が変更された光線を受光素子5に集光するレンズ部7cとを、アクリル樹脂やポリカーボネイトのような透明材料により一体に形成したものであり、プリズム部7bは、全反射を利用して光線の進行方向を変更している。
【0004】
光学基台6の下端に近接して設置される煙導入部8は、横断面視略くの字状の隔壁部8aが、円環状に複数連接されてなり、煙導入部8の周縁部には、防虫網12が巻回されると共に、煙導入部8の下端部を被覆するように略円盤状の蓋部13が嵌合されている。そして、光学基台6により、ハウジング1の内部が上下2室に分離され、上室である回路収納エリア14に回路基板2が配設される一方、下室である煙検知エリア10には、夫々の隔壁部8a間に形成される煙導入口8cを通して、煙粒子が導入され、発光素子3から光を照射して、当該煙粒子に起因する散乱光を受光素子5で受光することで、煙粒子の存否を検出することができるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、光電式煙感知器は、一般的に住宅等の天井等に取付けられるため、あまり大きなハウジングを備えたものは好ましくなく、よりコンパクトな光電式煙感知器が求められている。そのためには、光学系を小さくすることが考えられ、より具体的には、プリズムレンズ7の焦点距離を短くすれば良いが、当該光電式煙感知器で用いられている従来のプリズムレンズ7では、レンズ部が1つしかないので、焦点距離を短くするには限界があるという問題点があった。
【0006】
また、図8に示すように、従来のプリズムレンズ7は、煙検知エリア10に露出する面(以下、入射面と呼ぶ。)が、略垂直となっており、当該煙検知エリア10から入射する光が、入射面に垂直に交わらないため、収差が発生しやすいという問題点があった。
【0007】
本発明は、かかる問題点に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、収差が発生しないコンパクトな光電式煙感知器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明にあっては、発光素子によって煙検知エリアに光線を照射し、前記煙検知エリア内に存在する煙等の粒子に起因する散乱光を、受光素子で検出することにより煙等を検知する光電式煙感知器において、
前記散乱光を集光する第1のレンズ部と、前記第1のレンズで集光した光を、前記受光素子へ集光する第2のレンズ部とを設けたことを特徴とするものである。
【0009】
更に、請求項記載の発明にあっては、発光素子によって煙検知エリアに光線を照射し、前記煙検知エリア内に存在する煙等の粒子に起因する散乱光を、受光素子で検出することにより煙等を検知する光電式煙感知器において、前記散乱光を屈折させて集光する第1のレンズ部と、前記第1のレンズで集光した光の進行方向を変更するプリズム部と、前記プリズム部で進行方向を変更した光を、前記受光素子へ集光する第2のレンズ部と一体に形成されたプリズムレンズとして備えたことを特徴とするものである。
【0010】
そして、請求項記載の発明にあっては、上記の光電式煙感知器に対し、第1のレンズ部の光軸と、第2のレンズ部の光軸に対して垂直な面とがなす角が存在していてこの角を、第2のレンズ部の光軸に対して垂直な面と、プリズム部の反射面とがなす角の2倍の角度から、直角を減じて得た角度にすることで、散乱光が第1のレンズ部の入射面に垂直に交わるようになしたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項記載の発明にあっては、請求項記載の光電式煙感知器に対し、第2のレンズ部の光軸に対して垂直な面と、プリズム部の反射面とがなす角を、臨界角以上としたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項記載の発明にあっては、請求項記載の光電式煙感知器に対し、第2のレンズ部の光軸に対して垂直な面と、プリズム部の反射面とがなす角を、45°乃至70°としたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項記載の発明にあっては、請求項乃至請求項何れか記載の光電式煙感知器に対し、第1のレンズ部に入射する一方、プリズム部の反射面には当たらない光を遮光するようにしたことを特徴とするものである。
