JPS644917B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はプリンタのハンマリセツト装置、特に
リセツトカムによつて付勢スプリングに抗してハ
ンマを各活字毎に印字待機状態に保持する形式の
プリンタにおける改良されたハンマリセツト装置
に関するものである。

情報処理装置あるいは電卓などの出力装置とし
て種々のプリンタが周知であるが、外周に複数の
活字が形成された活字ドラムに向つて所望の印字
時期にハンマを打印駆動する形式のフライングプ
リンタが小型プリンタとして好適であり、インク
リボンあるいはインクロールなどを用いて鮮明な
印字作用を行なうことができる。通常の場合、前
記ハンマの活字ドラムへの打印は付勢スプリング
により行なわれており、印字終了後にハンマを活
字ドラムから離して付勢スプリングに抗した印字
待機状態にリセツトする為にリセツトカムが用い
られている。そして、リセツトカムは活字ドラム
と同期してあるいは所望の印字サイクルに従つて
回転しており、この為に、プリンタの印字作動中
リセツトカムはハンマとの間で機械的な接触を繰
返すことが知られている。

従来のプリンタでは、前述したリセツトカムと
ハンマとの接触が各リセツト部において必ず繰返
され、リセツト部とハンマとの摺動接触による摩
耗及び接触抵抗による消費電力の増大そしてリセ
ツトカムとハンマとの衝突及び接触によるノイズ
の発生などの種々の問題が生じ、特に小型プリン
タにおいてはプリンタの耐久度が低下し、又、ノ
イズカバーを必要とするなど種々の問題が生じて
いた。

本発明は上記従来の課題に鑑みなされたもので
あり、その目的は、リセツトカムとハンマとの接
触を減少させ、耐久性にすぐれ且つノイズを低減
可能な改良されたプリンタのハンマリセツト装置
を提供することにある。

上記目的を達成する為に、本発明は、外周に複
数の活字が形成された活字ドラムに対向配置され
所望の印字時期に活字ドラムに向つて打印される
複数桁のハンマと、ハンマを活字ドラムに向つて
打印付勢する付勢スプリングと、各活字毎にハン
マを付勢スプリングに抗して活字ドラムから離し
印字待機状態にリセツトするリセツトカムと、ハ
ンマを印字待機状態に保持する保持部材と、印字
指令に基づいて保持部材によるハンマの拘束を解
除する電磁手段と、を含むプリンタのハンマリセ
ツト装置において、１印字周期毎にハンマを付勢
スプリングに抗して回動させハンマをリセツトカ
ムと接触しない退避状態に退避させる退避カムが
設けられ、ハンマと保持部材との間にはハンマを
印字待機状態に保持する第１の保持部とハンマを
退避状態に保持する第２の保持部とが形成されて
いることを特徴とする。

以下図面に基づいて本発明の好適な実施例を説
明する。

第１，２図には本発明のハンマリセツト装置が
組込まれたプリンタの好適な第１実施例が示さ
れ、図のプリンタでは印字指令に基づいてハンマ
を印字待機状態から解除する電磁手段が３桁毎に
１個ずつ設けられている３桁１電磁手段型のプリ
ンタが用いられている。

活字ドラム１０は図示していない駆動モータに
よつて印字作動中連続回転され、その外周に形成
されている複数の活字が所定の順序で印字位置を
通過する。そして、活字ドラム１０の印字位置に
対向して複数桁のハンマ１２が整列配置されてお
り、活字ドラム１０とハンマ１２との間に記録紙
１４及びインクリボン１６が挿入されている。各
ハンマ１２はそれぞれ付勢スプリング１８によつ
て活字ドラム１０側に常時付勢されており、所望
の選択されたハンマ１２が付勢スプリング１８の
勢力によつて活字ドラム１０に向つて打印される
と、そのとき印字位置にある活字が記録紙１４上
に印字される。

前記ハンマ１２を付勢スプリング１８に抗して
活字ドラム１０から離し印字待機状態に移動する
為にリセツトカム２０が設けられており、実施例
においてはリセツトカム２０を活字ドラム１０と
同期回転させる為、活字ドラム１０の回転駆動力
は歯車２２、ピニオン２４、歯車２６及びピニオ
ン２８を介してリセツトカム軸３０に伝達されて
いる。そして、歯車２２には活字検出板３２が固
定され、該活字検出板３２の近傍に設けられた検
出接点３４によつて活字ドラム１０の印字位置が
検出される。実施例において、活字配列は３桁の
ハンマ１２を１個の電磁手段で制御することか
ら、３桁毎の活字組内で各印字が行方向に1/3行
ピツチずつずれた配列からなり、前記活字検出板
３２もこの1/3印字ピツチのずれに対応した検出
パターンを有し、リセツトカム軸３０はその１回
転が活字ドラム１０の１活字ピツチと対応するよ
うに設定されている。

