JPS642304Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は小型テープカセツト用アダプタに係
り、特に標準形テープカセツトより小型のテープ
カセツトを標準テープカセツト用記録再生装置に
装着するときに用いられる小型テープカセツト用
アダプタに関する。

従来技術 本出願人は先に標準形テープカセツトより小型
のテープカセツト、及びこの小型テープカセツト
を標準形記録再生装置に装着するときに用いるア
ダプタを提案した。このアダプタは、小型テープ
カセツトを収納し、更にはテープローデイングを
行なつてアダプタ内に標準形テープカセツトの前
面側テープパスに対応したテープパスを形成した
状態で、標準形テープカセツトの場合と同様に、
記録再生装置に装着される。プレイ操作によりテ
ープはアダプタより引き出されてドラムに巻き付
けられ、再生動作が行なわれる。このため、上記
のアダプタでは、ローデイングポールはテープロ
ーデイングが完了した後での使用状態では、標準
形テープカセツトの前面側のテープガイドポール
に対応するテープガイドポールとして機能するも
のであり、これがガタついたりすると記録再生ヘ
ツド部分でのテープ走行が不安定となつて記録再
生が良好に行なわれなくなつてしまう。またロー
デイングポールはテープテンシヨンによりアンロ
ーデイング方向の力を作用されておりガタツキ易
いため、このことよりしても、ローデイングポー
ルをローデイング完了位置に堅固に保持させるこ
とが必要となつてくる。またローデイングポール
の垂直度が悪いとテープが幅方向に上下動しつゝ
走行する現象が表われてきて、再生画にノイズが
生ずるため、ローデイングポールの垂直度も精度
良く保つ必要がある。

そこで、本出願人は先に特願昭57−104289号
「小型テープカセツト用アダプタ」において、テ
ープローデイング機構のテープローデイング動作
に関連してロツクレバーを回動させてローデイン
グポールをローデイング完了位置にロツクするよ
うにしてローデイングポールを垂直度を精度良く
保つて堅固に保持して、テープ走行の安定化を図
つた小型テープカセツト用アダプタを提案した。
このアダプタは、操作ノブとローデイングアーム
とを引張りばねが組込まれたリンクで連結した構
成とし、操作ノブの操作によりローデイングアー
ムを回動させ、操作ノブはローデイング動作が完
了した後も上記引張りばねの伸張を伴なつてロー
デイングアームとは独立に回動することが可能と
なり、操作ノブのローデイング動作完了後での回
動によりロツクレバーを回動させる構成としてあ
る。即ち、ローデイングアームが動作してローデ
イングポールがロツクレバーの先端側を通過した
後にロツクレバーが動作を開始するように定めて
ある。

しかし、上記のアダプタでは、小型テープカセ
ツトよりのテープの引出し負荷が普通の場合には
問題はないが、このテープ引出し負荷が特に大な
る場合にはテープテンシヨンによりローデイング
動作の途中で上記引張りばねが伸張してしまい、
伸張した引張りばねが収縮するときにローデイ
ングアームが勢いよく回動してテープを傷めてし
まう、ロツク機構が設けてある場合には、ロー
デイングポールがロツクレバーの先端を通過する
タイミングが通常より遅れ、ローデイングポール
がロツクレバーの先端側を通過する前にロツクレ
バーが動作を開始して、ローデイングポールがロ
ツクレバーに追従する格好となり、ロツク動作が
正常に行なわれなくなつてしまう恐れがあるとい
う等の問題点があつた。

問題点を解決するため手段 そこで、本考案は上記問題点を解決した小型テ
ープカセツト用アダプタを提供することを目的と
するものであつて、その構成は、回転駆動される
操作ノブ１０の回転動作に応じてローデイングポ
ールをアンローデイング位置からローデイング完
了位置に移動させて固定ストツパ３５に当接させ
るローデイングアーム５と、一端が上記操作ノブ
にピン３８にて連結させるとともに、他端が上記
ローデイングアームに固定され、上記一端に短い
一方の長孔部２９ａと長い他方の長孔部２９ｂか
ら成る二又の長孔２９が設けられ、この長孔の上
記一方の長孔部２９ａに上記ピンが係合している
ときに上記操作ノブの回転駆動力を上記ローデイ
ングアームに伝達するリンク２４とを備えたテー
プローデイング機構と、 上記ローデイングポールが上記固定ストツパ３
５に当接したときにおける上記リンクの一端の移
動位置に配置され、このリンクの一端を変位させ
て上記ピンを一方の長孔部２９ａから他方の長孔
部２９ｂに係合させて上記ピンによるこのリンク
の一端と上記操作ノブとの連結状態を解除する連
結解除用カム３４と、 上記固定ストツパに当接したローデイングポー
ルを押圧してこのローデイングポールを固定スト
ツパに圧接固定するロツクレバー２０と、 上記リンクの一端が上記連結解除用カムに当接
した後の上記操作ノブの回転駆動によつて連結レ
バーを介して上記ロツクレバーを移動させるレバ
ー３７，３８とを具備してなる構成としたもので
ある。

