JP7432780B2 - 扉の隙間遮蔽構造 - Google Patents

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Description

本発明は、扉の隙間遮蔽構造に関する。
公共の場に設置されるトイレブース等は、不意な開扉による人との衝突を防止するため、内開き扉とすることが一般的である。ところが、内開きの扉は、使用者が開扉空間に倒れ込むことにより解錠状態においても迅速な開扉が行えなくなる問題がある。このような課題を解決するものとして、扉と袖壁との隙間の目隠し機能を確保しながら、非常時における扉の外開きを可能とした技術が多く開示されている。例えば、目隠し突部を乗り超えるよう構成した特許文献1の指詰め防止用エッジ体、押圧力によって袖壁エッジ部材を変形させる特許文献2のトイレブースまたはシャワーブース用扉の開閉構造、目隠しとなる自在ピンが非常時に開き戸を両開きとする特許文献3の非常開錠機構、扉が移動可能な戸当たり部を押す特許文献4のトイレブース用扉枠、突片を室内側に弾性変形させて非常の際などに扉を室外側に開くことができるようにした特許文献5の内開き扉の遮蔽構造などが挙げられる。
特開2013-124481号公報(図2、段落0018) 特開2013-124485号公報(図5、段落0019、0027) 特開2014-141871号公報(図4、段落0020) 特開平10-280813号公報(図1、段落0015) 特開2002-121973号公報(図1、段落0025)
しかしながら、特許文献1の指詰め防止用エッジ体、特許文献2のトイレブースまたはシャワーブース用扉の開閉構造は、複雑な形状の成形品を扉と袖壁との双方の端面に設けなければならず、コストが高くなる。また、特許文献3の非常開錠機構、特許文献4のトイレブース用扉枠は、可動部品を必要とするため、構造が複雑となりコストが高くなるとともに長期に渡り作動信頼性を確保するのが難しい。また、特許文献5の内開き扉の遮蔽構造は、複数部品から組み立てられるため、構造が複雑となりコストが高くなると共に部品管理も煩雑となる。また、隙間遮蔽構造は、袖壁側に主要部材が設けられていると、常時見える状態となり、見栄えが低下した。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、簡素な形状で隙間の目隠しが可能となり、非常開放時には扉をスムーズに通過させることができ、しかも、見栄えを低下させることがない扉の隙間遮蔽構造を提供することにある。
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載の扉の隙間遮蔽構造は、出入口23を有する個室21を画成する壁パネル13と、
壁パネル13側に戸尻側が回転自在に支持されて、通常時は前記個室21の室内側へ開扉して前記出入口23を開放する扉15と、
前記壁パネル13に連結されて前記出入口23に臨み、戸当たりエッジ77が前記扉15の戸先エッジ27と隙間29を有して対向する袖パネル17と、
前記戸先エッジ79表面における室内33側に片寄った位置に取り付けられ、戸先上下に渡って延在し、前記隙間29を遮って前記戸当たりエッジ77に向かって突出する可撓性を有する目隠し片75と、
を備えるとともに、
前記目隠し片75は、前記扉15の板厚の範囲内であって、前記室内33寄りで、かつ前記扉15の内面寄りに位置して、前記扉15の内面とほぼ平行に突出し、かつ前記戸当たりエッジ77方向に先端も含めて直線形状となって突出し、
前記戸当たりエッジ77は、前記袖パネル17の板厚T方向の略中央を頂点とする凸曲面を、室内33側に有し、
前記戸先エッジ79は、先端面が戸先平坦面81となり、該戸先平坦面81は、極めて緩いカーブ、又は前記扉15の表面に直交する平坦面で形成され、
前記扉15の戸尻エッジ51は、上下方向に連続する膨出部分を有し、該膨出部分は、扉厚方向の略中央が稜線となる凸曲面49よりなる蒲鉾状に形成され、
前記戸尻エッジ51に対向する袖パネル17には、戸尻対向エッジ57が設けられており、該戸尻対向エッジ57は、前記戸尻エッジ51の凸曲面49に沿う凹曲面59を有し、該凹曲面59は、扉厚方向の略中央から室外47側のみに形成され、室内33側には形成されていないことを特徴とする。
この扉の隙間遮蔽構造では、目隠し片75が、扉15の内面とほぼ平行となって戸当たりエッジ77に向かってほぼ真っ直ぐに突出し、戸先上下に渡って延在し、可撓性を有する、例えば帯状のヒレ部65を有して形成されている。一方、戸当たりエッジ77は、扉厚方向の略中央を頂点とする凸曲面49を少なくとも室内33側に有する。すなわち、戸当たりエッジ77は、凸曲面49の頂点から少なくとも室内33側が、角部の除去された湾曲面(R面)となる。この湾曲面では、頂点よりも室外側及び頂点よりも室内側が、凸曲面49の裾側となって隠れてしまう見隠(みえがくれ)となる。つまり、隙間29から目視できなくなる。目隠し片75は、先端が、この角部の除去された見隠(凸曲面49の裾側)に接近して配置され、かつ視線69を遮るようにして突出、つまり隙間29を横断するように突出する。これにより、隙間29が、目隠し片75により遮られ、隙間29を通して個室21内を外部から覗けなくしている。
この扉の隙間遮蔽構造では、戸当たりエッジ77が凸曲面49を有することにより、凸曲面49の見隠により、簡素な構造で、目隠し片75の被りを確保しやすくすることができる。また、目隠し片75も、突出方向が扉15の内面とほぼ平行とされるとともに、単純な直線形状で形成でき、スッキリした外観となる。
