JPS646455Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、流入路と流出路間を連通遮断する４
個の主弁体の背部に形成した流体室のパイロツト
流体をパイロツト切換弁により制御して主弁体を
作動し、供給路と２個の負荷路および排出路間の
流体の流れ方向を切換える方向制御弁装置に関す
る。

従来のこの種方向制御弁装置は、パイロツト切
換弁として４ポート３位置切換弁を１個、または
４ポート２位置切換弁を１個あるいは２個に選択
設置したりして中立位置での異なる切換機能を得
るようにしている。ところが、パイロツト切換弁
の選択設置により中立の切換位置での異なる切換
機能を得るようにしているため主弁体を有する主
弁本体に種々のパイロツト切換弁をしかも個数を
変更して設置可能に流路を設けなければならず、
構成が複雑で容易に製作できないと共に変更作業
が面倒である問題点があつた。

本考案は、かかる問題点を解決するもので、パ
イロツト切換弁を選択設置することなく中立の切
換位置での切換機能の変更が容易に得られるよう
にした方向制御弁装置を提供するものである。

このため、本考案は、圧力流体を供給する供給
路と流体アクチユエータに接続する２個の負荷路
および低圧側に接続する排出路を有した主弁本体
内に、供給路へ連通の流入路と一方の負荷路へ連
通の流出路間を連通遮断する第１の主弁体と、供
給路へ連通の流入路と他方の負荷路へ連通の流出
路間を連通遮断する第２の主弁体と、一方の負荷
路へ連通の流入路と排出路へ連通の流出路間を連
通遮断する第３の主弁体と、他方の負荷路へ連通
の流入路と排出路へ連通の流出路間を連通遮断す
る第４の主弁体とを収装し、４個の主弁体の背部
に各流入路と絞り連通して流体室を形成した主弁
と、パイロツト流体を低圧側へ導出するパイロツ
ト導出路と４個の切換路とを有して内部に設けた
パイロツト弁体の操作により４個の切換路をパイ
ロツト導出路と連通遮断するよう設けたパイロツ
ト切換弁と、主弁とパイロツト切換弁間に介設し
主弁の各流体室へ連通する４個の流路とパイロツ
ト切換弁の各切換路へ連通する４個の流路とを側
面に開口して設けた流路形成部材と、流路形成部
材の各流路が開口する側面に着脱自在に取付けす
る複数個の切換部材とを具備し、切換部材は流路
形成部材の側面に変更取付けすることにより主弁
の流体室へ連通する４個の流路とパイロツト切換
弁の切換路へ連通する４個の流路との接続を選択
して主弁の各流体室とパイロツト切換弁の各切換
路間の連通を異ならせるよう設けて中立の切換位
置での異なる切換機能を得るようにして成る。

かかる本考案の構成において、主弁とパイロツ
ト切換弁間に介設の流路形成部材の側面に着脱自
在に取付けした複数個の切換部材を変更取付けす
ることで、主弁の各流体室に連通して流路形成部
材の側面に開口する流路とパイロツト切換弁の各
切換路に連通して流路形成部材の側面に開口する
流路との接続が変更され、主弁の各流体室とパイ
ロツト切換弁の各切換路間の連通を異ならせて中
立の切換位置での異なる切換機能を得ている。こ
のため、パイロツト切換弁を選択設置することな
く同一のパイロツト切換弁で中立の切換位置での
切換機能を容易に変更することができる。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。第１図において、１は主弁で、圧力流体を
供給する供給路Ｐと流体アクチユエータに接続す
る２個の負荷路Ａ，Ｂおよび低圧側に接続する排
出路Ｒを有する主弁本体２内に、４個のポペツト
弁体からなる主弁体３，４，５，６を収装してお
り、第１の主弁体３は供給路Ｐへ連通の流入路７
と負荷路Ａへ連通の流出路８間を、第２の主弁体
４は供給路Ｐへ連通の流入路９と負荷路Ｂへ連通
の流出路１０間を、第３の主弁体５は負荷路Ａへ
連通の流入路１１と排出路Ｒへ連通の流出路１２
間を、第４の主弁体６は負荷路Ｂへ連通の流入路
１３と排出路Ｒへ連通の流出路１４間をそれぞれ
連通遮断するよう設けている。各主弁体３，４，
５，６の背部には、流体室１５，１６，１７，１
８が形成され、各主弁体に設けた絞り通路１９，
２０，２１，２２を介し高圧側である流入路７，
９，１１，１３と絞り連通されてパイロツト流体
が導入されるようになつていると共に、各流入路
流出路間を遮断する方向に該主弁体を付勢するよ
うばね２３，２４，２５，２６をそれぞれ係装し
ている。（なお、絞り通路は主弁体に設けること
なく、主弁本体２に設けてもよい。）２７，２８
は逆止め弁でそれぞれ第１および第２の主弁体
３，４の流出路８，１０と第３および第４の主弁
体５，６の流入路１１，１３との間に介設し、負
荷路Ａ，Ｂの負荷圧が主弁体３，４に作用しない
ようにしている。２９は排出路Ｒへ連通する導出
路、（なお、導出路２９は単独で低圧側に接続す
るよう設けてもよい。）３０，３１，３２，３３
は流体室１５，１６，１７，１８へそれぞれ連通
する連通路で、これら導出路および各連通路は主
弁体２の一側面の平坦に設けた接合面３４に開口
形成されている。

