JPS642862Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 開示技術は自動車の操向を制御するかじ取り装
置のラツクアンドピニオンギヤボツクスを効率良
く組み付けるようにする技術分野に属する。

而して、この考案は自動車等車輛のステアリン
グホイールを先端に固設するステアリングシヤフ
トに対し連係されたラツクアンドピニオン式のス
テアリングギヤボツクスが運転席斜め下方のダツ
シユパネル前面に溶接されたステアリングギヤボ
ツクスサポートメンバにステアリングギヤボツク
スサポートを介して固設され、一方、その前方に
はフロントラゲージパンがその上端を上記ステア
リングギヤボツクスサポートメンバとステアリン
グギヤボツクスサポートのいづれか一方の上部等
に溶接接合されて設けられているステアリング保
持体構造に関する考案であり、特に、上記ステア
リングギヤボツクスサポートは下方指向の屈曲状
に形成された曲面を有して溶接されており、而し
て、上記ステアリングギヤボツクスがインパクト
レンチ等の工具を介してステアリングギヤボツク
スサポートメンバ、ステアリングギヤボツクスサ
ポート、フロントラゲージパンの間の空間部の下
方から該曲面に効率良く固設されるようにされて
いる車輛のステアリング保持体構造に係る考案で
ある。

〈従来技術〉 周知の如く、従来、車輛である自動車のダツシ
ユパネル前部にフロントラゲージパンを設けてラ
ゲージルームを形成させるようにしたものには以
下の如き態様がある。

即ち、第１図に示す様に、運転席前方斜め下部
に設けられたダツシユパネル１の前部に溶接され
て横設されたステアリングギヤボツクスサポート
メンバ２の垂立面２′にラツクアンドピニオン式
のステアリングギヤボツクス８を有するステアリ
ングギヤボツクスサポート３が上下端縁３′、
３″を溶接して設けられ、一方、該上端縁３′に上
端４を溶接するフロントラゲージパン５は該上端
４から前方に延出された水平面５′が該ステアリ
ングギヤボツクスサポート３をその先部がオーバ
ーハングして下延されて該ステアリングギヤボツ
クスサポート３との対向面５″を有して前延され、
ラゲージルーム６を形成するようにした態様があ
る。

又、第２図に示す様に、フロントラゲージパン
７を上記第１図と同態様にステアリングギヤボツ
クスサポート３の下端縁３″にその先端を溶接す
ると共に両側に立面７′を設けてラゲージルーム
６′を形成させるようにした態様のものがあり、
又、実開昭57−128566号考案に示されている技術
等もある。

〈考案が解決しようとする課題〉 しかしながら、前者においてはステアリングギ
ヤボツクスサポート３にラツクアンドピニオン式
ステアリングギヤボツクス８を組み付けるに際
し、上記フロントラゲージパン５の水平面５′に
該ステアリングギヤボツクス８と連係するステア
リングシヤフト９を通す貫通孔１０を穿設しなけ
ればならないばかりでなく、又、該ステアリング
ギヤボツクス８を締結するための図示しない工具
を挿通させる孔部１１を上記対向面５″に穿設す
る必要があり、そのため、該貫通孔１０、及び、
孔部１１からラゲージルーム６内に塵埃、泥、
土、砂等が浸入する虞れが生じるという難点があ
つた。

又、孔部１１を介してステアリングギヤボツク
ス８を締結しなければならないことから、作業効
率が悪いという不都合さがあつた。

一方、後者においてはステアリングギヤボツク
スサポート３に締結されたステアリングギヤボツ
クス８の軸方向端に一体連設された図示しないタ
イロツドを通すための貫通孔を上記フロントラゲ
ージパン７の立面７′に穿設しなければならず、
したがつて、かかる態様においても上述同様に該
貫通孔から泥土等がラゲージルーム６′内に浸入
するという不具合さがあつた。

又、フロントラゲージパンの強度や剛性も低下
しかねないというマイナス点もあつた。

そして、上記実開昭57−128566号公報考案にお
いてはブラケツトに対しリテーナ取り付けが複雑
であり、正確な位置決めや締め付け固定の作業が
著しく煩瑣であるという不具合があつた。

この考案の目的は上述従来技術に基づく自動車
等の車輌のステアリング保持体の課題を解決すべ
き技術的課題とし、ステアリングギヤボツクスの
組み付け作業性が良く、フロントラゲージルーム
への塵埃や泥土等の浸入を防止し、シール性が良
好に保持され強度や剛性の低下も防止されるよう
にして自動車等車輌産業における操向技術利用分
野に益する優れたステアリング保持体構造を提供
せんとするものである。