そして、扉の隙間遮蔽構造は、閉扉時、戸当たりエッジ77と戸先エッジ79との隙間29が、目隠し片75により遮られ、また、目隠し片75の被りを確保しやすくすることができることで、隙間29を通して個室21内を外部から覗けなくできる。目隠し片75も、突出方向が扉15の内面とほぼ平行とされるとともに、単純な直線形状で形成でき、スッキリした外観となる。その結果、隙間遮蔽構造を簡素にできるとともに、目隠し片75を戸当たりエッジ77に引っ掛かりにくくできる。
さらに、扉の隙間遮蔽構造は、目隠し片75が、戸先エッジ79表面における室内側に片寄った位置に取り付けられている。扉15は、通常時、個室21の室内33側へ開扉された状態、所謂、常開状態となる。このため、扉15が出入口23を開放した開扉位置となり、目隠し片75は、壁パネル13側に寄ってる位置となり、出入口23側から視認されにくくなる。これにより、扉の隙間遮蔽構造は、通常時、余計な部材・構造部分が目に入らず、扉15や出入口23がスッキリした外観となる。なお、扉15が出入口23を閉じた状態となる常閉状態もあるが、その場合は、出入口23から、つまり扉15に向かった状態で個室21内方向を見た際には、隙間29を遮蔽するように目隠し片75が位置することになる。
本発明の請求項2記載の扉の隙間遮蔽構造は、請求項1に記載の扉の隙間遮蔽構造であって、
前記目隠し片75は、前記扉15の板厚より突出せず、該板厚方向における前記室内33側の該板厚の1/4範囲内に設けられていることを特徴とする。
この扉の隙間遮蔽構造では、目隠し片75が、扉15の内面とほぼ平行となって戸当たりエッジ77に向かってほぼ真っ直ぐに突出し、戸先エッジ79表面における室内側に片寄った位置である板厚の1/4範囲内に取り付けられ、先端が、戸当たりエッジ77の角部の除去された見隠である凸曲面49の裾側に接近して配置され、これにより視線69を遮るようにして突出、つまり隙間29を横断するように突出する。
扉15は、通常時、個室21の室内33側へ開扉された状態、所謂、常開状態となる。このため、扉15が出入口23を開放した開扉位置となり、目隠し片75は、壁パネル13側に寄ってる位置となり、出入口23側から視認されにくくなる。これにより、扉の隙間遮蔽構造は、通常時、余計な部材・構造部分が目に入らず、扉15や出入口23がスッキリした外観となる。
本発明の請求項3記載の扉の隙間遮蔽構造は、請求項1または2記載の扉の隙間遮蔽構造であって、
前記戸当たりエッジ77の前記凸曲面49を形成する曲率円Curは、直径Dが、前記袖パネル17の板厚Tの寸法よりも大きく、且つ前記曲率円Curは、直径Dが、前記袖パネル17の板厚Tの寸法の2倍よりも小さく設定されていることを特徴とする。
この扉の隙間遮蔽構造では、凸曲面49を形成する曲率円Curの直径Dが、袖パネル17の板厚Tより小さくなることによる凸曲面49の欠けが生じなくなる。また、凸曲面49を形成する曲率円Curの直径Dが、袖パネル17の板厚Tの2倍より大きくなることによる凸曲面49の平坦化が抑制される。すなわち、見隠の消失が防止できる。
本発明の請求項4記載の扉の隙間遮蔽構造は、請求項1~3のいずれか1つに記載の扉の隙間遮蔽構造であって、
前記目隠し片75は、前記扉15の強制的な逆方向の開放である非常開放時には、ヒレ部65が前記戸当たりエッジ77の凸曲面49に接触し、開放方向の移動を妨げずに屈曲変形するとともに、
前記目隠し片75は、前記扉15の非常開放状態から元の位置に戻す際にも、前記ヒレ部65が前記凸曲面49に接触して、逆方向に屈曲変形して、元の位置に復元する素材よりなることを特徴とする。
この扉の隙間遮蔽構造では、非常開放時に扉15が室外47側に開放されても、目隠し片75は、戸当たりエッジ77からの反力を受けて、容易に変形が可能となる。これにより、目隠し片75は、戸当たりエッジ77との干渉時における抵抗を抑制して、非常開放時のスムーズな開扉を実現させることができる。また、目隠し片75は、扉15を非常開放状態から元に戻す際にも、ヒレ部65が凸曲面49に接触し、逆方向に変形して、扉15の移動を妨げず、元の位置に復元され、非常開放時前の状態に復帰する。
なお、本発明の扉の隙間遮蔽構造では、前記目隠し片19が、先端に、前記扉15の開扉側へ向かう方向に屈曲した屈曲部73を有する構成としてもよい。
この扉の隙間遮蔽構造では、目隠し片19が、先端に、屈曲部73を有する。屈曲部73を有した目隠し片19は、平面視で略J字、略L字、或いは略ヘ字状となる。つまり、この先端の屈曲部73は、傾斜する目隠し片19に対して、さらに同方向に曲がって形成される。従って、屈曲部73は、非常開放時、目隠し片19が室外側へ移動する際、目隠し片19の傾斜方向への容易な変形を妨げない。また、目隠し片19は、この屈曲部73が形成されることにより、剛性が高まる。これにより、目隠し片19は、可撓性を有して容易な変形を許容しながら、へたりや、よれを生じにくくして、型崩れしにくくなり、変形による隙間を生じさせにくい。
また、本発明の扉の隙間遮蔽構造は、前記戸当たりエッジ25に、前記目隠し片19の先端が進入する凹部55が形成されている構成としてもよい。
この扉の隙間遮蔽構造では、目隠し片19は、戸当たりエッジ25の凹部55に進入する分、凹部55が無い場合に比べ、突出長を長く形成することができる。突出長が長い目隠し片19は、突出長が短い目隠し片19に比べ、非常開放時における局所的な変形量が小さくなる。これにより、目隠し片19は、非常開放時に、弾性限度に対して余裕を持たせて変形させることができる。つまり、目隠し片19は、変形時の荷重を小さくし、塑性変形を生じにくくできる。
