JP3269275B2 - 歯車伝動装置 - Google Patents
歯車伝動装置Info
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- JP3269275B2 JP3269275B2 JP22920594A JP22920594A JP3269275B2 JP 3269275 B2 JP3269275 B2 JP 3269275B2 JP 22920594 A JP22920594 A JP 22920594A JP 22920594 A JP22920594 A JP 22920594A JP 3269275 B2 JP3269275 B2 JP 3269275B2
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Description
る。
二輪車のエンジンの一次伝動装置を図9に示す。図9
は、自動二輪車のエンジンの断面図である。この一次伝
動装置は、機関取り出し口から変速機までの間の減速機
であり、動力取り出し軸としてのクランク軸aにキーb
を介して固定されたプライマリードライブギヤ(一次減
速小歯車)cと、カウンターシャフトfに設けられると
共にプライマリードライブギヤcと噛み合って、クラッ
チeを介してカウンターシャフトfに動力を伝えるプラ
イマリードリブンギヤ(一次減速大歯車)dとから構成
されている。
は、機関を小型で高出力にするためにエンジン回転数は
非常に高いものとなっている。そのため、エンジンの総
減速比を大きく取る必要があり、これに伴い、前記一次
伝動装置は大きな減速機となっている。したがって、従
来から前記一次伝動装置においては、エンジン回転数の
変動の際に特に顕著に発生するプライマリードライブギ
ヤcとプライマリードリブンギヤdとの噛合騒音が問題
になる。
来の一次伝動装置では、圧縮コイルスプリングgを介し
て、プライマリードリブンギヤdにシザーズギヤ(補助
歯車)hを取り付けるようにしている。すなわち、組み
込んだスプリングgの荷重によって、シザーズギヤhと
プライマリードリブンギヤdとがプライマリードライブ
ギヤcの歯を挟み込んだ状態、つまりバックラッシュが
常に零の状態でプライマリードライブギヤcと噛み合う
ようにし、これにより歯打音の低減を図っている。
来の一次伝動装置においては、外径の大きなプライマリ
ードリブンギヤdにシザーズギヤhが装着されているた
め、シザーズギヤhの形状もプライマリードリブンギヤ
dに合わせて外径が大きく薄いものとなっている。した
がって、シザーズギヤhの製作工程において熱処理ひず
みが出やすいなどの不都合が生じてしまう。
いので、回転変動に追従させるために、スプリングgの
荷重を大きな値に設定する必要があり、歯車における噛
合うなり音に対して装置が不利なものとなってしまう。
ラッチハウジングe1と一体的に設けられているもので
あるため、このプライマリードリブンギヤdにシザーズ
ギヤhを装着することはクラッチe周辺の構造を複雑に
してしまい、装置が高価なものになる、あるいは、シザ
ーズギヤhの組み付け作業が面倒になるという問題点も
ある。
点に鑑みてなされたものであって、補助歯車の製作およ
び組み付けが容易に行えると共に、噛合うなり音が最小
限に抑制される小型で安価な歯車伝動装置を提供するこ
とを課題とする。
の本発明の構成は次の通りである。すなわち、本発明
は、原動軸に設けた減速小歯車と、従動軸に設けられる
と共に前記減速小歯車に噛み合って前記原動軸から従動
軸にクラッチを介して動力を伝える減速大歯車とを備え
た歯車伝動装置において、前記原動軸を、エンジンのク
ランクケースの側壁に固定したボールベアリングにより
左右両側で回転自在に支持し、その原動軸に設けた減速
小歯車の側面にボス部を形成すると共に、その減速小歯
車と共に前記減速大歯車に噛み合う補助歯車を前記ボス
部に回転自在に嵌め合わせ、その補助歯車を前記減速小
歯車に対して回転方向に僅かにずらした状態で弾性体で
保持し、かつ、当該減速小歯車に前記原動軸上で隣接し
た部品の側面を前記補助歯車のスラスト受けとし、ナッ
トを前記原動軸の軸端に螺合することによってボールベ
アリングの内輪側面と上記ナットとの間に前記減速小歯
車及び隣接部品を原動軸の軸方向に固定したことを特徴
としている。
る。補助歯車を減速小歯車に対して回転方向に僅かにず
らした状態で弾性体で保持されているので、それら補助
歯車と減速小歯車は、減速大歯車との噛み合いにおい
