JPS64203Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は液体容器の容器本体口元に螺着した状
態で回動することなく容器本体内の液体を注出す
ることのできる液体容器の栓体の改良に関するも
ので、その目的とするところは構造が極めて簡単
でしかも液体の注出、停止をワンタツチで行うこ
とのできる液体容器の栓体を提供するにある。

以下、本考案の実施例を図面に基き説明する。

液体容器１は容器本体２と容器本体の口元に着
脱自在に螺着する栓体３とから構成されている。

容器本体２は金属製内、外壁間を真空断熱して
なる金属製真空二重瓶であつて、第３図及び第４
図に示すように内、外壁の口元先端を互いに溶着
しており、外壁の口元外周に栓体用のネジを刻設
し、内壁の口元内周下端に内方に突出した環状突
起を設けている。

栓体３は栓本体４と、栓本体上部を覆う上板５
と、栓本体の下端に当接する弁体６と、弁体の上
面中央より上方に垂設する押棒７と、押棒の上端
に当接し押棒を上下摺動しかつ栓本体上部を前後
摺動するスライド部材８と、スライド部材と連動
し栓本体の注出口９を開閉する開閉蓋１０とから
なつている。

栓本体４は第３図及び第４図に示すように容器
本体外周に螺着する外垂下壁１１と、外垂下壁上
端より容器本体の口元内周に垂下する内垂下壁１
２と、内垂下壁の下端より上方に垂設する外ガイ
ド筒１３と、外ガイド筒の中央より上下に垂設し
押棒の外周を覆う内ガイド筒１４とを一体成形し
ている。

外垂下壁１１の内周には容器本体２の外壁口元
外周に刻設した栓体用のネジに螺着するネジを刻
設している。

内垂下壁１２の下部外周には容器本体２の内壁
口元内周下部の環状突起上端に当接する環状シー
ルパツキン１５を張設している。

外ガイド筒１３は第３図及び第４図に示すよう
に前部に容器本体２内と連通する液体の流出部１
６を設け、前端に流出部と連通する液体の注出口
９を設けており、前部を除く左右側部、後部及び
上部を容器本体内と連通不可としている。

弁体６は栓本体４の内垂下壁１２の下端に容器
本体内側よりシールパツキン１７を介して当接
し、栓本体の流出部１６下端を閉鎖している。

押棒７は第３図及び第４図に示すように下部を
内ガイド筒１４内に挿通して下端を弁体６に固定
しており、上端に山形状の受座１８を固定してい
る。

１９は押棒７を常時上方に押上げているスプリ
ングである。

スライド部材８は指をフツクするフツク部２０
と、フツク部の前端下部に押棒７の受座１８上面
と当接するＵ字状の接当部２１と、接当部の前端
左右の一方の側面に上端より下端に向けて斜前方
に傾斜した傾斜部２２とを一体成形している。

この傾斜部２２は接当部の前端左右両方の側面
に設けてもよい。

開閉蓋１０は後述の栓本体上部を覆う上板５に
係止する係止部２３と、栓本体４の注出口９を上
下開閉する開閉部２４とを一体成形しており、係
止部２３と開閉部２４との境の下面に山形状の溝
２５を形成している。

スライド部材８の傾斜部２２に対応して開閉部
２４の下部側面には傾斜部２２に当接する逆円弧
状の係合片２６を設けている。

この係合片２６は傾斜部２２に対応して左右両
方の側面に設けてもよい。

上板５は第２図に示すように栓本体４の上部を
覆つている。

次に容器本体２内の液体を注出するには、スラ
イド部材８のフツク部２０に指をかけ栓本体４の
前方に向けて押圧するとスライド部材のＵ字状の
接当部２１最下端がスプリング１９に抗して押棒
７の山形状の受座１８を押下げながら、この受座
１８の最上端に当接することとなつて押棒７を降
下すると同時に栓本体４の内垂下壁１２の下端に
シールパツキン１７を介して当接していた弁体６
をも降下して停止し内垂下壁１２の下端と弁体６
との間に隙間を生じさせる。

