JPS599421Y2 - 磁気テ−プ記録装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は磁気テープ記録装置に係り、更に詳述すれば
機構的自動停止機構（メカニカルオートストップ機構）
を備えた磁気テープ記録装置の改良に関するものである
。

従来、テープ状体移送装置例えばカセット式磁気テープ
記録装置におけるテープ状体の移送終り検出装置として
は種々の態様のものが提案されているが、全体の構或が
複雑であったり、確実にテープ状体の移送終りを検出し
得なかったりして十分な満足し得るものはなかった。

このような欠点を除去するため機構的自動停止機構の提
案が種々なされている。

この種の機構的自動停止機構は基板の下方に基板と平行
な回転軸を配設し、該回転軸の一端はウオームホイール
等の回転伝達手段を介してキャプスタン軸やモータ等を
介して一定方向の回転が伝達されるようになっており、
他端には外周面に第１のカム面を形威した回転板と前記
回転板の画板面と夫・々対向する一対の第２のカムを取
付けた回転軸が配され一方のリール軸に連結したホイー
ルの下に延長し左右に摺動自在な作動杆を配設し、この
作動杆はリール軸に摩擦結合し、前記リール軸の回転時
には作動杆を該作動軸の揺動中心を中心とし１対の第２
のカム面のいずれか一方の内側面に押接せしめリール軸
の回転停止に伴い前記摩擦結合関係が外れ、作動杆が前
記回転軸と直角な状態に復元すると前記作動杆と第１の
カム面とが係合し作動杆を一方へ摺動させ、この作動杆
の摺動に伴ってこの作動杆によって作用される回動杆を
一方へ回動し、この回動杆の回動で施錠機構を復帰させ
るものである。

しかしこのような構或の機構的自動停止機構の場合、テ
ープ状体を一方のリールから他方のリールに巻戻した後
直ちに再生（プレイ）状態にすると作動杆が第２のカム
面の一方側より他方側へ回動する際第１のカム面と係合
し、自動停止してしまうと云う欠点があった。

この考案は上述した欠点を除去することを目的とするも
ので、その特徴とするところは作動板と回転板のカムと
の保合による該作動板の移動により変位力を加えられ施
錠板の施錠状態を復帰させる作動杆と、前記施錠板との
間に停止動作保留機構を介在せしめ所定のシーケンスを
経た後でないと自動停止機構が動作しないようにした機
構的自動停止機構を提供するものである。

以下この考案を図に示す一実施例について詳述する。

第１図はこの考案の機構的自動停止機構の停止動作保留
機構の分解斜視図である。

この停止動作保留機構は横動板（第３の作動部材）１、
転勤板（第２の作動部材）２、制止杆（第４の作動部材
）３と、前述した従来の機構的自動停止機構の一部を構
或する回動杆（第１の作動部材）４、押釦の操作により
摺動し施錠動作する施錠板５の一部に改良を加えた各部
より構或されている。

横動板１は第１図および第４図乃至第９図に示すように
停止時中立位置を保ち、操作釦機構５の内早り釦５２お
よび巻戻し釦５４の操作杆５５ｂ，５５ｄが係合する傾
斜面１１，１２と基板６に取付けられたガイドピン６１
． ６２が突入する長穴１３， １４を設けた横動板主
部１５の一端に作用杆１６を一体に構威し、この作用杆
１６はその端部に一定の角度折曲げて形威した鉤部１７
と略中央部に突起１８とが形或されている。

転勤板２は第１図乃至第３図に示すように、略Ｕ字を呈
する板状部材２１には後述する制止杆３の時計方向の回
動量を規制する突起２２、転勤板２の時計方向の回動量
を規制する制止爪２３、回動杆４の時計方向の回動時そ
の先端が係合する係止爪２４ ａと制止杆３に時計方向
の回動力を付与するスプリングの一端が係止する係止爪
２４ ｂと横動板１の鉤部１７が横動板の左行時作用す
る傾斜片２５がそれぞれ形威され、前記傾斜片２５形戒
側には制止杆３を転勤板２上に枢着する枢着軸穴２６が
、制止爪２３形或側にはこの転勤板の転勤の中心となる
ピン６３を傾合させる切欠き２７および前記転動板に反
時計方向への回動力を付与するスプリング２９の一端が
係止するスプリング係止部２８が形威されている。

制止杆３は細長い板状の杆体３１の一端に回動杆４の側
面に係合する係合爪３２を、その中央に揺動杆の揺動の
中心となる枢着軸３６を取付ける枢着軸穴３３とこの制
止杆３に時計方向の回動力を付与するスプリング３５の
一端が係止する係止爪３４が形威されている。

