JPH0146932B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［技術分野］ 本発明は、磁気デイスク、光デイスクあるいは
光磁気デイスク等をその駆動装置に保持するため
のデイスククランプ装置に関する。

［従来技術］ 一般に、デイスク状の記憶媒体を用いる補助記
憶装置、例えば磁気デイスク装置、光デイスク装
置あるいは光磁気デイスク装置では、一つの装置
で複数の記憶媒体を取り扱えるように、記憶媒体
を着脱自在に取り付けている。

このような装置では、各記憶媒体を装着するさ
い、駆動モータの軸に対して記憶媒体の中心がず
れるので、記憶媒体が偏心する。このようにデイ
スクが偏心すると、記録トラツクに所定の軌跡か
ら外れる左右へのブレを生じ、そのため、通常、
データを記録再生するためのヘツドを、かかる記
録トラツクのブレに正確に追従するように、サー
ボ制御による位置決め（トラツキング制御）を実
施している。

また、記憶媒体の記憶容量の増大すなわちデー
タの記憶密度の増大に伴つて、データを記憶する
ための記録トラツクの構造が非常に微細になつて
きており、このような微細な記録トラツクにヘツ
ドを位置決めできるように、トラツキング制御の
精度が高められている反面、かかるトラツキング
制御で許容される誤差の範囲が非常に小さいので
記憶媒体の偏心の影響がますます大きくなつてき
ている。

そこで、従来、記憶媒体を駆動モータの軸に保
持するデイスククランプ機構に、デイスクの位置
合せのための手段を設けている。その一例を第４
図に示す。なお、このデイスククランプ機構は、
光デイスク駆動装置のデイスク着脱部（図示略）
に形成されている。

図において、光デイスク１を駆動するスピンド
ルモータ２の軸２ａには、光デイスク１を載置固
定するためのスピンドルカツプ３が取り付けられ
ており、このスピンドルカツプ３の縁部３ａに
は、光デイスク１を保護するための緩衝用のゴム
座４が取り付けられている。

スピンドルカツプ３の中空部にスプリング５に
よつて弾発的に取り付けられているコーンカツプ
６は、その周縁部６ａが立ち上げられていて、こ
の周縁部６ａの外周側は、光デイスク１に係合す
るためにテーパ状に傾斜が形成されている。

一方、スピンドルカツプ３と対向して光デイス
ク１を挟み込むコーンデイスク７は、デイスク着
脱部のデイスク押え機構（図示略）に板バネ（図
示略）を介して取り付けられている軸８に、軸受
９を介して取り付けられており、そのスピンドル
カツプ３と対向する面には、光デイスク１のクラ
ンプ孔１ａを位置決めするための突起１０が円周
状に形成されている。

以上の構成で、通常、光デイスク１が装着され
ていない場合には、デイスク押え機構が上方に退
避しているのでコーンデイスク７はスピンドルカ
ツプ３から離れた位置にある。

そして、光デイスク１を光デイスク装置に装着
するときには、光デイスク１をこのデイスククラ
ンプ機構に着脱するローデイング機構（図示略）
が、スピンドルカツプ３にクランプ孔１ａが一致
するように光デイスク１を位置決めしてスピンド
ルカツプ３に載置する。これによつて、クランプ
孔１ａの下端がコーンカツプ６の周縁部６ａに全
周で当接した状態で、光デイスク１がスピンドル
カツプ３に載置される。

ローデイング機構が光デイスク１をスピンドル
カツプ３に載置する動作が終了すると、デイスク
押え機構によつてコーンデイスク７がスピンドル
カツプ３方向に押し下げられ、突起１０がコーン
カツプ６の周縁部６ａと光デイスク１のクランプ
孔１ａの間に挿入されると、クランプ孔１ａの上
端に沿つて突起１０の外周面が案内されながら、
この突起１０の基部外周によつて規制される所定
の位置に位置決めされる。

その結果、光デイスク１が偏心が極く小さい状
態で、光デイスク駆動装置に取り付けられる。

ところが、このような位置決め機構では、次の
ような問題を生じていた。

すなわち、第５図ａに示したように、突起１０
は、光デイスク１のクランプ孔１ａと、コーンカ
ツプ６の周縁部６ａとの間隙に位置する必要があ
り、したがつて、クランプ孔１ａを所定位置で固
定したときにおけるクランプ孔１ａと突起１０の
頂上との距離ｘが非常に小さい。

そのため、同図ｂに示したように、例えば外力
によつて振動が生じて光デイスク１の位置が多少
ずれた場合等で光デイスク駆動装置のローデイン
グ機構の位置決め精度が悪い場合、光デイスク１
に突起１０が乗り上げるという事故が生じること
がある。