【0014】
請求項記載の発明にあっては、請求項1乃至請求項何れか記載の光電式煙感知器に対し、前記第1のレンズ部は、入射した光を略平行な光に屈折させるように形成されていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項記載の発明にあっては、請求項1乃至請求項何れか記載の光電式煙感知器に対し、前記煙検知エリアを形成する煙導入部を設けると共に、その煙導入部内に、前記第1のレンズ部を備え、その第1のレンズ部の焦点距離が、第1のレンズ部と相対する前記煙導入部の表面上に、結像するようにしたことを特徴とするものである。
【0016】
請求項記載の発明にあっては、請求項1乃至請求項何れか記載の光電式煙感知器に対し、前記煙検知エリアを形成する煙導入部を設けると共に、その煙導入部内に、前記第1のレンズ部を備え、その第1のレンズ部の焦点距離が、前記煙検知エリアの中心と、煙導入部の表面との中間位置に結像するようにしたことを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
以下、本実施形態の光電式煙感知器について、図1乃至図3に基づいて詳細に説明する。図1及び図2は、夫々、本実施形態の光電式煙感知器の構造を示す縦断面図と、横断面図であり、図に示すように、有底円筒状のベース部1aと、そのベース部1aの下端部に併設される円錐台状の取付部1bとからなるハウジング1を備え、当該取付部1bの下端部には、回路基板2等を設置するための円形状の凹部1baが形成されている。
【0018】
回路基板2には、電線4を介して接続される、発行ダイオード等の発光素子3と、ホトダイオード等の受光素子5とが備えられると共に、発光素子3の駆動回路や、受光素子5の出力に基づいて煙等の存否を判定する煙検出回路、電源回路等が実装されている。ここで、煙検出回路は、受光素子5の出力を処理するアナログ信号処理回路と、当該回路に基づいてスイッチング回路を制御するディジタル回路等とから構成されている。
【0019】
また、回路基板2を被覆するように設置される光学基台6は、円形盆状のベース部6aを備え、そのベース部6aの周縁部近傍には、下方に向かって、発光素子保持部6bと、レンズ保持部6cとが、互いに横断面視直角の向きとなるように突設されている。発光素子保持部6bには、取付部1bの中心軸に向かって、縦断面視略円形状の発光素子装着孔6baが穿設され、その発光素子装着孔6baには、保持筒に挿入された発光素子3が装着されている。
【0020】
一方、レンズ保持部6cには、ベース部6aの表面を貫通する横断面視矩形状の孔と、当該孔の下端部の、取付部1bの中心軸に面する一部分が、略矩形状に形成されてなるレンズ装着孔6caが穿設され、そのレンズ装着孔6caには、プリズムレンズ7が装着されている。
【0021】
プリズムレンズ7は、図3に示すように、煙等によって散乱された光を屈折させる第1のレンズ部7aと、そのレンズ部7aに入射した光を反射させて進行方向を変更させるプリズム部7bと、そのプリズム部7bにて進行方向を変更された光線を受光素子5に集光する第2のレンズ部7cとを、アクリルやポリカーボネイト等の樹脂材料により一体に形成したものであり、横断面視略三角形のプリズム部7bは、全反射を利用して光線の進行方向を変更させるようになっている。
【0022】
より具体的には、レンズ部7aの光軸と、レンズ部7cの光軸に対して垂直な面がなす角をθ、レンズ部7cの光軸に対して垂直な面と、プリズム部7bの横断面視三角形の長辺(反射面R)がなす角をψとし、θ=2ψ−90゜で表される条件を満たすように形成されたプリズムレンズ7を用いることで、レンズ部7aの光軸上の光線が、プリズム部7bで折り返され、レンズ部7cの光軸と一致させることができる。
【0023】
