JPH0243325Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、魔法瓶等で代表される液体容器で、
注液時に本体を傾動させるための把手を備えたも
ので、更に詳しくは、前記把手による本体傾動操
作と液通路に設けた弁体を開弁させての注液操作
とを、片手操作にて簡便に行えるようになしてあ
る液体容器の栓開閉装置に関する。

（従来の技術） 上記のように片手のみを使用しての一段操作に
より、注液が可能な構成をもつ栓開閉装置として
従来から知られているものに、実開昭59−45042
号公報で開示されている如く、本体に連設の傾動
用把手の上端位置に対応する肩体部分に設けたプ
ツシユボタンの前方へのスライド操作力を、傾斜
カムを介して前記弁体に伝達して該弁体を閉弁付
勢スプリングに抗して押下げ開弁させるべく構成
したものがある。また、この種の液体容器におい
て、前記弁体、及び、閉弁付勢用スプリング、な
らびに、前記プツシユボタンと弁体とを連係する
傾斜カム等の連係部材を備えた栓体を、本体に内
装の液体容器内への給液に際して開閉する構成と
して従来から知られているものは、上述の実開昭
59−45042号公報や実開昭60−63133号公報で開示
されているように、栓体を本体の上部に固着の肩
体に対して着脱する構成のものであつた。

（考案が解決しようとする問題点） 然して、上記の従来構成のものにおいては、通
常の閉弁維持を確実なものとするために相当に付
勢力の強いスプリングが用いられることから、手
指にてプツシユボタンを押圧しての開弁操作が重
くなり易いといつた注液操作上の難点があるのみ
ならず、液体容器内への給液の度に前記栓体を
一々着脱しなければならないといつた面倒があつ
た。

本考案はかかる従来の実用上の難点を解消し
て、注液操作ならびに給液操作ともに容易、便利
に行うことができる液体容器の栓開閉装置を提供
する点に目的を有する。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するために案出された本考案
に係る液体容器の栓開閉装置は、液体容器を内装
の本体上部に固着した肩体の後部上面に逆Ω形の
板ばね製受部材を固着し、この受部材に前記液体
容器の給液口に連通する開口部に密嵌させる栓体
の後端下面に一体に取付けたピンを着脱自在に嵌
合させて装着状態においては該ピンを支点として
開閉自在に設け、支点にして揺動開閉自在に設
け、この栓体には、前記液体容器内と前記肩体の
注出口との連通接続用液通路を開閉する弁体をス
プリングを介して閉弁方向に付勢して設け、前記
本体の前記注出口存在側とは反対側に連設した傾
動用把手の上端位置に対応する前記肩体部分に、
手指にて前後方向にスライド操作自在なプツシユ
ボタンを設けるとともに、前記栓体内には、前記
プツシユボタンの前方へのスライド操作に連係し
て前記弁体をスプリング付勢力に抗して開弁作動
させるリンク機構を設けたという構成に特徴を有
するものである。

（作 用） このような特徴構成を有する本考案に係る液体
容器の栓開閉装置によれば、前記液体容器内に収
容した湯水などの液を、コツプ等に注出する注液
時は、第２図で示す如く片手で把手を握つて本体
を傾動させると同時に、その握持手の親指等で前
記プツシユボタンを押圧操作することにより、前
記リンク機構を介して前記弁体をスプリング付勢
力に抗して開弁させ、もつて、前記収容液を液通
路及び肩体注出口を経てコツプ等に注出するので
ある。また、前記液体容器内への給液時は、第３
図で示す如く前記栓体をその一端側支点の周りで
揺動させて肩体開口部及び容器給液口を開放させ
ることにより、栓体を肩体を肩体から完全に離脱
させる要なく、容器内に給液することができるも
のである。更に、衛生的な使用を図るための洗滌
時には、第４図で示す如く前記栓体を肩体から完
全に離脱することにより、栓体の下面部、肩体の
内面部といつた隅々まで万遍なく奇麗に洗滌する
ことができるとともに、この洗滌時における栓体
のガタツキ揺動、それに伴う部位損傷等がなく
て、洗滌そのものを容易完全に行うことができる
ものである。

