JPS644249Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は分電盤に関するものである。

従来分電盤は、その扉を蝶番（ヒンジ）で開閉
自在に分電函に取付けていたが、扉の重量により
扉の開閉端部側が下がり、全体が傾いて外観を損
うという欠点があつた。これに対して、扉と分電
箱に凹凸部を形成して相嵌合させることにより扉
の傾きを防止するものが考えられた（たとえば実
開昭55−74207号）。しかし、扉が閉じるとき分電
函の開口縁に衝突して衝突面の塗装が剥がれ、美
観を損うとともに、凹凸部の取付構造が複雑で取
付けが容易でないという欠点があつた。

したがつて、この考案の目的は、扉の傾きを防
止するとともに扉の開閉に伴う扉の衝突部の塗装
のはがれを防止し、さらに凹凸部の取付構造が簡
単で取付け容易な分電盤を提供することである。

この考案の第１の実施例を第１図ないし第３図
に示す。すなわち、１は分電函、２は扉、３はハ
ンドル、４は中蓋、５は主幹ブレーカ、６は分岐
ブレーカ、７はヒンジであり、ハンドル３を把手
して扉２を開閉し、ブレーカ５，６の保守や制御
を行う。そして、この実施例は、扉２のハンドル
３側となる開閉端部の上下端の内側にゴム、合成
樹脂等のにより形成された段８ａ付突起を実施例
とする弾性体８を取付け、これに対向する分電函
１の開口縁１ａに弾性体８が嵌合する孔を実施例
とする凹部９を形成している。弾性体８は後端部
８ｂに周溝８ｃを形成し、扉２に形成した孔１０
に弾性体８の弾性を利用して後端部８ｂを押込
み、周溝８ｃを孔縁に係止させて取付ける。この
ように構成したため、扉２を閉じると弾性体８が
凹部９に嵌合するとともに、弾性体８の段部８ａ
が開口縁１ａの表面に弾接してクツシヨン作用を
果す。このため扉２が重量により傾くのを防止す
るとともに、開いた状態で傾くようなことがあつ
ても閉じた状態では弾性体８を凹部９に嵌合させ
ることにより、傾きを矯正できる。また段部８ａ
のクツシヨン作用により、扉２が開口縁１ａに直
接衝突することがないため、分電函１や扉２の表
面の塗装のはがれがなく、それに基づくさびの発
生がない。また、扉２に形成した孔１０に弾性体
８の周溝８ｃを押し込みにより嵌着したため、扉
２側の弾性体８の取付け構造が簡単でしかも弾性
体８の取付けが容易になる。

この考案の第２の実施例を第４図に示す。これ
は、分電函１の開口縁１ａにだぼを実施例とする
凸部１８を形成し、扉２に筒体を実施例とする弾
性体１１を第１の実施例と同じ手段により取付
け、扉２を閉じることにより筒体１１が凸部１８
に嵌合するとともに、弾性体１１の先端部で開口
縁１ａの表面に弾接してクツシヨン作用を果す。
その他は第１の実施例と同様である。

この考案の第３の実施例を第５図に示す。これ
は、第２の実施例の凸部１８に代えて、弾性体１
１と同じ弾性体の凸部１２を取付けたものであ
る。

この考案の第４の実施例を第６図に示す。これ
は、分電函１の開口縁１ａの端部を内側に折返し
片１３を折曲し、その表面側のみに孔を実施例と
する凹部１４を形成する。一方扉２に突起を実施
例とする弾性体１５を取付け、弾性体１５を凹部
１４に嵌合させ、かつその先端が折返し片１３に
弾接してクツシヨン作用を果す。その他は第１の
実施例と同様である。

この考案の第５の実施例を第７図に示す。これ
は、分電函１′が埋込型の場合であり、その開口
縁１′ａに形成した枠１６に第４の実施例と同構
成の孔１４′および折返し片１３′を形成し、孔１
４′に嵌合する弾性体１７を扉２に形成している。

以上のように、この考案の分電盤は、凹部また
は凸部を開閉側に設けた開口縁を有する分電函
と、前記開口縁にヒンジ付けされて前記開口縁に
閉じることにより前記凹部または凸部に嵌合する
とともに閉じ方向に弾接するクツシヨン用の弾性
体を設けた扉とを備え、前記扉の前記弾性体の取
付位置に孔を形成し、前記弾性体の後端部に前記
孔に押し込むことにより前記孔に嵌着する周溝を
形成したため、扉の孔に弾性体の周溝を嵌着する
ことにより弾性体が扉に取付けられるので、扉の
構造および製造が複雑にならず、しかも弾性体を
孔に押し込むことによりワンタツチで容易に取付
けできるとともに、扉の傾きを防止できかつ塗装
のはがれを防止できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の第１の実施例の斜視図、第
２図はその開扉状態の斜視図、第３図は凹凸嵌合
部を示す断面図、第４図は第２の実施例の凹凸嵌
合部を示す断面図、第５図は第３の実施例の凹凸
嵌合部を示す断面図、第６図は第４の実施例の凹
凸嵌合部を示す断面図、第７図は第５の実施例の
凹凸嵌合部を示す断面図である。 １，１′……分電函、１ａ，１′ａ……開口縁、
２……扉、５……主幹ブレーカ、６……分岐ブレ
ーカ、７……ヒンジ、８，１１，１５，１７……
弾性体、８ｂ……後端部、８ｃ……周溝、９，１
４，１４′……凹部、１０……孔、１２，１８…
…凸部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 凹部または凸部を開閉側に設けた開口縁を有
   する分電函と、前記開口縁にヒンジ付けされて
   前記開口縁に閉じることにより前記凹部または
   凸部に嵌合するとともに閉じ方向に弾接するク
   ツシヨン用の弾性体を設けた扉とを備え、前記
   扉の前記弾性体の取付位置に孔を形成し、前記
   弾性体の後端部に前記孔に押し込むことにより
   前記孔に嵌着する周溝を形成した分電盤。 (2) 前記弾性体は段付突起を有し、前記分電函の
   前記凹部は前記段付突起の突起が嵌合する孔で
   あり、前記扉を閉じることにより前記段付突起
   の段部が前記開口縁に弾接する実用新案登録請
   求の範囲第(1)項記載の分電盤。 (3) 前記弾性体は前記開口縁に弾接する筒体であ
   り、前記分電函の凸部は前記筒体に嵌合する実
   用新案登録請求の範囲第(1)項記載の分電盤。 (4) 前記分電函の前記凸部は弾性体である実用新
   案登録請求の範囲第(3)項記載の分電盤。 (5) 前記分電函の前記開口縁は内面側に折返し片
   を有し前記開口縁の表面側に孔を形成すること
   により前記分電函に前記凹部を形成し、前記弾
   性体は前記凹部に嵌合するとともに前記凹部の
   底部の前記折返し片に弾接する実用新案登録請
   求の範囲第(1)項記載の分電盤。