尚、図1及び図2に示すように、発光素子保持部6b及びレンズ保持部6cは、夫々発光素子3及びプリズムレンズ7の位置決めをしており、夫々の位置は、発光素子3が放射する光の方向と、プリズムレンズ7(レンズ部7a)の光軸とが、互いに交差するように調整されており、煙粒子等によって引き起こされる散乱光の元となる、発光素子3からの放射光が、プリズムレンズ7を介して、効率良く受光素子5へ受光されるようになっている。
【0024】
また、光学基台6の下端に近接して設置される煙導入部8は、横断面視略くの字状の隔壁部8aが、円盤状のベース部8b上の周縁部に、円環状に複数連接されてなり、夫々の隔壁部8a間には煙導入口8cが形成され、煙導入部8の周縁部には、防虫網が巻回されている(図示せず)。また、発光素子装着孔6baの表面に取付けられる、略円盤状のアパーチャー9aには、発光素子保持部6bに向かうに従って、開口面積が大きくなる光導出孔9aaが穿設されており、発光素子3から導出される光に、さらに指向性を持たせている。
【0025】
一方、レンズ保持部6cの、取付部1bの中心軸に面する表面の近傍には、当該表面と略45°の向きとなるように、横断面視略矩形状の棒状部材からなるアパーチャー9bが設けられている一方、取付部1bの中心軸を対称にして、アパーチャー9bと略同形状のアパーチャー9cが設けられ、隔壁部8aからの乱反射光がプリズムレンズ7へ入射しないようにしている。尚、アパーチャー9b・9cは、ベース部6a若しくはベース部8bと一体に構成しても良いし、別部品として構成しても良い。
【0026】
そして、ベース部6a、発光素子保持部6b、レンズ保持部6c、隔壁部8a、ベース部8bで構成される空間は、夫々の隔壁部8a間に形成される煙導入口8cを通して、煙粒子が導入され、発光素子3から光を照射して、当該煙粒子に起因する散乱光を受光素子5で受光することで、煙粒子の存否を検出するための煙検知エリア10となっている。
【0027】
このように、プリズムレンズ7に、レンズ部7aとレンズ部7cの2つのレンズ部を形成することによって、屈折力を大きくすることにより、プリズムレンズ7の焦点距離を短くすることができるので、光学系が小さくなって、コンパクトな光電式煙感知器を提供することができると共に、レンズ部が2つになることで、収差の改善など、設計の自由度を増やすことができる。
【0028】
また、θ=2ψ−90゜の条件のプリズムレンズ7を用いることによって、散乱光がレンズ部7aの入射面に垂直に交わるため、レンズ部7aの偏心や傾きによる収差の影響を殆ど受けず、受光素子5に散乱光を効率的に集光させることができる。さらに、発光素子3が放射する光の方向と、プリズムレンズ7の光軸とが、互いに交差するようにしたことで、煙検知エリア10の中心付近からの強い散乱光を、プリズムレンズ7の収差の影響を殆ど受けずに、受光素子5に集光させることができ、十分な受光量を確保することができるのである。
【0029】
尚、発光素子3が放射する光の方向と、プリズムレンズ7の光軸との交差角度が大きくなると、受光素子5で受光する光量が増えるが、白色・黒色の煙の色比が大きくなるため、白色又黒色の煙によって感度に差を生じることとなる。一方、交差角度を小さくすると、白色・黒色の煙の色比が小さくなるため、白色又黒色の煙によって感度に差が生じないが、受光素子5で受光する光量が減るため、感度の良い高価な受光素子5を用いなければならない。
【0030】
そこで、当該交差角度は、受光量と煙の色比とのバランスが良い角度に決められており、図2の例では、略直角となるように定められているが、本願の発明者らの試行錯誤の結果では、110°近傍が良いとしている。尚、種々の条件により、決定されるものであって、これに限定されるものではなく、一般の光電式煙感知器のように、130°としても良い。
【0031】
また、受光素子5で散乱光を感知できれば良いので、必ずしも、発光素子3が放射する光の方向と、プリズムレンズ7の光軸とが、互いに交差する必要はない。さらに、アクリルやポリカーボネイト等の樹脂材料を使用したプリズムレンズの例を示したが、樹脂材料に限らず、BK7等のガラス材料等でプリズムレンズを形成しても良い。
【0032】
[第2の実施の形態]
