JP7186588B2 - 浸水防止構造 - Google Patents

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Description

本発明は、浸水防止構造に関する。
従来、玄関等に設けられるドア装置を対象として、ドア装置を構成する扉体によって建物の開口部を全閉している状態において開口部の周縁に設けられたドア枠と扉体との隙間から水が浸入することを防止する技術が提案されている。このような技術においては、ドア枠に形成された四周状の溝部に設けられた水密部材を備える技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、この水密部材は、開口部の角に対応する角部であって、水密部材の一部と他の一部とを突き合わせることにより形成された角部を有している。
特開2016-205079号公報
ここで、扉体の角の形状については、扉体の製作方法によって異なる形状となる場合があり、例えば、三方曲げで形成した場合には非アール状となるが、四方曲げで形成した場合にはアール状となる。しかしながら、上記従来の技術においては、水密部材の角部が水密部材の一部と他の一部とを突き合わせることにより形成されたものに過ぎないので、例えば、水密部材の角部の形状が非アール状であり、且つ扉体の角の形状がアール状である場合には、上記全閉している状態において扉体に水圧がかかることに伴って水密部材が扉体に押圧されて変形しても、上記水密部材の一部と他の一部との突き合わせ部分と扉体との相互間に隙間が生じる可能性があることから、当該隙間から水が浸入してしまうおそれがあった。したがって、浸水防止性能を高める観点からは改善の余地があった。
本発明は、上記従来技術における課題を解決するためのものであって、浸水防止性能を高めることが可能になる、浸水防止構造を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の浸水防止構造は、建物の壁の開口部の周縁に設けられた枠体と、前記開口部を開閉する開閉体との相互間の隙間から水が浸入することを防止するための浸水防止構造であって、前記枠体に設けられた止水手段であって、前記開閉体によって前記開口部を全閉した全閉状態において前記開閉体と当接可能な止水手段を備え、前記止水手段は、前記開口部の角に対応する角部であって、第1部分と第2部分とを突き合わせることにより構成された角部を有し、前記全閉状態において前記止水手段における前記第1部分と前記第2部分との突き合わせ部分と前記開閉体との相互間に形成される隙間を塞ぐための塞ぎ手段を設け、前記塞ぎ手段を、前記突き合わせ部分よりも前記開口部の内側に向けて突出させた。
請求項2に記載の浸水防止構造は、建物の壁の開口部の周縁に設けられた枠体と、前記開口部を開閉する開閉体との相互間の隙間から水が浸入することを防止するための浸水防止構造であって、前記枠体に設けられた止水手段であって、前記開閉体によって前記開口部を全閉した全閉状態において前記開閉体と当接可能な止水手段を備え、前記止水手段は、前記開口部の角に対応する角部であって、第1部分と第2部分とを突き合わせることにより構成された角部を有し、前記全閉状態において前記止水手段における前記第1部分と前記第2部分との突き合わせ部分と前記開閉体との相互間に形成される隙間を塞ぐための塞ぎ手段を設け、前記塞ぎ手段を、前記突き合わせ部分のうち前記開閉体との当接側の部分に配置した。
請求項3に記載の浸水防止構造は、請求項2に記載の浸水防止構造において、前記塞ぎ手段の厚みを、前記突き合わせ部分の端部のうち前記開閉体との当接側の端部に近づくにつれて薄くした。
請求項4に記載の浸水防止構造は、請求項1から3のいずれか一項に記載の浸水防止構造において、前記止水手段は、前記枠体側に設けられたベース部と、前記ベース部よりも前記開閉体側に設けられた当接部であって、前記開閉体と当接可能な位置に設けられた当接部と、を備え、前記当接部を中空状に形成し、前記ベース部の一部である中実状の台座部を、前記当接部の内部に収容し、前記台座部のうち前記突き合わせ部分に対応する部分を、連続状に形成した。
請求項5に記載の浸水防止構造は、請求項1から4のいずれか一項に記載の浸水防止構造において、前記止水手段と前記塞ぎ手段とを、一体形成した。
請求項1に記載の浸水防止構造によれば、止水手段が、開口部の角に対応する角部であって、第1部分と第2部分とを突き合わせることにより構成された角部を有し、全閉状態において止水手段における第1部分と第2部分との突き合わせ部分と開閉体との相互間に形成される隙間を塞ぐための塞ぎ手段を設けたので、塞ぎ手段によって全閉状態において上記隙間を塞ぐことができる。よって、全閉状態において上記隙間から水が浸入することを防止でき、浸水防止性能を高めることができる。
また、塞ぎ手段を、突き合わせ部分よりも開口部の内側に向けて突出させたので、塞ぎ手段を突き合わせ部分よりも開口部の内側に向けて突出させない場合に比べて、全閉状態において上記隙間を効果的に塞ぐことができ、浸水防止性能を高めやすくなる。
請求項2に記載の浸水防止構造によれば、止水手段が、開口部の角に対応する角部であって、第1部分と第2部分とを突き合わせることにより構成された角部を有し、全閉状態において止水手段における第1部分と第2部分との突き合わせ部分と開閉体との相互間に形成される隙間を塞ぐための塞ぎ手段を設けたので、塞ぎ手段によって全閉状態において上記隙間を塞ぐことができる。よって、全閉状態において上記隙間から水が浸入することを防止でき、浸水防止性能を高めることができる。
また、塞ぎ手段を、突き合わせ部分のうち開閉体との当接側の部分に配置したので、塞ぎ手段を突き合わせ部分のうち開閉体との当接側とは反対側の部分に配置する場合に比べて、全閉状態において上記隙間を効果的に塞ぐことができ、浸水防止性能を高めやすくなる。
請求項3に記載の浸水防止構造によれば、塞ぎ手段の厚みを、突き合わせ部分の端部のうち開閉体との当接側の端部に近づくにつれて薄くしたので、塞ぎ手段によって開閉体の状態が全閉状態になることが阻害されることを抑制でき、開閉体の使用性を維持しやすくなる。
請求項4に記載の浸水防止構造によれば、止水手段が、ベース部よりも開閉体側に設けられた当接部であって、開閉体と当接可能な位置に設けられた当接部を備え、当接部を中空状に形成し、ベース部の一部である中実状の台座部を、当接部の内部に収容し、台座部のうち突き合わせ部分に対応する部分を、連続状に形成したので、台座部のうち突き合わせ部分に対応する部分と開閉体の角部分とで当接部を効果的に挟み込むことができ、全閉状態において上記隙間を塞ぎやすくなる。
請求項5に記載の浸水防止構造によれば、止水手段と塞ぎ手段とを一体形成したので、塞ぎ手段と戸尻側下方角部15bとを別体に形成した場合に比べて、塞ぎ手段を止水手段に取り付ける手間を省略でき、浸水防止構造の設置性を高めやすくなる。
