JPS646419Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、回転装置の同軸的に支承された歯車
組のための一方向クラツチであつて、コイルばね
を備えており、コイルばねが両方の歯車に一体に
成形された円筒形の直径の互いに同じ付加部にプ
レロードをかけて配置されている形式のものに関
する。

回転装置若しくは回転装置に所属したモータの
申し分のない使用は、機械的な切換機能としての
回転方向転向の可能性を活用して、例えば回転装
置によつて駆動される、モータの特定の状態に属
する回転方向の少なくとも２つの構成ユニツトを
駆動装置から遮断できることを条件とする。この
ような条件は例えばタコグラフにあてはまり、そ
こでは車両の走行に際し距離カウンタ、距離記録
機構及び作業時間記録機構がステツプモータによ
つて駆動され、ステツプモータは車両の停止時に
も作業時間記録機構の引続き必要な操作のための
駆動を供給する。

回転方向に関連した連結は、周知のように一方
向クラツチ、例えば爪式遮断装置若しくは締付式
遮断装置を用いて行われる。このために、回転装
置を用いてわずかなトルクだけを伝達し、高い回
転数も著しい加速も生じない精密機械技術におけ
る多くの使用に際しては有利にはコイルばねクラ
ツチが用いられ、この場合連結しようとする伝動
部分が互いに相対的にコイルばねの巻付け方向に
運動させられると、コイルばねが連結しようとす
る伝動部分と摩擦結合され、クラツチが閉じら
れ、回転方向がコイルばねの巻付け方向と逆であ
りかつ所定の回転数で摩擦と付加的に締込まれた
ばね張力との間の釣り合いが生じると、クラツチ
は開いている。

コイルばねクラツチは前記爪式遮断装置及び締
付式遮断装置に比べて一面ではわずかな所要スペ
ース並びにわずかな構成及び組立て費用によつて
かつ他面では機能確実性、回転方向転向の際の極
めて小さい損失角及びわずかな騒音によつて優れ
ている。このことは、コイルばねが軸線方向のか
るいプレロードを似つて製作されておりかつ、使
用されるばね線材が正方形若しくは方形の横断面
を有している場合に特にあてはまる。

しかしながらこのようなコイルばねクラツチの
従来公知の構成においては、介在されるコイルば
ねに基づき同軸的に支承された両方の伝動部材間
の軸線方向の比較的に大きな間隔が維持されねば
ならない。このような構成は、空間活用のために
一般に望まれていることであるが歯車が唯一のプ
レートにいわば平行に配属され、従つて同軸的に
配置された歯車組の車部材が直接並べて配置され
ねばならない回転装置にとつては適しておらず、
特にさらに剛性的な歯車組を公知構造のコイルば
ねクラツチに所属する歯車組と交換することが不
可能であるから適していない。

考案が解決しようとする問題点 本考案の課題は、冒頭に述べた形式の一方向ク
ラツチを改善して、前述の欠点を取除き、一方向
クラツチが容易に製作可能なわずかな部分から成
るあらかじめ組立て可能な（有利には工具なしに
差込み可能な）ユニツトを構成しており、このユ
ニツトが剛性的な歯車組の組立てに対して付加的
な手段なしに回転装置の伝動係内に差はめられる
ようにすることである。

問題点を解決するための手段 前記課題を解決するために本考案の構成では、
一方の歯車が１つの支承孔及び円筒形の少なくと
も３つの付加部を備えた多段の軸に形成されてお
り、他方の歯車が歯環として軸の２つの付加部に
支承されたケーシングに一体成形されており、ケ
ーシング内にコイルばねに所属した支持座が形成
されており、軸とケーシングとの軸線方向の位置
確保のための手段が設けられている。

考案の利点 本考案によつて得られる利点は、課題が十分に
解決できたことはもちろんのことほかに、設けら
れたケーシングがコイルばねのためのカプセルを
成し、よごれ及びこれに基づく一方向クラツチの
摩擦状態の変化が十分に避けられ、かつ監視が不
要になる点にある。

本考案の有利な実施態様では、ケーシングが同
軸的に内外に配置されかつ端面で互いに結合され
た円筒形の長さの異なる２つのスリーブから構成
されており、外側のスリーブの内径が軸の最も大
きな付加部の直径に相応しており、短い方の内側
のスリーブの外径が軸の中間の付加部の直径と同
じであり、内側のスリーブの内径が軸の最も小さ
い付加部の直径に相応している。

さらに有利には、両方の歯車がそれぞれ比較的
に大きな支承調節距離を有しており、その結果大
きな支承許容差が選ばれる。従つて一方向クラツ
チが３つの部分だけで構成され、大量生産のため
の良好な適合性が得られかつ問題のない小型化に
基づき多面の使用が可能になる。さらに、歯環が
ケーシングの任意の箇所に形成されるので、本考
案の構成はコイルばねの長さに無関係に両方の歯
車の軸線方向の間隔に関連した選択可能性を提供
する。これに関連して大部分の範囲若しくは全長
にわたつてケーシングに歯を付けることも考えら
れ、これによつてケーシングの歯に係合する歯車
の位置が著しく無関係になる。

