JPS64709Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はバルブを装着する金属製のソケツトに
関する。

この種のソケツトは特に自動車用灯具に広く使
用されている。第１図及び第２図に従来のソケツ
トを示す。即ち、第１図はテールランプの側断面
図を示し、色の異なるレンズ１ａ，１ｂをリム２
に載置固定し、該リム２をハウジング３の開口部
に取付ける。ハウジング３には灯室１Ａと１Ｂと
の仕切壁３１を設ける。これら灯室１Ａ，１Ｂ内
に各々バルブ４を装着したソケツトａを金属製ブ
ラケツトｂに圧入固定し、該ブラケツトｂの固定
部ｃを台座３ａ上に固定する。第２図はバルブ４
の保持部の全体斜視図を示す。詳述すると、バル
ブ４の口金４１を筒状ソケツトａに装着し、口金
４１に突設した一対のビン４２を丁形スロツト内
に係止する。このソケツトａは、断面略Ｌ字形状
のブラケツトｂに圧入固定される。さらに、ブラ
ケツトｂの固定部ｃをハウジング３に突設した台
座３ａ上に載置して、ビス８ａ，８ｂにより固定
する。なお、図中７ａは正極がわに接続するコー
ドを示し、一方負極がわに接続するコード７の一
端は接続端子６が杷持し、ビス８ｂにより固定部
ｃに共締めされる。

バルブ４を装着するソケツトａは、紋り又はカ
ーリング加工により製作されているが、ハウジン
グ３に固定する為に、上述の如くブラケツトｂを
必要としている。一般に、ソケツト内径はSAE
の規格内に寸法公差をきびしくおさえる必要があ
るが、ソケツトａをブラケツトｂに圧入固定する
為に、ソケツトａの外径の寸法公差も併せてきび
しくおさえなければならない。しかしながら、ソ
ケツト加工上における寸法のバラツキとブラケツ
トｂへの圧入のバラツキとの発生により、ソケツ
トの位置ずれとかブラケツトｂからの脱落が生じ
易かつた。特にカーリングソケツトは、材料の板
厚のバラツキが内径、外径の寸法のバラツキに直
接影響するため使用することができなかつた。こ
のように、ブラケツトｂに圧入固定する関係上、
ソケツト加工での品質の問題点が多く、さらに部
品点数も多くコスト高になつていた。

本考案はかかる事情に鑑みなされたもので、ソ
ケツトをブラケツトに圧入固定する上での外径公
差における品質上の問題点を解消すると共に部品
点数も低減でき、ソケツトの取付位置のずれとか
脱落を防止でき、作業性も向上し、かつコスト低
減できるソケツトを提供するものである。

以下、本考案の実施例について添付図面を参照
して説明する。なお、上記従来例において説明し
た同様な部分は同一符号にて示す。

第３図乃至第５図は本考案に係るソケツトを示
すものである。まず、第３図はソケツト５の展開
を示し、本例では材質SPCで板厚0.8〜1.2mmZCメ
ツキの表面処理を施している。そして、孔５２を
穿設した底部５１と、この底部５１の両がわに連
結部５３ａ，５３ｂを介して側壁板５Ａ，５Ｂと
から成る。これらの側壁板５Ａ，５Ｂの各々に丁
形のスロツト５６ａ，５６ｂを形成し、長軸Ｘに
関して矢印Ｒ方向に半円筒状に湾曲させると共に
底部５１に対して直立させる。さらに、側壁板５
Ａ，５Ｂの一方側縁に対称に形成した取付用の耳
片５５ａ，５５ｂを互いに当接する如く折曲させ
ると共に、一方の側壁板５Ａの端縁に設けた係合
孔５７，５７に他方の側壁板５Ｂの端縁に突設し
た係合片５８，５８を係合してソケツト５の全体
を円筒状にしたものである。なお、前記耳片５５
ａ，５５ｂには、ビス８を挿入する孔５０ａ，５
０ｂを各々穿設すると共に、ソケツト５を台座３
１上に取付ける際に回転止め用の突起３２が一部
入り込む切欠き５９ａ，５９ｂを形成する。第４
図は、かかるソケツト５の全体斜視図を示し、側
壁５Ｂを上方にした場合である。また、第５図
は、第４図での裏側を示しているもので側壁５Ａ
を上方にした場合である。