本発明の実施の形態に係る建具を示す正面図であって、全閉状態を示す図である。 図1の建具のA-A矢視断面図であり、(a)は開閉体に水圧がかかる前の状態を示す図、(b)は開閉体に水圧がかかっている状態を示す図である。 図1の建具のB-B矢視断面図であり、(a)は開閉体に水圧がかかる前の状態を示す図、(b)は開閉体に水圧がかかっている状態を示す図である。 図3(b)のくつずり側止水部材の周辺領域の拡大図である。 戸尻側止水部材、戸先側止水部材、上側止水部材、及びくつずり側止水部材を組み合わせた状態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のC-C矢視断面図である。 戸尻側下方角部を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は(b)のD-D矢視断面図、(d)は(a)のE-E矢視断面図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る浸水防止構造の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念について説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕各実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建物の壁の開口部の周縁に設けられた枠体と、開口部を開閉する開閉体との相互間の隙間から水が浸入することを防止するための浸水防止構造に関するものである。
ここで、「建物」の具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、戸建て住宅、アパートやマンションの如き集合住宅、オフィスビル、商業施設、及び公共施設等を含む概念である。また、「建物の壁の開口部」とは、建物の躯体の一部分(例えば、壁等)において窓や入り口を設置するために形成された開口部である。また、「枠体」及び「開閉体」を備える建具は、建物の開口部の出入り又は視界を抑制又は制限するための構造体を意味する。また、建具の取り付け位置や用途は任意であるが、例えば玄関に設置される「玄関扉」、勝手口や通用口に設置される「勝手口扉」、建物内部に設置される「屋内扉」等を含む。また、建具の開閉構造は任意であり、例えば、片開式の開き戸、両開式の開き戸(いわゆる親子型の扉)、片開式の引き戸として構成することができる。また「開閉体の状態」とは、例えば、開閉体によって開口部を全閉した「全閉状態」と、開閉体によって開口部を全開した「全開状態」と、開口部の一部を開いて開口部の他の一部を閉じている「半開状態」とを含む概念である。以下、実施の形態では、建具が、戸建て住宅の如き建物の外壁に設けられた片開式の開き戸である場合について説明する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
(構成)
最初に、実施の形態に係る浸水防止構造が適用される建具の構成について説明する。以下の説明では、図1のX方向を建具の左右方向(-X方向を建具の左方向、+X方向を建具の右方向)、図2のY方向を建具の前後方向(+Y方向を建具の前方向(建物の屋外側の方向)、-Y方向を建具の後方向(建物の屋内側の方向))、図1のZ方向を建具の上下方向(+Z方向を建具の上方向、-Z方向を建具の下方向)と称する。
図1に示すように、建具1は、概略的に、枠体10、開閉体20、及びヒンジ部30を備えている。ただし、建具1に関する特記しない構成については、従来と同様であるものとして説明を省略する。なお、後述する建具1を構成する各種部材同士の取付方法(又は接続方法)については任意であるが、例えば、取付側の部材又は取付相手側の部材に形成された取付孔(例えば、リベット孔、ネジ孔、ビス孔等)を介して、取付側の部材を取付相手側の部材に対して固定具(例えば、リベット、取付ネジ、ビス等)、溶接、接着剤、両面テープ等によって取り付ける(又は接続する)方法が採用されている。
(構成-枠体)
枠体10は、壁2に形成された開口部3の周縁に設置されるものであり、図1に示すように、鋼製(一例として、スチール、ステンレス等)の左右一対の縦枠材11、12及び上下一対の横枠材13、14を備えている。これら縦枠材11、12及び横枠材13、14は、それぞれ壁2に対して固定されており、相互に組み合わせられることによって、正面形状が略矩形環状となるように形成されている。以下では、必要に応じて、左右一対の縦枠材11、12のうち、開口部3の戸尻側に位置する縦枠材11を「戸尻側縦枠材11」と称し、開口部3の戸先側に位置する縦枠材12を「戸先側縦枠材12」と称する。また、上下一対の横枠材13、14のうち、開口部3の上方側に位置する横枠材13を「上側横枠材13」と称し、開口部3の下方側に位置する横枠材14を「くつずり横枠材14」と称する。
また、この戸先側縦枠材12には、デッドボルト受け及びラッチ受けが設けられている(いずれも図示省略)。デッドボルト受けは、開閉体20によって開口部3が閉鎖された状態(以下、「全閉状態」と称する)において、開閉体20に設けられた後述するデッドボルトを受けるためのデッドボルト受容手段であり、後述するデッドボルトと対応する位置に配置されている。ラッチ受けは、開閉体20に設けられた後述のラッチを受けるためのラッチ受容手段であり、後述のラッチと対応する位置に配置されている。なお、枠体10の構成の詳細については後述する。
(構成-開閉体)
開閉体20は、開口部3を開閉するための平板状体であり、図1に示すように、開閉体フレーム(図示省略)、屋外側表面材21、及び屋内側表面材(図示省略)を備えている。
(構成-開閉体-開閉体フレーム)
開閉体フレームは、開閉体20の剛性を主として担うものである。この開閉体フレームは、複数の鋼製の長尺な力骨を組み合わせることによって、正面形状が矩形環状となるように形成されており、具体的には、左右一対の縦力骨及び上下一対の横力骨から構成されている(いずれも図示省略)。このうち、左右一対の縦力骨は、長手方向の長さが相互に略同一となるように形成されており、上下方向に略沿うように配置されている。また、上下一対の横力骨は、長手方向の長さが相互に略同一となるように形成されており、左右方向に略沿うように配置されている。
(構成-開閉体-屋外側表面材、屋内側表面材)
屋外側表面材21及び屋内側表面材は、開閉体フレームを覆うためのものである。これら屋外側表面材21及び屋内側表面材は、例えば公知の表面材(一例として、鋼製の化粧板)等を用いて構成され、開閉体フレームを覆うように設けられており、具体的には、開閉体フレームを建物の屋外側及び屋内側から挟むように配置され、開閉体フレームに対して接着剤等によって固定されている。
(構成-開閉体-その他の構成)
また、図1に示すように、開閉体20の戸先側には、ユーザが開閉体20の開閉操作を行うための把手部22と、開閉体20を施錠するための施錠装置23であって、図示しないデッドボルトを備える施錠装置23と、施錠装置23による施錠の有無に関わらず、全閉状態の位置に開閉体20を維持するためのラッチ(図示省略)とが設けられている。
(構成-ヒンジ部)
ヒンジ部30は、開閉体20を戸尻側縦枠材11に対して回動自在に軸支するためのものである。このヒンジ部30は、例えば公知の丁番(一例として、二軸丁番)等を用いて構成されており、図1に示すように、開閉体20の戸尻側の端部(図1では、右端部)において、相互に間隔を隔てて上下方向に沿って複数並設されており、開閉体20及び戸尻側縦枠材11に対して固定具等によって取り付けられている。
