JPH0311031B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、一般にフロツピーデイスクと呼ばれ
ているフレキシブル磁気デイスクカートリツジ、
又はこれに類似の磁気デイスクを使用して信号の
記録又は再生を行うための磁気デイスク駆動装置
に関する。

従来技術 比較的大型のフレキシブル磁気デイスクを使用
する従来のデイスク駆動装置では、デイスクに係
合する回転体（ターンテーブル）と磁気ヘツドと
の距離が比較的大になり且つデイスクが容易に屈
曲するので、回転体と磁気ヘツドとの僅かな高さ
の差は殆んど問題にならなかつた。ところが、最
近開発された例えば直径86mmのような小型デイス
クの場合には、磁気ヘツドと回転体との距離が短
くなり、両者の高さの差を無視することが不可能
になつた。このため、回転機構、磁気ヘツド取付
け機構等の機械的精度を高めなければならなかつ
た。

発明の目的 そこで、本発明の目的は、磁気デイスクと磁気
ヘツドとの位置関係を容易に調整することが出来
る磁気デイスク駆動装置を提供することにある。

発明の構成 上記目的を達成するための本発明は、ケースに
収容された小型磁気デイスクに係合する回転体
と、ステータとロータとこのロータに結合された
スピンドルとを有し、前記スピンドルによつて前
記回転体に結合されているモータと、前記デイス
クの面に接触して信号を記録又は再生する磁気ヘ
ツドと、前記磁気ヘツドを前記デイスクにおける
トラツク交差方向に移動させるためのヘツド移動
機構と、前記回転体、前記モータ及び前記ヘツド
移動機構を支持する支持装置と、少なくとも前記
回転体をその中心軸方向に変位させて前記磁気ヘ
ツドに対する前記回転体の軸方向位置を調整する
位置調整機構と、前記位置調整機構によつて前記
回転体の軸方向位置を調整するときに前記回転体
と前記ロータとの角度位置関係を一定に保つため
の手段とから成る磁気デイスク駆動装置に係わる
ものである。

発明の作用効果 上記発明によれば、回転体とロータとの角度位
置関係を一定に保つための手段を設けたので、回
転体の軸方向位置の調整を行つても、回転体とロ
ータとの角度位置関係の狂いが生じない。なお、
角度位置関係の狂いが生じると、例えばロータの
インデツクス（指標）と回転体との位置関係を再
調整することが必要になる。

実施例 次に、図面を参照して本発明の実施例に係わる
磁気デイスク駆動装置について述べる。

第１図〜第６図に示す本発明の実施例に係わる
磁気デイスク駆動装置は、直径86mmのマイクロフ
ロツピーデイスクを使用してデータの記録又は再
生を行うように構成されている。第１図に示す如
く、デイスクカートリツジ１の磁気デイスク２を
回転するためのデイスク回転機構は、アウターロ
ータ型モータ３と、このモータ３のスピンドル４
に直結されたデイスクチヤツキング用回転体５と
から成る。磁気デイスク２に接触する一対の磁気
ヘツド６，７をデイスク２のトラツク交差方向
（半径方向）に移動するためのヘツド移動機構
（ヘツド位置決め機構）は、ヘツドキヤリツジ８
と、このキヤリツジ８をデイスク半径方向に案内
するガイド棒９と、このガイド棒９を支持装置と
してのフレーム１０に固定する固定部材１１と、
ステツピングモータとα巻きスチールベルトから
成る回転一直線変換機構とを含むキヤリツジ駆動
機構１２とから成る。

デイスク回転機構部分のアウターロータ型モー
タ３は、第１図の一部を拡大図示した第２図から
明らかな如く、フレーム１０に取付け部材１３と
ネジ１４とで固定されたステータ１５と、このス
テータ１５を囲むアウターロータ１６と、このロ
ータ１６に対して軸方向変位可能に取付けられた
スピンドル４とから成る。スピンドル４は２つの
軸受１７，１８により、その軸方向移動自在に支
持され、ロータ１６に対してネジ１９で装着され
ている。回転体５は、スピンドル４に直結され、
この上面にスピンドル突出部４ａと、駆動ピン２
０と、デイスク吸着用磁石２１とを有する。

回転体５の高さ方向の位置調整機構は、スピン
ドル４に設けられたフランジ状のバネ係合部２２
と、この係合部２２と軸受１８との間に配設され
たコイルバネ２３と、スピンドル４のネジ穴２４
に螺合されたロータ取付け及び調整用ネジ１９
と、回転体５の穴２５と取付け部材１３の穴２６
とに挿入された回り止め棒２７とから成る。ネジ
１９の頭１９ａはロータ１６の外側に配置され、
ロータ１６の中央に設けられた貫通穴２８を通つ
てスピンドル４に螺合し、スピンドル４にはバネ
２３で常に上方の偏倚力が付与されているので、
ネジ１９の進退に応じてスピンドル４をその軸方
向に変位させることが出来る。