て、弾性体の荷重により前記減速大歯車に挟持状態で噛
み合うようになって、バックラッシュが零の状態で前記
減速大歯車に動力を伝達する。これにより、原動軸の回
転数の変動による歯打音の低減が図れる。
車側に設けたので、補助歯車の形状が外径の大きい薄い
ものではなくなるため、補助歯車の製作工程での熱処理
ひずみ等の変形が少なくなり、補助歯車の製作が容易に
かつ精度良く行われる。
車自体の慣性力が小さくなるので、弾性体の荷重を大き
な値に設定することなく、回転変動に対する追従性が良
好になる。したがって、歯車における噛合うなり音が最
小限に抑制される。
部に嵌合すると共に弾性体で保持し、隣接部品の側面を
前記補助歯車のスラスト受けとするだけで、補助歯車が
装着されるので、補助歯車の周囲の構造が簡略化すると
共に補助歯車の組み付けも簡単に行える。
する。本実施例は、本発明を自動二輪車用エンジンに適
用したものである。図1は、第1実施例に係るエンジン
の断面図である。図2は、図1におけるA部拡大図であ
る。図3は第1実施例の変形例を示す図2相当図であ
る。図4は、図2におけるIV-IV断面図である。図5
は、第1実施例に係るプライマリードライブギヤを示す
図であって、(a)は縦断面図、(b)は正面図であ
る。図6は、第1実施例に係るシザーズギヤを示す図で
あって、(a)は正面図、(b)は縦断面図である。
図2に示すように、エンジンにおける動力取り出し側の
原動軸であるクランクシャフト2に設けられたプライマ
リードライブギヤ(減速小歯車の一例)4と、カウンタ
ーシャフト(従動軸の一例)6に設けられると共にプラ
イマリードライブギヤ4に噛み合ってクランクシャフト
2からカウンターシャフト6に動力を伝えるプライマリ
ードリブンギヤ(減速大歯車の一例)8とを備えるもの
である。
4に示すように、プライマリードライブギヤ4の側面に
ボス部10を形成し、かつ、プライマリードライブギヤ
4と共にプライマリードリブンギヤ8に噛み合うシザー
ズギヤ(補助歯車に相当)12をボス部10に回転自在
に嵌め合わせ、このシザーズギヤ12をプライマリード
ライブギヤ4に対して回転方向に僅かにずらした状態で
圧縮コイルスプリング(弾性体の一例)14で保持する
と共に、プライマリードライブギヤ4にクランクシャフ
ト2の軸上で隣接したオイルポンプドライブギヤ(隣接
した部品の一例)16の側面をシザーズギヤ12のスラ
スト受けとしたものである。
に、クランクケース18の側壁に固定されたボールベア
リング20,20により左右両側で回転自在に支持され
たものであって、その軸方向中央部には、ピストン22
が上端に設けられたコンロッド24の大端部が連結され
ている。また、図2に示すように、クランクシャフト2
の一側の軸端には、プライマリードライブギヤ4および
オイルポンプドライブギヤ16をクランクシャフト2に
結合するためのキー26のキー溝26aが形成されてい
る。
(a)および同(b)に示すように、前記キー26のキ
ー溝26bを有するものであり、そのエンジン外側寄り
の側面には、前記ボス部10が一体に突設されている。
ボス部10には、スプリング用スリット10aが回転方
向に3箇所設けられている。
(b)に示すように、前記ボス部10の幅寸法よりもや
や小さい幅寸法に設定され、前記ボス部10の外径より
も僅かに大きな内径寸法を有するものである。また、そ
の内径部には、ボス部10の三つのスリット10aにそ
れぞれが対応する三つのスリット12aが形成されてい
る。対応するスリット10aとスリット12aとは、シ
ザーズギヤ12の歯とプライマリードライブギヤ4の歯
とを側面視で合わせた状態で、互いに回転方向に約1m
mずれるように配置され形成されている。
示すように、キー26を介してクランクシャフト2に結
合されると共にオイルポンプドリブンギヤ28と噛み合
うことによって、潤滑等に使用されるオイルの循環を行
うためのオイルポンプ(図示略)をクランクシャフト2
の回転を利用して作動させる。なお、図2に示すオイル
ポンプドライブギヤ16は、その面取り16a側の側面
をシザーズギヤ12側に向けて従来と同じ向きで嵌めた
ものであるが、これに対して、図3に示すようにオイル
ポンプドライブギヤ16の側面に面取りを設けずにスト
レート形状として、そのストレートの側面でスプリング
14を確実に支えるようとしてもよい。
クランクシャフト2に組み付けられる。 ボス部10が軸端側を向くようにプライマリードライ
ブギヤ4をクランクシャフト2に嵌めると共に、キー溝