３５は電磁弁からなるパイロツト切換弁で、パ
イロツト切換弁本体３６の主弁１側への接合面３
７に開口させてパイロツト流体を低圧側へ導出す
るパイロツト導出路３８および４個の切換路３
９，４０，４１，４２を設け、さらにパイロツト
切換弁本体３６の両端面にそれぞれ開口形成した
段付の孔４３，４４内にスリーブ部材４５，４６
を挿入設置している。各スリーブ部材４５，４６
の内部には、２個の切換路３９，４０あるいは切
換路４１，４２を前記パイロツト導出路３８にそ
れぞれ交互に切換連通するようパイロツト弁体と
してのスプール４７，４８を摺動可能に挿入して
いる。各スプール４７，４８は一端に係装のばね
４９，５０により一方の摺動端に付勢され、第１
のスプール４７は切換路３９とパイロツト導出路
３８間を遮断し切換路４０とパイロツト導出路３
８間を連通する切換位置に、第２のスプール４８
は切換路４１とパイロツト導出路３８間を遮断し
切換路４２とパイロツト導出路３８間を連通する
切換位置に保持されている。５１，５２はパイロ
ツト切換弁本体３６の両端へ配置した電磁気装置
で、励磁することによりばね４９，５０力に抗し
てスプール４７，４８を摺動し単独操作自在に設
けている。

５３は流路形成部材で、互いに平行な接合面５
４，５５を有して主弁１とパイロツト切換弁３５
間に介設可能に形成されており、パイロツト導出
路３８を導出路２９へ連通する流路５６を各接合
面５４，５５へ開口形成している。さらに流路形
成部材５３は、第１および第３の主弁体３，５の
流体室１５，１７に連通するよう接合面５４に開
口した流路５７，５８を左の側面５９に、第２お
よび第４の主弁体４，６の流体室１６，１８に連
通するよう接合面５４に開口した流路６０，６１
を右の側面６２にそれぞれ開口させて設けてい
る。また、パイロツト切換弁３５の各切換路３
９，４０，４１，４２に連通するよう接合面５５
に開口形成した流路６３，６４，６５，６６をそ
れぞれ分岐させて左右の各側面５９，６２に、す
なわち、流路６３，６６は流路５８，６０の開口
近傍に、流路６４，６５は流路５７，６１の開口
近傍にそれぞれ開口させて設けている。６７，６
８，６９，７０は、流路形成部材５３の各側面５
９，６２にボルト（図示せず）により着脱自在に
取付けた４個の切換部材で、切換部材６７は流路
５７を流路６４あるいは流路６５へ、切換部材６
８は流路５８を流路６３あるいは流路６６へ、切
換部材６９は流路６０を流路６３あるいは流路６
６へ、切換部材７０は流路６１を流路６４あるい
は流路６５へそれぞれ選択して接続するものであ
る。すなわち、第２図に一つの切換部材６７を詳
細に示す如く、流路形成部材５３の左の側面５９
に開口した流路５７の両側に開口する２個の流路
６４，６５のうち、一方の流路６５のみを流路５
７に接続するよう流通孔７１を設け、他方の流路
６４は閉止するようにしている。なお、７２，７
３，７４は取付面からの流体の外部洩れを防止す
るようＯリングを装着するＯリング装着溝、７５
は切換部材６７を流路形成部材５３の側面５９に
取付けるボルトの通し孔である。そして、前記主
弁１上に流路形成部材５３およびパイロツト切換
弁３５がボルト（図示せず）により着脱自在に積
層配設されている。