実施例 次に本考案になる小型テープカセツト用アダプ
タの一実施例について説明する。

第１図及び第２図に示すように、小型テープカ
セツト用アダプタ１は、標準形テープカセツトと
実質上同じ外形寸法を有し、内部に、小型テープ
カセツト収納部２を有し、更には先端にポール
３，４を設けたローデイングアーム５，６等が組
込まれている。

標準形テープカセツトより小型である小型テー
プカセツト７は、ローデイングアーム５，６が第
１図に示す回動位置にあるアンローデイング完了
状態で、蓋８が開かれた状態で収納部２内に収納
され、トツプカバー９が閉じられる。これによ
り、アダプタ１は第１図に示す小型テープカセツ
ト収納完了状態となる。引き続いて、操作ノブ１
０を指先で時計方向に回動操作する。この操作に
より、アーム５はリンク１１に引かれてピン１２
を中心に時計方向に回動し、アーム６はリンク及
び歯車列（共に図示せず）を介してしてピン１３
を中心に反時計方向に回動し、このときポール
３，４が磁気テープ１４を小型テープカセツト７
より引き出し、アダプタ１内でローデイング動作
が行なわれる。アーム５，６は第２図に示す位置
まで回動し、テープ１４はローデイング完了後に
はガイドポールとして機能するポール３，４，に
案内され標準形テープカセツトの前面側テープパ
スに対応するテープパス１５が形成される。これ
によりアダプタ１は第２図に示すローデイング完
了状態となり、標準形記録再生装置に装着可能状
態となる。

また、小型テープカセツト７を取出すときは、
まず操作ノブ１０を反時計方向に回動操作してア
ーム５，６を第１図に示す元の位置まで回動復帰
させてテープアンローデイング動作を完了させ
る。この状態で小型テープカセツト７をアダプタ
１より取り出すことができる。

次に本考案の要部をなす機構について第３図乃
至第１０図を併せ参照して説明する。２０はロツ
クレバーであり、第３図の状態ではばね２１によ
り反時計方向に回動しており、ポール３の回動移
動軌跡Ｌより外れた位置にある。このため、ポー
ル３はロツクレバー２０に衝突することなく、ロ
ーデイング完了位置まで移動する。またリンク１
１は、リンク片２２と、リンク片２３と、リンク
片２４とをピン２５，２６により連結してなるも
のであり、引張りばねは組込まれていず、リンク
片２２はピン２７によりアーム５に連結してあ
る。操作ノブ１０と一体のギヤ（図示せず）上の
ピン２８がリンク片２４の長孔２９内に遊合して
いる。リンク１１はピン２５，２６，２８を固定
ガイド板３０のＪ字形ガイド溝３１に案内され
つゝ、第４図に示すように溝３１内に巻き取られ
るように引き込まれ、アーム５が時計方向に回動
する。

リンク片２４は第５図に拡大して示すように略
Ｖ字形状をなし、屈曲部分に突出部２４ａを有
し、一腕部２４ｂに逆Ｖ字形状の長孔２９が形成
してある。この長孔２９は、ガイド溝３１の半径
方向に延在する一方の長孔部２９ａとガイド溝３
１の延在方向と同方向に延在する他方の長孔部２
９ｂとよりなる。長孔部２９ａはピン２８を引つ
掛ける作用をし、長孔部２９ｂはピン２８のリン
ク片２４に対する独立した移動を可能とする作用
をする。また３２は抜け出め防止用ワツシヤであ
る。

また固定ガイド板３０には、第６図に示すよう
に、上記突出部２４ａを案内する円弧状ガイド段
部３３がガイド溝３１に沿つて形成してある。ガ
イド段部３３の終端部はコ字状凹部３３ａとして
ある。また固定ガイド板３０には、ローデイング
動作の終了時にリンク片２４の腕部２４ｂを案内
する円形突起３４が形成してある。この円形突起
３４とコ字状凹部３３ａとは、協働して、リンク
片２４をピン２６に関して反時計方向に回動させ
る作用をする。