前記リセツトカム２０はその外周にリセツト部
を有し、該リセツト部がハンマ１２と接触するこ
とによつてハンマ１２を付勢スプリング１８に抗
して活字ドラム１０から離れた印字待機状態に移
動させるが、実施例においては、リセツトカム２
０にはその円周方向に沿つて３個のリセツト部２
０ａが設けられ、印字時にリセツトカム２０の落
込部２０ｂに落込んだハンマ１２のリセツト肩部
１２ａをいずれのリセツト部２０ａによつて印字
待機状態に押上げリセツトすることができる。

ハンマ１２の一端には保持アーム１２ｂが設け
られ、該保持アーム１２ｂは保持部材と係合して
ハンマ１２の印字待機状態を保持し、実施例にお
いて、保持部材は電磁手段３６のアーマチヤ３８
から形成されている。アーマチヤ３８は常時スプ
リング４０によつて第２図の時計方向に付勢され
ており、その先端がハンマ１２の保持アーム１２
ｂと係合することができる。実施例において、ア
ーマチヤ３８は互いに隣接する３桁のハンマ１２
と同時に係合し、アーマチヤ３８とリセツトカム
３０との両者によつて印字作用に供されるハンマ
１２を選択することができる。

アーマチヤ３８によるハンマ１２の印字待機状
態即ちハンマ１２の拘束状態を解除する為電磁手
段３６が設けられ、実施例においては、電磁手段
３６は電磁ソレノイドからなり、印字指令によつ
て電磁ソレノイドが励磁され、この結果アーマチ
ヤ３８が第２図の反時計方向に吸引されて３桁の
ハンマ１２群の拘束が解除され、このときリセツ
ト肩部１２ａがリセツトカム２０の落込部２０ｂ
に対向している桁のハンマ１２のみが活字ドラム
１０に向つて打印駆動され、所望の印字作用を行
なうことが可能となる。

本発明において特徴的なことは、ハンマ１２が
前述した印字待機状態の他に退避状態をとること
であり、この退避状態では、ハンマ１２はリセツ
トカム２０と接触しない位置まで付勢スプリング
１８に抗して回動されるので、従来避けることが
できなつたハンマ１２とリセツトカム２０との衝
突及び接触を完全に除去し摩耗及びノイズが少な
く、且つ消費電力が低減可能なプリンタを得るこ
とができ、本発明において、前記ハンマ１２の退
避作用は１印字周期毎に行なわれる。

前述した退避作用を行なうため、本発明におい
ては、ハンマ１２の近傍に退避カム４２が設けら
れ、実施例において、全桁のハンマ１２が退避カ
ム４２によつて同時に退避状態に回動される。退
避カム４２の軸４４はその一端においてカムフオ
ロワ４６に固定されており、該カムフオロワ４６
は活字ドラム１０の一端に固定された作動カム４
８と係合しており、活字ドラム１０の一回転すな
わち１印字周期毎に作動カム４８がカムフオロワ
４６を介して退避カム４２を回動させ、印字休止
状態において前述した１印字周期毎の退避作用が
行なわれる。

本発明において、ハンマ１２の印字待機状態及
び退避状態の両位置を保持するため、ハンマ１２
と保持部材３８との間にはハンマ１２を印字待機
状態に保持する第１の保持部及びハンマ１２を退
避状態に保持する第２の保持部が形成されてお
り、図示した実施例においては、第１の保持部は
ハンマ１２の保持アーム１２ｂに設けられた第１
の保持部５０から形成され、同様に第２の保持部
は保持アーム１２ｂに設けられた第２の保持段５
２によつて形成されている。第１の保持段５０は
ハンマ１２を印字待機状態に浅く保持し、一方、
第２の保持段５２はハンマ１２を退避状態に深く
保持し、本発明において、この深い退避状態にお
ける保持により、第２図に示されるように、ハン
マ１２はリセツトカム２０との接触を完全に除去
することが可能となる。

