JPS64265Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は立スピンドル取付工具の切削油供給構
造の改良に関する。

従来の穿孔装置では、高速回転可能な立スピン
ドルの下部に該立スピンドルの回転軸線と同心の
テーパ円筒状又は直円筒状の取付孔結合部に対し
て工具ホルダが着脱自在に取付けられていて、穿
孔作業中、前記立スピンドルの回転中心に上下貫
通された給油孔を通じて切削油が供給される構造
になつている。このため、工具ホルダを取り外し
たとき前記切削油が取付孔結合部内壁面を流下す
る。これにより、取付孔結合部内壁内及びホルダ
外面に切削油中に含まれる塵埃や微細鉄粉等の異
物が付着し、再び工具ホルダを取りつけたとき、
該ホルダと取付孔結合部内壁面との間に前記異物
がかみこまれ、工具ホルダが芯狂いを生じ、回転
振れを起す。このことは、喰付時に刃先欠損を生
じたり、穿孔精度を低下させるのみでなく、穿孔
作業上極めて危険である。

本考案は上記欠点を除き、切削油が工具ホルダ
取付孔結合部内面に附着するのを防止し、穿孔精
度の向上と、安全な穿孔作業とを可能にした立ス
ピンドル取付工具の切削油供給構造である。

すなわち、本考案は、主軸頭の内側に軸受を介
して立スピンドルが回転自在に装着され、該立ス
ピンドルの下部には直接またはそこに取付けられ
たアダプタに、上記立スピンドルの回転軸線と同
心のテーパ円筒状または直円筒状の取付孔結合部
が形成され、この取付孔結合部の内周面に工具ホ
ルダの結合部外周面が面接触するように工具ホル
ダが着脱自在に取付けられ、前記立スピンドルと
アダプタまたは工具ホルダには、前記立スピンド
ルの回転軸線と同心に給油孔が形成され、それら
の両給油孔を連続させるように、下端が前記取付
孔結合部の上端よりも下方で前記工具ホルダの給
油孔内まで侵入して工具ホルダの給油孔に油密構
造で係合する給油ノズルが前記立スピンドルまた
はアダプタの給油孔下端部に固定されたものであ
る。

以下、本考案の一実施例を図面にもとづいて説
明する。

第１図において、主軸頭１の内側に軸受２を介
して立スピンドル３が回転自在に装着されてい
る。該立スピンドル３の下部には、該立スピンド
ル３の回転軸線と同心のテーパ円筒状の取付孔結
合部３１が設けられ、該取付孔結合部３１にテー
パ付工具ホルダ４が公知の工具ホルダ締付具５に
よつて着脱自在に取付けられる。工具ホルダ４の
下部には、ドリル、エンドミル等の穿孔工具６が
挿入され、偏心カムよりなるロツク部材７により
固定されて前記立スピンドル３と一体回転され
る。

前記立スピンドル３と工具ホルダ４とには、前
記立スピンドル３の回転軸線と同心に、夫々、給
油孔３２，４１が貫設される。これらの給油孔３
２，４１は穿孔工具６の軸線と同心に設けられた
工具給油孔６１に連通する。

立スピンドル３の給油孔３２の下端部には雌ね
じ３３が刻設され、該雌ねじ３３には、上端部に
雄ねじ８１が刻設された給油ノズル８が液密状態
で螺合される。該給油ノズル８の下部８３は先細
テーパに形成され、前記工具ホルダ４の給油孔４
１内へ深く進入する程度の長さを有し、その軸線
と同心のノズル給油孔８２が貫設されている。工
具ホルダ４と給油ノズル８との隙間にはオイルシ
ール９が付され液密とされている。前記先細テー
パ部８３は工具ホルダ４を如何なる姿勢で挿入さ
れても正常な位置に案内する役目を持つ。

本考案の立スピンドルは以上の構造よりなるた
め、穿孔に際して切削油が供給されると、該切削
油は立スピンドル３の給油孔３２から給油ノズル
８の給油孔８２を経て工具ホルダ４の給油孔４１
へ流下供給されるので、遠心力が作用しても、該
切削油は工具ホルダ取付孔結合部３１内壁面への
進入を阻止される。そのため工具ホルダ４をとり
外した場合でも、前記取付孔結合部３１に、工具
ホルダ４の芯狂いの原因となるような異物が付着
する怖れがない。

工具ホルダ取付孔結合部３１が直円筒状をなす
ものであつてもその作用、効果は上記実施例と同
じである。

第２図は他の実施例を示し、立スピンドル３と
工具ホルダ４とがアダプタ１０を介して組み付け
られる。該アダプタ１０は、軸心に給油孔１１ａ
が貫設され、下端部外周にねじ１１ｂが刻設され
たアダプタ吊上ボルト１１によつて螺合吊持さ
れ、前記立スピンドル３に固定される。そして、
給油ノズル８は、前記アダプタ１０の軸心に貫設
され給油孔１０ａの下端部に螺合固定されてい
る。本実施例では、給油ノズル８によつて、アダ
プタ１０に設けられた工具ホルダ取付孔結合部１
０ｂ内壁面に切削油が進入するのを阻止してい
る。

以上の如く本考案は、その下端が工具ホルダの
給油孔内まで進入した給油ノズルが立スピンドル
又はアダプタの給油孔下端部に固定されたので、
切削油が立スピンドル又はアダプタの工具ホルダ
取付孔結合部内壁面に進入することが阻止され、
しかも、このような簡単な構成によつてこの部分
に異物が付着することがなく、工具ホルダの芯狂
いや、該芯狂いによる穿孔作業中の危険を未然に
防止できることとなつた。

また、工具ホルダを交換する毎にその取付孔内
面を洗浄しなくてもよいので、洗浄装置を必要と
せず、同時に洗浄による時間の無駄を排除できる
こととなつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す縦断面図、第
２図は他の実施例を示す縦断面図である。 １……主軸頭、２……軸受、３……立スピンド
ル、３１……工具ホルダ取付孔結合部、４……工
具ホルダ、３２，４１，６１，８２……給油孔、
５……工具ホルダ締付具、６……穿孔工具、８…
…給油ノズル、１０……アダプタ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 主軸頭の内側に軸受を介して立スピンドルが回
   転自在に装着され、該立スピンドルの下部には直
   接またはそこに取付けられたアダプタに、上記立
   スピンドルの回転軸線と同心のテーパ円筒状また
   は直円筒状の取付孔結合部が形成され、この取付
   孔結合部の内周面に工具ホルダの結合部外周面が
   面接触するように工具ホルダが着脱自在に取付け
   られ、前記立スピンドルとアダプタまたは工具ホ
   ルダには、前記立スピンドルの回転軸線と同心に
   給油孔が形成され、それらの両給油孔を連続させ
   るように、下端が前記取付孔結合部の上端よりも
   下方で前記工具ホルダの給油孔内まで侵入して工
   具ホルダの給油孔に油密構造で係合する給油ノズ
   ルが前記立スピンドルまたはアダプタの給油孔下
   端部に固定されたことを特徴とする立スピンドル
   取付工具の切削油供給構造。