JP3979324B2 - トイレブースにおけるパネルエッジ及びその取付け構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトイレブースにおいて、ドアパネルの側端及び正面パネル側端に設けるパネルエッジ及び該パネルエッジの取付け構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ヒンジを介して開閉するトイレブースのドアパネル側端にはドアエッジが取付けられている。同じく正面パネルの側端となる戸当りには戸当りエッジが取着されている。これらドアエッジ及び戸当りエッジはパネル側端をカバーして外観を向上させると共に、接してもケガをしないように考慮したもので、その形状は一般に丸みを持っている。
【0003】
図4はトイレブースのドアパネル側端及び正面パネルの側端に取付けられている従来のドアエッジ(イ)及び戸当りエッジ(ニ)の具体例を示している。同図から明らかなように、ドアエッジ(イ)は滑らかな凸状をした概略半円弧断面の長尺材であり、該ドアエッジ(イ)はドアパネル(ロ)の側端にネジ止めされている。このエッジはドアパネル(ロ)に限らず正面パネル(ハ)にも戸当りエッジ(ニ)として取付けられ、該戸当りエッジ(ニ)もネジ止めされている。
【0004】
上記ドアエッジ(イ)及び戸当りエッジ(ニ)をこのようにネジ止めする場合、ネジ(ト)の頭が各エッジの表面から僅かに突出することがある。これはネジ(ト)を傾けて螺合した場合や、ドアパネル(ロ)の開閉に伴う衝撃によって緩み、その結果、頭が突出することが多い。該ドアエッジ(イ)及び戸当りエッジ(ニ)からネジ(ト)の頭が突出しているならば、衣服が突出した頭に引っ掛かって破くことがある。特にトイレのドアは入口が狭いこともあり、僅かに突出したネジ頭に引っ掛かるケースが多い。
【0005】
ところで、ドアエッジ(イ)及び戸当りエッジ(ニ)をネジ止めしないで取付けた構造も知られている。出願人が平成12年9月28日付けて行なった特許出願に係る「トイレブースにおけるパネルエッジの取付け構造」は、パネルエッジ(ドアエッジと戸当りエッジ)が本体とカバー材の2ピースから成り、本体は概略凹型断面の長尺材でパネル側端にビス止めされ、カバー材は概略コ型断面の長尺材であって、該カバー材は本体凹部に嵌めると共に両脚片を凹部内側に係止して取付けることが出来る構造と成っている。
【0006】
従って、本体に取付けられるカバー材の表面にはネジの頭が露出することはない。しかし、この取付け構造は本体とカバー材の2ピースが必要であり、製作コスト及び取付けコストは高くなり、本体を用いないでカバー材単独で取着出来る方が好ましい。そして、前記図4に示している戸当りエッジ(ニ)の場合も同様であるが、見付け寸法aが大きく成っていて、外観上好ましくない。
【0007】
又、ドアエッジ(イ)及び戸当りエッジ(ニ)には側縁(ホ)、(ホ)を両側に形成し、該側縁(ホ)、(ホ)はパネル両面を挟み込んでいて、表面(ヘ)、(ヘ)との間には段差を残している。この段差もドアパネル(ロ)及び正面パネル(ハ)の外観上好ましくない。凸状に湾曲しているドアエッジ(イ)は凹状に湾曲した戸当りエッジ(ニ)に一部カバーされる為に、見付け寸法は問題視されることは少ないが、戸当りエッジ(ニ)の見付け寸法aが小さくて、側縁(ホ)、(ホ)がなく、しかもネジ頭が露出しないパネルエッジの取付け構造が望ましい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のトイレブースを構成するドアエッジ及び戸当りエッジであるパネルエッジには上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこれら問題点であり、戸当りエッジ(ニ)の見付け寸法aが小さくて、側縁(ホ)、(ホ)がなく、しかもドアエッジ及び戸当りエッジを取付ける際に、ネジ頭が露出しないパネルエッジ及びその取付け構造を提供する。
【0009】
【課題を解決する為の手段】
本発明のパネルエッジであるドアエッジ及び戸当りエッジはその材質をアルミ製とし、側縁を有していない。すなわち、パネルエッジの幅はパネル厚さと同一寸法に成っている。その為に、パネルエッジの見付け寸法は小さくなり、ドアパネル及び正面パネルの外観は向上する。そして、該パネルエッジはパネル側端に位置決めされた状態でネジ止めされるが、ネジ頭は表面に露出しない構造と成っている。