26a,26bに亙ってキー26を挿入する。 カウンターシャフト6にプライマリードリブンギヤ8
を嵌める。 シザーズギヤ12をプライマリードライブギヤ4のボ
ス部10に嵌め、ボス部10のスリット10aとこれに
対応するスリット12aとを合わせてその間にスプリン
グ14を装入する。 オイルポンプドライブギヤ16を所定の向きでクラン
クシャフト2に嵌めた後、ナット30をクランクシャフ
ト2の軸端に螺合することによって、ボールベアリング
20の内輪側面とナット30との間に、オイルポンプド
ライブギヤ16およびプライマリードライブギヤ4を軸
方向に固定する。
ズギヤ12は、プライマリードライブギヤ4の側面とオ
イルポンプギヤ16の側面との間に挟まれた状態となる
が、シザーズギヤ12の幅寸法がボス部10の幅寸法よ
りもやや小さく設定されているため、スプリング14で
保持されているがスプリング14の荷重に抗して回転自
由の状態となっている。
車伝動装置によれば、前述したようにスリット12aと
スリット10aとが僅かに回転方向にずれているため、
スプリング14を組み込んだ状態において、プライマリ
ードライブギヤ4の歯とシザーズギヤ12の歯との間に
は、スプリング14の荷重によりプライマリードリブン
ギヤ8の歯を挟む力が生じ、これによりプライマリード
ライブギヤ4とプライマリードリブンギヤ8との噛み合
い状態はノーバックラッシュとなる。
車側、つまりプライマリードライブギヤ4側に設けてク
ランクシャフト2の回転数の変動による歯打音が低減さ
れるようにしたので、シザーズギヤ12の形状を外径が
大きく薄いものにする必要がなくなり、このため、シザ
ーズギヤ12の製作工程における熱処理ひずみ等の変形
が少なくなって、シザーズギヤ12の製作を容易にかつ
精度良く行うことができるようになる。
めシザーズギヤ12自体の慣性力が小さくなり、これに
よって、スプリング14の荷重を強く設定することな
く、回転変動に対する追従性が良好になる。したがっ
て、噛合うなり音を最小限に抑制することができる。
嵌合すると共にスプリング14で保持し、隣接部品であ
る既存のオイルポンプドライブギヤ16をシザーズギヤ
12のスラスト受けとするだけで、シザーズギヤ12が
装着されるので、シザーズギヤ12の周囲の構造を簡素
化することができ、またシザーズギヤ12の組み付けを
簡単に行うこともできる。
は第2実施例の歯車伝動装置を示す断面図である。図8
は図7におけるVIII-VIII断面図である。
ように、プライマリードライブギヤ4のベアリング20
側(エンジン中央側)の側面にボス部10を形成し、こ
のボス部10にシザーズギヤ12をスペーサー(隣接部
品の一例)34のボス部34aを介して回転自在に嵌め
合わせたものである。また、スペーサー34とシザーズ
ギヤ12とは、両端部それぞれがスペーサー34および
シザーズギヤ12に掛止されたねじりスプリング14A
により、弾性的に保持されている。さらに、シザーズギ
ヤ12の回転方向のずれが所定の数値に設定されるよう
に、スペーサー34のボス部34aとプライマリードラ
イブギヤ4のボス部10とは、ピン36により回転方向
に固定されている。なお、ピン36は、スペーサー34
とシザーズギヤ12との固定手段である以外に、組み付
け時にシザーズギヤ12が回り過ぎて歯ずれするのを防
止するための回り止めも兼ねている。
2は、ねじりスプリング14Aおよびピン36により、
プライマリードライブギヤ4に対して回転方向に僅かに
ずれた状態で弾性的に保持されるため、前記第1実施例
と同様に、プライマリードライブギヤ4の歯とシザーズ
ギヤ12の歯との間には、プライマリードリブンギヤ8
の歯を挟む力が発生し、プライマリードライブギヤ4と
プライマリードリブンギヤ8との噛み合い状態が第1実
施例と同様にノーバックラッシュとなる。
様な効果が得られると同時に、スプリングの部品点数が
一つで済むので、その分装置が簡素化し、装置の組み立
て作業がさらに容易になるという顕著な効果が得られ
る。また、部品点数削減のため、コストの低減も図れ
る。
明の好適な実施の態様であり、本発明の技術的範囲はこ
れらの実施例に限定されない。
の効果を得ることができる。補助歯車を減速小歯車に対
して回転方向に僅かにずらした状態で弾性体により保持
しているので、それら補助歯車と減速小歯車は、減速大
歯車との噛み合いにおいて、弾性体の荷重により前記減
速大歯車に挟持状態で噛み合うようになって、バックラ
ッシュが零の状態で前記減速大歯車に動力を伝達する。