（実施例） 以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。

第１図乃至第４図において、１は液体容器の一
例である所の真空二重瓶であつて、これは金属製
の胴本体２に内装されている。３は前記胴本体２
の上端に強制嵌合手段等にて固着した肩体であつ
て、この肩体３の下面略中央部に突出させた受口
部３ａにシールパツキン１４を介して前記真空二
重瓶１の給液口４周縁部が密着内嵌保持されてい
るとともに、該肩体３の前端には嘴状の注出口７
が形成されている。６は前記給液口４に連通する
前記肩体３の開口部５にリング状ゴムパツキン１
５を介して密嵌される状態で肩体３に対して着脱
自在に構成された栓体であつて、該栓体６は、第
５図で明示の如く前記肩体３の後部寄りに形成の
段部上面に固着した略逆Ω形の板ばね製受部材１
６に弾性的に嵌合離脱自在なヒンジ用ピン１７を
有していて、該ピン１７を前記受部材１６に弾性
嵌合させた装着状態において前記ピン１７軸心周
りで揺動開閉自在に構成されているとともに、前
記ピン１７位置に対して略直径方向に対向する箇
所には、前記肩体３に対する揺動閉鎖姿勢におい
て肩体天板３Ａの一部に弾性係合して閉鎖姿勢を
ロツクする機構１８が組込まれている。９は前記
注出口７と真空二重瓶１内とを連通接続する状態
で前記栓体６内に形成した液通路８を上下方向の
スライド移動によつて開閉するように栓体６に保
持させた弁体であつて、該弁体９はスプリング１
０を介して閉弁方向に付勢されている。１１は前
記注出口７の存在側とは反対側、即ち本体２の後
部において前記肩体３に一体連設した傾動用把手
であり、該把手１１の上端位置に対応する前記肩
体３部分に、手指にて前後方向にスライド操作自
在なプツシユボタン１２が貫通保持されている。
１３は前記プツシユボタン１２の前方へのスライ
ド操作に連係して前記弁体９をスプリング１０の
付勢力が抗して下降させて開弁作動させるベルク
ランク式のリンク機構であつて、短い方のリンク
１３ａがプツシユボタン１２に対向位置し、長い
方のリンク１３ｂが前記弁体９上端の被操作部９
ａに接当位置する状態で前記栓体６内に組込まれ
ている。図中１８ａはロツクリセツト片であり、
３Ｂは開閉蓋であり、また１２ａはプツシユボタ
ン１２の復帰用スプリングで、これは省略しても
良い。

尚、上記実施例は、液体容器１が真空二重瓶か
ら構成された魔法瓶に適用したが、魔法瓶でなく
ても良い。

（考案の効果） 以上詳述したことからも明らかなように、本考
案による時は、 プツシユボタン１２と弁体９との連係機構と
して、レバー比によつて倍力挺子作用を発揮で
きるリンク機構１３を使用することにより、閉
弁維持を確実、強力なみのとする強いスプリン
グ１０を用いながらも注液時の手指を介しての
開弁操作を軽く楽に行うことができる。

しかも、栓体６は、その後端下面にピン１７
を一体に設けて該ピン１７を本体２の上部に固
着した肩体３の後部上面に固定している逆Ω形
の板ばね製受部材１６に嵌合させることによつ
て、該ピン１７を支点として開閉自在に配設さ
れているので、栓体６がガタツクことなく精度
のよい取付けが可能となるばかりでなく、上記
肩体３の後部側に前後スライド自在に配設され
ているプツシユボタン１２は常態においては後
退しているので、このプツシユボタン１２に何
等邪魔されることなく、栓体６を前記ピン１７
を支点として簡単に開放させることができ、給
液作業が容易且つ迅速に行える。

その上、栓体６を上方に引つ張ることによつ
て該栓体６側のピン１７を肩体３側の逆Ω形の
板ばね製受部材１６からワンタツチで離脱させ
ることができ、従つて、肩体３からの栓体６の
取り外しが簡単に行えて該栓体６や本体２の肩
体内面等を隅々まで綺麗に洗滌することがで
き、常に衛生的に使用できる。

等々の実用的効果を奏するに至つたのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は要部の拡大縦断面図、第２図乃至第４
図は夫々作用状態を示す要部の縦断面図、第５図
は揺動支点部の拡大縦断面図である。 １……液体容器、２……本体、３……肩体、４
……給液口、５……開口部、６……栓体、７……
注出口、８……液通路、９……弁体、１０……ス
プリング、１１……把手、１２……プツシユボタ
ン、１３……リンク機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液体容器１を内装の本体２上部に固着した肩体
   ３の後部上面に逆Ω形の板ばね製受部材１６を固
   着し、この受部材１６に前記液体容器１の給液口
   ４に連通する開口部５に密嵌させる栓体６の後端
   下面に一体に取付けたピン１７を着脱自在に嵌合
   させて装着状態においては該ピン１７を支点とし
   て開閉自在に設け、この栓体６には、前記液体容
   器１内と前記肩体３の前部に設けた注出口７との
   連通接続用液通路８を開閉する弁体９をスプリン
   グ１０を介して閉弁方向に付勢して設け、前記本
   体２の前記注出口７存在側とは反対側に連設した
   傾動用把手１１の上端位置に対応する前記肩体３
   部分に、手指にて前後方向にスライド操作自在な
   プツシユボタン１２を設けるとともに、前記栓体
   ６内には、前記プツシユボタン１２の前方へのス
   ライド操作に連係して前記弁体９をスプリング１
   ０付勢力に抗して開弁作動させるリンク機構１３
   を設けてあることを特徴とする液体容器の栓開閉
   装置。