本発明の実施例は以上の構成からなり、以下に
その作用を説明する。

本実施例の印字作用自体は従来と同様であり、
リセツトカム２０と電磁手段３６とによつて選択
されたハンマ１２が活字ドラム１０に向つて打印
駆動されることにより所望の選択された活字が印
字される。そして、ハンマ１２はリセツトカム２
０の回転により各活字毎に印字待機状態にリセツ
トされるのであるが、一般にこの種の形式のプリ
ンタでは、ハンマ１２と保持手段即ちアーマチヤ
３８との係合を確実にする為にリセツト部２０ａ
がハンマ１２を保持係合に必要な量以上押上げリ
セツトする構成からなり、この為に、各リセツト
部がハンマ１２と係合する度に衝突及び接触作用
を行ない、摩耗及びノイズの発生が著しかつた
が、本発明においては、１印字周期毎に退避カム
４２によつてハンマ１２をリセツトカム２０から
退避させるので、前述した接触を完全に除去する
ことが可能となる。

第３図には第１実施例のタイミングチヤートが
示され、時刻t₁〜t₇までの１印字周期Ｔ内におい
て所望の１行印字及び紙送りが行なわれる。すな
わち、時刻t₁においてモータＭの通電が行なわ
れ、この後、検出接点３４から得られるリセツト
パルスRP及びキヤラクタパルスCP₁，CP₂により
活字選択及び印字作用が行なわれる。従つて、実
際の印字区間t₃〜t₄までの間で印字及びリセツト
カム２０によるハンマ１２の印字待機状態へのリ
セツト作用が行なわれる。従つて、印字区間t₃〜
t₄までの間は、印字直後からハンマ１２が印字待
機状態に保持されるので、この区間においてはハ
ンマ１２とリセツトカム２０とは従来と同様に接
触を繰り返すこととなる。しかしながら、本発明
においては、印字終了後の紙送りPFと同時に時
刻t₄〜t₆までの間で前述した退避カム４２により
退避作用RSが行なわれ、この退避作用によつて
ハンマ１２は第２図で示されるようにリセツトカ
ム２０と接触しない位置に退避され、以降ハンマ
１２が印字作用に供されるまで継続的にこの無接
触状態が保たれる。周知のように、プリンタの全
桁中上位側の桁はほとんど印字作用に供されない
場合があり、このような場合、本発明によれば、
従来繰り返し無駄な接触が行なわれていた桁を完
全に無接触に保持することが可能となる。

第４，５図には本発明にかかるリセツト装置が
組み込まれたプリンタの第２実施例が示され、第
１実施例とほぼ同様の構成から成るので同一部材
には同一符号を付して説明を省略する。

前述した第１実施例では、退避カム４２が活字
ドラム１０と同期して回転駆動され、活字ドラム
１０の印字開始位置が特定の位置である場合に好
適であるが、第２実施例においては、任意の印字
位置から印字開始可能なプリンタに対しても本発
明が適用され、１印字周期の最後に必ずハンマの
退避作用が行なわれることを特徴とする。

前述したように、活字ドラム１０と退避カム４
２との相対関係を任意に選択するため、両者間に
は任意時期に係脱可能なクラツチが設けられ、実
施例において、歯車２６の軸５４にクラツチ５６
が設けられ、クラツチ５６の一端がカム５８、レ
バー６０・６２を介して退避カム軸４４に固定さ
れた作動レバー６４に連結されている。

従つて、第２実施例によれば、任意の印字位置
から印字が開始された場合においても、第５図に
示されるように、印字完了時刻t₄においてクラツ
チ５６を結合させ（GR）、ハンマ退避作用（RS）
を行なうことができる。

前述した各実施例においては、印字終了後から
ハンマ退避までの間、各リセツト部２０ａがハン
マ１２と接触するが、第６図の実施例に示される
ように、リセツトカム２０の円周方向に沿つて設
けられた複数のリセツト部のうち、少なくとも一
個を高いリセツト部６６ａとし、残りのリセツト
部を低いリセツト部６６ｂとすることにより、さ
らにリセツト部とハンマ１２との接触を軽減する
ことが可能となる。

そして、本実施例においては、前記高いリセツ
ト部６６ａと低いリセツト部６６ｂとに対応して
第１の保持部が深い保持部及び浅い保持部からな
り、実施例では、アーマチヤ３８に第２の保持段
５２とは別個に深い保持段５０ａ及び浅い保持段
５０ｂが設けられ両者によつて第１の保持段が形
成されていることを特徴とする。