施錠板５６は周知の構戊の施錠機構を構威せしめた板状
部材５７の一端（停止釦配設側）で転動板の係止爪２４
ａと対向する位置に係止爪５８が設けられている。

この考案の停止動作保留機構の主要な構戒である転勤板
２と制止杆３との組立体は第２図に示すように、転勤板
２上に制止杆３をそれぞれの枢着軸穴２６， ３３の中
心が一致する如く重ね合せ再にその上にスプリング３５
を配設して前記スプリングのコイル状および各穴に枢着
軸３６を挿通し、転勤板２の裏面で前記枢着軸をカシメ
止めすると共に、スプリング３５の各端部を係止爪２４
ｂ，３４に係止せしめ、制止杆３に転勤板２に対して時
計方向の回動力を付与し、その端部が転動板２の突起２
２に前記回動力により当接するように構威せしめる。

この組立体は第３図に示すように横動板１と施錠板５６
を配設した基板６上に固定されたピン６３が切欠き２７
内に位置し、制止爪２３が作用杆１６の一辺側に位置す
ると共に鉤部１７と傾斜片２５が第４図ａに示すように
停止状態時接触状態にあり、係止爪２４ ａと施錠板５
６の係止爪５８とが対峙し、機構的自動停止機構の一部
を構或する回動杆４の折曲げ端部４１が転勤板２上でか
つ係止爪２４ ａと制止杆３の係合爪３２との間に位置
するように配設せしめ、更に前記ピン６３に一端を基板
６に固定したスプリング２９を挿着し、その他端をスプ
リング係止部２８に係止せしめ、前記組立体にピン６３
が係合した切欠き２７を中心に反時計方向の回動力を付
与せしめてある。

回動杆４は第４図乃至第９図に示すようにその折曲げ部
４２を基板６に固定した枢着軸６４で枢着されスプリン
グ４３で反時計方向の回動力が付与されている。

したがってその端部躬はキャプスタン軸７１に取付けた
プーリ７２と基板６に垂直方向に取付けた軸に取付けた
プーり７３この間に掛けられたベルト７４で前記プーり
７３と共に回転するウオーム７５に噛合するウオームホ
イール８１を一端に、他端には外周面に第１のカム８２
を形戊した回転板８３と前記回転板８３の画板面と夫々
対向する一対の第２のカム８４ａ，８４ｂを取付けた回
転軸８５を基板６に平行に配設し、一方のリール軸に連
結したホイール７６の下に延長し左右に摺動する作動杆
９の一端９３に対接するように構或されている。

作動杆９は帯状の板状部材９１の中央に長孔９２を設け
、この長穴９２内に基板６に固定したピン６５が突入し
ており、回動ならびに摺動し得るようにしてあり、この
作動杆はリール軸のホイール７６に摩擦結合し、前記リ
ール軸の回転時には作動杆９はピン６５を中心に転動し
第２゛のカム８４ａ，８４ｂのいずれか一方の側面に前
記作動杆の他端９４が押接され、この第２のカム８４
ａまたは８５ ｂにより作動杆の他端９４が前記回転板
８３の第１のカム８２と保合可能な位置にもちきたされ
るも、前記リール軸のホイール７６との摩擦結合力によ
り前記第２のカム面に沿って作動杆の他端９４は前記第
１のカム８２と保合可能な位置から脱する。

次に、磁気テープが一方のリール軸に巻取られることに
よるリール軸の回転停止に伴ない、前記作動杆９の他端
９４が第２のカムにより第１のカムと保合可能な位置に
もちきたされると、リール軸の回転停止によりもはや作
動杆９を前記係合可能な位置から脱出させる付勢力は作
用していないので前記作動杆９の他端９４に回転板８３
の第１のカム８２が対接し、該作動杆９を後方へ押送し
その一端で回動杆４をスプリング４３に抗して時計方向
に回動せしめ、もって施錠板５６を左動せしめることに
より磁気テープ走行装置を停止させるものである。

次にこの考案の停止動作保留機構の動作を第４図乃至第
９図に示すカセット式磁気テープ録音装置に適要した場
合について説明する。

第４図は装置の停止状態を示し、この状態より第５図に
示すように巻戻し操作を行なうため巻戻し釦５４を押す
とその操作杆５５ ｄが前進しその先端が横動板１の傾
斜面１２に対接し、該横動板を左動せしめる。