これにより、原動軸の回転数の変動による歯打音の低減
を図ることができる。補助歯車を減速小歯車側に設けた
ので、補助歯車の形状が外径の大きい薄いものではなく
なるため、補助歯車の製作工程での熱処理ひずみ等の変
形が少なくなり、補助歯車の製作を容易にかつ精度良く
行うことができる。また、補助歯車の外径が小さいため
補助歯車自体の慣性力が小さくなるので、弾性体の荷重
を大きな値に設定することなく、回転変動に対する追従
性が良好になる。したがって、歯車における噛合うなり
音を最小限に抑制することができる。さらに、補助歯車
を減速小歯車のボス部に嵌合すると共に弾性体で保持
し、隣接部品の側面を前記補助歯車のスラスト受けとす
るだけで、補助歯車が装着されるので、補助歯車の周囲
の構造が簡略化すると共に補助歯車の組み付けも簡単に
行うことができる。
ある。
示す図であって、(a)は縦断面図、(b)は正面図で
ある。
て、(a)は正面図、(b)は縦断面図である。
る。
ある。
例) 6 カウンターシャフト(従動軸の一例) 8 プライマリードリブンギヤ(減速大歯車の一
例) 10 ボス部 12 シザーズギヤ(補助歯車に相当) 14 圧縮コイルスプリング(弾性体の一例) 14A ねじりスプリング(弾性体の一例) 16 オイルポンプドライブギヤ(隣接した部品の一
例) 34 スペーサー(隣接した部品の一例)
Claims (1)
- 【請求項1】 原動軸に設けた減速小歯車と、従動軸に
設けられると共に前記減速小歯車に噛み合って前記原動
軸から従動軸にクラッチを介して動力を伝える減速大歯
車とを備えた歯車伝動装置において、前記原動軸を、エンジンのクランクケースの側壁に固定
したボールベアリングにより左右両側で回転自在に支持
し、その原動軸に設けた 減速小歯車の側面にボス部を形
成すると共に、その減速小歯車と共に前記減速大歯車に
噛み合う補助歯車を前記ボス部に回転自在に嵌め合わ
せ、その補助歯車を前記減速小歯車に対して回転方向に
僅かにずらした状態で弾性体で保持し、かつ、当該減速
小歯車に前記原動軸上で隣接した部品の側面を前記補助
歯車のスラスト受けとし、ナットを前記原動軸の軸端に
螺合することによってボールベアリングの内輪側面と上
記ナットとの間に前記減速小歯車及び隣接部品を原動軸
の軸方向に固定したことを特徴とする歯車伝動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22920594A JP3269275B2 (ja) | 1994-09-26 | 1994-09-26 | 歯車伝動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22920594A JP3269275B2 (ja) | 1994-09-26 | 1994-09-26 | 歯車伝動装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0893886A JPH0893886A (ja) | 1996-04-12 |
JP3269275B2 true JP3269275B2 (ja) | 2002-03-25 |
Family
ID=16888471
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22920594A Expired - Fee Related JP3269275B2 (ja) | 1994-09-26 | 1994-09-26 | 歯車伝動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3269275B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102011122138A1 (de) * | 2011-12-22 | 2013-06-27 | PMG Füssen GmbH | Zahnradanordnung |
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-
1994
- 1994-09-26 JP JP22920594A patent/JP3269275B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0893886A (ja) | 1996-04-12 |
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