こゝで、ピン２８とリンク片２４とは、第５図
及び第７図に示すようにリンク片２４がピン２６
に関して時計方向に回動している状態ではピン２
８は長孔部２９ａ内に位置してリンク片２４を係
止し、ピン２８とリンク１１（ローデイングアー
ム５）とが機械的に連結された状態となり、第９
図に示すようにリンク片２４がピン２６に関して
反時計方向に回動するとピン２８が長孔部２９ａ
より抜け出して長孔部２９ｂに移り、ピン２８と
リンク１１（ローデイングアーム５）との機械的
連結が解除された状態となる関係となつている。

上記操作ノブ１０の操作により、ピン２８はガ
イド溝３１内を時計方向に移動する。リンク片２
４はピン２８により引かれて移動し、このとき第
７図に示すように突出部２４ａをガイド段部３３
により案内されてピン２６に関して時計方向に回
動されたまゝ移動する。従つて、最初の状態から
ローデイング動作が略終了するまでの間では、ピ
ン２８とリンク１１とが機械的に連結された状態
にあるため、小型テープカセツト７よりのテープ
引出し負荷が大であるような場合、即ちローデイ
ングポール３に係止されたテープのテンシヨンが
大であるような場合にも、ローデイングアーム５
は操作ノブ１０の回動操作に対して遅れることな
く、操作ノブ１０の回動操作に対応して回動す
る。

ローデイング動作が進行し、第４図に示すよう
に、ローデイングポール３がロツクレバー２０の
先端側を通過した最終段階に到ると、リンク片２
４とピン２８とは第８図に示す状態となる。即
ち、リンク片２４は、腕部２４ｂの先端側が突起
３４に当接し、突出部２４ａが円弧状ガイド段部
３３より外れてコ字状凹部３３ａに対向し、ピン
２８により引かれて移動しつゝ連結解除用カムで
ある円形突起３４に案内されてピン２６に関して
反時計方向に回動する。このリンク片２４のピン
２６を中心とする反時計方向回動により、ピン２
８が長孔部２９ａより抜け出る方向に移動し、遂
には第９図に示すように長孔部２９ａより抜け出
して長孔部２９ｂに対向する状態となる。このと
き、ローデイングアーム５は最終位置まで回動し
てローデイングポール３は固定ストツパー３５に
当接する。従つて、ローデイングアーム５が最終
位置まで回動した段階では、ピン２８とリンク１
１（ローデイングアーム５）との機械的連結が解
除されてピン２８はリンク１１を引張り得ない状
態となる。

引き続いての操作ノブ１０の最終位置への操作
時、ピン２８は長孔部２９ｂ内を第９図中位置Ａ
より二点鎖線で示す位置Ｂまでリンク１１とは独
立に単独で移動する。またローデイングポール３
がロツクレバー２０の先端側を通過した後での操
作ノブ１０の最終位置への回動操作により、操作
ノブ１０と一体のカム３６の作用で、Ｌ字形レバ
ー３７が時計方向に回動し、ロツクレバー２０が
連結レバー３８により引かれて、時計方向に回動
する。ロツクレバー２０の回動は、確実にポール
３がレバー２０の先端側を通過した後に開始さ
れ、ロツクレバー２０はポール３を追随するよう
に回動して最終位置に到つたポール３の上部に係
合する。こゝで、Ｌ字形レバー３７は、このレバ
ー３７上のピン３９とロツクレバー２０の上のピ
ン３９（これに連結レバー３８の長孔３８ａが嵌
合している）との間に張架してあるバネ条数の大
きな引張りコイルばね４０が伸張するまで回動
し、ロツクレバー２０はコイルばね４０により時
計方向に回動付勢される。

これにより、ポール３は、第２図及び第１０図
に示すように、下部については固定ストツパ３５
の下部係止面３５ａに押圧係止され、上部につい
てはロツクレバー２０により反対側を押圧されて
Ｖ字形受け部３５ｂ内に嵌合圧着された状態とな
り、垂直度に関して高精度に保たれると共にロー
デイング完了位置にロツクされて堅固に保持され
る。

また上記操作ノブ１０のリンク１１とは独立し
た操作過程は、リンク等の組立誤差を吸収して、
操作ノブ１０が最終位置まで操作されたときにロ
ーデイング機構が確実にローデイング完了状態と
なるようにする作用もするものである。