(構成-戸尻側縦枠材の構成の詳細)
次に、枠体10の戸尻側縦枠材11の構成の詳細について説明する。ただし、戸尻側縦枠材11は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質(例えば、スチール、ステンレス等)で製造することができる。実施の形態において、図2に示すように、戸尻側縦枠材11は、縦枠材本体11a、固定材11b、及び戸尻側止水部材11cを備えている。
縦枠材本体11aは、戸尻側縦枠材11の基本構造体である。この縦枠材本体11aは、X-Y平面に沿った断面形状が左右方向の外側に向けて開放された略コ字状となるように形成された中空状体であり、開口部3の上下方向の略全長にわたって形成されている。また、図2に示すように、縦枠材本体11aには、凹部11d及び止水凹部11eが設けられている。このうち、凹部11dは、開閉体20を収容しながら縦枠材本体11aと開閉体20との干渉を回避するためのものであり(いわゆる相じゃくり構造である凹部)、縦枠材本体11aにおける開閉体20に対応する部分を左右方向の外側に向けて窪ませることにより形成されている。また、止水凹部11eは、戸尻側止水部材11cの一部を収容するためのものであり、凹部11dのうち屋内側の部分(図2では、後側部分)を屋内側に向けて窪ませることにより形成されている。
固定材11bは、縦枠材本体11aを壁2に対して固定すると共に、縦枠材本体11aを補強するためのものである。この固定材11bは、板状体にて形成されており、具体的には、図2に示すように、固定材11bの前後方向の長さが縦枠材本体11aのコ字状の開放端部における前後方向の長さと略同一(又はそれ以上の長さ)であり、固定材11bの上下方向の長さが縦枠材本体11aの上下方向の長さよりも短くなるように形成されている。また、この固定材11bは、縦枠材本体11aのコ字状の開放端部側(図2では、縦枠材本体11aの左右方向の外側の端部側)において、所定間隔を隔てて上下方向に沿って複数並設配置されており、縦枠材本体11aに対して溶接等によって固定されている。
戸尻側止水部材11cは、全閉状態において開閉体20と当接可能な止水部材である。この戸尻側止水部材11cは、例えば公知の止水機能を有する樹脂材料(一例として、ゴムの如き弾性を有する樹脂材料)を用いて構成されており(なお、他の止水部材についても同様とする)、図2に示すように、止水凹部11eにおいて縦枠材本体11aの上下方向の略全長にわたって埋設されている。なお、戸尻側止水部材11cの構成の詳細については、後述する。
(構成-戸先側縦枠材の構成の詳細)
次に、枠体10の戸先側縦枠材12の構成の詳細について説明する。ただし、戸尻側縦枠材11及び戸先側縦枠材12は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質(例えば、スチール、ステンレス等)で製造することができる。実施の形態において、戸先側縦枠材12は、戸尻側縦枠材11と略同様に構成されており、図2に示すように、縦枠材本体12a、固定材12b、戸先側止水部材12c、凹部12d、及び止水凹部12eを備えている。なお、戸先側止水部材12cの構成の詳細については、後述する。
(構成-上側横枠材の構成の詳細)
次に、枠体10の上側横枠材13の構成の詳細について説明する。ただし、上側横枠材13は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質(例えば、スチール、ステンレス等)で製造することができる。実施の形態において、図3に示すように、上側横枠材13は、横枠材本体13a、固定材13b、及び上側止水部材13cを備えている。
横枠材本体13aは、上側横枠材13の基本構造体である。この横枠材本体13aは、Y-Z平面に沿った断面形状が上下方向の外側(図3では、上側)に向けて開放された略方形状となるように形成された中空状体であり、開口部3の左右方向の略全長にわたって形成されている。また、図3に示すように、横枠材本体13aには、凹部13d及び止水凹部13eが設けられている。凹部13dは、開閉体20を収容しながら上側横枠材13と開閉体20との干渉を回避するためのものであり(いわゆる相じゃくり構造である凹部)、横枠材本体13aにおける開閉体20に対応する部分を上下方向の外側(図3では、上側)に向けて窪ませることにより形成されている。また、止水凹部13eは、上側止水部材13cの一部を収容するためのものであり、凹部13dのうち建物の屋内側の部分(図3では、後側部分)を建物の屋内側に向けて窪ませることにより形成されている。
固定材13bは、横枠材本体13aを壁2に対して固定すると共に、横枠材本体13aを補強するためのものである。この固定材13bは、Y-Z平面に沿った断面形状がL字状である板状体(又は、平坦状の如きL字状以外の板状体)にて形成されており、具体的には、図3に示すように、固定材13bの前後方向の長さが横枠材本体13aの開放端部における前後方向の長さと略同一(又はそれ以上の長さ)であり、固定材13bの左右方向の長さが横枠材本体13aの左右方向の長さよりも短くなるように形成されている。また、この固定材13bは、横枠材本体13aの開放端部側(図3では、横枠材本体13aの上下方向の外側の端部側)において、所定間隔を隔てて左右方向に沿って複数並設配置されており、横枠材本体13aに対して溶接等によって固定されている。
上側止水部材13cは、全閉状態において開閉体20と当接可能な止水部材であり、図3に示すように、止水凹部13eにおいて横枠材本体13aの左右方向の略全長にわたって埋設されている。なお、上側止水部材13cの構成の詳細については、後述する。
(構成-枠体の構成の詳細-くつずり横枠材)
次に、枠体10のくつずり横枠材14の構成の詳細について説明する。ただし、くつずり横枠材14は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質(例えば、スチール、ステンレス等)で製造することができる。実施の形態において、くつずり横枠材14は、上側横枠材13と略同様に構成されており、図3に示すように、横枠材本体14a、固定材14b、くつずり側止水部材14c、凹部14d、及び止水凹部14eを備えている。ただし、横枠材本体14aの凹部14dに対応する側面14fは、当該側面の前端部が当該側面の後端部よりも下方に位置するように傾斜に形成されている(以下では、この側面14fを「くつずり側傾斜面14f」と称する)。なお、くつずり側止水部材14cの構成の詳細については、後述する。
(構成-浸水防止構造)
図2に戻り、次に、建具1の浸水防止構造について説明する。この建具1は、枠体10と開閉体20との相互間の隙間から水が浸入することを防止するための浸水防止構造を備えている。また、この浸水防止構造は、第1浸水防止構造及び第2浸水防止構造を備えている。以下では、これら各浸水防止構造について順次説明する。
(構成-浸水防止構造-第1浸水防止構造)