〈課題を解決するための手段〉 上述目的に沿い先述実用新案登録請求の範囲を
要旨とするこの考案の構成は前述課題を解決する
ために、ステアリングシヤフトに連係されるラツ
クアンドピニオン式のステアリングギヤボツクス
がダツシユパネル前面に溶接されたステアリング
ギヤボツクスサポートメンバにステアリングギヤ
ボツクスサポートを介して固設され、一方ステア
リングギヤボツクスの前方にはフロントラゲージ
パンがステアリングギヤボツクスサポートメンバ
とステアリングギヤボツクスサポートのいづれか
一方の上部に上端を溶接接合されて設けられてい
る車輌のステアリング保持体構造であつて、上記
ダツシユパネルの前方にステアリングギヤボツク
スサポートメンバの上側の凸部をオーバーハング
状に設け、該上側の凸部の上部、又は、ステアリ
ングギヤボツクスサポートの上部にフロントラゲ
ージパンの上部が設けられ、而して上記ステアリ
ングギヤボツクスサポートが下方指向の屈曲状に
形成された曲面を有し、該曲面に上記ステアリン
グギヤボツクスが固設され、而して該ステアリン
グギヤボツクスは上記ステアリングギヤボツクス
サポートメンバとステアリングサポート、及び、
フロントラゲージパンの間の下方から工具により
効率良く締結自在にされている車輌のステアリン
グ保持体構造としたものである。

〈作用〉 而して、上記運転席の前方斜め下部に設けられ
たダツシユパネルの前面に上側の凸部をオーバー
ハングして溶接されたステアリングギヤボツクス
サポートメンバに対して溶接されたステアリング
ギヤボツクスサポートに下方指向状に屈曲された
曲面を形成し、該曲面にステアリングシヤフトを
連係するラツクアンドピニオン式のステアリング
ギヤボツクスをステアリングギヤボツクスサポー
トメンバ、ステアリングボツクスサポート、フロ
ントラゲージパンの空間部の下方からインパクト
レンチ等の工具をして効率良く締結固定出来るよ
うにし、一方、フロントラゲージパンはその上端
をステアリングギヤボツクスサポートメンバの上
側凸部、又は、ステアリングギヤボツクスサポー
トの上部のいづれか一方に溶接されてダツシユパ
ネルの前方にステアリングギヤボツクスに対しオ
ーバーハングして延出されるようにした技術的手
段を講じたものである。

〈実施例〉 次にこの考案の１実施例を第１，２図を援用し
て第３図に基づいて説明すれば以下の通りであ
る。尚、第１，２図と同一態様部分については同
一符号を付して説明するものとする。

１２はこの考案の要旨の中心を成すステアリン
グ保持体であり、運転席の前方に斜め下部に設け
られたダツシユパネル１には、その上部にステア
リングシヤフト挿通孔１′が穿設されていると共
に斜面１″に段面くの字形のステアリングギヤボ
ツクスサポートメンバ１３が一体的に溶接されて
いる。

而して、該ステアリングギヤボツクスサポート
メンバ１３は上下側に凸部１４，１５を有して前
方に湾曲形成されており、該上側の凸部１４が上
記挿通孔１′を跨ぎ上下端１６，１７、及び、中
間部１８がダツシユパネル１の斜面１″に溶接接
合され、又、長手方向側端は図示しないフロント
サイドメンバに溶接されている。

尚、上側の凸部１４にはステアリングシヤフト
挿通孔１４′が該上側の凸部１４の下方傾斜面１
４″に穿設されている。

一方、１９はステアリングギヤボツクスサポー
トでステアリングギヤボツクスサポートメンバ１
３の長手方向中央部にて上端２０が上記上側の凸
部１４の頂凸部１４に溶接され、該上端２０か
ら下延されて前方に屈曲形成された曲面２１は基
部側下方に指向して設けられ、更に、該曲面２１
から一体側延された下端２２が下側の凸部１５の
上向傾斜面１５′に溶接されている。

而して、曲面２１には断面円形のステアリング
ギヤボツクス８がその前後のフランジ８′，８′を
下方から締結具としてのインパクトレンチ２３を
介しボルト２４をして横設状に締結固定され、該
ステアリングギヤボツクス８に連係する第１，２
図同様のステアリングシヤフト９はステアリング
ギヤボツクスサポート１９の図示しない挿通孔か
らステアリングギヤボツクスサポートメンバ１３
の挿通孔１４′、ダツシユパネル１の挿通孔１′を
通して運転席に延出するようにされている。

又、２５はフロントラゲージパンで、その上端
２６を上記上側の凸部１４の上方傾斜面１４に
溶接して溶接部から前方に延出された平面２７は
ステアリングギヤボツクス８をオーバーハングし
て下延され、その下延部が該ステアリングギヤボ
ツクス８の前方の対向面２８を成し、該対向面２
８の下部が湾曲されて、更に、前方に延出されて
図示しないクロスメンバに溶接されている。