【0010】
すなわち、底部をネジ止めして取付け、その為に表面部にはネジが底部へ挿通することが出来る開口を形成している。そして、ネジ止めした後の開口を塞ぐ為にモール材を嵌着する。このモール材はパネルエッジと同じアルミ材から成っている。又、パネル側端には凹溝を設け、パネルエッジの底部に設ける嵌合部は該凹溝に嵌合して取付けることも出来る。以下、本発明に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
【実施例】
トイレブースの形態にも色々あるが、一般的には壁面に対して垂直に据付けられる仕切りパネルの先端に正面パネルを垂直に取付け、所定の距離を隔てた隣の仕切りパネル先端に取付けた正面パネル間にはドアパネルを開閉可能に取付けている。従って、両仕切りパネルと正面パネル及びドアパネルにて仕切られ、所定のトイレブースが構成される。
【0012】
ドアパネルは片方の正面パネル下端と上端に取着されるヒンジに支持されて開閉することが出来る。そして正面パネル及び仕切りパネルは、床レールに配置したアジャスターに支えられている巾木に載って据え付けられ、各パネルの上端には笠木が取着される。勿論、上記床レールや巾木を用いることなく、仕切りパネル及び正面パネルを据付ける場合も多い。
【0013】
図1は本発明に係るパネルエッジの取付け構造を示している実施例である。同図の1はドアパネル、2a,2bは正面パネルを示し、該ドアパネル1は右側の正面パネル2bに取着されているヒンジ3に取付けられて開閉することが出来る。そしてドアパネル1の両側端にはドアエッジ4,4が取付けられ、又正面パネル2aの側端には戸当りエッジ5aが、正面パネル2bの側端には戸当りエッジ5bがそれぞれ取付けられている。
【0014】
上記ドアエッジ4は図2に示すように、平坦な底部6と円弧を成した凸状の表面部7a,7bが該底部6の両側から中央へ延び、両表面部7a,7b間は開口8を有している。表面部7a,7bの先端から底部側へ側片10a,10bを延ばし、該側片10a,10bの先端には当り9a,9bを中央側へ突出している。そして、両側片10a,10b及び当り9a,9bにて囲まれる空間11にはモール材12が嵌着される。ここで、ドアエッジ4及びモール材12は共にアルミ製であり、空間11に嵌着するならば外観的には一体化する。そして、塗装などの2次加工を施す場合にも、同質である為に処理し易くなる。
【0015】
該ドアエッジ4はドアパネル1の側端に当てがわれてネジ止めされるが、ネジは両表面部7a,7bの先端に設けている当り9a,9b間の開口8から挿入して底部6を固定する。従って、該底部6には一定間隔で穴が設けられている。ネジ止めされた後で、モール材12を空間11に嵌合するが、空間11を押し広げるようにして取着される為に、表面部7a,7bの弾性力が付勢されて外れることはない。
【0016】
図3は戸当りエッジ5bを示しているが、戸先側に位置する戸当りエッジ5aとはその形状が僅かに違っている。両戸当りエッジ5a,5bの形状の違いは、戸尻側ではドアパネル1の開閉動作に際して、ヒンジ3を中心としてドアエッジ4は回転運動するが、戸先側のドアエッジ4はヒンジ3を中心とした旋回運動であることに基づく。
【0017】
戸当りエッジ5bは同図に示すように、嵌合部13と円弧を成した凹状の表面部14a,14bが該嵌合部13の両側片15a,15bの先端に設けられ、両表面部14a,14b間には開口16を有している。表面部14a,14bの内側先端から嵌合部側へ側片17a,17bを延ばし、該側片17a,17bの先端には当り18a,18bを中央側へ突出している。そして、両側片17a,17b及び当り18a,18bにて囲まれる空間19にはモール材20が嵌着される。ここで、戸当りエッジ5b及びモール材20は共にアルミ製であり、空間19に嵌着するならば外観的には一体化する。そして、塗装などの2次加工を施す場合にも、同質である為に処理し易くなる。
【0018】
該戸当りエッジ5bは正面パネル2bの側端に当てがわれてネジ止めされるが、ネジは両表面部14a,14bの先端に設けている当り18a,18b間の開口16から挿入して嵌合部13の底片21を固定する。従って、該底片21には一定間隔で穴が設けられている。ネジ止めされた後で、モール材20を空間19に嵌合するが、空間19を押し広げるようにして取着される為に、表面部14a,14bの弾性力が該モール材20に付勢されて外れることはない。