最初に、第1浸水防止構造について説明する。実施の形態では、第1浸水防止構造は、図2から図6に示すように、上述した戸尻側止水部材11c、戸先側止水部材12c、上側止水部材13c、及びくつずり側止水部材14cを備えている。ここで、戸尻側止水部材11c、戸先側止水部材12c、上側止水部材13c、及びくつずり側止水部材14cの各々の構成はそれぞれ略同一であるので、以下では、くつずり側止水部材14cの構成のみについて説明することとする。なお、上述した「戸尻側止水部材11c」、「戸先側止水部材12c」、「上側止水部材13c」、及び「くつずり側止水部材14c」を含むものは、特許請求の範囲における「止水手段」に対応する。
図4、図5に示すように、このくつずり側止水部材14cは、ベース部41、当接部42、剥離部43、ベース部側フィン部44、及び当接部側フィン部45を備えている。
(構成-浸水防止構造-第1浸水防止構造-ベース部)
図4に戻り、ベース部41は、当接部42を支持するものであり、図4、図5に示すように、枠体10側(図4では、くつずり横枠材14側)に設けられており、ベース部本体41a及び台座部41bを備えている。このうち、ベース部本体41aは、ベース部41の基本構造体である。このベース部本体41aは、Y-Z平面に沿った断面形状が矩形環状である長尺な中空状体(又は中実状体)にて形成されており、図4に示すように、くつずり横枠材14の止水凹部14e内に収容可能な位置に設けられている。なお、ベース部本体41a内の空間部分41cの大きさについては任意であるが、ベース部本体41aが基準値程度の押圧を受けた際に、ベース部本体41aの押圧変形量が所望量となるように設定されている。また、台座部41bは、全閉状態において開閉体20によって当接部42が押圧された際に、当接部42を受けるためのものである。この台座部41bは、Y-Z平面に沿った断面形状が矩形状である長尺な中実状体にて形成されており、図4に示すように、ベース部本体41aよりも開閉体20側(図4では、前側)に設けられ、且つ当接部42の内部に収容されており、ベース部本体41aに対して接続されている。
(構成-浸水防止構造-第1浸水防止構造-当接部)
図4に戻り、当接部42は、全閉状態において開閉体20と当接するものである。この当接部42は、Y-Z平面に沿った断面形状がC字状である長尺な中空状体にて形成されており、開閉体20と当接可能な位置に設けられている。具体的には、図4に示すように、当接部42の少なくとも一部がくつずり横枠材14の止水凹部14eよりも建物の屋外側に突出し、且つ全閉状態において開閉体20の見付面(図4では、開閉体20における建物の屋内側の側面)と当接可能な位置に配置され、ベース部本体41aに対して接続されている。
また、当接部42の形成方法については任意であるが、実施の形態では、当接部42とベース部41とを一体形成している。ただし、これに限らず、当接部42とベース部41とを別体に形成してもよい。
(構成-浸水防止構造-第1浸水防止構造-剥離部)
剥離部43は、くつずり側止水部材14cの見込方向(図4では、前後方向)の長さを調整するためのものである。この剥離部43は、長尺な略板状体にて形成されており、具体的には、ベース部41の左右方向の略全長にわたって形成されている。また、図4に示すように、剥離部43は、ベース部41とくつずり横枠材14の止水凹部14eの底部分との相互間に設けられており、ベース部41に対して接着剤等によって接続されている。
(構成-浸水防止構造-第1浸水防止構造-ベース部側フィン部)
ベース部側フィン部44は、くつずり側止水部材14cをくつずり横枠材14の止水凹部14eに収容する際にガイドするためのものであり、且つくつずり横枠材14とベース部41との相互間の隙間から水が浸入することを防止するためのものである。このベース部側フィン部44は、長尺な板状体にて形成されており、具体的には、ベース部41の左右方向の略全長にわたって形成されている。また、図4に示すように、ベース部側フィン部44は、ベース部本体41aの上端部及び下端部の各々に複数設けられており、具体的には、全閉状態において枠体10の見込面(具体的には、止水凹部14eの側壁部分)と当接可能となるように見付方向の外側に張り出すように配置され(図4では、前方に向けて傾斜して張り出されており)、ベース部本体41aに対して接続されている(なお、ベース部側フィン部44は、止水凹部14eの側壁部と常時当接されるように配置されてもよい)。
また、ベース部側フィン部44の形成方法については任意であるが、実施の形態では、ベース部側フィン部44とベース部41とを一体形成している。ただし、これに限らず、ベース部側フィン部44とベース部41とを別体に形成してもよい。
(構成-浸水防止構造-第1浸水防止構造-当接部側フィン部)
当接部側フィン部45は、くつずり横枠材14と当接部42との相互間の隙間から水が浸入することを防止するためのものである。この当接部側フィン部45は、長尺な平坦状又は非平坦状の板状体にて形成されており、具体的には、当接部42の左右方向の略全長にわたって形成されている。また、図4、図5に示すように、当接部側フィン部45は、当接部42におけるくつずり横枠材14側の端部(図4では、当接部42の下端部)に設けられており、当接部42に対して接続されている。
また、この当接部側フィン部45の設置方法については、実施の形態では、当接部42の部分のうちベース部側の部分42a(以下、「ベース部側部分42a」と称する)において、全閉状態でくつずり横枠材14側と当接可能となるように設けている。ここで、「ベース部側部分42a」とは、実施の形態では、当接部42の部分のうち先端から基端までの範囲の中央部から基端に至る部分を意味する。具体的には、図4に示すように、まず、全閉状態において枠体10の見込面(具体的には、くつずり側傾斜面14f)と当接可能となるように当接部42における枠体10との近接する部分(図5(b)では、当接部42の上下方向の頂点部)から見付方向の外側(図4では、下方)に張り出すように設けている。これにより、当接部側フィン部45の張り出し長さを比較的短くでき、当接部側フィン部45のコンパクト化を図ることができると共に、当接部側フィン部45の曲げ変形時に作用する負荷を低減できる。また、当接部側フィン部45がベース部側フィン部44よりも外側に張り出すように設けている。これにより、例えば、図4に示すように、くつずり側止水部材14cとくつずり側傾斜面14fとの相互間の隙間がくつずり側止水部材14cの先端側に向かうにつれて大きくなる場合に、全閉状態において当接部側フィン部45をくつずり側傾斜面14fと当接させやすくなることから、当接部側フィン部45とくつずり側傾斜面14fとの当接状態を維持しやすくなる。
また、当接部側フィン部45の具体的な構成については任意であるが、実施の形態では以下の通りに構成している。
すなわち、まず、当接部側フィン部45の厚さについては、図5(b)に示すように、当接部42に近づくにつれて厚く設定している。例えば、当接部側フィン部45の基端部分の厚さを、当接部側フィン部45の先端部分の厚さの2倍程度に設定してもよい。これにより、当接部側フィン部45のうち負荷がかかりやすい基端部分の厚みを他の部分よりも厚くでき、当接部側フィン部45の耐久性を向上できる。