かかる不都合を防止するために、第６図に示し
たようなものも実用された。なお、同図において
第４図と同一部分および相当部分には、同一符号
を付してその説明を省略する。

このものでは、コーンカツプ６の周縁部６ａの
最外部内周端を案内とする、外周がテーパ状に傾
斜している突起１１をコーンデイスク７に設けて
いる。

そして突起１１とコーンカツプ６の周縁部６ａ
との係合によりコーンデイスク７が所定の位置に
位置決めされ、そして光デイスク１を所定の位置
に位置決めできるようにしている。

この突起１１は、斜面を比較的大きい寸法に形
成できるので、ローデイング機構による光デイス
ク１の位置決め誤差が大きくなつたときでも、適
切に光デイスク１を所定位置に位置決めすること
ができる。

しかしながら、この従来例には、次のような問
題があつた。

すなわち、突起１１とコーンカツプ６の周縁部
６ａとが、コーンカツプ６を位置決めするまでに
すなわち光デイスク１のクランプを終了するまで
に比較的長い距離を摺動するので、この部分の摩
擦が大きくなつた場合には、第７図に示したよう
に、突起１１の斜面の途中で周縁部６ａが止まつ
たままの状態で、コーンデイスク７がコーンカツ
プ６を押し下げることがある。

そのために、光デイスク１のクランプ孔１ａと
コーンカツプ６の周縁部６ａに隙間を生じ、光デ
イスク１の偏心が大きくなるという不都合を生じ
る。また、突起１１が直接光デイスク１に接触し
ないので、コーンデイスク７による押圧力が、全
て光デイスク１に加わらないので、ガタを生じる
という問題もあつた。

［目的］ 本発明は、上述した従来技術の問題を解決する
ためになされたものであり、デイスクを適切にク
ランプできるデイスククランプ装置を提供するこ
とを目的としている。

［構成］ 本発明は、この目的を達成するために、コーン
カツプにクランプ動作の途中まで案内される第１
の突起と、それ以降デイスクに案内される第２の
突起をコーンデイスクに設けている。

以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施
例を詳細に説明する。

第１図ａ，ｂは、本発明の一実施例を示してい
る。なお、図において第４図と同一部分および相
当する部分には同一符号を付してその説明を省略
する。

図において、コーンデイスク７は、スピンドル
カツプ３と対向する面に、光デイスク１のスピン
ドル孔１ａに係止して位置決めするための突起２
１と、コーンカツプ６の周縁部６ａに接触してコ
ーンカツプ６にクランプ動作の途中まで案内され
るための突起２２が形成されている。なお、突起
２１の突出長さよりも、突起２２の突出長さが大
きく設定されている。ただし、おのおのの寸法
は、各部の寸法に対応して設定されている。

また、コーンデイスク７が軸受９を介して取り
付けられている軸８は、その反対側の端部が、デ
イスク押し付け機構の構成要素である板バネ３１
に遊貫されており、この板バネ３１と軸受９の間
には、表面が球面に形成されたピボツト３３と、
このピボツト３３を受ける面が形成されているカ
ラー３２が配設されており、これらのピボツト３
３とカラー３２の間には、スプリング３４が挿入
されていて、それらの間に付勢力を与えている。

なお、スピンドルモータ２においては、２ｂは
このスピンドルモータ２のフレーム、２ｃおよび
２ｄは磁気回路を形成するためのヨーク、２ｅは
Ｓ極とＮ極が交互に配置されて形成された磁石、
２ｆはこのスピンドルモータ２の駆動コイル、２
ｇはフレーム２ｂに軸２ａを取り付けるための軸
受である。また、２５はこのスピンドルモータ２
の回転状況を検出するためのロータリパルスエン
コーダのロータリエンコーダ板である。このロー
タリエンコーダ板２５は、スピンドルカツプ３と
ヨーク２ｃに、ネジによつて挟持されている。

また、３５，３６，３７，３８は、各部材が脱
落することを防止するためのＥリングであり、３
９はＥリング３７よりも内径の大きいピボツト３
３の脱落を防止するためのワツシヤである。

以上の構成で、光デイスク駆動装置のローデイ
ング機構が光デイスク１をスピンドルカツプ３に
位置決めしたことを考えると、第２図に示したよ
うに、光デイスク１のクランプ孔１ａの下端部が
コーンカツプ６の周縁部６ａの外周に係合した状
態で、光デイスク１がコーンカツプ６によつて支
持される。なお、このときにはスプリング５の付
勢力によつて光デイスク１はゴム座４から若干浮
いた状態になつている。