実施例 第１図から明らかなように、軸１には少なくと
も１つの歯車２及び円筒形の３つの付加部３，
４，５が射出成形技術によつて形成されている。
軸１は支承孔６を備えている。軸１若しくは軸の
付加部３及び５には同じく射出成形品として形成
されたケーシング８が支承され、軸１の付加部５
に例えば冷間すえ込みによつて結合されたすべり
プレート９によつて軸線方向で確保されている。
ケーシング８は歯環７を有している。歯環７若し
くは歯環の歯車室は本考案の実施例では意図的に
直接歯車２の歯車室に接続しているが、ケーシン
グ８の別の箇所に一体成形されていてもよい。

さらに第１図から明らかなように、ケーシング
８は、同軸的に内外に配置されかつ端面側で互い
に結合された長さの異なる円筒形の２つのスリー
ブ１０，１１を有している。この場合内側のスリ
ーブ（このスリーブの外径は軸１の付加部４の直
径と同じである）１１は付加部４と一緒に一様な
円筒面を形成しており、この円筒面上には横断面
方形のばね線材から成るコイルばね１２が軸線方
向にわずかにプレロードをかけてかるくプレスば
めされているのに対して、外側のスリーブ１０の
内孔は第１の支承孔１３を成しかつ内側のスリー
ブ１１の内孔はケーシング８の第２の支承孔１４
を成している。

第２図に示した本考案に基づく一方向クラツチ
は、差しはめるだけで互いに結合可能な３つの構
成部分から成つている。第２図では軸１に形成さ
れた環状隆起部１５が軸線方向の確保に役立つて
いる。環状隆起部はケーシング８の弾性変形可能
な付加部１６と若しくは付加部１６内に形成され
た溝と協働する。軸１に設けられた溝に、ケーシ
ング８に形成された係止フツクを係合させること
も考えられる。

第３図には精密加工技術による回転装置内への
本考案に基づく一方向クラツチの取付けを示して
ある。この場合力の流れは図示してないモータか
ら出発しており、モータの小歯車がプレート１７
に固定された軸１８に支承された歯車組１９，２
０の一方の歯車１９に係合している。一方向クラ
ツチのケーシング８に一体成形された歯環７とか
み合う他方の歯車２０を介して、駆動をコイルば
ね１２の巻付け方向に行うと、軸１が駆動され、
ひいては軸に一体成形された歯車２を介してこの
歯車とかみ合う歯車２１も駆動される。一方向ク
ラツチに配属してプレート１７に固定された軸が
符号２２で示してある。歯車２１は別の軸２３に
支承されており、この軸にはさらに歯車２１と回
動不能に結合された伝動部材２４が支承されてい
る。歯車２１と伝動部材２４との間に設けられた
ピン結合（図示せず）が一方向クラツチの軸線方
向の確保に役立つ。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に基づく実施例の断面図、第２
図は本考案に基づく別の実施例のスリーブと軸と
の間の差込み結合部の断面図、第３図は回転装置
内への本考案に基づく実施例の組込みを示す図で
ある。 １……軸、２……歯車、３，４及び５……付加
部、６……支承孔、７……歯環、８……ケーシン
グ、９……すべりプレート、１０及び１１……ス
リーブ、１２……コイルばね、１３……支承孔、
１５……環状隆起部、１６……付加部、１８……
軸、１９，２０及び２１……歯車。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 回転装置の同軸的に支承された歯車組のため
   の一方向クラツチであつて、コイルばねを備え
   ており、コイルばねが、両方の歯車に一体成形
   された直径の互いに同じ円筒形の付加部にプレ
   ロードをかけて配置されている形式のものにお
   いて、一方の歯車２が１つの支承孔６および円
   筒形の少なくとも３つの付加部３，４，５を備
   えた多段の軸１に形成されており、他方の歯車
   が歯環７として軸１の２つの付加部３，５に支
   承されたケーシング８に一体成形されており、
   ケーシング８内にコイルばね１２に所属した支
   持座が形成されており、軸１とケーシング８と
   の軸線方向の位置確保のための手段が設けられ
   ていることを特徴とする一方向クラツチ。 ２ ケーシング８が同軸的に内外に配置されかつ
   端面で互いに結合された円筒形の長さの異なる
   ２つのスリーブ１０，１１から構成されてお
   り、外側のスリーブ１０の内径が軸１の最も大
   きな付加部３の直径に相応しており、短い方の
   内側のスリーブ１１の外径が軸１の中間の付加
   部４の直径と同じであり、内側のスリーブ１１
   の内径が軸１の最も小さい付加部５の直径に相
   応している実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の一方向クラツチ。 ３ 軸１の中間の付加部４の端面とコイルばね１
   ２の支持座を形成する内側のスリーブ１１との
   間の間隙を制限するために、軸１にすべりプレ
   ート９が結合されている実用新案登録請求の範
   囲第１項又は第２項記載の一方向クラツチ。 ４ 軸１とケーシング８との位置確保のための手
   段が軸線方向で作用する係止部材から構成され
   ている実用新案登録請求の範囲第１項から第３
   項までのいずれか１項記載の一方向クラツチ。