さらに、本発明の扉の隙間遮蔽構造は、前記目隠し片19が、戸先上下に渡って延在し前記戸先エッジ27に取り付けられる基部63と、該基部63から延出して前記隙間29を遮って前記戸当たりエッジ25に向かって突出し、前記基部63よりも柔らかい素材により形成されるヒレ部65と、により形成される構成としてもよい。
この扉の隙間遮蔽構造では、目隠し片19が、比較的硬質の基部63と、この基部63よりも柔らかいヒレ部65とからなる。目隠し片19は、例えば、戸先エッジ27に形成された上下方向に延在するアリ溝部67に、このアリ溝部67とほぼ同一断面形状で形成した基部63が、戸先エッジ27の上端または下端から差し入れて、取り付けられる。目隠し片19は、基部63が硬質となることにより、真直性を維持し、戸先エッジ27への取付作業性が向上する。また、目隠し片19は、硬質の基部63が戸先エッジ27に保持されるので、基部63が軟質の場合に比べ、戸先エッジ27に対しての取付強度が大きくなる。そして、基部63が確実に固定された目隠し片19は、ヒレ部65が柔らかいので、非常開放時には、戸当たりエッジ25からの反力により容易に変形が可能となる。
本発明に係る請求項1記載の扉の隙間遮蔽構造によれば、簡素な形状で隙間の目隠しが可能となり、非常開放時には扉をスムーズに通過させることができ、しかも、見栄えを低下させることがない。
本発明に係る請求項2記載の扉の隙間遮蔽構造によれば、目隠し片が扉の内面と平行となって戸当たりエッジに向かって真っ直ぐに突出しているとともに、戸先エッジ表面における室内側に片寄った位置に取り付けられることとなり、扉厚方向の略中央を頂点とする凸曲面で形成される戸当たりエッジによって、目隠し片の先端が、戸当たりエッジの角部の除去された見隠である凸曲面の裾側に接近して配置されることとなり、これにより隙間を横断するように突出することとなり、つまり視線を遮るようにして突出することができる。
本発明に係る請求項3記載の扉の隙間遮蔽構造によれば、視線遮蔽効果の確保を確実にすることができる。
本発明に係る請求項4記載の扉の隙間遮蔽構造によれば、非常開放時に、目隠し片を曲がりやすく変形しやすくすることができ、戸当たりエッジとの干渉時における抵抗を抑制して、非常開放時のスムーズな開扉を実現させることができ、また、また、扉を非常開放状態から元に戻す際にも、ヒレ部が凸曲面に接触して逆方向に変形し、扉の移動を妨げず、元の位置に復元され、非常開放時前の状態に復帰することができる。
本発明の実施の形態1に係る扉の隙間遮蔽構造を備えたトイレブースの全体斜視図である。 図1に示したトイレブースの要部平断面図である。 扉の室内側の上部に戸当たり部材が設けられた隙間遮蔽構造の要部斜視図である。 非常開放時における戸当たり部材の動作説明図である。 扉により出入口が閉鎖されたトイレブースの要部平断面図である。 通常開放時の扉の開方向を示した平断面図である。 (a)は非常開放時に戸当たりエッジに目隠し片が接触した隙間遮蔽構造の平断面図、(b)は非常開放時に目隠し片が変形した隙間遮蔽構造の平断面図である。 実施の形態2において扉により出入口が閉鎖されたトイレブースの要部平断面図である。 実施の形態2において通常開放時の扉の開方向を示した要部平断面図である。 (a)は実施の形態2における非常開放時において戸当たりエッジに目隠し片が接触した隙間遮蔽構造の要部平断面図、(b)は非常開放時に目隠し片が変形した隙間遮蔽構造の要部平断面図である。 (a)は実施の形態2において通常の隙間が空いた隙間遮蔽構造の要部平断面図、(b)は(a)の隙間が狭められた状態となった要部平断面図である。 戸当たりエッジの室外側が戸先対向平坦面を有する実施の形態2の変形例を表す要部平断面図である。
以下、本発明に係る実施の形態を図面を参照して説明する。
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る扉の隙間遮蔽構造を備えたトイレブース11の全体斜視図である。
本実施の形態1に係る扉の隙間遮蔽構造は、壁パネル13と、扉15と、袖パネル17と、目隠し片19と、を主要な構成として有する。
本実施の形態1に係る扉の隙間遮蔽構造は、例えばトイレブース11に好適に適用される。トイレブース11は、壁パネル13により各個室21が仕切られる。壁パネル13の端には、直交方向の袖パネル17がT形或いはL形となって接続される。隣接する袖パネル17の間は、個室21の出入口23となる。袖パネル17は、出入口23に臨み戸当たりエッジ25が、扉15の戸先エッジ27と隙間29を有して対向する。壁パネル13は、出入口23を有する個室21を画成している。
出入口23を挟んで隣接する一方(例えば室外から出入口23に向かって右側)の袖パネル17には、扉15が取り付けられる。扉15は、一方の袖パネル17を介して壁パネル側に支持される。なお、本実施の形態1では、扉15が一方の袖パネル17を介して壁パネル側に支持されるが、扉15は、直接、壁パネル13に支持されてもよい。また、図示しないが、室外から出入口23に向かって左側を戸尻側および吊元として構成することとしてもよい。扉15は、戸尻側である吊元がヒンジ軸31により一方の袖パネル17に回転自在に支持される。扉15は、室内33に向かって開扉され(図1中矢線A方向)、出入口23を開放する。つまり、内開きである。扉15は、通常の閉扉時、外方向への開放が扉15の上部に設けられて袖パネル17に当たる戸当たり部材35により規制されている。