また、図5(b)に示すように、当接部側フィン部45と台座部41bの先端部とが見付方向(図5では、上下方向)に略沿った同一直線上に位置するように、当接部側フィン部45及び台座部41bは構成されている。具体的には、当接部側フィン部45は、上述したように、当接部42における枠体10に近接する部分から見付方向の外側に張り出すように設けられている。また、台座部41bの前後方向の長さについては、当接部42の前後方向の長さの半分程度に設定している。これにより、全閉状態において開閉体20に水圧がかかることに伴ってくつずり側止水部材14cが開閉体20に押圧されて変形しても当接部側フィン部45の位置を維持しやすくなることから、当接部側フィン部45とくつずり横枠材14との当接状態を維持しやすくなる。また、上述したように、当接部側フィン部45を当接部42の上下方向の頂点部に設けているので、全閉状態において台座部41bの先端付近で上下方向の外側に向けて広がるように押圧変形でき、当接部側フィン部45とくつずり横枠材14との当接状態を一層維持しやすくなる。
また、当接部側フィン部45の形成方法については任意であるが、実施の形態では、当接部側フィン部45と当接部42とを一体形成している。ただし、これに限らず、当接部側フィン部45と当接部42とを別体に形成してもよい。
(構成-浸水防止構造-第1浸水防止構造-その他の構成)
図4に戻り、また、くつずり側止水部材14cの具体的な構成については任意であるが、実施の形態では、複数のベース部側フィン部44がくつずり横枠材14の止水凹部14eから露出しないように構成されている。具体的には、図4に示すように、ベース部本体41aにおける当接部42との境界部から剥離部43の後端部に至るまでの長さがくつずり横枠材14の止水凹部14eの深さと略同一に設定している(又は若干短く設定してもよい)。また、ベース部本体41aの前後方向の長さについては、台座部41bの前後方向の長さよりも長く設定している。また、複数のベース部側フィン部44のうち最も開閉体20側に位置するベース部側フィン部44の先端部が、ベース部本体41aの先端部よりも枠体10側(具体的には、くつずり横枠材14の止水凹部14eの底部分側)に位置するように、複数のベース部側フィン部44が設けられている。さらに、剥離部43の設置数については、1枚に設定している。このような構成により、例えば、くつずり側止水部材14cとくつずり横枠材14の止水凹部14eの底部分との間に図示しないゴム製のライナ材を設けた場合でも複数のベース部側フィン部44がくつずり横枠材14の止水凹部14eから露出することを回避できることから、浸水防止性能を維持しやすくなる。なお、上記ゴム製のライナ材は、開閉体20と各種止水部材との隙間を調整するものであり、剥離部43と止水凹部14eの底部分との間に所定数設けられることにより当該隙間を調整できる。
また、戸尻側止水部材11c、戸先側止水部材12c、上側止水部材13c、及びくつずり側止水部材14cを枠体10に対して取り付ける方法については任意であるが、実施の形態では、戸尻側止水部材11c、戸先側止水部材12c、上側止水部材13c、及びくつずり側止水部材14cの各々をそれぞれ複数に分割してあらかじめ形成し、当該分割して形成したものを枠体10の各種止水凹部に収容しながら、戸尻側止水部材11c及び戸先側止水部材12cの各々とくつずり側止水部材14cとを接着剤等によって接続することにより、取り付けている(なお、戸尻側止水部材11c及び戸先側止水部材12cの各々と上側止水部材13cとを接続しなくてもよく、又は接続してもよい)。より具体的には、後述する戸尻側下方角部15bを構成する戸尻側止水部材11cの一部と戸尻側止水部材11cの他の一部とを相互に接続し、後述する戸尻側下方角部15bを構成するくつずり側止水部材14cの一部とくつずり側止水部材14cの他の一部とを相互に接続してもよい。また、後述する戸先側下方角部15dを構成する戸先側止水部材12cの一部と戸先側止水部材12cの他の一部とを相互に接続し、後述する戸先側下方角部15dを構成するくつずり側止水部材14cの一部とくつずり側止水部材14cの他の一部とを相互に接続してもよい。ただし、これに限らず、例えば、戸尻側止水部材11c、戸先側止水部材12c、上側止水部材13c、及びくつずり側止水部材14cを一体形成し、当該一体形成したものを枠体10の各種止水凹部に収容してもよい。なお、実施の形態では、図5に示すように、これら戸尻側止水部材11c、戸先側止水部材12c、上側止水部材13c、及びくつずり側止水部材14cを組み合わせたものは、開口部3の角に対応する角部15であって、隣接する止水部材同士(例えば、戸尻側止水部材11cとくつずり側止水部材14c等)を突き合わせることにより構成された角部15を有するものとする。以下では、必要に応じて、上述した角部15のうち、開口部3の戸尻側上方に位置する角に対応する角部15aを「戸尻側上方角部15a」と称し、開口部3の戸尻側下方に位置する角に対応する角部15bを「戸尻側下方角部15b」と称し、開口部3の戸先側上方に位置する角に対応する角部15cを「戸先側上方角部15c」と称し、開口部3の戸先側下方に位置する角に対応する角部15dを「戸先側下方角部15d」と称する。
以上のような第1浸水防止構造の構成により、当接部42の先端側の部分に当接部側フィン部45を設けた場合に比べて、全閉状態において開閉体20に水圧がかかることに伴ってくつずり側止水部材14cが開閉体20に押圧されても、当接部側フィン部45が当該押圧に伴う当接部42の反り変形の影響を受けにくくなる。よって、当接部側フィン部45と枠体10との当接状態を維持しやすくなることから、浸水防止性能を維持できる。
(構成-浸水防止構造-第2浸水防止構造)
次に、第2浸水防止構造について説明する。実施の形態では、第2浸水防止構造は、図5に示すように、戸尻側塞ぎ部50a及び戸先側塞ぎ部50bを備えている。戸尻側塞ぎ部50aは、全閉状態において戸尻側止水部材11cとくつずり側止水部材14cとの突き合わせ部分16a(以下、「戸尻側突き合わせ部分16a」と称する)と開閉体20との相互間に形成される隙間(以下、「戸尻側隙間」と称する)を塞ぐための塞ぎ手段であり、図5に示すように、戸尻側下方角部15bに設けられている。ここで、「戸尻側隙間」とは、例えば、戸尻側下方角部15bの正面形状と開閉体20における戸尻側下方の角部分との正面形状との違いによって形成される隙間等が該当する。また、戸先側塞ぎ部50bは、全閉状態において戸先側止水部材12cとくつずり側止水部材14cとの突き合わせ部分16b(以下、「戸先側突き合わせ部分16b」と称する)と開閉体20との相互間に形成される隙間(以下、「戸先側隙間」と称する)を塞ぐための塞ぎ手段であり、図5に示すように、戸先側下方角部15dに設けられている。ここで、「戸先側隙間」とは、例えば、戸先側下方角部15dの正面形状と開閉体20における戸先側下方の角部分との正面形状との違いによって形成される隙間等が該当する。なお、実施の形態では、戸尻側塞ぎ部50a及び戸先側塞ぎ部50bの各々の構成はそれぞれ略同一であるので、以下では、戸尻側塞ぎ部50aの構成のみについて説明することとする。