上記スライド部材８のフツク部２０の前方に向
けての押圧に伴なつてスライド部材の傾斜部２２
を前方へ摺動し、この傾斜部に当接した開閉蓋１
０の逆円弧状の係合片２６が傾斜部に沿つて上方
へ摺動し、この係合片の摺動によつて山形状の溝
２５を支点として開閉蓋１０の開閉部２４を上方
に押上げ栓本体４の注出口９を開放し停止するこ
ととなる（第４図）この注出口９の開放並びに上
記内垂下壁１２の下端と弁体との間の隙間を介し
て容器本体２内、栓本体４の流出部１６及び注出
口９とを連通させ容器本体２を注出口９に向けて
傾斜すれば容器本体内の液体を注出することがで
きる。

次に、閉鎖するには上方に押上げられた開閉蓋
１０の開閉部２４を押下げるか又はスライド部材
８のフツク部２０を後方へ押せば開閉蓋の係合片
２６がスライド部材の傾斜部２２に沿つて降下し
栓本体４の注出口９を閉鎖すると共に傾斜部と連
動したスライド部材のＵ字状の接当部２１をも後
方へ摺動することとなり、押棒７の山形状の受座
１８の最上端に当接していた接当部２１のＵ字状
の最下端が押棒の受座１８の最上端より離脱し、
スプリング１９の反力にて受座１８と共に押棒７
を押上げ同時に弁体６をも押上げて栓本体４の内
垂下壁１２の下端にシールパツキン１７を介して
弁体６を密に当接し、容器本体２内と栓本体４の
流出部１６とを遮断し（第３図）容器本体を傾斜
させても液体を注出することはない。

以上の如く、本考案に於いては下端に弁体を固
定した押棒の上端に山形状の受座を設け、押棒の
上下摺動するスライド部材に受座の上面と当接す
るＵ字状の接当部を設けると共に接当部の側面前
部に傾斜部を設け、注出口を開閉する開閉部と開
閉部の後端に係止部とを一体成形し、開閉部と係
止部との境の下面に山形状の溝を備えた開閉蓋を
設け、開閉部の側面に傾斜部と当接する係合片を
設けているので、部品点数も非常に少く、至つて
簡単な構造のために製造、組立コストの大巾な低
廉をはかることができると共にスライド部材の前
後摺動のみにて液体の注出、閉鎖が簡単にでき、
ワンタツチで操作することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の液体容器の一部切欠正
面図、第２図は本考案実施例の液体容器の平面
図、第３図は第２図のＡ−Ａ線断面図、第４図は
本考案実施例の注出状態を示す一部切欠縦断面図
である。 １……液体容器、２……容器本体、３……栓
体、４……栓本体、６……弁体、７……押棒、８
……スライド部材、９……注出口、１０……開閉
蓋、１６……流出部、１８……受座、２０……フ
ツク部、２１……接当部、２２……傾斜部、２３
……係止部、２４……開閉部、２５……山形状の
溝、２６……係合片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器本体の口元に着脱自在に螺着する栓本体内
   の下部に容器本体内の液体を流出する流出部を設
   け、前端部に流出部と連通する注出口とを設け、
   流出部の下端にこの流出部を開閉する弁体を設
   け、栓本体内の中央にガイド筒を垂設し、下端に
   弁体を固定しガイド筒内を上下摺動自在に挿通す
   る押棒を設け、押棒の押圧にて弁体を押下げ流出
   部を開放する液体容器の栓体に於いて、押棒の上
   端に山形状の受座を設け、フツク部と押棒の受座
   上面に当接し押棒を上下摺動するＵ字状の接当部
   とを一体成形した前後摺動自在なスライド部材を
   設け、接当部の側面前部に上端より下端前方に向
   けて傾斜する傾斜部を設けると共に、栓本体上部
   に固定する係止部と注出口を開閉する開閉部とを
   一体成形した開閉蓋を設け、係止部と開閉部との
   境の下面に山形状の溝を設け、開閉部の側面部に
   スライド部材の傾斜部と当接する係合片を設けた
   ことを特徴とする液体容器の栓体。