扉15と袖パネル17は、表面材が例えばメラミン樹脂化粧板よりなる。これら扉15と袖パネル17は、例えば30mm程度の厚さで形成される。
図2は図1に示したトイレブース11の要部平断面図である。
扉15は、扉室内面に施解錠装置37を備える。施解錠装置37は、ロックボルト39を、袖パネル室内面に設けたストライク41に対して所定長のストローク43で進退して係止・係止解除可能となる。施解錠装置37は、扉室外面に表示板45を有する。表示板45は、ロックボルト39の施解錠状態を室外47へ表示する。この表示板45には、図示しないが非常開放時用のキー差込口が設けられている。施解錠装置37は、施錠状態において、室外47からキー差込口に非常解錠キーを挿入して回すことにより解錠、すなわち、ロックボルト39の後退が可能となっている。
扉15の吊元は、扉15の上部及び下部に挿入されるヒンジ軸31が、袖パネル17に固定される支持アングルにより回転自在に支持される。なお、上部のヒンジ軸31には、図示しないが抜け止めプレートが装着され、この抜け止めプレートを外すことにより、ヒンジ軸31を抜いて、扉15の吊元側の取り外しが可能な構造とすることもできる。
図3は扉15の室内側の上部に戸当たり部材35が設けられた隙間遮蔽構造の要部斜視図である。
戸当たり部材35は、通常時の閉扉で、袖パネル17に当たり、扉15の外側(室外側)への開扉を規制している。この戸当たり部材35は、上から押し下げると下方へスライドが可能となる(図3中破線で示す)。戸当たり部材35は、下側へのスライド位置で、室内33への揺動(図3中矢線B方向)が可能となる機構を備えている。
図4は非常開放時における戸当たり部材35の動作説明図である。
戸当たり部材35は、非常開放時、下側へスライドすることにより、扉15の規制を解除し、扉15の外開き(図4中矢線C方向)を可能としている。
図5は扉15により出入口23が閉鎖されたトイレブース11の要部平断面図である。
扉15は、戸先エッジ27が、上下方向に連続する膨出部分を有する。膨出部分は、扉厚方向の略中央が稜線となる凸曲面49、所謂蒲鉾状に形成されている。戸先エッジ27は、この凸曲面49を有することで、袖パネル17に設けられた戸当たりエッジ25との隙間29を狭めている。なお、本実施の形態1では、扉15の戸尻エッジ51も同様の凸曲面49を有して形成されている。
戸当たりエッジ25は、戸先エッジ27に対向する袖パネル17の端面に設けられる。戸当たりエッジ25は、扉厚方向の略中央が戸先エッジ27に接近する方向に突出した隆起部53が形成される。戸当たりエッジ25は、この隆起部53の室内側及び室外側の出隅部分となる位置が凹部55となっている。戸当たりエッジ25は、隆起部53を挟んで室内側の凹部55と、室外側の凹部55とが対称となる形状に形成される。これにより、戸当たりエッジ25は、扉15の左右開きの何れにも対応可能となっている。この凹部55の作用については、後に述べる。
なお、本実施の形態1では、戸尻エッジ51に対向する袖パネル17に、戸尻対向エッジ57が設けられている。戸尻対向エッジ57は、戸尻エッジ51の凸曲面49に沿う凹曲面59を有する。凹曲面59は、扉厚方向の略中央から室外側のみに形成され、室内側には形成されていない。これにより、扉15は、通常時の室内側への開扉角度が、非常時の室外側への開扉角度よりも大きく確保される。戸尻対向エッジ57は、凹曲面59を有することにより、戸尻エッジ51との隙間を狭めつつ湾曲させ、戸尻エッジ51と袖パネル17との間から室内33を覗くのを防止する目隠しとして機能する。
戸先エッジ27、戸当たりエッジ25、戸尻エッジ51、及び戸尻対向エッジ57は、戸先や戸尻の上下に渡って延在する直線の帯板状に形成される。これら戸先エッジ27、戸当たりエッジ25、戸尻エッジ51、及び戸尻対向エッジ57は、例えば、アルミニウム形材からなり、図5に示すように、扉厚方向の略中央が固定ビス61により扉15や袖パネル17の木口に固定される。固定ビス61は、戸先や戸尻の上下に所定間隔で複数設けられる。
目隠し片19は、戸先エッジ27の表面における室内側に片寄った位置に取り付けられ、戸先上下に渡って延在する。目隠し片19は、戸当たりエッジ25に向かって突出することにより、隙間29を狭め、遮る。目隠し片19は、ゴムやエラストマー、軟質樹脂により形成され、可撓性を有する。
目隠し片19は、基部63と、ヒレ部65と、を有する。基部63は、戸先上下に渡って延在し、戸先エッジ27に取り付けられる。基部63は、延在方向に直交する断面形状が、T字状に形成される。ヒレ部65は、戸先上下に渡って延在する。ヒレ部65は、基部63から戸当たりエッジ25に向かって突出し、隙間29を狭める。ヒレ部65は、基部63よりも柔らかい素材により形成される。一方、基部63は、ヒレ部65よりも硬い素材により形成される。基部63とヒレ部65とは、硬度の異なる同素材にて一体成形されてもよく、別体で成形したものを接合してもよい。
戸先エッジ27は、凸曲面49の室内側に、基部63の係合するアリ溝部67が形成される。目隠し片19は、戸先エッジ27に形成された上下方向に延在するアリ溝部67に、このアリ溝部67とほぼ同一断面形状で形成した基部63が、戸先エッジ27の上端または下端から差し入れて、取り付けられる。目隠し片19は、基部63が、扉15の端縁で、通常開放方向側に寄った位置(面)に固定される。目隠し片19は、戸当たりエッジ25との間の離間距離を維持したまま、通常の扉15の開閉時には戸当たりエッジ25と接触・当接しない。目隠し片19は、ヒレ部65の先端が隙間29に延伸して室内外方向の視線69を阻む。