本願の発明者らは、レンズ部7aとレンズ部7cの2つのレンズ部を持ち、θ=2ψ−90゜の条件を満たすプリズムレンズ7を用いることにより、収差の影響を殆ど受けずに、十分な受光量を確保することができるコンパクトな光電式煙感知器を提供することができた。ところが、レンズ部7cの光軸に対して垂直な面と、プリズム部7bの反射面Rがなす角ψによって、受光素子5への受光量が減少する場合があるという問題点がある。そこで、本願の発明者らは、かかる問題点を解決すべく、受光量を減少させることのない光電式煙感知器を提案している。
【0033】
図3に示した、プリズムレンズ7のプリズム部7bは、レンズ部7aから入射する、どのような方向の光も反射させて、レンズ部7cに導くことができるものでなく、所謂全反射条件と呼ばれるものが存在し、当該全反射条件を満たさない光は、プリズム部7bを透過してしまい、受光効率低下の要因となる。かかる全反射条件とは、透過を起さずに反射する条件であって、図4に示すように、プリズム部7bの反射面Rに対して、直角の向きの軸から、ある一定角度よりも大きな入射角を持つ条件をいい、この一定角度を臨界角φcと呼ぶ。
【0034】
また、当該直角の向きの軸と、レンズ部7aの光軸とのなす角をφとし、φから臨界角φcを減じて得た値を、臨界余裕ωと呼ぶことにすると、当該臨界余裕ωは、レンズ部7cの光軸に対して垂直な面と、プリズム部7bの反射面Rがなす角ψが、臨界角φcよりも大きれば生じることとなる。例えば、発光素子3に出力ピーク波長950nm程度のものを使用し、レンズ材料として、ポリカーボネイトを使用する場合、屈折率nは略1.57程度となって、(1)式より、臨界角φcは略39.6°となるので、ψを39.6°よりも大きくすることで、臨界余裕ωを得ることができ、一定の全反射領域を得ることができる。
【数1】
φc=sin-1(1/n) ……(1)
【0035】
このように、ψを臨界角φcよりも大きくすると共に、全反射領域を生じる限界である90°未満の角度とすることにより、一定の全反射領域を得ることができ、受光量を減少させることなく、感度を上げることができるが、レンズ部7aのレンズ径Dは、(2)式で与えられ、プリズム部7bの反射面R(反射辺)は、光学系を小さくしたいという要求から、大きくできないので、ψを大きく取るほどレンズ径Dが減少して、受光量も減少し感度が低下する。
【数2】
D=Rcosψ ……(2)
【0036】
そこで、ψは一定の全反射領域を得ることができると共に、受光量を十分に確保できる角度に設定され、本願の発明者らの試行錯誤の結果では、概ね45°〜70°にすると良く、特に48°が良いとされる。尚、プリズムの大きさや材質によって、屈折率nや反射面R等が変わってくるので、これに限定されるものではない。また、その他の構成については、第1の実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略することとする。
【0037】
[第3の実施の形態]
本願の発明者らは、レンズ部7cの光軸に対して垂直な面と、プリズム部7bの反射面Rがなす角ψを、一定の全反射領域を得ることができると共に、受光量を十分に確保できる角度に設定することにより、受光量を減少させることなく、感度を上げることができる光電式煙感知器を提供することができた。
【0038】
ところが、図5(a)及び(2)式から分かるように、レンズ部7cの光軸に対して垂直な面と、プリズム部7bの反射面Rがなす角ψが、45°以上になると、レンズ部7bのレンズ径に比べて、レンズ部7cのレンズ径が大きくなるので、図2に示す煙検知エリア10からの散乱光のうち、レンズ部7aに入射するが、プリズム部7bの反射面Rに当たらずに、レンズ部7cを透過して、受光部5に集光されない迷光が発生し、受光素子5のS/N比が低下するという問題点がある。
【0039】
そこで、本願の発明者らは、かかる問題点を解決すべく、レンズ部7aに入射するが、プリズム部7bの反射面Rに当たらない光を遮光することにより、迷光の発生を防止して、受光素子5のS/N比を改善することができる光電式煙感知器を提案している。より具体的には、図5(b)に示すように、レンズ部7aの前面に、当該光を遮光する略平板状のアパーチャー11を設けるようにする。