【0019】
表面部14a,14bは滑らかに凹状湾曲し、嵌合部13の側片15a,15bの内側だけでなく、外側へも延びている。正面パネル側端には凹溝22が設けられ、該凹溝22に嵌合部13が嵌ってネジ止めされる。表面部14a,14bの先端23a,23bは、正面パネル2bの両表面との間に段差を生じることなく端面に当接する。すなわち、戸当りエッジ5bの幅は正面パネル2bの厚さと同一寸法に成っている。
【0020】
戸先側の正面パネル2aに取付けられる戸当りエッジ5aの場合も同じである。図1に示す戸当りエッジ5a,5bには嵌合部13を有し、正面パネル側端に形成した凹溝に嵌って取付けられ、ドアパネル1の両側端に取付けられるドアエッジ4,4には嵌合部を備えていないが、該ドアエッジ4の場合にも嵌合部を設けて凹溝に嵌る構造とすることは自由である。ただし、凹溝をドアパネルに形成することで継手となるヒンジが障害にならないようにすることは必要である。
【0021】
以上述べたように、本発明のパネルエッジは側縁を設けることなくパネル厚さと同一寸法とし、ネジ止めする為の開口を両表面部の間に設け、開口にはモール材を嵌着可能としたものであり、次のような効果を得ることが出来る。
【0022】
【発明の効果】
本発明のパネルエッジはパネル側端にネジ止めにて取付けられる。しかし、該ネジの頭が表面化しないように、表面部は間に開口を形成して該底部がネジ止めされる形態と成っている。そしてネジ止めした後は、モール材が両表面部間に形成した空間に嵌着され、ネジ頭はカバーされる。
【0023】
そして、本発明のパネルエッジはその幅がパネル厚さと同一でパネル表面に沿って延びる側縁を有していない為に見付け寸法が小さくなり、パネル外観ひいてはトイレブースの外観が向上する。又パネルエッジはアルミ製であると共に、空間に嵌るモール材も同じアルミ材質である為に、空間に嵌着するならば外観上は一体化し、一旦嵌着するならば容易に外れることはない。さらに、材質が同一である為に表面を塗装などで2次加工することも簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパネルエッジの取付け構造。
【図2】ドアエッジの具体例。
【図3】戸当りエッジの具体例。
【図4】従来のパネルエッジ取付け構造。
【符号の説明】
1 ドアパネル
2 正面パネル
3 ヒンジ
4 ドアエッジ
5 戸当りエッジ
6 底部
7 表面部
8 開口
9 当り
10 側片
11 空間
12 モール材
13 嵌合部
14 表面部
15 側片
16 開口
17 側片
18 当り
19 空間
20 モール材
21 底片
22 凹溝
23 先端
Claims (4)
- トイレブースを構成する正面パネル及びドアパネルの側端に底部をネジ止めすることで取着されるパネルエッジにおいて、該パネルエッジはアルミ製でその幅をパネル厚さと同一寸法とし、滑らかに湾曲した表面部を両側に設けると共に間には開口を形成して底部へ通じ、上記表面部先端にはパネル側端面側へ延びる側片及び該側片先端から中央側へ突出する当りにて囲まれる空間を有し、該空間にはアルミ製のモール材を嵌着したことを特徴とするトイレブースにおけるパネルエッジ。
- 上記底部に嵌合部を形成し、該嵌合部の底片をネジ止め可能にした請求項1記載のトイレブースにおけるパネルエッジ。
- トイレブースを構成する正面パネル及びドアパネルの側端にパネルエッジをネジ止めにて取付ける構造において、該パネルエッジはアルミ製でその幅をパネル厚さと同一寸法とし、滑らかに湾曲した表面部を両側に設けると共に間には開口を形成し、上記表面部先端にはパネル側端面側へ延びる側片及び該側片先端から中央側へ突出する当りにて囲まれる空間を有し、底部をパネル側端に当てがって開口から挿通するネジにてネジ止めし、そして上記空間にはアルミ製のモール材を嵌着したことを特徴とするトイレブースにおけるパネルエッジの取付け構造。
- 上記底部に嵌合部を形成し、該嵌合部をパネル側端に設けた凹溝に嵌めて嵌合部底片をネジ止めした請求項3記載のトイレブースにおけるパネルエッジの取付け構造。
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