JPS64375Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、縦壁の一側方にブレーキペダルを配
置すると共に、前記縦壁に形成したガイド溝に対
して貫通する状態でブレーキレバーを前記ブレー
キペダルに連設し、前記ブレーキレバーを、その
左右変位によりそれを制動位置で固定する係止部
に対して係脱自在に構成した作業車の走行用ブレ
ーキ操作構造に関する。

上記ブレーキ操作構造は、走行用ブレーキに対
するブレーキペダルを制動位置で固定できるよう
にして駐車ブレーキに兼用し、構造の簡略化を図
ると共に、例えば作業車を運搬車の荷台へ塔載す
る場合において、歩み板上を走行させる時車体が
著しく傾斜し、危険が伴うため、運転者が車外よ
る操向、及びブレーキ操作を行えるように、ブレ
ーキペダルにブレーキレバーを連設し、操作性、
及び安全性の向上を図るものである。しかし、従
来一般に、前記ブレーキレバーをブレーキペダル
に揺動自在に連結し、制動位置でブレーキレバー
を揺動させて係止固定すべく構成していたため、
操縦部から固定操作する場合であつては、ブレー
キペダルの踏み操作とブレーキレバーの係止操作
の二操作を行わなくてはならず、又ブレーキペダ
ルが操縦部の下方に位置しているために、ブレー
キレバーの係止操作が行い難いものであつた。

本考案は、上記実情に鑑みてなされたもので、
ブレーキ操作構造の簡略化及び車外からのブレー
キ操作といつた利点を採用しながらも、操縦部か
らのブレーキ固定操作を楽に行えるようにするこ
とを目的とする。

次に、本考案の実施の態様を例示図に基づいて
説明する。

第１図に示すように、クローラ走行装置１を装
備した機体２に操縦部３及び脱穀装置４を搭載す
ると共に、前記機体２の前部に、植立穀稈を立姿
勢にする引起し装置５、引起された穀稈の株元を
切断する刈取装置６、刈取つた穀稈を後方上方に
搬送しながら横倒れ姿勢にして後部脱穀装置４の
フイードチエーン７に受け渡す穀稈搬送装置８等
からなる刈取処理部を駆動昇降自在に連結し、も
つて機体２の進行に伴い圃場の植立穀稈を刈取つ
て順次脱穀処理するコンバインを構成してある。

前記クローラ走行装置１に対するブレーキ操作
構造は、第２図に示すように、前記操縦部３のフ
ロントカバー９の一側方に、ブレーキペダル１
０、第１アーム１１及び第２アーム１２を一体連
結した横軸１３を回動自在に軸架すると共に、エ
ンジン１４からミツシヨン１５に動力伝達するベ
ルト伝動機構１６のテンシヨンアーム１７と前記
第１アーム１１とをリンク１８を介して連動連結
し、他方、前記ミツシヨン１５に内装の前記走行
装置１に対するブレーキ１９の操作アーム２０と
第２アーム１２とを圧縮スプリング２１を介装し
たロツド２２でもつて連動連結し、もつてブレー
キペダル１０の踏み込み初期操作でテンシヨンア
ーム１７を作動させてミツシヨン１５に対する動
力伝達を断ち、更にブレーキペダル１０を踏み込
むことによつてスプリング２１を介して操作アー
ム２０を揺動させ、前記走行装置１が制動状態と
なるよう構成してある。

前記ブレーキペダル１０の取付アーム１０ａを
弾性撓み変形自在な弾性体で形成すると共に、前
記フロントカバー９の縦壁９ａに形成したガイド
溝２３に対して貫通する状態で、前記取付アーム
１０ａの弾性復元力より弾性係数が小さな弾性体
からなるブレーキレバー２４を前記ブレーキペダ
ル１０に連設し、前記ブレーキレバー２４をその
弾性復元力に抗して車外からの手動操作、或は、
ブレーキペダル１０をその弾性復元力に抗して操
縦部３からの足踏み操作によつて、前記ブレーキ
レバー２４を前記ガイド溝２３下端に形成した係
止部２３ａに対して係脱自在に構成し、もつて、
前記ブレーキペダル１０を制動位置で固定するこ
とによつて、前記ブレーキ１９を駐車ブレーキに
兼用すべく構成してある。