目隠し片19は、扉15の開扉側へ向かう方向に傾斜する。ここで、図5において、戸先エッジ27の表面から目隠し片19が突出する点を通り、扉15の内面と平行な水平方向の仮想線71を考える。目隠し片19は、この仮想線71に対して所定の角度θを有して室内側へ倒れ(傾斜し)ている。扉15は、非常開放時、室外側へ開かれる。目隠し片19は、この非常開放時の開扉方向と反対側、すなわち、室内側に傾斜している。
目隠し片19は、先端に、扉15の開扉側へ向かう方向に屈曲した屈曲部73を有する。屈曲部73を有した目隠し片19は、平面視で略J字、略L字或いは略ヘ字状となる。つまり、目隠し片19は、傾斜する先端に対して、さらに同方向に曲がる屈曲部73を有している。
なお、目隠し片19は、この屈曲部73を省略してもよい。
目隠し片19は、戸先エッジ27に対して着脱自在で交換可能となる。すなわち、目隠し片19は、破損や汚損に対し、交換が可能となる。目隠し片19は、非常開放時に損傷する場合もある。その場合に目隠し片19は、交換される。交換方法は、アルミ型材よりなる戸先エッジ27に形成されたアリ溝部67の長手方向端部、例えば上端から目隠し片19を抜き取り、新たな目隠し片19を挿入、固定する。戸先エッジ27の端部、例えば上端には、キャップが嵌め込まれている。このキャップを取り外して、アリ溝部67を開放して交換する。目隠し片19は、基部63が押し込みやすさを確保できる硬さ、または真直性を維持する硬さを有する。これにより、目隠し片19は、基部63がアリ溝部67に対して交換しやすくなっている。
目隠し片19は、取り付けられる対象に応じて色が異なる構成としてもよい。例えば木目調などとすることができる。これにより、目隠し片19は、扉15や袖パネル17の組み合わせや色展開で種々のデザインに対応できるようになる。また、より目立たなくすることもできる。
戸当たりエッジ25には、上記の凹部55が設けられる。この凹部55には、目隠し片19の先端が進入する。より具体的には、目隠し片19は、先端の屈曲部73が、凹部55に配置される。戸先エッジ27から突出した目隠し片19は、先端の屈曲部73が凹部55に配置されることにより、隙間29を通して室内33を覗く視線69の範囲を遮ることができる。
図6は通常開放時の扉15の開方向を示した平断面図である。
凹部55は、より正確には、隆起部53を挟んで扉厚方向の両側に形成される段部となる。すなわち、段部は、隆起部53の反対側が扉厚み方向と平行な平坦面となる。これにより、戸先エッジ27は、扉15が室内側(図6中矢印A方向)へ開扉された際に、目隠し片19と干渉しない形状となっている。
目隠し片19は、扉15の強制的な逆方向の開放時、すなわち、非常開放時には、ヒレ部65が戸当たりエッジ25の隆起部53に接触し、開放方向の移動を妨げずに屈曲変形する。また、目隠し片19は、扉15を非常開放時から元に戻す際にも、ヒレ部65が隆起部53に接触し、逆方向に変形して、元の位置に復元される。
次に、非常開放時の動作を説明する。
戸当たり部材35は、扉15の上端に設けられる。戸当たり部材35は、非常開放時、図3及び図4を参照して説明した操作により、袖パネル17と干渉しなくなる。これにより、扉15は、外開きが可能となる(図4中矢線C)。
扉15は、外開きされると、目隠し片19のヒレ部65が戸当たりエッジ25の隆起部53に当たる。扉15がさらに開かれると、ヒレ部65が隆起部53に押圧されて室内側に倒れるように変形する。目隠し片19は、扉15が外側へ開放された後には、弾性により元の位置に戻る。
また、非常開放された扉15が元に戻される時には、ヒレ部65が、戸当たりエッジ25の隆起部53に外側から当たる。ヒレ部65は、今度は室外側へ変形して倒れる。扉15が室内側へ通過すると、ヒレ部65は、弾性により元の位置に戻り、非常開放時前の状態に復帰する。
この他、扉の隙間遮蔽構造は、非常時以外に、清掃時に内開きの扉15を一時的に外開きにしたいときにも使用可能となる。
なお、非常時ということで、目隠し片19は、その際の動作より破損してしまっても構わないが、扉15を戻すことで目隠し片19も形状が戻り、再利用可能となることがより好ましい。
次に、上記した構成の作用を説明する。
本実施の形態1に係る扉の隙間遮蔽構造では、可撓性を有する目隠し片19が、戸先エッジ27表面における室内側に片寄った位置に取り付けられる。目隠し片19は、戸当たりエッジ25に向かって突出し、戸先上下に渡って延在する帯状のヒレ部材を有して形成されている。これにより、扉の隙間遮蔽構造は、単純な形状の目隠し片19を戸先エッジ27の室内側に取り付けるのみの簡素な構造とすることができる。
そして、目隠し片19は、戸当たりエッジ25に向かって突出することにより、隙間29を狭め、遮る。扉の隙間遮蔽構造は、閉扉時、戸当たりエッジ25と戸先エッジ27との隙間29が、目隠し片19により遮られることで、隙間29を通して個室内を外部から覗けなくできる。
図7(a)は非常開放時に戸当たりエッジ25に目隠し片19が接触した隙間遮蔽構造の平断面図、(b)は非常開放時に目隠し片19が変形した隙間遮蔽構造の平断面図である。