即ち、第６図の実施例において、ハンマ１２の
リセツト肩部１２ａがリセツトカム２０の落込部
に落込んだ状態からリセツトカム２０が矢印で示
されるように反時計方向に回転するリセツト作用
を考えると、まず、ハンマ１２は低いリセツト部
６６ｂにより第１段目の押上げリセツトが行なわ
れ、浅い保持段５０ｂが保持アーム１２ｂと係合
して一応のリセツト作用が完了する。しかしなが
ら、この状態ではハンマ１２のリセツト肩部１２
ａは他の低いリセツト部６６ｂと接触することと
なり、摩耗及びノイズの発生を避けることはでき
ない。

本実施例は、この接触作用を除去する為、高い
リセツト部６６ａによりハンマ１２を更に押上げ
回動させ深い保持段５０ａを保持アーム１２ｂに
係合保持させることを特徴とする。高いリセツト
部６６ａによつてハンマ１２が深い保持状態にな
ると、以降ハンマ１２はもはや低いリセツト部６
６ｂとは接触することがなくなる。

以上のようにして、所望の印字作用が完了する
と、退避カム４２がハンマ１２を更に回動してそ
の保持アーム１２ｂがアーマチヤ３８に設けられ
た第２の保持段５２と係合し、第６図で示される
ような退避状態が得られる。

なお、第６図に示されるように、リセツトカム
２０の各リセツト部６６ａ・６６ｂ間のカム外周
を削る取ることにより、この間のハンマ１２とリ
セツトカム２０の外周との接触を防ぐことができ
る。

第７図には本発明の第４実施例が示され、前述
した各実施例と同一部材には同一付号を付して説
明を省略する。

第７図においては、リセツトカム２０が各印字
桁に対して１回転で２回のリセツト作用を行なう
構成からなり、電磁手段３６及び保持部材を形成
するアーマチヤ３８は各桁毎に設けることができ
る。そして、各桁毎にリセツトカム２０はその１
回転で２回の印字作用を可能とする。

尚、本発明においては第８図の実施例で示され
るように、ハンマ１２と保持部材であるアーマチ
ヤ３８との第１の保持部及び第２の保持部を両者
に設けられた段部にて形成することも可能であ
り、このように相対する両係合部にそれぞれ第１
の保持段及び第２の保持段を設けることによつて
両者の係合をより確実とすることが可能となる。
更に、第９図に示されるように、本発明の保持部
材を形成する保持レバー６８を電磁手段３６で直
接駆動することなく、保持レバー６８に一端が固
定されたトリガレバー７０を電磁手段３６によつ
て移動させ、トリガレバー７０を駆動カム７２に
よつて移動させ、保持レバー６８を間接的にハン
マ１２から係脱することも可能である。

以上説明したように、本発明によれば、リセツ
トカムとハンマとの係合接触を著しく軽減し、接
触部における摩耗及びノイズ発生を防止すること
が可能となり、また消費電力を軽減することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るリセツト機構が適用され
たプリンタの好適な実施例を示す要部斜視図、第
２図は第１図の作用説明図、第３図は第１図のタ
イミングチヤート図、第４図は本発明の第２実施
例を示す要部斜視図、第５図は第２実施例のタイ
ミングチヤート図、第６図、第７図、第８図、第
９図はそれぞれ本発明の他の実施例を示す要部説
明図である。 １０…活字ドラム、１２…ハンマ、１８…付勢
スプリング、２０…リセツトカム、２０ａ…リセ
ツト部、３６…電磁手段、３８…アーマチヤ（保
持部材）、４２…退避カム、５０…第１の保持段、
５２…第２の保持段。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 外周に複数の活字が形成された活字ドラムに
   対向配置され所望の印字時期に活字ドラムに向つ
   て打印される複数桁のハンマと、ハンマを活字ド
   ラムに向つて打印付勢する付勢スプリングと、各
   活字毎にハンマを付勢スプリングに抗して活字ド
   ラムから離し印字待機状態にリセツトするリセツ
   トカムと、ハンマを印字待機状態に保持する保持
   部材と、印字指令に基づいて保持部材によるハン
   マの拘束を解除する電磁手段と、を含むプリンタ
   のハンマリセツト装置において、１印字周期毎に
   ハンマを付勢スプリングに抗して回動させハンマ
   をリセツトカムと接触しない退避状態に退避させ
   る退避カムが設けられ、ハンマと保持部材との間
   にはハンマを印字待期状態に保持する第１の保持
   部とハンマを退避状態に保持する第２の保持部と
   が形成されていることを特徴とするプリンタのハ
   ンマリセツト装置。