【0040】
このようにすることで、受光素子5への受光量には影響を与えず、迷光を著しく低減できるので、受光素子5のS/N比を改善することができ、図2に示す隔壁部8aに、埃等が付着することに起因するノイズの増加によって、受光特性が大きく変動することなく、信頼性の高い光電式煙感知器を提供することができる。
【0041】
尚、アパーチャー11の形状は、平板状に限らず、図1に示すアパーチャー9aのように円形としても良いし、レンズ部7aに入射するが、プリズム部7bの反射面Rに当たらない光を遮光することができれば、どのような形状であっても良い。また、アパーチャーではなく、必要な部分だけを遮光するように、レンズ部7aの表面に、塗料を塗装しても良い。さらに、その他の構成については、第1の実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略することとする。
【0042】
[第4の実施の形態]
本願の発明者らは、アパーチャーを設けることによって、迷光の発生を防止して、受光素子5の受光効率を改善することができる光電式煙感知器を提供することができたが、レンズ部7aの屈折力が弱かったり、強すぎたりすると、レンズ部7aの周縁部近傍を通過した光が、第2の実施形態で述べた、全反射条件を満たさずに、プリズム部7bを透過すしてしまい、レンズ部7cによって、受光素子5へ集光されることがないので、受光素子5の受光効率が低下するというという問題点がある。
【0043】
そこで、本願の発明者らは、かかる問題点を解決すべく、図6に示すように、レンズ部7aのレンズ面を調整することによって、当該レンズ部7aに入射した入射光を略平行に屈折させて、プリズム部7bへの入射角を一定にしたプリズムレンズ7を用いることで、レンズ部7aの周縁部近傍を通過した光も、全反射条件を満たし、プリズム部7bにてレンズ部7cへ反射されて、確実に受光素子5へ集光されるようにした。
【0044】
より具体的には、レンズ部7aのレンズ面を非球面とすることで、図2に示す煙感知エリア10からの光を、平行に屈折させることができ、収差を発生させることがないので、受光素子5の受光効率を向上せしめた光電式煙感知器を提供することができる。ところで、レンズ部7aのレンズ面は、レンズ部7aに入射する光が全反射条件を満たす範囲で屈折されれば、どのような面形状のレンズ部を構成しても良いが、複雑な非球面とすると、プリズムレンズ7のコストアップとなるので、加工性の点から、当該レンズ面の形状は双曲面や放物面等が適当である。尚、その他の構成については、第1の実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略することとする。
【0045】
[第5の実施の形態]
本願の発明者らは、レンズ部7aに入射した入射光を略平行に屈折させて、プリズム部7bへの入射角を一定にしたプリズムレンズ7を用いることで、受光素子5の受光効率を向上せしめた光電式煙感知器を提供することができた。ところが、レンズ部7aの焦点距離が、当該レンズ部と相対する隔壁部8aの表面よりも外側に位置する程、当該隔壁部8aの表面における、レンズ部7aの集光面積が大きくなって、当該隔壁部8aの表面で発生する光の乱反射を多く捉えることとなるので、受光素子5のS/N比が低下するという問題点がある。
【0046】
そこで、本願の発明者らは、かかる問題点を解決すべく、図7に示すように、レンズ部7aの焦点距離が、当該レンズ部と相対する隔壁部8aの表面上に結像するプリズムレンズ7を用いる光電式煙感知器を提案している。このようにすることで、当該隔壁部8aの表面における、レンズ部7aの集光面積を限りなく小さくすることができ、当該隔壁部8aの表面で発生する光の乱反射の捕捉を抑制できるので、受光素子5のS/N比を向上せしめることができる。
【0047】