操作ノブ１０を反時計方向に回動操作すると、
ピン２８が位置Ｂより長孔部２９ｂ内を移動する
期間はピン２８はリンク１１（ローデイングアー
ム５）とは独立に移動し、この間にロツクレバー
２０が反時計方向に回動し、ポール３に対するロ
ツクが解除される。引き続いての操作により、ピ
ン２８がリンク片２４を押し、リンク１１がガイ
ド溝３１に沿つて前記とは逆方向に移動し、テー
プアンローデイング動作が行なわれる。特にリン
ク片２４は突出部２４ａをコ字状凹部３３ａの端
部に案内されてピン２６に関して時計方向に回動
し（ピン２８が長孔部２９ａ内に嵌入し）、以後
は突出部２４ａを円弧状ガイド段部３３により案
内されつつ移動する。

なお、本考案は上記のような手動操作型のアダ
プタに限らず、ローデイング動作をモータにより
行なうモータ駆動型のアダプタとしても構成出来
るのは勿論である。

効 果 上述の如く、本考案になる小型テープカセツト
用アダプタによれば、操作ノブの操作がリンクを
介してローデイングアームに伝達される構成であ
るため、ローデイングアームの回動は操作ノブの
操作に対応したものとなり、テープローデイング
を安定に行なうことが出来る。

またローデイングポールを固定ストツパに押圧
するロツクレバーを設け、操作ノブの最終段階で
操作ノブとリンクとの連結が解除され、連結解除
後の操作ノブの回動により上記ロツクレバーを回
動させる構成としてあるため、小型テープカセツ
トからのテープ引出し負荷が大きい場合であつて
も、テープローデイング動作の進行度に対するロ
ツクレバーの動作開始のタイミングはずれずに、
常に一定となりロツク動作を確実に行うことが出
来るという特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は夫々本考案になる小型テー
プカセツト用アダプタの一実施例の、テープロー
デイング動作前及びテープローデイング動作完了
後の状態を示す平面図、第３図及び第４図は夫々
巻取リール側ローデイング機構及びロツク機構等
のローデイング動作前及びローデイング動作完了
直前の状態を示す図、第５図、第７図乃至第９図
は夫々リンクを構成する一のリンク片とこれと係
合するピンとの関係がローデイング動作の進行に
応じて如何に変化するかを示す図、第６図は固定
ガイド板の底面図、第１０図はローデイング完了
後でのローデイングポールロツク状態を示す図で
ある。 １……小型テープカセツト用アダプタ、３……
ポール、５……ローデイングアーム、７……小型
テープカセツト、１０……操作ノブ、１１……リ
ンク、１４……磁気テープ、２０……ロツクレバ
ー、２２，２３，２４……リンク片、２５，２
６，２７，２８……ピン、２９……長孔、２９
ａ，２９ｂ……長孔部、３０……固定ガイド板、
３１……Ｊ字形ガイド溝、３３……円弧状ガイド
段部、３３ａ……コ字状凹部、３４……円形突
起、３５……固定ストツパ、３６……カム、３７
……Ｌ字形レバー、３８……連結レバー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 小型テープカセツトを標準形テープカセツト用
   記録再生装置に装着するときに用いられる小型テ
   ープカセツト用アダプタであつて、 回転駆動される操作ノブの回転動作に応じてロ
   ーデイングポールをアンローデイング位置からロ
   ーデイング完了位置に移動させて固定ストツパに
   当接させるローデイングアームと、一端が上記操
   作ノブにピンにて連結させるとともに、他端が上
   記ローデイングアームに固定され、上記一端に短
   い一方の長孔部と長い他方の長孔部から成る二又
   の長孔が設けられ、この長孔の上記一方の長孔部
   に上記ピンが係合しているときに上記操作ノブの
   回転駆動力を上記ローデイングアームに伝達する
   リンクとを備えたテープローデイング機構と、 上記ローデイングポールが上記固定ストツパに
   当接したときにおける上記リンクの一端の移動位
   置に配置され、このリンクの一端を変位させて上
   記ピンを一方の長孔部から他方の長孔部に係合さ
   せて上記ピンによるこのリンクの一端と上記操作
   ノブとの連結状態を解除する連結解除用カムと、 上記固定ストツパに当接してローデイングポー
   ルを押圧してこのローデイングポールを固定スト
   ツパに圧接固定するロツクレバーと、 上記リンクの一端が上記連結解除用カムに当接
   した後の上記操作ノブの回転駆動によつて連結レ
   バーを介して上記ロツクレバーを移動させるレバ
   ーとを具備してなる構成の小型テープカセツト用
   アダプタ。