この戸尻側塞ぎ部50aの特徴については、実施の形態では以下に示す通りとなる。ここで、戸尻側突き合わせ部分16aの突き合わせ方法については、実施の形態では、戸尻側止水部材11cの下端部の近傍部分とくつずり側止水部材14cの戸尻側の端部及びその近傍部分とを一体形成することにより戸尻側下方角部15bを構成すると共に、戸尻側止水部材11cの突き合わせ面及びくつずり側止水部材14cの突き合わせ面の各々の角度が45度になるようにこれら突き合わせ面を形成し、且つこれら突き合わせ面同士を当接することにより、突き合わせたものとして説明する。
(構成-浸水防止構造-第2浸水防止構造-第1の特徴)
まず、戸尻側塞ぎ部50aの第1の特徴については、戸尻側塞ぎ部50aは、湾曲状の膜状体(又は板状体)に形成されている。具体的には、図6に示すように、戸尻側突き合わせ部分16a及びその近傍を含む領域にわたって形成されている。
この場合において、戸尻側下方角部15bの具体的な構成については任意であるが、実施の形態では、ベース部41の台座部41bのうち戸尻側突き合わせ部分16aに対応する部分が、連続状に形成されている。これにより、台座部41bのうち戸尻側突き合わせ部分16aに対応する部分と開閉体20の角部分とで当接部42を効果的に挟み込むことができ、全閉状態において戸尻側隙間を塞ぎやすくなる。
このような第1の特徴により、戸尻側塞ぎ部50aの構成を簡易化でき、戸尻側塞ぎ部50aの製造性を高めることができる。
(構成-浸水防止構造-第2浸水防止構造-第2の特徴)
次に、戸尻側塞ぎ部50aの第2の特徴については、図6に示すように、戸尻側塞ぎ部50aは、戸尻側突き合わせ部分16aのうち開閉体20との当接側の部分(図6では、戸尻側突き合わせ部分16aの前側部分)に配置されている。具体的には、戸尻側突き合わせ部分16aよりも開口部3の内側(図6(d)では、左側上方)に向けて突出するように配置している。
この場合において、戸尻側塞ぎ部50aの具体的な構成については任意であるが、実施の形態では以下の通りとなる。すなわち、戸尻側塞ぎ部50aの厚みについては、図6(d)に示すように、戸尻側突き合わせ部分16aの端部のうち開閉体20との当接側の端部(図6(d)では、戸尻側突き合わせ部分16aの前端部)に近づくにつれて薄くなるように設定している。例えば、戸尻側塞ぎ部50aのうち、当接部42の前後方向の中央部に対応する部分の厚さについては、当接部42の厚さの半分程度に設定し、当該中央部よりも前側部分の厚さについては、当接部42の厚さの半分未満となるように設定している。これにより、戸尻側塞ぎ部50aによって開閉体20の状態が全閉状態になることが阻害されることを抑制でき、開閉体20の使用性を維持しやすくなる。また、戸尻側塞ぎ部50aの硬さについては、戸尻側下方角部15bの硬さと略同一に設定している。ただし、これに限らず、例えば、戸尻側下方角部15bの硬さよりも柔らかく設定してもよく、例えば、戸尻側下方角部15bの硬さの半分程度に設定してもよい。これにより、戸尻側塞ぎ部50aの硬さが戸尻側下方角部15bの硬さと同一である場合に比べて、戸尻側下方角部15bが開閉体20によって押圧されて変形した際に、当該変形に伴って戸尻側塞ぎ部50aがねじれることを抑制でき、戸尻側塞ぎ部50aの損傷等が生じにくくなる。
このような第2の特徴により、戸尻側塞ぎ部50aを戸尻側突き合わせ部分16aのうち開閉体20との当接側とは反対側の部分に配置する場合に比べて、全閉状態において戸尻側隙間を効果的に塞ぐことができる。また、戸尻側塞ぎ部50aを戸尻側突き合わせ部分16aよりも開口部3の内側に向けて突出させない場合に比べて、全閉状態において戸尻側隙間を効果的に塞ぐことができる。以上のことから、浸水防止性能を高めやすくなる。
(構成-浸水防止構造-第2浸水防止構造-第3の特徴)
次に、戸尻側塞ぎ部50aの第3の特徴については、図6に示すように、戸尻側塞ぎ部50aと戸尻側下方角部15bとは、一体に形成されている(すなわち、戸尻側塞ぎ部50aと止水手段とが一体形成されている)。この形成方法については任意であるが、例えば、止水機能を有する樹脂材料を射出成形することにより、形成してもよい。
このような第3の特徴により、戸尻側塞ぎ部50aと戸尻側下方角部15bとを別体に形成した場合に比べて、戸尻側塞ぎ部50aを戸尻側下方角部15bに取り付ける手間を省略でき、第2浸水防止構造の設置性を高めやすくなる。
以上のような第2浸水防止構造の構成により、戸尻側塞ぎ部50a及び戸先側塞ぎ部50bによって、全閉状態において戸尻側隙間及び戸先側隙間を塞ぐことができる。よって、全閉状態において戸尻側隙間及び戸先側隙間から水が浸入することを防止でき、浸水防止性能を高めることができる。
(建具の作用について)
図2に戻り、続いて、このように構成された建具1の作用について説明する。
すなわち、例えば、全閉状態において雨水等の水が建物の屋外側から開閉体20を介して建物の屋内側に浸入しようとすると、図2(b)、図3(b)、図4に示すように、開閉体20に水圧がかかることに伴って戸尻側止水部材11c、戸先側止水部材12c、上側止水部材13c、及びくつずり側止水部材14cが開閉体20に押圧されて変形することにより、枠体10と開閉体20との相互間の隙間が塞がれるので、上記水の浸入を防止できる。特に、戸尻側止水部材11c、戸先側止水部材12c、上側止水部材13c、及びくつずり側止水部材14cの各々の当接部側フィン部45を対応する当接部42のベース部側部分42aに設けているので、これら止水部材が開閉体20に押圧されても、当接部側フィン部45が当該押圧に伴う当接部42の反り変形の影響を受けにくいので、当接部側フィン部45と枠体10との当接状態を維持しやすくなることから、上記水が一層浸入しにくくなる。また、戸尻側塞ぎ部50a及び戸先側塞ぎ部50bを設けているので、戸尻側塞ぎ部50a及び戸先側塞ぎ部50bによって、全閉状態において戸尻側隙間及び戸先側隙間が塞がれることから、上記水がさらに一層浸入しにくくなる。
(実施の形態の効果)
このように実施の形態によれば、止水手段が、開口部3の角に対応する角部15であって、第1部分と第2部分とを突き合わせることにより構成された角部15を有し、全閉状態において止水手段における第1部分と第2部分との突き合わせ部分と開閉体20との相互間に形成される戸尻側隙間及び戸先側隙間を塞ぐための戸尻側塞ぎ部50a及び戸先側塞ぎ部50bを設けたので、戸尻側塞ぎ部50a及び戸先側塞ぎ部50bによって全閉状態において戸尻側隙間及び戸先側隙間を塞ぐことができる。よって、全閉状態において戸尻側隙間及び戸先側隙間から水が浸入することを防止でき、浸水防止性能を高めることができる。
また、戸尻側塞ぎ部50a及び戸先側塞ぎ部50bを、突き合わせ部分よりも開口部3の内側に向けて突出させたので、戸尻側塞ぎ部50a及び戸先側塞ぎ部50bを突き合わせ部分よりも開口部3の内側に向けて突出させない場合に比べて、全閉状態において戸尻側隙間及び戸先側隙間を効果的に塞ぐことができ、浸水防止性能を高めやすくなる。