ところが、S/N比を向上できるかわりに、受光素子5の受光量の低下を招くこととなる。一方、煙検知エリア10の中心近傍から射出した光を、受光素子5上に結像させるようにレンズ部7aの面形状を設定した場合、受光量が増加するがS/N比は低下することとなる。そこで、レンズ部7aの焦点距離は、受光量とS/N比とのバランスが良い距離に定めると良く、一例として、煙検知エリア10の中心と、隔壁部8aの表面との中間位置に結像するように、レンズ部7aの面形状を設定するのが適当である。尚、その他の構成については、第1の実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略することとする。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明にあっては、散乱光を集光する第1のレンズ部と、その第1のレンズで集光した光を、受光素子へ集光する第2のレンズ部とを設けたことにより、屈折力が大きくなって焦点距離を短くすることができるので、光学系が小さくなって、コンパクトな光電式煙感知器を提供することができると共に、レンズ部が2つになることで、収差の改善を図ることができるという効果を奏する。
【0049】
更に、請求項記載の発明にあっては、散乱光を屈折させて集光する第1のレンズ部と、その第1のレンズで集光した光の進行方向を変更するプリズム部と、そのプリズム部で進行方向を変更した光を、受光素子へ集光する第2のレンズ部と一体に形成されたプリズムレンズとして備えたことにより、屈折力が大きくなって焦点距離を短くすることができるので、光学系が小さくなって、コンパクトな光電式煙感知器を提供することができると共に、レンズ部が2つになることで、収差の改善を図ることができるという効果を奏する。
【0050】
そして、請求項記載の発明にあっては、第1のレンズ部の光軸と、第2のレンズ部の光軸に対して垂直な面とがなす角が存在していてこの角を、第2のレンズ部の光軸に対して垂直な面と、プリズム部の反射面とがなす角の2倍の角度から、直角を減じて得た角度にしたことにより、散乱光が第1のレンズ部の入射面に垂直に交わるため、第1のレンズ部の偏心や傾きによる収差の影響を殆ど受けず、受光素子に散乱光を効率的に集光させることができるという効果を奏する。
【0051】
請求項記載の発明にあっては、第2のレンズ部の光軸に対して垂直な面と、プリズム部の反射面とがなす角を、臨界角以上としたことにより、一定の全反射領域を得ることができ、感度を上げることができるという効果を奏する。
【0052】
請求項記載の発明にあっては、第2のレンズ部の光軸に対して垂直な面と、プリズム部の反射面とがなす角を、45°乃至70°としたことにより、一定の全反射領域を得ることができると共に、受光量を十分に確保できるので、感度を上げることができるという効果を奏する。
【0053】
請求項記載の発明にあっては、第1のレンズ部に入射する一方、プリズム部の反射面には当たらない光を遮光するようにしたことにより、受光素子5への受光量には影響を与えず、迷光を著しく低減できるので、受光素子5のS/N比を改善することができる。また、それに伴って、埃等の付着に起因するノイズの増加によって、受光特性が大きく変動することなく、信頼性の高い光電式煙感知器を提供することができるという効果を奏する。
【0054】
請求項記載の発明にあっては、第1のレンズ部は、入射した光を略平行な光に屈折させるように形成されているので、第1のレンズ部の周縁部近傍を通過した光も、全反射条件を満たすこととなり、受光素子の受光効率を向上せしめた光電式煙感知器を提供することができるという効果を奏する。
【0055】
請求項記載の発明にあっては、煙検知エリアを形成する煙導入部を設けると共に、その煙導入部内に、第1のレンズ部を備え、その第1のレンズ部の焦点距離が、第1のレンズ部と相対する前記煙導入部の表面上に、結像するようにしたことで、煙導入部の表面における、第1のレンズ部の集光面積を限りなく小さくすることができ、煙導入部の表面で発生する光の乱反射の捕捉を抑制できるので、受光素子のS/N比を向上せしめることができる。また、それに伴って、埃等の付着に起因するノイズの増加によって、受光特性が大きく変動することなく、信頼性の高い光電式煙感知器を提供することができるという効果を奏する。
【0056】
