JPS6411126B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は航空機等のタイヤ試験機に関する。

航空機、自動車等のタイヤ、ホイール、ブレー
キ等の特性を試験する手段の一つとして動的試験
のあと、車輪、ブレーキ装置の静的な摩擦試験す
なわち静的トルク試験を行つている。

該静的トルク試験は、回転するドラムにタイヤ
を押付け、押付け力、押付け角度、回転速度等を
適宜変化させタイヤ、ホイール、ブレーキ等の強
度、摩耗度を試験する動的試験直後の状態のま
ま、（ホイール、ブレーキ、タイヤ等が冷えない
うちに）行う必要がある。

従来の静的トルク試験装置は、第１図イ，ロ，
ハに示すように、動的試験終了後タイヤａをドラ
ムｂから引き離し、長尺のベルトｃをクレーン等
で吊つてきてドラムｂに巻付け、該ベルトｃの一
端をハウジングｄ側に固定すると共に他端を該ハ
ウジングｄに設けたシリンダｅ等の引張機構に取
付け、次いでタイヤａをドラムｂに押付けて前記
ベルトｃをタイヤａとドラムｂとによりはさみ込
み、タイヤａにブレーキをかけた状態でシリンダ
ｅにてベルトｃを引張り、タイヤａにトルクを与
えるものであつた。

しかし、これではベルトｃをクレーン等で吊つ
てドラムｂに巻付ける等試験手順に人手と多くの
時間を要するため、動的試験直後に静的トルク試
験を行うことができず、車輪、ブレーキ等が冷却
してしまつたり、試験中にタイヤがスリツプした
りして正確な静的トルク試験を行なうことができ
なかつた。

本発明は斯かる従来の静的トルク試験装置の欠
点を除去するためになしたもので、回転ドラムに
タイヤを押付けて試験するタイヤ試験機におい
て、タイヤ当接側の平面にはスリツプ防止用の凹
凸を有し且つドラム側にはドラム外周面に一致す
る凹部を有するタイヤ押付板を、タイヤと回転ド
ラムとの間にドラム軸方向に設けたロツドに沿つ
て移動可能に設け、更に前記タイヤの支持部に備
えるブレーキ装置の固定側部材にトルクアームを
固着し、タイヤ及びブレーキに静的トルクを与え
る押付装置を前記トルクアームに接続したことを
特徴とするタイヤ試験機にかかるものである。

以下本発明の実施例を図面を参照しつつ説明す
る。

第２図乃至第４図は本発明の一実施例を示すも
のであり、１は駆動装置により回転駆動されるド
ラム、２はホルダ３に片持支持された被検用の車
輪、４はキヤリツジ、７はキヤリツジ４及び車輪
２をドラム１に対し進退移動するシリンダであ
る。ドラム１の軸心方向に二本のロツド５を平行
となるよう軸受６にてフレーム２７に取付け、該
各ロツド５の間にスクリユウロツド８を回転自在
となるよう前記軸受６にて支持し、該スクリユウ
ロツド８にその基部で螺合し且つ前記二本のロツ
ド５を貫通してなる移動アーム９に、タイヤ２８
のドラム１と当接する面よりも大きく且つタイヤ
２８と当接する側表面にスリツプ防止用の横溝１
０を有し、反対側の表面にドラム１表面と密着嵌
合し得る凹面１１を有するタイヤ押付板１２を、
ストツパ付ヒンジ１３を介して取付けてある。前
記スクリユウロツド８はカツプリング１４を介し
て、モータ１５により駆動される減速機１６の出
力軸１７に接続してあり、モータ１５を回転する
と、スクリユウロツド８が回転し、該スクリユウ
ロツド８に螺合する移動アーム９と共にタイヤ押
付板１２がドラム１とタイヤ２８との間をドラム
１に沿つて左右に移動し得るようにしてある。

又、前記車輪２のホイール１８内部にブレーキ
１９を設け、該ブレーキ１９のステータ２０にト
ルクアーム２１を固着し、該トルクアーム２１を
ピストンロツド２２の先端をキヤリツジ４に接続
しシリンダ２３の端部によりロードセル２４を介
して略直角になるよう支持してある。２５はシリ
ンダ２３を作動させた際に生ずる反力を支えるた
めの円筒状のスペーサ、２６はホルダ３に固定し
た軸、２８はタイヤである。

動的試験終了後、直ちにシリンダ７によりキヤ
リツジ４及び車輪２を後退せしめるとタイヤ２８
とドラム１間にスペースができる。

次にモータ１５を駆動すると、減速機１６によ
り減速されてカツプリング１４を介して接続され
たスクリユウロツド８が回転し、該スクリユウロ
ツド８に螺合せしめられた移動アーム９がタイヤ
押付板１２と共に二本のロツド５に沿つてドラム
１幅の中央付近に移動する。