次に上記構成での作動について説明する。第１
図は、パイロツト切換弁３５の電磁気装置５１，
５２が非励磁の状態で、供給路Ｐに供給された圧
力流体は、流入路７，９に流入して一部がパイロ
ツト流体として絞り通路１９，２０を通り流体室
１５，１６へ導入されるが、流路５７，６５およ
び６０，６３を介し流体室１５，１６へ連通する
切換路４１，３９はパイロツト切換弁３５のスプ
ール４８，４７によりパイロツト導出路３８と遮
断されているため、流入路７，９の圧力と流体室
１５，１６の圧力とは平衡する。第１および第２
の主弁体３，４は、流入路７，９側と流体室１
５，１６側との受圧面積差に作用する流体圧力の
押圧力とばね２３，２４力を受けて供給路Ｐと各
負荷路Ａ，Ｂ間を遮断している。第３および第４
の主弁体５，６は、流体室１７，１８に導入する
パイロツト流体が連通路３２，３３、流路５８，
６６および６１，６４、切換路４２，４０を介し
スプール４８，４７によりパイロツト導出路３
８、流路５６、導出路２９、および排出路Ｒを通
り低圧側へ導出されるので、絞り通路２１，２２
により該主弁体の前後端側に差圧が生じて差圧に
基づく作用力でばね２５，２６力に抗し開作動し
て各負荷路Ａ，Ｂおよび排出路Ｒ間を互いに連通
する。すなわち第３図に示す如く中立の切換位置
ＸではABR接続の切換機能を奏するようになつ
ている。

次に電磁気装置５１を励磁すると、第１のスプ
ール４７のみがばね４９力に抗して摺動し、切換
路３９とパイロツト導出路３８間が連通されると
共に、切換路４０とパイロツト導出路３８間が遮
断される。流体室１６に導入したパイロツト流体
は低圧側に導出し流体室１８に導入したパイロツ
ト流体は閉止されるため、第２の主弁体４は流入
路Ｐと負荷路Ｂ間を連通し第４の主弁体６は負荷
路Ｂと排出路Ｒ間を遮断して、第３図に示す切換
位置Ｙの切換機能となる。

また、電磁気装置５１を消磁したのち電磁気装
置５２を励磁し第２のスプール４８を摺動すると
切換路４１とパイロツト導出路３８間が連通され
ると共に、切換路４２とパイロツト導出路３８間
が遮断される。流体室１５に導入したパイロツト
流体は低圧側に導出し、流体室１７に導入したパ
イロツト流体は閉止されるため、第１の主弁体３
は供給路Ｐと負荷路Ａ間を連通し第３の主弁体５
は負荷路Ａと排出路Ｒ間を遮断して、第３図に示
す切換位置Ｚの切換機能となる。

第４図は、第１図の方向制御弁装置と異なる切
換機能を奏するように切換部材６７，６８，６
９，７０を取付けた流路形成部材５３を示し、第
１図に示す方向制御弁装置のパイロツト切換弁３
５および流路形成部材５３を主弁１から取外すこ
となく２個の切換部材６８，７０のみを取外して
180度ほど回転して取付位置を変更させ再度取付
けている。第４図に示す流路構成を有する方向制
御弁装置は、流路５８が切換部材６８を介し流路
６３に接続し、流路６１が切換部材７０を介し流
路６５に接続するため、中立の切換位置では第５
図に示す如く、供給路Ｐ、負荷路Ａ，Ｂ、および
排出路Ｒ間が互いに遮断されるクローズドセンタ
の切換機能を奏し、パイロツト切換弁３５の操作
により切換路３９がパイロツト導出路３８に切換
連通されると、第５図の左側の切換位置となり、
またパイロツト切換弁３５の操作により切換路４
１がパイロツト導出路３８に切換連通されると、
第５図の右側の切換位置となる。

第６図は、さらに異なる流路構成を設けた流路
形成部材５３を示し、第１図に示す方向制御弁装
置における流路形成部材５３の２個の切換部材６
７，６９のみを取外して180度ほど回転して取付
位置を変更させ取付けている。第６図に示す流路
構成を有する方向制御弁装置は、流路５７が切換
部材６７を介し流路６４に接続し、流路６０が切
換部材６９を介し流路６６に接続するため、中立
の切換位置では第７図に示す如く、供給路Ｐ、負
荷路Ａ，Ｂ、および排出路Ｒが互いに連通するオ
ープンセンタの切換機能を奏し、パイロツト切換
弁３５の操作により切換路４０がパイロツト導出
路３８への連通を遮断されると、第７図の左側の
切換位置となり、また、パイロツト切換弁３５の
操作により切換路４２がパイロツト導出路３８へ
の連通を遮断されると、第７図の左側の切換位置
となる。