また、目隠し片19は、可撓性を有する。目隠し片19は、非常開放時に扉15が室外側に開放されても、戸当たりエッジ25からの反力を受けて、容易に変形が可能となる。これにより、目隠し片19は、戸当たりエッジ25との干渉時における抵抗を抑制して、非常開放時のスムーズな開扉を実現させることができる。
さらに、扉の隙間遮蔽構造は、目隠し片19が、戸先エッジ27の室内側に取り付けられている。扉15は、通常時、個室21の室内側へ開扉された状態となる。このため、目隠し片19は、壁パネル13側に延出する位置となり、出入口23側から視認されにくくなる。これにより、扉の隙間遮蔽構造は、通常時、余計な部材・構造部分が目に入らず、扉15や出入口23がスッキリした外観となる。
なお、従来の扉の隙間遮蔽構造は、袖パネル側(戸当たりエッジ側)に目隠し片があり、常に目につき、見栄えが悪かった。また、出入口の縁に表出する位置であり、出入り時に常に触れてしまうものであった。
本実施の形態1での扉の隙間遮蔽構造は、開扉時に、目隠し片19が壁パネル13側に延出する位置となり、出入りの際に出入口23には目隠し片19が無く、出入口23側から視認されない。このため、いたずら、例えば刃物等によって切断されにくくなる。
本実施の形態1のようなトイレブース11において、扉15が内開きである場合、室内33に人が倒れていると、非常開放時に扉15を室外側に開く必要がある。しかし、通常の納まりのままでは、室外側に開扉する際に、戸先エッジ27と戸当たりエッジ25が干渉してしまい、室外側に開扉することができない。そこで、扉の隙間遮蔽構造では、戸当たりエッジ25の形状を変更するとともに、戸先エッジ27に可撓性を有するヒレ状の目隠し片19を設けている。これにより、通常開放時及び非常開放時にも扉15を支障なく開扉可能としている。
なお、市場には非常解用の戸当たり部材35(戸当たり金物とも称す)が用意されている。戸当たり部材35を使用することにより、非常開放時には戸当たり機能を簡便に解除することができる。
本実施の形態1では、扉の隙間遮蔽構造が、戸先エッジ27と戸当たりエッジ25との間に設けられている。扉の隙間遮蔽構造は、図示は省略するが、戸尻エッジ51と戸尻対向エッジ57との間に設けることもできる。この場合、使用部材を共通化することができ、部品種類を削減できる。また、扉の隙間遮蔽構造は、戸尻エッジ51と戸尻対向エッジ57とを同様の納まり(構成)とすることで、戸尻対向エッジ57に凹曲面59を有する従来構造よりも、非常開放時の開放角度を大きく確保することができるようになる。
また、この扉の隙間遮蔽構造では、目隠し片19が、扉15の開扉側へ向かう方向に傾斜する。扉15は、非常開放時、室外側へ開かれる。目隠し片19は、この非常開放時の開扉方向と反対側、すなわち、室内側に傾斜している。これにより、目隠し片19は、非常開放時に、さらに傾斜する方向への容易な変形が可能となる。その結果、非常開放時に、目隠し片19を曲がりやすくすることができる。
また、この扉の隙間遮蔽構造では、目隠し片19が、先端に、屈曲部73を有する。屈曲部73を有した目隠し片19は、平面視で略ヘ字状となる。つまり、この先端の屈曲部73は、傾斜する目隠し片19に対して、さらに同方向に曲がって形成される。従って、屈曲部73は、非常開放時、目隠し片19が室外側へ移動する際、目隠し片19の傾斜方向への容易な変形を妨げない。そして、目隠し片19は、この屈曲部73が形成されることにより、剛性が高まる。これにより、目隠し片19は、可撓性を有して容易な変形を許容しながら、へたりや、よれを生じにくくして、型崩れしにくくなる。その結果、目隠し片19を長期に渡り形状維持でき、光洩れ等を抑制できる。
そして、この扉の隙間遮蔽構造では、目隠し片19が、比較的硬質の基部63と、この基部63よりも柔らかいヒレ部65とからなる。目隠し片19は、戸先エッジ27に形成された上下方向に延在するアリ溝部67に、このアリ溝部67とほぼ同一断面形状で形成した基部63が、戸先エッジ27の上端または下端から差し入れて、取り付けられる。この際、目隠し片19は、基部63が硬質となることにより、アリ溝部67への取付作業性が向上する。また、目隠し片19は、硬質の基部63がアリ溝部67に保持されるので、基部63が軟質の場合に比べ、戸先エッジ27に対しての取付強度が大きくなる。そして、基部63が確実に固定された目隠し片19は、ヒレ部65が柔らかいので、非常開放時には、戸当たりエッジ25からの反力により容易に変形が可能となる。その結果、目隠し片19を戸先エッジ27に確実に保持できるとともに、非常開放時の妨げを抑制できる。
なお、図示しないが、目隠し片19の基部にアリ溝部を設け、戸先エッジ27に突起や突条を設ける構成としてもよく、上記同様に目隠し片の基部を硬質とすることで取付作業性が向上する。
さらに、この扉の隙間遮蔽構造では、目隠し片19は、戸当たりエッジ25の凹部55に進入する分、凹部55が無い場合に比べ、突出長を長く形成することができる。突出長が長い目隠し片19は、突出長が短い目隠し片19に比べ、非常開放時における局所的な変形量が小さくなる。これにより、目隠し片19は、非常開放時に、弾性限度に対して余裕を持たせて変形させることができる。つまり、目隠し片19は、変形時の荷重を小さくし、塑性変形を生じにくくできる。その結果、目隠し片19をよりへたりにくく、かつ屈曲しやすくできる。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2に係る扉の隙間遮蔽構造を説明する。