尚、第４図に示すように、ブレーキレバー２４
をブレーキペダル１０に、かつブレーキペダル１
０の取付アーム１０ａを横軸１３に、夫々前記横
軸１３の長手方向に直交する軸芯P₁，P₂周りで
揺動自在に連結し、前記ブレーキレバー２４及び
取付アーム１０夫々の基端部に設けたストツパー
２５を、ブレーキペダル１０及び横軸１３に接当
させ、前記横軸１３に対して直交する姿勢に保持
すべく夫々の屈曲部間にスプリング２６を介装
し、もつて前記ブレーキレバー２４あるいはブレ
ーキペダル１０を前記スプリング２６の弾性復元
力に抗して揺動させ、前記ブレーキレバー２４の
係止部２３ａに対する係脱操作を行えるように構
成してもよい。

又、本考案は、コンバインに限らず各種作業車
に通用できる。

以上要するに、本考案は冒記した作業車の走行
用ブレーキ操作構造において、前記ブレーキペダ
ル１０及び前記ブレーキレバー２４を、前記係止
部２３ａに対するブレーキレバー２４の係止操作
を弾性復元力に抗して許容する状態で設け、前記
ブレーキペダル１０及びブレーキレバー２４に対
して作用する弾性復元力のうち前記ブレーキレバ
ー２４に対するものを他方より弾性係数が小さく
なるように構成してある事を特徴とする。

即ち、ブレーキレバー２４及びブレーキペダル
１０夫々に弾性復元力を付与し、夫々の弾性復元
力に抗してブレーキレバー２４を係止部２３ａに
係止固定させるようにすることによつて、冒記し
たように、操縦部からブレーキ固定操作を行う
に、ブレーキペダル１０の踏み操作に加え、下方
に位置するブレーキレバーを屈み込んで係止操作
するといつたことを要することなく、単に、ブレ
ーキペダル１０の踏み込み操作方向を変更するだ
けでもつて固定解除操作を楽な姿勢で容易迅速に
行えるようになつた。

尚、ブレーキレバー２４及びブレーキペダル１
０に弾性復元力を付与することなく、単純に揺動
自在に設けるようなことを考えられるが、この場
合、ブレーキレバー２４及びブレーキペダル１０
が車体の振動等によつて横振れし、ブレーキレバ
ー２４が案内溝２３周縁に接当して騒音を発する
とか、あるいはそのためにブレーキレバー２４等
が変形してしまうとか、更に制動時、不測にブレ
ーキレバー２４が係止部２３ａに係合してしまう
等の問題があり、安全性、操作性に欠けるもので
ある。しかし、本考案によればブレーキレバー２
４及びブレーキペダル１０共に弾性復元力を付与
してあるので、上述のような問題を生じさせるこ
となく、しかも、ブレーキレバー２４の弾性係数
を、ブレーキペダル１０の弾性係数よりも小さく
して手動操作での操作力を可及的に小さくし、全
体として、ブレーキ操作構造の簡略化を図りなが
ら、ブレーキ固定解除操作を、簡単な操作でしか
も楽な姿勢で行えるようになつた。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る作業車の走行用ブレーキ操
作構造の実施の態様を例示し、第１図はコンバイ
ンの全体側面図、第２図は要部側面図、第３図は
第２図の−線断面図、第４図は第２図の−
線断面図、第５図は変形構造を変す要部平面図
である。 ９ａ……縦壁、１０……ブレーキペダル、１０
ａ……取付アーム、２３……ガイド溝、２３ａ…
…係止部、２４……ブレーキレバー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 縦壁９ａの一側方にブレーキペダル１０を配
   置すると共に、前記縦壁９ａに形成したガイド
   溝２３に対して貫通する状態でブレーキレバー
   ２４を前記ブレーキペダル１０に連設し、前記
   ブレーキレバー２４を、その左右変位によりそ
   れを制動位置で固定する係止部２３ａに対して
   係脱自在に構成した作業車の走行用ブレーキ操
   作構造であつて、前記ブレーキペダル１０及び
   前記ブレーキレバー２４を、前記係止部２３ａ
   に対するブレーキレバー２４の係止操作を弾性
   復元力に抗して許容する状態で設け、前記ブレ
   ーキペダル１０及びブレーキレバー２４に対し
   て作用する弾性復元力のうち前記ブレーキレバ
   ー２４に対するものを他方より弾性係数が小さ
   くなるように構成してある事を特徴とする作業
   車の走行用ブレーキ操作構造。 前記弾性復元力を付与するに、前記ブレーキ
   ペダル１０の取付アーム１０ａ及び前記ブレー
   キレバー２４の少くとも一部を、弾性撓み変形
   自在な弾性体で形成してある事を特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第項に記載の構造。