前記シリンダ７によりキヤリツジ４及び車輪２
をドラム１側へ移動させると、タイヤ２８がタイ
ヤ押付板１２と当接するが、該タイヤ押付板１２
はストツパ付ヒンジ１３によりドラム１側へもた
れるので、該タイヤ押付板１２の凹部１１はドラ
ム１表面に均一に接する。更に、車輪２を押付け
て所定の荷重を与えるか、またはタイヤ２８のタ
イヤ押付板１２との当接部の径が所要の転動半径
と等しくなる状態まで押付けて停止する。

次いで、車輪２のホイール１８に取付けたブレ
ーキ１９を作動させた状態のまま、シリンダ２３
のピストンロツド２２を伸長せしめると第５図に
示すようにトルクアーム２１により車輪２に静的
トルクが与えられる。所要のトルクに相当する該
荷重はロードセル２４により検出されるので所定
の荷重量のところでピストンロツド２２の突出を
停止する。トルクアーム２１に荷重がかかると、
ブレーキ１９はトルクアーム２１と一体に固着さ
れ且つホルダ３の軸２６とは回転可能に嵌合され
ているので、ブレーキ１９が作動状態にあるとき
はホイール１８及びタイヤ２８を回転させようと
する。しかし、タイヤ２８はタイヤ押付板１２と
当接し、横溝１０によりスリツプが防止されるの
で摩擦力が発生し、タイヤ２８、ホイール１８、
ブレーキ１９等に静的トルクを与えることができ
る。

静的トルク試験が終了した後は、前記と逆の手
順でシリンダ２３を収縮し荷重を解除すると共に
シリンダ７を収縮しキヤリツジ４及び車輪２を反
ドラム１側へ移動し、タイヤ押付板１２を退避位
置に移動させて、次の動的試験を行なう。該動的
試験終了後再び前記の手順により静的トルク試験
を行なうことができる。

第６図は本発明の他の実施例を示すもので、前
記実施例と同様の構成において、移動アーム９の
駆動をモータ１５、減速機１６、スクリユウロツ
ド８等からなる電動ネジ機構の代わりに、二本の
平行なロツド５を支持する軸受６の一方の外側に
シリンダ２９を設け、該シリンダ２９のピストン
ロツド３０の先端をタイヤ押付板１２を支持する
移動アーム９に固着してドラム１の軸方向に移動
可能にした例である。

本実施例においても、動的試験終了直後ただち
にタイヤ押付板１２をドラム１側へ移動し、静的
トルク試験を行なうことができる。

以上述べた各実施例において、タイヤ押付板１
２、キヤリツジ４、ブレーキ１９、シリンダ２９
等の作動は、試験装置本体上で遠隔操作にて行な
うことができる。

なお、本発明のタイヤ試験機は上述の実施例に
限定されるものではなく、車輪を支持するホルダ
は片持支持のものばかりでなく両側から支持する
タイプのものでも良いこと、また実際の着陸装置
（航空機の脚など）または車輪装置でもよいこと
等、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において
種々変更を加え得ることは勿論である。

以上述べたように本発明のタイヤ試験機によれ
ば、スリツプ防止用の溝を有するタイヤ押付板を
タイヤとドラム間に移動可能に設け、タイヤをタ
イヤ押付板を介してドラムに押付けた状態でブレ
ーキに取付けたトルクアームをシリンダ等の押付
装置により力を与えて車輪、ブレーキに静的トル
クを与えられるようにしたので、静的トルク試験
を迅速且つ確実に行なうことができる等の優れた
効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図イ，ロ，ハは従来の静的トルク試験装置
の説明図において、イはベルト装着前の状態を示
す図、ロはベルト装着状態を示す図、ハは静的ト
ルクを与えた状態の図、第２図乃至第５図は本発
明のタイヤ試験機の一実施例であり、第２図は平
面図、第３図は側面図、第４図は電動ネジ機構の
詳細図、第５図は静的トルク負荷状態の説明図、
第６図は本発明のタイヤ試験機の他の実施例の説
明図である。 図中、１はドラム、２は車輪、３はホルダ、５
はロツド、７，２３，２９はシリンダ、８はスク
リユウロツド、９は移動アーム、１０は横溝、１
２はタイヤ押付板、１８はホイール、１９はブレ
ーキ、２１はトルクアーム、２４はロードセルを
示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 回転ドラムにタイヤを押付けて試験するタイ
   ヤ試験機において、タイヤ当接側の平面にはスリ
   ツプ防止用の凹凸を有し且つドラム側にはドラム
   外周面に一致する凹部を有するタイヤ押付板を、
   タイヤと回転ドラムとの間にドラム軸方向に設け
   たロツドに沿つて移動可能に設け、更に前記タイ
   ヤの支持部に備えるブレーキ装置の固定側部材に
   トルクアームを固着し、タイヤ及びブレーキに静
   的トルクを与える押付装置を前記トルクアームに
   接続したことを特徴とするタイヤ試験機。