この横動板の左動により作用杆１６の鉤部１７が転動板
２の傾斜片２５に当接し、転動板２をピン６３を中心に
スプリング２９に抗して前記転勤板２をその制止爪２３
が作用杆１６の一辺に対接するまで時計方向に回動する
と、二〇回動に伴ない転動板２の係止爪２４ ａは回動
杆４の折曲げ端部４１より外れ、係止爪５８と回動杆４
の折曲端部４１との間に間隙が生じ、作動杆９の後退に
よる回動杆４の時計方向への回動量より前記間隙の方が
広く第６図に示すように巻戻し後手動停止した場合、施
錠板５６の係止爪５８、転動板２の係止爪２４ ａ等の
前述した関係はそのまま制止杆３の係合爪３２が回動杆
４の折曲げ端部４１の一側面と係合することにより維持
されている。

次に再生釦５３を押し装置を周知の再生動作状態にさせ
ると、直ちに磁気テープの走行方向が第５図に示す状態
より全く逆方向に走行するようになるので作動杆９は周
知の如く第４図Ｃに示す第２の回転板８４ ａ側から８
４ ｂ側にすなわちピン６５を中心に時計方向に回動す
る。

この回動過程で第１の回転板８３のカム８２が第７図に
示すように作動杆９の他端９４に対接し、前記作用杆９
を後退させその一端９３が回動杆４に作用し、該回動杆
４がピン６４を中心に時計方向に回動しても、前述のよ
うに回動杆４の回動量より折曲げ端部４１と係止爪５８
との間の間隙が広く施錠板５６は動作せず、再生釦５３
の操作杆５５ Ｃと前記施錠板５６との保合は維持され
再生動作は継続される。

作動杆９が前述した過程を経てその他端９４が第２のカ
ム面８４ ｂに対接するまで時計方向に回動すると、第
８図に示すように回動杆がスプリング４３により反時計
方向に回動し、横動板１も手動停止、再生操作により中
立位置にあるため、転勤板２はスプリング２９によりピ
ン６３を中心に反時計方向に回動し、折曲げ端部４１は
係止爪２４ ａと制止杆３の係合爪３２との間に位置さ
れると共に、前記折曲げ端部４１と係止爪５８との間に
転動板２の係止爪２４ ａが介入する。

再生が進行し、磁気テープが一方のリールより他方のリ
ールに巻取られると第９図に示すように前述した作用に
より作動杆９は反時計方向に回動し回転軸８５と直角な
状態に復元し、この作用杆の復元後のカム８２による作
動杆９の後退で回動杆４の時計方向の回動でその折曲げ
端部４１は回動板２の係止爪２４ ａを介して施錠板５
６の係止爪５８に作用するため、該施錠板はスプリング
５９に抗して左動し、再生釦５３の操作杆５５ Ｃと施
錠板５６との保合が外れ再生動作は解放され周知の手段
により自動停止する。

以上述べたようにこの考案は、作動板と回転板のカムと
の保合による該作動板の移動により変位力を加えられ施
錠板の施錠状態を復帰させる作動杆と、前記施錠板との
間に停止動作保留機構を介在せしめ所定のシーケンスを
経た後でないと自動停止機構が動作しないようにしたの
でテープ状態の巻戻し後直に再生状態にした場合に自動
的に停止してしまうことがなく、停止を阻止する機構が
簡単でその動作が確実である等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図はいずれもこの考案の一実施例を示すもので第１図は
停止動作保留機構の要部の分解斜視図、第２図は前記機
構の要部の組立状態の斜視図、第３図は停止動作機構の
全体を示す斜視図、第４図乃至第９図はいずれもこの停
止状態保留機構の動作説明図である。 １・・・・・・横動板、２・・・・・・転動板、３・・
・・・・制止杆、４・・・・・・回動杆、５・・・・・
・施錠板、６・・・・・・基板、９・・・・・・作動杆
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 操作釦をその操作位置に施錠する施錠板と、リール台の
   回転を検出し、テープ終端に達してリール台が停止した
   ことを検知して作動する自動停止機構によって動作され
   、前記施錠板の施錠状態を解除する第１の作動部材と、
   前記施錠板と前記第１の作動部材との間に形或された所
   定の間隙に挿脱可能に配された第２の作動部材と、巻戻
   し釦の操作に連動して前記第２の作動部材を前記間隙よ
   り離脱せしめ、前記第１の作動部材が動作しても前記施
   錠板を動作せざるようになす第３の作動部材と、前記第
   ３の作動部材が復帰しても前記第２の作動部材の移動位
   置を保持するとともに、前記第１の作動部材の動作によ
   ってこれを解除される第４の作動部材とがらなり、巻戻
   し動作を行なった後、再生等の動作を行なったときには
   、一旦前記第ｌの作動部材と前記施錠板との間に間隙を
   形或して自動停止機構が動作しても、前記施錠板が解除
   されないようになし、次の自動停止機構の動作によって
   前記施錠状態を解除するようにしたことを特徴とする磁
   気テープ記録装置。