図8は実施の形態2において扉15により出入口23が閉鎖されたトイレブース11の要部平断面図である。なお、実施の形態2においては、実施の形態1で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付し重複する説明は省略する。
実施の形態2に係る扉の隙間遮蔽構造は、目隠し片75と、戸当たりエッジ77と、戸先エッジ79とが、実施の形態1の構成と異なる。実施の形態2のその他の構成は、実施の形態1と同じである。
実施の形態2に係る扉の隙間遮蔽構造において、目隠し片75は、扉15の内面とほぼ平行に突出する。また、戸当たりエッジ77は、袖パネル17の板厚T方向の略中央を頂点とする凸曲面49を、少なくとも室内33側に有する。
また、この扉の隙間遮蔽構造において、凸曲面49を形成する曲率円Curは、直径Dが、袖パネル17の板厚Tよりも大きくかつ袖パネル17の板厚Tの2倍よりも小さい。
戸先エッジ79は、先端面が戸先平坦面81となる。戸先平坦面81は、ほぼ平坦面となる。本実施の形態2において、戸先平坦面81は、極めて緩いカーブで形成される。従って、戸先エッジ79は、平面視において矩形状ではない。なお、戸先平坦面81は、扉15の表面に直交する平坦面であってもよい。
図9は実施の形態2において通常開放時の扉15の開方向を示した要部平断面図である。
戸当たりエッジ77は、頂点よりも室内33側に、凸曲面49を有する。これにより、戸先エッジ79は、扉15が室内33側(図9中矢印A方向)へ開扉された際に、目隠し片75と干渉しない形状となっている。なお、本実施の形態2において、戸当たりエッジ77は、室内33側と室外47側との双方が連続する凸曲面49(曲率円Curの円弧)で形成される。
図10(a)は実施の形態2における非常開放時において戸当たりエッジ77に目隠し片75が接触した隙間遮蔽構造の要部平断面図、(b)は非常開放時に目隠し片75が変形した隙間遮蔽構造の要部平断面図である。
目隠し片75は、図10(a)に示す扉15の強制的な逆方向(図10中矢印C方向)の開放時、すなわち、非常開放時には、ヒレ部65が戸当たりエッジ77の凸曲面49に接触し、図10(b)に示すように、開放方向の移動を妨げずに屈曲変形する。また、目隠し片75は、扉15を非常開放時から元に戻す際にも、ヒレ部65が凸曲面49に接触し、逆方向に変形して、元の位置に復元される。
次に、上記した構成の作用を説明する。
実施の形態2に係る扉の隙間遮蔽構造では、目隠し片75が、扉15の内面とほぼ平行に突出する。すなわち、目隠し片75は、戸先エッジ79から戸当たりエッジ77に向かってほぼ真っ直ぐに突出する。一方、戸当たりエッジ77は、扉厚方向の略中央を頂点とする凸曲面49を少なくとも室内33側に有する。すなわち、戸当たりエッジ77は、凸曲面49の頂点から少なくとも室内33側が、角部の除去された湾曲面となる。
ここで湾曲面とは、稜(りょう)の丸い所謂R面を言う。この湾曲面では、頂点よりも室外47側及び頂点よりも室内側が、凸曲面49の裾側となって隠れてしまうみえがくれ(見隠:表面から隠れている部分)となる。つまり、隙間29から奥側、すなわち室外から室内側方向、或いは室内から室外方向の湾曲面が目視できなくなる。目隠し片75は、先端が、この角部の除去された見隠、つまり頂点より室内側の凸曲面49に接近して配置され、かつ視線69を遮るようにして突出、つまり、隙間29を横断するように突出する。これにより、隙間29が、目隠し片75により遮られ、隙間29を通して個室21内を外部(室外47)から覗けなくしている。
この扉の隙間遮蔽構造では、戸当たりエッジ77が凸曲面49を有することにより、凸曲面49の見隠により、簡素な構造で、目隠し片75の被りを確保しやすくすることができる。また、目隠し片75も、突出方向が扉15の内面とほぼ平行とされるとともに、単純な直線形状で形成でき、スッキリした外観となる。その結果、隙間遮蔽構造を簡素にできるとともに、目隠し片75を戸当たりエッジ77に引っ掛かりにくくできる。
図11(a)は実施の形態2において通常の隙間29が空いた隙間遮蔽構造の要部平断面図、(b)は(a)の隙間29が狭められた状態となった要部平断面図である。
また、実施の形態2に係る扉の隙間遮蔽構造では、扉15の建て込み(施工公差)や、各部材の寸法公差、さらには部材の経年劣化等により、図11(a)に示す標準隙間距離Sの隙間29が図11(b)に示す最小隙間距離Sminとなって減少する場合がある。隙間29が減少した場合、目隠し片75の突出先端は、戸当たりエッジ77に近接あるいは接触することが考えられる。この場合、凸曲面49である湾曲面は、扉15が室内33側に開く通常開放時に、扉15とともに開放される方向に移動する目隠し片75の先端に対し、急峻に離反する方向の面となる。すなわち、凸曲面49は、目隠し片75の先端が接触した点における接線87と、目隠し片75の突出方向における延長線89との成す角θ1が鋭角であり、かつ、その角度が凸曲面49の裾側に向かうに連れて小さくなる、つまり直線である接線87に対して凸曲面49が離れることになる。
これにより、扉の隙間遮蔽構造では、隙間29の間隔距離Sが好ましい間隔よりも狭まってしまい、目隠し片75の先端が戸当たりエッジ77に接触するようなことがあっても、扉15の通常開放の際には戸当たりエッジ77の表面(凸曲面49)から容易に離反する配置関係となり、目隠し片75が戸当たりエッジ77に引っ掛かり、扉15の通常開放を妨げることはない。また、戸当たりエッジ77が平面の場合に比べ、目隠し片75が戸当たりエッジ77に接触して突っ張り状態となったり引っ掛かるなど、扉15の通常開放を妨げてしまうことを確実に回避できる。
