JPS639876Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は、記録媒体を回転駆動する装置におけ
る記録媒体クランプ機構に関するものである。

〔考案の背景〕

交換可能な小型磁気記録媒体は、一般に、フロ
ツピーデイスク、フレキシブルデスクカートリツ
ジ、デイスケツト（商標名）等の名称で呼ばれて
おり、かかる記録媒体をセンタリングしかつクラ
ンプする機構としては、第１図および第２図に示
すごときものが知られている。第１図において、
シヤーシ１上に駆動軸２を介して回転可能に配置
されたスピンドル３は、その環状内壁によつて画
成される円筒状内腔３ａを有している。このスピ
ンドル３の上方平坦面３ｂ上に記録媒体４をセン
タリングしかつクランプするために、ハブシヤフ
ト５の下端にはハブ６が固定配置され、該ハブ６
の上面に配したリリース用ばね７を介して、コレ
ツト８がハブシヤフト５に嵌合してある。このコ
レツト８はハブシヤフト５の軸方向に摺動自在で
あると共に、軸受９によつてハブシヤフト５のま
わりで回転可能となつている。そして、コレツト
８の上方には、クランプ用ばね１０を介してハブ
フレーム１１が配置してあり、このハブフレーム
１１はＥリング１２によつてハブシヤフト５に固
着されている。また、前記ハブ６は比較的硬質の
合成樹脂材料からなり、その全周に形成してある
スリツト（図示せず）によつて径方向に可撓性を
有するようになつている。

上記構成からなる記録媒体クランプ機構におい
て、ハブフレーム１１が引き上げられているとき
は、ハブシヤフト５は第１図に示した状態よりも
上方に位置しており、従つてハブ６およびコレツ
ト８はスピンドル３の内腔３ａから上方に出てい
る。このとき、リリース用ばね７およびクランプ
用ばね１０は第１図よりも伸びた状態になつてい
る。

そして記録媒体の読取り・書込みを行う際に
は、まず記録媒体４をスピンドル３のセンター位
置まで挿入し、この状態でハブフレーム１１を引
き下げる。ハブフレーム１１が下降すると、ハブ
シヤフト５の下端に固定されているハブ６がスピ
ンドル３の内腔３ａ内に下降し始めて、ハブ６の
テーパ部６ａによつて記録媒体４が仮センタリン
グされる。さらにハブ６が下降すると、ハブ６の
フランジ部６ｂとスピンドル３の上方平坦面３ｂ
との間に記録媒体４がクランプされ、かつ、ハブ
フレーム１１の押圧力がクランプ用ばね１０、軸
受９へと伝達されるためにコレツト８が押し下げ
られてハブ６を放射状に押し広げ、本センタリン
グが行なわれる。第１図はこのようにしてセンタ
リングとクランプとが完了したときの状態を示し
ている。

上記従来の記録媒体クランプ機構においては、
コレツト８がハブを必要以上に押し下げてしまう
ことがあり、このためハブのフランジ部６ｂ付近
に第２図矢印方向の回転曲げモーメントが生じ、
記録媒体４の本センタリングが不安定となつて、
これにより読取り信号電圧の低下あるいはエラー
等が発生し易くなる。

また、他の従来例としては、第３図ないし第５
図に示すものがあり、この機構においては上述し
た従来例におけるハブ６とコレツト８を一体に形
成したもので、その他の構成および作動は上述の
従来例と概略同じなので、要部に同一符号を付し
てその説明は省略する。

この第３図および第４図に示した従来例におい
ても、クランプ状態を拡大して示す第５図に矢印
のごとき力が本センタリングおよびそれと同時の
クランプ時に作用し、記録媒体４の本センタリン
グが不安定となつて、これにより読取り信号電圧
の低下あるいはエラー等が発生する要因が残され
ている。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、上記従来の欠点を除き、記録
媒体のセンタリングおよびクランプを改善して、
読取り信号電圧の低下、エラー等を生じない優れ
た機能の記録媒体クランプ機構を提供することに
ある。

〔考案の概要〕

この目的を達成するために、本考案は、スピン
ドルの内腔上縁部に丸味を付けるとともに、構体
は、ハブフレームに固着されたハブシヤフトの下
端に固定されたハブと、該ハブの上方にハブシヤ
フトの軸方向に摺動自在でかつその軸まわりに回
転可能なようにハブと同軸的に弾装されたコレツ
トとを備え、前記ハブはその中心がスピンドルの
記録媒体クランプ面より上方にある球面状に形成
したことを特徴とする。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の実施例を図面について説明す
る。第６図および第７図は本考案による記録媒体
クランプ機構の一実施例を示す断面図であつて、
この機構は第６図に開放状態で示すごとく、シヤ
ーシ１上に図示してない駆動装置に接続される駆
動軸２を介して回転可能に配置されたスピンドル
３と、該スピンドル３の環状内壁によつて画成さ
れ内腔３ａ内に上方から下降する構体１４からな
つている。上記スピンドル３の上方平坦面、すな
わち記媒体クランプ面３ｂ上には記録媒体４が載
置されている。そして内腔３ａを形成する環状内
壁の上縁部３ｃはその隅部が面取りされて丸味が
付けられている。