このように、本考案は、主弁とパイロツト切換
弁間に介設し主弁の各流体室へ連通する４個の流
路とパイロツト切換弁の各切換路へ連通する４個
の流路とを側面に開口して設けた流路形成部材の
各流路が開口する側面に着脱自在に複数個の切換
部材を取付け、切換部材は流路形成部材の側面に
変更取付けすることにより主弁の流体室へ連通す
る４個の流路とパイロツト切換弁の切換路へ連通
する４個の流路との接続を選択して主弁の各流体
室とパイロツト切換弁の各切換路間の連通を異な
らせるよう設けて中立の切換位置での異なる切換
機能を得るようにしているため、パイロツト切換
弁を選択設置することなく同一のパイロツト切換
弁で中立の切換位置での切換機能を容易に変更す
ることができる。また、主弁体の背部に形成した
流体室をその主弁体の流入路と絞り連通しパイロ
ツト切換弁の操作により流体室を低圧側と連通遮
断することで主弁体を作動しているため、パイロ
ツト切換弁、流路形成部材にパイロツト流体を導
入する導入路を格別必要とせず、流路構成を簡素
化することができる。

さらに、切換部材は主弁とパイロツト切換弁間
に介設する流路形成部材の側面に着脱自在に取付
けする小型のものでよく、組付後の変更取付けを
流路形成部材の側面外方の狭小な作業空間で得る
ことができ、装置の設置を広範囲にできる効果を
有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す方向制御弁装
置の縦断面図、第２図は切換部材の斜視図、第３
図は第１図の方向制御弁装置を示す記号、第４図
第６図は一部を省略した方向制御弁装置の他の例
を示す縦断面図、第５図、第７図は第４図、第６
図の方向制御弁装置を示す記号である。 １……主弁、２……主弁本体、Ｐ……供給路、
Ａ，Ｂ……負荷路、Ｒ……排出路、３，４，５，
６……主弁体、７，９，１１，１３……流入路、
８，１０，１２，１４……流出路、１５，１６，
１７，１８……流体室、３５……パイロツト切換
弁、３８……パイロツト導出路、３９，４０，４
１，４２……切換路、５３……流路形成部材、５
６，５７，５８，６０，６１，６３，６４，６
５，６６……流路、５９，６２……側面、６７，
６８，６９，７０……切換部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圧力流体を供給する供給路と流体アクチユエー
   タに接続する２個の負荷路および低圧側に接続す
   る排出路を有した主弁本体内に、供給路へ連通の
   流入路と一方の負荷路へ連通の流出路間を連通遮
   断する第１の主弁体と、供給路へ連通の流入路と
   他方の負荷路へ連通の流出路間を連通遮断する第
   ２の主弁体と、一方の負荷路へ連通の流入路と排
   出路へ連通の流出路間を連通遮断する第３の主弁
   体と、他方の負荷路へ連通の流入路と排出路へ連
   通の流出路間を連通遮断する第４の主弁体とを収
   装し、４個の主弁体の背部に各流入路と絞り連通
   して流体室を形成した主弁と、パイロツト流体を
   低圧側へ導出するパイロツト導出路と４個の切換
   路とを有して内部に設けたパイロツト弁体の操作
   により４個の切換路をパイロツト導出路と連通遮
   断するよう設けたパイロツト切換弁と、主弁とパ
   イロツト切換弁間に介設し主弁の各流体室へ連通
   する４個の流路とパイロツト切換弁の各切換路へ
   連通する４個の流路とを側面に開口して設けた流
   路形成部材と、流路形成部材の各流路が開口する
   側面に着脱自在に取付けする複数個の切換部材と
   を具備し、切換部材は流路形成部材の側面に変更
   取付けすることにより主弁の流体室へ連通する４
   個の流路とパイロツト切換弁の切換路へ連通する
   ４個の流路との接続を選択して主弁の各流体室と
   パイロツト切換弁の各切換路間の連通を異ならせ
   るよう設けて中立の切換位置での異なる切換機能
   を得るようにして成る方向制御弁装置。