また、戸尻側塞ぎ部50a及び戸先側塞ぎ部50bを、突き合わせ部分のうち開閉体20との当接側の部分に配置したので、戸尻側塞ぎ部50a及び戸先側塞ぎ部50bを突き合わせ部分のうち開閉体20との当接側とは反対側の部分に配置する場合に比べて、全閉状態において戸尻側隙間及び戸先側隙間を効果的に塞ぐことができ、浸水防止性能を高めやすくなる。
また、戸尻側塞ぎ部50a及び戸先側塞ぎ部50bの厚みを、突き合わせ部分の端部のうち開閉体20との当接側の端部に近づくにつれて薄くしたので、戸尻側塞ぎ部50a及び戸先側塞ぎ部50bによって開閉体20の状態が全閉状態になることが阻害されることを抑制でき、開閉体20の使用性を維持しやすくなる。
また、止水手段が、ベース部41よりも開閉体20側に設けられた当接部42であって、開閉体20と当接可能な位置に設けられた当接部42を備え、当接部42を中空状に形成し、ベース部41の一部である中実状の台座部41bを、当接部42の内部に収容し、台座部41bのうち突き合わせ部分に対応する部分を、連続状に形成したので、台座部41bのうち突き合わせ部分に対応する部分と開閉体20の角部分とで当接部42を効果的に挟み込むことができ、全閉状態において戸尻側隙間及び戸先側隙間を塞ぎやすくなる。
また、止水手段と戸尻側塞ぎ部50a及び戸先側塞ぎ部50bとを一体形成したので、戸尻側塞ぎ部50a及び戸先側塞ぎ部50bと角部15とを別体に形成した場合に比べて、戸尻側塞ぎ部50a及び戸先側塞ぎ部50bを止水手段に取り付ける手間を省略でき、浸水防止構造の設置性を高めやすくなる。
〔III〕各実施の形態に対する変形例
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(止水手段について)
上記実施の形態では、止水手段が、戸尻側止水部材11c、戸先側止水部材12c、上側止水部材13c、及びくつずり側止水部材14cを備えていると説明したが、これに限らない。例えば、戸尻側止水部材11c、戸先側止水部材12c、上側止水部材13c、又はくつずり側止水部材14cのいずれか1つ、いずれか2つ、又はいずれか3つを省略してもよい。
また、上記実施の形態では、戸尻側止水部材11c、戸先側止水部材12c、上側止水部材13c、及びくつずり側止水部材14cの各々の当接部42が、開閉体20の見付面と当接可能な位置に配置されていると説明したが、これに限らず、例えば、開閉体20の見込面と当接可能な位置に配置されてもよい。また、上記実施の形態では、上記当接部42におけるY-Z平面に沿った断面形状がC字状であると説明したが、これに限らず、例えば多角形状(例えば、略矩形状、略台形状等)、楕円形状であってもよい。また、上記実施の形態では、上記当接部42が中空状体であると説明したが、これに限らず、例えば中実状体であってもよい。
また、上記実施の形態では、戸尻側止水部材11c、戸先側止水部材12c、上側止水部材13c、及びくつずり側止水部材14cの各々のベース部側フィン部44の設置数が、4つであると説明したが、3つ以下であってもよく、5つ以上であってもよい。
また、上記実施の形態では、戸尻側止水部材11c、戸先側止水部材12c、上側止水部材13c、及びくつずり側止水部材14cの各々の当接部側フィン部45の設置数が、1つであると説明したが、2つ以上であってもよい。
(第1浸水防止構造について)
上記実施の形態では、当接部側フィン部45を、当接部42のベース部側部分42aに設けていると説明したが、これに限らず、例えば、当接部42の部分のうち開閉体20側の部分に設けてもよい。
また、上記実施の形態では、当接部側フィン部45を、見付方向に略沿って外側に張り出していると説明したが、これに限らず、例えば、見付方向に沿わないように外側に張り出してもよい。また、上記実施の形態では、当接部側フィン部45を、当接部42における枠体10に近接する部分から張り出していると説明したが、これに限らず、例えば、当接部42における枠体10に近接しない部分から張り出してもよい。
また、上記実施の形態では、当接部側フィン部45を、ベース部側フィン部44よりも外側に張り出すように設けていると説明したが、これに限らず、例えば、ベース部側フィン部44よりも外側に張り出さないように設けてもよい。
また、上記実施の形態では、当接部側フィン部45の厚さを、当接部42に近づくにつれて厚く設定していると説明したが、これに限らず、例えば、均一に設定してもよい。
また、上記実施の形態では、当接部側フィン部45と台座部41bの先端部とが見付方向に略沿った同一直線上に位置するように、当接部側フィン部45及び台座部41bが構成されていると説明したが、これに限らない。例えば、当接部側フィン部45と台座部41bの先端部とが見付方向に略沿った同一直線上に位置しないように、当接部側フィン部45及び台座部41bが構成されてもよい。
(第2浸水防止構造について)
上記実施の形態では、塞ぎ手段が、戸尻側下方角部15b及び戸先側下方角部15dに設けられていると説明したが、これに限らない。戸尻側下方角部15b又は戸先側下方角部15dのいずれかに設けられてもよい。あるいは、戸尻側上方角部15a又は戸先側上方角部15cにさらに設けてもよい。
また、上記実施の形態では、戸尻側塞ぎ部50aを、戸尻側突き合わせ部分16aよりも開口部3の内側に向けて突出させていると説明したが、これに限らず、例えば、戸尻側突き合わせ部分16aよりも開口部3の内側に向けて突出させなくてもよい(なお、戸先側塞ぎ部50bについても同様とする)。
また、上記実施の形態では、戸尻側塞ぎ部50aを、戸尻側突き合わせ部分16aのうち開閉体20との当接側の部分に配置していると説明したが、これに限らず、例えば、戸尻側突き合わせ部分16aのうち当接側とは反対側の部分に配置してもよい(なお、戸先側塞ぎ部50bについても同様とする)。
また、上記実施の形態では、戸尻側塞ぎ部50aの厚みを、戸尻側突き合わせ部分16aの端部のうち開閉体20との当接側の端部に近づくにつれて薄くなるように設定していると説明したが、これに限らず、例えば、均一に設定してもよい(なお、戸先側塞ぎ部50bについても同様とする)。
また、上記実施の形態では、戸尻側塞ぎ部50aと戸尻側下方角部15bとが、一体に形成されていると説明したが、これに限らず、例えば、別体に形成されてもよい(なお、戸先側塞ぎ部50bについても同様とする)。この場合には、戸尻側塞ぎ部50aは、戸尻側下方角部15bに対して嵌合構造又は接着剤等によって接続されてもよい。
また、上記実施の形態では、ベース部41の台座部41bのうち戸尻側突き合わせ部分16aに対応する部分が、連続状に形成されていると説明したが、これに限らず、例えば、非連続状に形成されてもよい。
(付記)
付記1の浸水防止構造は、建物の壁の開口部の周縁に設けられた枠体と、前記開口部を開閉する開閉体との相互間の隙間から水が浸入することを防止するための浸水防止構造であって、前記枠体に設けられた止水手段であって、前記開閉体によって前記開口部を全閉した全閉状態において前記開閉体と当接可能な止水手段を備え、前記止水手段は、前記開口部の角に対応する角部であって、第1部分と第2部分とを突き合わせることにより構成された角部を有し、前記全閉状態において前記止水手段における前記第1部分と前記第2部分との突き合わせ部分と前記開閉体との相互間に形成される隙間を塞ぐための塞ぎ手段を設けた。