一方、構体１４において、ハブシヤフト５の下
端にはハブ６が固定配置され、該ハブ６は球面形
状６ａに形成されており、この球面形状６ａの中
心はスピンドル３の記録媒体クランプ面３ｂより
上方にある。ハブ６の上方にはリリース用ばね７
を介してコレツト８がハブ６と同軸的に弾装され
ている。このコレツト８はハブシヤフト５の軸方
向に摺動自在であると共に、軸受９によつてハブ
シヤフト５のまわりで回転可能となつている。そ
して、コレツト８の上方には、クランプ用ばね１
０を介してハブフレーム１１が配置してあり、該
ハブフレーム１１はＥリング１２によつてハブシ
ヤフト５に固着されている。この実施例において
ハブ６とコレツト８にはスリツトは設けてない。
図中、符号１３は金具である。

上記実施例の作動について説明すると、この記
録媒体クランプ機構は最終的には第７図に示す閉
止、すなわちクランプ状態を達成するものであ
る。まずハブフレーム１１を引き下げると、ハブ
６がスピンドル３の内腔３ａに下降する。そして
スピンドル３の記録媒体クランプ面３ｂ上で略中
心位置に置かれた記録媒体４をセンタリングし始
める。その後ハブ６の球面形状６ａがスピンドル
３の面取りされた上縁部３ｃに当接したとき完全
にセンタリングを終了する。この後コレツト８が
記録媒体４の周囲を押えてクランプするとともに
スピンドル３の回転によりともに回転する。

ここで、記録媒体４、ハブ６の球面形状６ａお
よびスピンドル３の丸味を付けた上縁部３ｃとの
関係を説明する。第７図において、スピンドル３
の上縁部３ｃ、すなわちＡ点の径は記録媒体４の
穴径公差のマイナスよりマイナスした寸法（ハブ
６とスピンドル３の当接面）となつており、そし
てハブ６の球面形状６ａ、すなわちＢ点の径は記
録媒体４の穴径公差プラスよりプラスした寸法
（ハブ６のスピンドル３上面）となつている（例
えば5.25インチの記録媒体の場合穴径は28.575φ
±0.025）。

上述した実施例によれば、(1)記録媒体４をセン
タリングした後にクランプするのでセンタリング
精度が高い。(2)Ａ点およびＢ点の効果により記録
媒体４の穴径のバラツキを吸収できる。(3)記録媒
体４の穴径のバラツキを吸収した寸法は記録媒体
４の板厚方向に逃げるためクランプ部分の外周の
ゆがみが発生しにくい。(4)ハブ６が若干傾斜して
もスピンドル３の当接面が球面のため安定してい
る。(5)ハブ６およびコレツト８はスリツトが不用
で剛性が良く寸法精度が出しやすい。(6)クランプ
力が垂直に加わるため安定したクランプ力が得ら
れる。すなわちこのクランプ力は合成力ではな
い。(7)構造が単純で部品形状も単純形状のため大
量生産が可能で安価に製作できる等の利点を生じ
る。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、記録媒
体のセンタリングおよびクランプが改善されて読
読り信号電圧の低下、エラー等を生じず、上記従
来技術の欠点を除いて優れた機能の記録媒体クラ
ンプ機構を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来技術の一例を説明す
る断面図および要部拡大断面図、第３図、第４図
および第５図は他の従来技術の開放時およびクラ
ンプ時を説明する断面図およびクランプ時の要部
拡大断面図、第６図は本考案による記録媒体クラ
ンプ機構の実施例を開放状態で示す断面図、第７
図はそのクランプ状態を示す断面図である。 ３……スピンドル、３ａ……内腔、３ｂ……記
録媒体のクランプ面（上方平坦面）、３ｃ……上
縁部、４……記録媒体、６……ハブ、６ａ……球
面形状。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スピンドルと該スピンドルに上方から下降する
   構体とからなり、前記スピンドルの上方平坦面に
   載置された記録媒体をセンタリングしかつクラン
   プする記録媒体クランプ機構において、前記スピ
   ンドルの内腔上縁部に丸味を付けるとともに、前
   記構体は、ハブフレームに固着されたハブシヤフ
   トの下端に固定されたハブと、該ハブの上方に前
   記ハブシヤフトの軸方向に摺動自在でかつハブシ
   ヤフトのまわりに回転可能なようにハブと同軸的
   に弾装されたコレツトとを備え、前記ハブはその
   中心が前記スピンドルの記録媒体クランプ面より
   上方にある球面状に形成したことを特徴とする記
   録媒体クランプ機構。