その後に、デイスク押し下げ機構が板バネ３１
を支持した状態でコーンデイスク７を下ろしてゆ
くと、まず、コーンデイスク７の突起２２の外側
の斜面がコーンカツプ６の周縁部６ａの内周面に
沿つて案内されて、コーンデイスク７がほぼ所定
の位置に位置決めされる。

さらにコーンデイスク７が下ろされると、突起
２２がコーンカツプ６の上面に当接する前に、突
起２１が光デイスク１のクランプ孔１ａに係合
し、その斜面に沿つてクランプ孔１ａに案内さ
れ、そして、光デイスク１の表面にコーンデイス
ク７の周縁部の表面が密着する。このときには、
コーンデイスク７はクランプ孔１ａの中心に位置
決めされ、かつ、コーンカツプ６の中心にクラン
プ孔１ａが位置決めされているので、コーンカツ
プ６とコーンデイスク７とは完全に離れた状態に
ある。

さらに、コーンデイスク７が降下すると、コー
ンデイスク７は光デイスク１を介してコーンカツ
プ６を押し下げ、したがつて、コーンカツプ６は
スプリング５の付勢力に打ち勝つて降下してゆ
く。

そして、光デイスク１とゴム座４とが密着する
と、これらの機構は停止し、さらにコーンデイス
ク７を押し下げてゆくと、光デイスク１とゴム座
４との間に効力が生じ、光デイスク１を保持する
保持トルクが発生する。

最終的には、第３図に示したように、クランプ
孔１ａの下端部がコーンカツプ６の周縁部６ａの
外周面で、また、クランプ孔１ａの上端部が突起
２１の斜面でそれぞれ規制された状態に光デイス
ク１が位置決めされたまま、ゴム座４とコーンデ
イスク７の間に挟持される。

また、突起２１がクランプ孔１ａに当接し始め
たときからスプリング３４が圧縮され始め、クラ
ンプが終了したときには、図示のようにピボツト
３３がカラー３２の内周面に押えられた状態で、
板バネ３１の押圧力がコーンデイスク７に加えら
れる。

このときに、コーンデイスク７とコーンカツプ
６あるいはスピンドルカツプ３の面が正確に平行
になつていなくとも、ピボツト３３とカラー３２
の作用によつてその平行度の誤差が吸収され、光
デイスク１に均等に力が加えられる。

なお、上述した実施例では光デイスク装置に本
発明を適用しているが、これに限らず、磁気デイ
スク装置あるいは光磁気デイスク装置にも、本発
明を適用することができる。

［効果］ 以上説明したように、本発明によれば、コーン
カツプにクランプ動作の途中まで案内される第１
の突起と、それ以降デイスクに案内される第２の
突起をコーンデイスクに設けているので、デイス
クを適切にクランプできるという利点を得る。ま
た、最終的にデイスクをクランプした状態で、コ
ーンデイスクがデイスクのみを押えているので、
保持力が全てデイスクに加わるという利点も得
る。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは本発明の一実施例にかかるコーンデ
イスクの周辺を示した部分断面図、同図ｂは本発
明の一実施例にかかるスピンドルカツプの周辺構
造を示した部分断面図、第２図はクランプ動作を
説明するための部分断面図、第３図は最終的なク
ランプ状態を示した部分断面図、第４図は従来装
置の一例を示した部分断面図、第５図ａ，ｂは第
４図に示した装置の動作を説明するための部分断
面図、第６図は従来装置の他の例を示した部分断
面図、第７図は第６図に示した装置の動作を説明
するための部分断面図である。 １…光デイスク、１ａ…クランプ孔、２…スピ
ンドルモータ、２ａ，８…軸、３…スピンドルカ
ツプ、４…ゴム座、５，３４…スプリング、６…
コーンカツプ、６ａ…周縁部、７…コーンデイス
ク、９…軸受、２１，２２…突起。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 記憶媒体からなるデイスクの中央に形成され
   ているクランプ孔に係合して駆動装置に取り付け
   るデイスククランプ装置において、駆動モータの
   軸に取り付けられて上記デイスクが載置されるス
   ピンドルカツプと、このスピンドルカツプに弾発
   的に取り付けられてその外周に形成されている立
   ち上がり部の外周に上記クランプ孔の内面に係合
   する斜面が形成されたコーンカツプと、上記スピ
   ンドルカツプに対向して上記デイスクを押圧する
   押圧手段に取り付けられ、上記コーンカツプの上
   記立ち上がり部の内周に係合する斜面が形成され
   ている第１の突起および上記クランプ孔の内周に
   その上面から係合する第２の突起が形成されてい
   るコーンデイスクを備え、上記第１の突起の突出
   長さは、上記第２の突起の突出長さよりも大きく
   設定されていることを特徴とするデイスククラン
   プ装置。