JPS647052Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用窓ガラスのガイド部品、特
に、窓の三角形状コーナ部分を被う被い部材に関
するものである。一般に、自動車のドア１は第１
図に示すようにインナーパネルとアウンターパネ
ルとからなるドア本体２と、このドア本体２に設
けられたドアサツシユ３とから構成される。通常
の自動車においては、ドアサツシユ３によつて形
成される窓開口部４におる前部、後部ドアにあつ
ては後部側に三角形状のコーナ部が形成される。

近時、上記コーナ部を被うコーナ部と同一形状
の被い部材５を設け、これにミラー等を取付ける
ようにしている。一方上記被い部材５は金属板材
を三角形状に成形することにより得られるもの
で、窓ガラスをガイドするためにインナーパネル
とドアパネルとの間に設けたサツシユロアー６の
上端側にこの被い部材５を溶接等の手段によつて
取付けるようにしていた。

しかしながら、このような構成によれば、被い
部材とサツシユロアーとが別部品となつているの
で、取付け工数が増加し、作業者に負担となり、
さらに金属板材からなるので、錆等が発生し、ま
た軽量化が図れないという欠点を有していた。さ
らに、被い部材５における窓ガラスに対向する側
には、この窓ガラスをガイドするための溝を設け
なければならないのであるが、被い部材とサツシ
ユロアーとが別部品からなるので両者を一体化し
たときに、被い部材の上記溝とサツシユロアーの
窓ガラスをガイドするための溝とを正確に一致さ
せにくく、またコストが高くなるという欠点を有
していた。

本考案の目的はサツシユロアーと、三角形状の
コーナ部分を被う被い部材とを合成樹脂により一
体化するとともに、被い部材には互いに対向する
如く形成されてドアサツシユのガイド溝に嵌合さ
れる対向板と、上記サツシユロアーに設けられた
窓ガラスをガイドする溝の延長溝とを形成して上
記欠点を除去するものであり、以下実施例を用い
て詳細に説明する。

第２図、第３図は本考案による自動車用窓ガラ
スのガイド部品の一実施例を示す斜視図及び側面
図であり、各図において１０はサツシユロアーで
あり、自動車のドア本体を構成するインナーパネ
ルとアウターパネルとの間に位置されるもので、
上下方向に延長する板材１１と、この板材１１に
おける窓ガラスに対向する側に設けられた対向板
１２，１２とからなる。上記対向板１２，１２と
の間によつて窓ガラスを上下方向にガイドするた
めの溝１３が形成される。またサツシユロアー１
０にはこれをインナーパネル側に取付けるための
固定子１４が取付けられる。

このサツシユロアー１０の上端側には窓開口部
の前部側に設けられる三角形状の空間を被うため
の被い部材１５が一体化される。この被い部材１
５は互いに三角形状に成形され、かつ、互いに対
向する２枚の対向板１６，１６からなり、これは
板材１１の延長部分２０より突出する。この対向
板１６，１６のサツシユ１７のガイド溝１８に嵌
入される側の表面は切り欠かれており、これによ
り段差１９が形成されるもので、この段差１９に
溝１８の側部がフイツトして水漏れを防止するこ
とができる。上記対向板１６，１６が立上がる延
長部分２０からは第４図、第５図に示すようにサ
ツシユ３方向に突出するボス２１が例えば２個設
けられ、このボス２１の先端側にねじ穴２２が形
成され、このねじ穴２２にねじ２３，２３をサツ
シユ３を介して螺合することによつて、被い部材
１５がサツシユ３に一体化される。

サツシユロアー１０の溝１３の内面側に第６図
に示すような突起３０，突条３１等を設けて窓ガ
ラスとの接触面積を小さくして、接触抵抗を小さ
くするようにしてもよい。また、被い部材１５に
は、対向板１２，１２の延長部分１２Ａ，１２Ａ
が形成され、この対向板１２Ａ，１２Ａにより形
成される溝に、第４図に示す摩擦軽減用のコ字状
のフエルト３２を設けるようにしてもよい。

以上の構成によれば、サツシユロアー１０と被
い部材１５とが合成樹脂により一体化されている
ために、両者を接続するための作業が必要となら
ず、作業コストを低減でき、かつ、作業者の負担
を軽減することができる。対向板１２，１２及び
１２Ａ，１２Ａによつて形成される溝１３が被い
部材１５方向において均一な形状となり段差が発
生せず、この段差によつて窓ガラスに引掛りが生
じる等の問題が生じなくなり、さらに水、空気等
の漏れが生じるおそれがなくなる。

特に、本考案において重要な点は被い部材１５
を互いに対向する対向板１６，１６から形成した
点である。このように対向板１６，１６から形成
することによつて、サツシユ３の溝１８に各対向
板１６，１６が互いに近接するような方向に若干
たわませるようにして溝１８に対向板１６，１６
を嵌入したときた、溝１８に対し対向板１６，１
６の表面が圧接するので、この間から水、空気等
が漏れるおそれがなくなる。

本考案においては、第７図に示すようにボス２
１を水平方向に突出させ、このボスの先端に設け
るねじ穴２２をサツシユ３と直角方向に延長させ
るようにしてもよい。

以上説明したように本考案による自動車用窓ガ
ラスのガイド部品によれば、ドアを構成するイン
ナーパネルとアウターパネルとの間に位置され、
窓ガラスをガイドするための溝を有するサツシユ
ロアーと、ドア本体に設けれたサツシユによつて
形成される窓開口部の三角形状コーナ部分を被う
被い部材とを合成樹脂により一体化するととも
に、上記被い部材には互いに対向する如く形成さ
れてドアサツシユのガイド溝に嵌合される対向板
と、上記サツシユロアーに設けられた窓ガラスを
ガイドする溝の延長溝とを形成したので、組立作
業が簡単となり軽量化が図れ、かつ、被い部材と
サツシユとの間から水漏れ、空気漏れ等が発生し
なくなり、信頼性を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の自動車用窓ガラスのガイド部品
の一例を示す側面図、第２図ないし第６図は本考
案による自動車用窓ガラスのガイド部品の一実施
例を示す側面図、正面図、断面図、第７図は本考
案の他の実施例を示す側面図である。 １０……サツシユロアー、１２……対向板、１
３……溝、１５……被い部材、１６……対向板、
１８……溝、２１……ボス、２２……ねじ穴。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 自動車のドアを構成するインナーパネルとア
   ウターパネルとの間に取付けられ、窓ガラスを
   上下方向にガイドする溝を有するサツシユロア
   ーと、ドアパネルに取付けられたサツシユによ
   り形成される窓開口部の前又は後の三角形状コ
   ーナ部を被う被い部材とを合成樹脂により一体
   化するとともに、上記被い部材には互いに対向
   する如く形成されて上記ドアサツシユのガイド
   溝に嵌合される対向板と、上記サツシユロアー
   に設けられた窓ガラスをガイドする溝の延長溝
   とが形成されて成ることを特徴とする自動車用
   窓ガラスのガイド部品。 (2) 上記２枚の対向板の間に、この対向板をサツ
   シユ側に固定するねじ穴を有するボスが形成さ
   れてなる実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   自動車用窓ガラスのガイド部品。