また、実施の形態2に係る扉の隙間遮蔽構造では、凸曲面49を形成する曲率円Curは、直径Dが、袖パネル17の板厚Tよりも大きい。これにより、凸曲面49を形成する曲率円Curの直径Dが、袖パネル17の板厚Tより小さくなることによる凸曲面49の欠けが生じなくなる。また、曲率円Curは、直径Dが、袖パネル17の板厚Tの2倍よりも小さい。これにより、凸曲面49の平坦化が抑制され、見隠の消失が防止されている。その結果、視線遮蔽効果の確保を確実にすることができる。なお、この凸曲面49の形状については、上記した曲率円Curに限定されることはなく、袖パネル17の板厚方向の略中央を頂点とする凸状の湾曲面であれば良く、楕円形からなる形状や二次曲線などその他の形状で形成されることとしてもよい。
図12は戸当たりエッジ83の室外47側が戸先対向平坦面85を有する実施の形態2の変形例を表す要部平断面図である。
なお、戸当たりエッジ83は、凸曲面49が、室内33側のみに形成されていてもよい。この場合、戸当たりエッジ83は、室外47側の角部が残され、戸先対向平坦面85が形成される。角部が残されることで、室外47側の隙間29は、狭くなるが、視線69は、上記同様に遮られる。その結果、本変形例においても、視線遮蔽効果は、低下することがない。
従って、上記した各実施の形態に係る扉の隙間遮蔽構造によれば、簡素な形状で隙間29の目隠しが可能となり、非常開放時には扉15をスムーズに通過させることができ、しかも、見栄えを低下させることがない。
本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、実施の形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
例えば上記の構成例では、扉の隙間遮蔽構造がトイレブースに適用される場合を例に説明したが、この他、扉の隙間遮蔽構造は、隙間の目隠しが必要であり、比較的小スペースの空間となる例えば浴室、サニタリー、更衣室等、密閉性は必要ないが、扉周りでの隙間に目隠しが必要な構造物にも適用することができる。なお、このような構造物などに適用する場合も含め、上記の構成例においては扉15が支持される構造体として袖パネル17や壁パネル13を具体例として述べたが、建物躯体の壁など構造物の躯体側に直接あるいは袖パネル17を介して扉15が支持される構成としても良い。
13…壁パネル
15…扉
17…袖パネル
19,75…目隠し片
21…個室
23…出入口
25,77…戸当たりエッジ
27,79…戸先エッジ
29…隙間
49…凸曲面
55…凹部
63…基部
65…ヒレ部
73…屈曲部
Cur…曲率円
D…直径
T…板厚

Claims (4)

  1. 出入口を有する個室を画成する壁パネルと、
    壁パネル側に戸尻側が回転自在に支持されて、通常時は前記個室の室内側へ開扉して前記出入口を開放する扉と、
    前記壁パネルに連結されて前記出入口に臨み、戸当たりエッジが前記扉の戸先エッジと隙間を有して対向する袖パネルと、
    前記戸先エッジ表面における室内側に片寄った位置に取り付けられ、戸先上下に渡って延在し、前記隙間を遮って前記戸当たりエッジに向かって突出する可撓性を有する目隠し片と、
    を備えるとともに、
    前記目隠し片は、前記扉の板厚の範囲内であって、前記室内寄りで、かつ前記扉の内面寄りに位置して、前記扉の内面とほぼ平行に突出し、かつ前記戸当たりエッジ方向に先端も含めて直線形状となって突出し、
    前記戸当たりエッジは、前記袖パネルの板厚方向の略中央を頂点とする凸曲面を、室内側に有し、
    前記戸先エッジは、先端面が戸先平坦面となり、該戸先平坦面は、極めて緩いカーブ、又は前記扉の表面に直交する平坦面で形成され、
    前記扉の戸尻エッジは、上下方向に連続する膨出部分を有し、該膨出部分は、扉厚方向の略中央が稜線となる凸曲面よりなる蒲鉾状に形成され、
    前記戸尻エッジに対向する袖パネルには、戸尻対向エッジが設けられており、該戸尻対向エッジは、前記戸尻エッジの凸曲面に沿う凹曲面を有し、該凹曲面は、扉厚方向の略中央から室外側のみに形成され、室内側には形成されていないことを特徴とする扉の隙間遮蔽構造。
  2. 前記目隠し片は、前記扉の板厚より突出せず、該板厚方向における前記室内側の前記板厚の1/4範囲内に設けられていることを特徴とする請求項1記載の扉の隙間遮蔽構造。
  3. 前記戸当たりエッジの前記凸曲面を形成する曲率円は、直径が、前記袖パネルの板厚の寸法よりも大きく、且つ前記曲率円は、直径が、前記袖パネルの板厚の寸法の2倍よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の扉の隙間遮蔽構造。
  4. 前記目隠し片は、前記扉の強制的な逆方向の開放である非常開放時には、ヒレ部が前記戸当たりエッジの凸曲面に接触し、開放方向の移動を妨げずに屈曲変形するとともに、
    前記目隠し片は、前記扉の非常開放状態から元の位置に戻す際にも、ヒレ部が前記凸曲面に接触して、逆方向に屈曲変形して、元の位置に復元する素材よりなることを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の扉の隙間遮蔽構造。
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