請求項記載の発明にあっては、煙検知エリアを形成する煙導入部を設けると共に、その煙導入部内に、第1のレンズ部を備え、その第1のレンズ部の焦点距離が、煙検知エリアの中心と、煙導入部の表面との中間位置に結像するようにしたことで、煙導入部の表面における、第1のレンズ部の集光面積を小さくすることができ、煙導入部の表面で発生する光の乱反射の捕捉を抑制できるので、受光素子のS/N比を向上せしめることができると共に、十分な受光量を確保できる。また、それに伴って、埃等の付着に起因するノイズの増加によって、受光特性が大きく変動することなく、信頼性の高い光電式煙感知器を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る光電式煙感知器の構造を示す縦断面図である。
【図2】第1の実施形態に係る光電式煙感知器の構造を示す横断面図である。
【図3】第1の実施形態に係る光電式煙感知器に内蔵されるプリズムレンズを示す図である。
【図4】第2の実施形態に係る光電式煙感知器に内蔵されるプリズムレンズを示す図である。
【図5】(a)は迷光が発生する場合を示す図であり、(b)はアパーチャーを設けた第3の実施形態を示す図である。
【図6】第4の実施形態に係る光電式煙感知器に内蔵されるプリズムレンズを示す図である。
【図7】第5の実施形態に係る光電式煙感知器の、光学系等の構造を示す縦断面図である。
【図8】従来の光電式煙感知器の構造を示す縦断面図である。
【図9】従来の光電式煙感知器の構造を示す横断面図である。
【符号の説明】
3 発光素子
5 受光素子
7 プリズムレンズ
7a レンズ部(第1のレンズ部)
7b プリズム部
7c レンズ部(第2のレンズ部)
8 煙導入部
10 煙検知エリア
11 アパーチャー

Claims (7)

  1. 発光素子によって煙検知エリアに光線を照射し、前記煙検知エリア内に存在する煙等の粒子に起因する散乱光を、受光素子で検出することにより煙等を検知する光電式煙感知器において、
    前記散乱光を屈折させて集光する第1のレンズ部と、前記第1のレンズで集光した光の進行方向を変更するプリズム部と、前記プリズム部で進行方向を変更した光を、前記受光素子へ集光する第2のレンズ部と一体に形成されたプリズムレンズとして備え第1のレンズ部の光軸と、第2のレンズ部の光軸に対して垂直な面とがなす角が存在していてこの角を、第2のレンズ部の光軸に対して垂直な面と、プリズム部の反射面とがなす角の2倍の角度から、直角を減じて得た角度にすることで、散乱光が第1のレンズ部の入射面に垂直に交わるようになしたことを特徴とする光電式煙感知器。
  2. 第2のレンズ部の光軸に対して垂直な面と、プリズム部の反射面とがなす角を、臨界角以上としたことを特徴とする請求項記載の光電式煙感知器。
  3. 第2のレンズ部の光軸に対して垂直な面と、プリズム部の反射面とがなす角を、45°乃至70°としたことを特徴とする請求項記載の光電式煙感知器。
  4. 第1のレンズ部に入射する一方、プリズム部の反射面には当たらない光を遮光するようにしたことを特徴とする請求項乃至請求項何れか記載の光電式煙感知器。
  5. 前記第1のレンズ部は、入射した光を略平行な光に屈折させるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項何れか記載の光電式煙感知器。
  6. 前記煙検知エリアを形成する煙導入部を設けると共に、その煙導入部内に、前記第1のレンズ部を備え、その第1のレンズ部の焦点距離が、第1のレンズ部と相対する前記煙導入部の表面上に、結像するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項何れか記載の光電式煙感知器。
  7. 前記煙検知エリアを形成する煙導入部を設けると共に、その煙導入部内に、前記第1のレンズ部を備え、その第1のレンズ部の焦点距離が、前記煙検知エリアの中心と、煙導入部の表面との中間位置に結像するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項何れか記載の光電式煙感知器。
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