即ち、バルブ４の口金４１をソケツト５に装着
して一方のピンを丁形のスロツト５６ａに係止し
ており、二枚の耳片５５ａ，５５ｂを重ねた状態
で台座３１上に載置し、切欠き５９ａ，５９ｂに
回転止め用の突起３２を一部入り込ませ、ビス８
を接続端子６と孔５０ａ，５０ｂとに挿入して台
座３１に取付ける。従つて、従来のようにソケツ
トをブラケツトに圧入固定する必要がなくなり、
ソケツト５の位置ずれや脱落もなくなるのであ
る。また特に底部５１の両がわに側壁板５Ａ，５
Ｂを形成したことにより、各側壁板を半円筒状に
湾曲すれば良いので加工がきわめて簡単となるも
のである。即ち、従来のカーリングソケツトは一
枚板を円筒状にカーリングすると同時に底部も形
成しなければならないため、加工も困難であると
共にソケツト内径にバラツキが多く生じ品質的に
安定したものでなかつたが、底部５１から離れた
側壁板５Ａ，５Ｂを半円筒状に湾曲すれば良いの
で、湾曲加工上において底部５１は何ら影響を及
ぼすことがなくなる。さらに、プレス加工により
半円筒状に湾曲できるので、順送り又はトラン
ス・フアー加工等にて連続的に生産できるもので
ある。

第６図は変形例を示すもので、取付用の耳片５
５ｃ，５５ｄを各々側壁板５Ａ，５Ｂの他方のの
側縁に形成することにより、ソケツト５の両がわ
をビス等により取付けることができるものであ
る。

上述の如く本考案は、孔を穿設した底部と、該
底部の両がわに連設した側壁板とから成り、該側
壁板に丁形のスロツトを形成し、これらの側壁板
を半円筒状に湾曲すると共に前記底部に対して直
立させ、かつ側壁板の少なくとも一方の端縁に取
付用の耳片を対称に設けて互いに当接させ、さら
に一方の側壁板の端縁に係合片を突設すると共に
他方の側壁板の端縁に係合孔を設け、前記係合片
と係合孔とを係合して全体を円筒状にしたことを
特徴とするものであるから、加工もきわめて簡単
となると共に従来のようなブラケツトも不要とな
つて部品点数を低減できる等の顕著な効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図と第２図は従来例を示し、第１図は従来
のソケツトを使用した灯具の側断面図、第２図は
バルブを装着した全体斜視図、第３図乃至第５図
は本考案の実施例を示し、第３図はソケツトの展
開図、第４図はソケツトの全体斜視図、第５図は
取付状態を示す全体斜視図、第６図は変形例のソ
ケツト展開図である。 ５……ソケツト、５Ａ，５Ｂ……側壁板、５１
……底部、５５ａ，５５ｂ……耳片、５６ａ，５
６ｂ……スロツト、５７……係合孔、５８……係
合片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 孔を穿設した底部と、該底部の両がわに連設し
   た側壁板とから成り、該側壁板に丁形のスロツト
   を形成し、これらの側壁板を半円筒状に湾曲する
   と共に前記底部に対して直立させ、かつ側壁板の
   少なくとも一方の端縁に取付用の耳片を対称に設
   けて互いに当接させ、さらに一方の側壁板の端縁
   に係合片を突設すると共に他方の側壁板の端縁に
   係合孔を設け、前記係合片と係合孔とを係合して
   全体を円筒状にしたことを特徴とするソケツト。