付記2の浸水防止構造は、付記1に記載の浸水防止構造において、前記塞ぎ手段を、前記突き合わせ部分よりも前記開口部の内側に向けて突出させた。
付記3の浸水防止構造は、付記1又は2に記載の浸水防止構造において、前記塞ぎ手段を、前記突き合わせ部分のうち前記開閉体との当接側の部分に配置した。
付記4の浸水防止構造は、付記3に記載の浸水防止構造において、前記塞ぎ手段の厚みを、前記突き合わせ部分の端部のうち前記開閉体との当接側の端部に近づくにつれて薄くした。
付記5の浸水防止構造は、付記1から4のいずれか一項に記載の浸水防止構造において、前記止水手段は、前記枠体側に設けられたベース部と、前記ベース部よりも前記開閉体側に設けられた当接部であって、前記開閉体と当接可能な位置に設けられた当接部と、を備え、前記当接部を中空状に形成し、前記ベース部の一部である中実状の台座部を、前記当接部の内部に収容し、前記台座部のうち前記突き合わせ部分に対応する部分を、連続状に形成した。
付記6の浸水防止構造は、付記1から5のいずれか一項に記載の浸水防止構造において、前記止水手段と前記塞ぎ手段とを、一体形成した。
(付記の効果)
付記1に記載の浸水防止構造によれば、止水手段が、開口部の角に対応する角部であって、第1部分と第2部分とを突き合わせることにより構成された角部を有し、全閉状態において止水手段における第1部分と第2部分との突き合わせ部分と開閉体との相互間に形成される隙間を塞ぐための塞ぎ手段を設けたので、塞ぎ手段によって全閉状態において上記隙間を塞ぐことができる。よって、全閉状態において上記隙間から水が浸入することを防止でき、浸水防止性能を高めることができる。
付記2に記載の浸水防止構造によれば、塞ぎ手段を、突き合わせ部分よりも開口部の内側に向けて突出させたので、塞ぎ手段を突き合わせ部分よりも開口部の内側に向けて突出させない場合に比べて、全閉状態において上記隙間を効果的に塞ぐことができ、浸水防止性能を高めやすくなる。
付記3に記載の浸水防止構造によれば、塞ぎ手段を、突き合わせ部分のうち開閉体との当接側の部分に配置したので、塞ぎ手段を突き合わせ部分のうち開閉体との当接側とは反対側の部分に配置する場合に比べて、全閉状態において上記隙間を効果的に塞ぐことができ、浸水防止性能を高めやすくなる。
付記4に記載の浸水防止構造によれば、塞ぎ手段の厚みを、突き合わせ部分の端部のうち開閉体との当接側の端部に近づくにつれて薄くしたので、塞ぎ手段によって開閉体の状態が全閉状態になることが阻害されることを抑制でき、開閉体の使用性を維持しやすくなる。
付記5に記載の浸水防止構造によれば、止水手段が、ベース部よりも開閉体側に設けられた当接部であって、開閉体と当接可能な位置に設けられた当接部を備え、当接部を中空状に形成し、ベース部の一部である中実状の台座部を、当接部の内部に収容し、台座部のうち突き合わせ部分に対応する部分を、連続状に形成したので、台座部のうち突き合わせ部分に対応する部分と開閉体の角部分とで当接部を効果的に挟み込むことができ、全閉状態において上記隙間を塞ぎやすくなる。
付記6に記載の浸水防止構造によれば、止水手段と塞ぎ手段とを一体形成したので、塞ぎ手段と戸尻側下方角部15bとを別体に形成した場合に比べて、塞ぎ手段を止水手段に取り付ける手間を省略でき、浸水防止構造の設置性を高めやすくなる。
1 建具
2 壁
3 開口部
10 枠体
11 戸尻側縦枠材
11a 縦枠材本体
11b 固定材
11c 戸尻側止水部材
11d 凹部
11e 止水凹部
12 戸先側縦枠材
12a 縦枠材本体
12b 固定材
12c 戸先側止水部材
12d 凹部
12e 止水凹部
13 上側横枠材
13a 横枠材本体
13b 固定材
13c 上側止水部材
13d 凹部
13e 止水凹部
14 くつずり横枠材
14a 横枠材本体
14b 固定材
14c くつずり側止水部材
14d 凹部
14e 止水凹部
14f くつずり側傾斜面
15 角部
15a 戸尻側上方角部
15b 戸尻側下方角部
15c 戸先側上方角部
15d 戸先側下方角部
16a 戸尻側突き合わせ部分
16b 戸先側突き合わせ部分
20 開閉体
21 屋外側表面材
22 把手部
23 施錠装置
30 ヒンジ部
41 ベース部
41a ベース部本体
41b 台座部
41c 空間部分
42 当接部
42a ベース部側部分
43 剥離部
44 ベース部側フィン部
45 当接部側フィン部
50a 戸尻側塞ぎ部
50b 戸先側塞ぎ部

Claims (5)

  1. 建物の壁の開口部の周縁に設けられた枠体と、前記開口部を開閉する開閉体との相互間の隙間から水が浸入することを防止するための浸水防止構造であって、
    前記枠体に設けられた止水手段であって、前記開閉体によって前記開口部を全閉した全閉状態において前記開閉体と当接可能な止水手段を備え、
    前記止水手段は、前記開口部の角に対応する角部であって、第1部分と第2部分とを突き合わせることにより構成された角部を有し、
    前記全閉状態において前記止水手段における前記第1部分と前記第2部分との突き合わせ部分と前記開閉体との相互間に形成される隙間を塞ぐための塞ぎ手段を設け、
    前記塞ぎ手段を、前記突き合わせ部分よりも前記開口部の内側に向けて突出させた、
    浸水防止構造。
  2. 建物の壁の開口部の周縁に設けられた枠体と、前記開口部を開閉する開閉体との相互間の隙間から水が浸入することを防止するための浸水防止構造であって、
    前記枠体に設けられた止水手段であって、前記開閉体によって前記開口部を全閉した全閉状態において前記開閉体と当接可能な止水手段を備え、
    前記止水手段は、前記開口部の角に対応する角部であって、第1部分と第2部分とを突き合わせることにより構成された角部を有し、
    前記全閉状態において前記止水手段における前記第1部分と前記第2部分との突き合わせ部分と前記開閉体との相互間に形成される隙間を塞ぐための塞ぎ手段を設け、
    前記塞ぎ手段を、前記突き合わせ部分のうち前記開閉体との当接側の部分に配置した、
    浸水防止構造。
  3. 前記塞ぎ手段の厚みを、前記突き合わせ部分の端部のうち前記開閉体との当接側の端部に近づくにつれて薄くした、
    請求項2に記載の浸水防止構造。
  4. 前記止水手段は、
    前記枠体側に設けられたベース部と、
    前記ベース部よりも前記開閉体側に設けられた当接部であって、前記開閉体と当接可能な位置に設けられた当接部と、を備え、
    前記当接部を中空状に形成し、
    前記ベース部の一部である中実状の台座部を、前記当接部の内部に収容し、
    前記台座部のうち前記突き合わせ部分に対応する部分を、連続状に形成した、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の浸水防止構造。
  5. 前記止水手段と前記塞ぎ手段とを、一体形成した、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の浸水防止構造。
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