尚、この考案の実施態様は上述実施例に限るも
のでないことは勿論であり、例えば、ステアリン
グギヤボツクスサポートの曲面を下方垂直に指向
させて屈曲させるようにしても良く、又、フロン
トラゲージパンの一端はステアリングギヤボツク
スサポートに溶接しても良い等種々の態様が採用
可能である。

〈考案の効果〉 以上、この考案によれば、車輛のステアリング
保持体構造において、ダツシユパネル前面に溶接
されたステアリングギヤボツクスサポートメンバ
に対して溶接されるラツクアンドピニオン式のス
テアリングギヤボツクスを有するステアリングギ
ヤボツクスサポートに下方指向の屈曲形成された
曲面を設け、該曲面にラツクアンドピニオン式の
ステアリングギヤボツクスが固設されるようにさ
れているため、基本的に該ステアリングギヤボツ
クスはステアリングギヤボツクスサポート、ステ
アリングギヤボツクスサポート、フロントラゲー
ジパンの間の空間部の下方から容易にインパクト
レンチ等の工具により効率良く締結させることが
出来、作業効率を大幅に向上させることが出来る
という優れた効果が奏される。

又、上述締結作業は下方からインパクトレンチ
等の工具により直接行うことが出来るので、他の
部分、例えば、フロントラゲージパンに締結用工
具挿通孔を穿設する必要がなく、したがつて、フ
ロートラゲンジルームはシール性が保され、塵埃
や泥土等のステアリング保持体内への浸入が防止
され、又、それだけ強度や剛性が保持されるとい
う効果が奏される。

更に、ステアリングギヤボツクスの前方にはフ
ロントラゲージパンがステアリングギヤボツクス
サポートメンバとステアリングギヤボツクスサポ
ートのいづれか一方の上部に一端を溶接接合され
て設けられているので、走行中に該ステアリング
ギヤボツクスは飛石等から保護され、損傷防止が
図れるという効果が奏される。

而して、この考案においては、ステアリングギ
ヤボツクスサポートメンバの上側の凸部をステア
リングギヤボツクスに対してオーバーハング状に
して設け、更に、該凸部の上部、又は、ステアリ
ングギヤボツクスサポートの上部にフロントラゲ
ージパンの上部が溶接等により設けられるように
したことにより、該フロントラゲージパンの取付
部がステアリングギヤボツクスの取付面より上方
にあるようにされ、したがつて、該フロントラゲ
ージパンには取付孔等を穿設する必要がなく、フ
ロントラゲージパンとダツシユパネルとの間のス
ペースから締付工具等を挿入することにより、ス
テアリングギヤボツクスを取り付けることが出来
るという効果が奏される。

【図面の簡単な説明】

第１、２図は従来技術に基づくステアリングの
各断面側面図、第３図は１実施例の断面側面図で
ある。 ９……ステアリングシヤフト、８……ステアリ
ングギヤボツクス、１……ダツシユパネル、１″
……前面、１３……ステアリングギヤボツクスサ
ポートメンバ、１９……ステアリングギヤボツク
スサポート、２５……フロントラゲージパン、１
４……凸部、１４，２０……上部、２６……一
端、１２……ステアリング保持体、２１……曲
面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ステアリングシヤフトに連係されるラツクアン
   ドピニオン式のステアリングギヤボツクスがダツ
   シユパネル前面に溶接されたステアリングギヤボ
   ツクスサポートメンバにステアリングギヤボツク
   スサポートを介して固設され、一方ステアリング
   ギヤボツクスの前方にはフロントラゲージパンが
   ステアリングギヤボツクスサポートメンバとステ
   アリングギヤボツクスサポートのいづれか一方の
   上部に上端を溶接接合されて設けられている車輛
   のステアリング保持体構造において、上記ダツシ
   ユパネルの前方にステアリングギヤボツクスサポ
   ートメンバの上側の凸部をオーバーハング状に設
   け、該上側の凸部の上部又はステアリングギヤボ
   ツクスサポートの上部にフロントラゲージパンの
   上部が設けられ、而して上記ステアリングギヤボ
   ツクスサポートが下方指向の屈曲状に形成された
   曲面を有し、該曲面に上記ステアリングギヤボツ
   クスが固設され、而して該ステアリングギヤボツ
   クスは上記ステアリングギヤボツクスサポートメ
   ンバとステアリングサポート、及び、フロントラ
   ゲージパンの間の下方から工具により効率良く締
   結自在にされていることを特徴とする車輛のステ
   アリング保持体構造。