磁気デイスクカートリツジ１は、第３図及び第
４図に示す如く、直径86mmの記録媒体デイスク２
を剛性を有する合成樹脂ケース２９に収容するこ
とにより構成されている。ケース２９の表面３０
と裏面３１との両方にヘツド挿入用開口３２，３
３が設けられ、非使用時にはこの開口３２，３３
はスライド式のシヤツタ３４によつて閉じられて
いる。シヤツタ３４は第１図で右方向にバネ（図
示せず）によつて偏倚されており、使用時にはこ
の偏倚力に抗してシヤツタ３４を左に移動させ
る。この実施例のデイスクカートリツジ１のデイ
スク２は可撓性磁気シート２ａとこの中央に装着
された金属円板から成るハブ２ｂとから成る。デ
イスク２はクランパで押圧して回転させるもので
はないので、ケース２９の裏面３１にのみ回転駆
動用の開口３５が設けられ、ここからハブ２ｂが
露出されている。このハブ２ｂにはスピンドル挿
入用穴２ｃと駆動ピン挿入用穴２ｄとが設けられ
ている。このように形成されたデイスクカートリ
ツジ１を使用して記録又は再生を行う場合には、
回転体５の上にデイスク２のハブ２ｂの部分を置
き、スピンドル突出部４ａをハブ２ｂのスピンド
ル挿入用穴２ｃに挿入し、駆動ピン２０を駆動ピ
ン挿入穴２ｄに挿入し、ハブ２ｂを磁石２１で吸
着することにより、デイスク２を回転体５に係合
させる。

ところが、デイスク２の中央のハブ２ｂを回転
体に係合させた状態で、もし、回転体５が磁気ヘ
ツド６，７に対して低い場合には、第５図に示す
ような状態となり、逆に回転体５が磁気ヘツド
６，７に対して高い場合には第６図の状態とな
り、いずれも良好な記録再生が不可能になる。そ
こで、スピンドル４及び回転体５を上方に変位さ
せる場合には、ネジ１９を第２図でスピンドル４
から離脱する方向に回す。この結果、バネ２３の
力によつてスピンドル４及び回転体５は上方に押
し上げられ、磁気ヘツド６，７に対する回転体５
の位置が調整される。なお、第３図及び第４図に
示すカートリツジ１にはデイスク２の回転角度位
置を検出するためのインデイスク検出穴が設けら
れていない。このため、第１図及び第２図に示す
如く、ロータ１６の一定角度位置に磁石３６が固
着され、この磁石３６が通過する部分にホール素
子から成る回転検出素子３７が配置されている。
従つて、デイスク２の駆動ピン挿入穴２ｄと磁石
３６との位置関係を一定に保つことにより、回転
検出素子３７でデイスク２の回転角度位置を知る
ことが出来る。ところが、本実施例によつてネジ
１９と共にロータ１６を回せば、駆動ピン２０の
角度位置と磁石３６の角度位置との関係が変化し
てしまう。そこで、回転体５の高さ調整を行う場
合には、回り止め棒２７を回転体５の穴２５と取
付け部材１３の穴２６とに着脱自在に挿入し、回
転体５の回り止めをした状態でネジ１９を回し、
回転体５及びスピンドル４を軸方向に変位させ
る。

回転体５を下方に変位させる場合には、ネジ１
９をバネ２３に抗して前進させる。

上述から明らかな如く、本実施例には次の利点
がある。

(A)ロータ１６とスピンドル４との結合部材とし
て使用されているネジ１９を回すのみで、回転体
５の高さを調整することが出来る。ヘツド６，７
と回転体５との位置関係を極めて簡単な構成で容
易に調整することが出来る。

(B)着脱自在な回り止め棒２７により、回転体５
の回り止めをした状態で高さ調整を行うことが出
来るので、回転検出用磁石３６と駆動ピン２０と
の角度位置関係を一定に保つことが出来る。

次に、本発明の別の実施例を示す第７図及び第
８図について述べる。但し、第７図及び第８図で
第１図〜第６図と共通する部分には同一の符号を
付してその説明を省略する。この第７図及び第８
図の実施例では、スピンドル４はロータ１６にネ
ジ１９で固着され、この代りにステータ１５がフ
レーム１０に対して変位可能に取付けられてい
る。即ち、モータ３及び回転体５から成る回転機
構全体がフレーム１０に対して軸方向に変位する
ことが可能なように取付けられている。この取付
けを行うために、取付け部材１３にフランジ状の
バネ係合部２２ａが設けられ、こことフレーム１
０との間にコイルバネ２３ａが配置されている。
ステータ１５を取付けるためのネジ１４は、ステ
ータ１５と係合部２２ａの穴を通つてフレーム１
０のネジ穴に螺合されている。また、回転体５の
傾きの調整を可能にするために、第８図に示す如
く、３本のステータ取付けネジ１４がロータ取付
けネジ１９を中心に三角形状に配置されている。

この装置で回転体５の高さを調整する時には、
３本のステータ取付けネジ１４を前進又は後退さ
せる。ネジ１４を前進させると、バネ２３ａが圧
縮され、ステータ１５、ロータ１６、又び回転体
５は上方に変位する。一方、ネジ１４を後退させ
ると、バネ２３ａの力でステータ１５、ロータ１
６、及び回転体５が下方に変位する。この実施例
においては、ステータ１５の取付けネジ１４で高
さ調整が可能になり、調整機構の構成が簡略化さ
れる。

変形例 本発明は上述の実施例に限定されるものでな
く、変形可能ななものである。例えば、デイスク
をクランプ部材を使用して回転体５に固定する方
式にも適用可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例に係わる磁気デイスク
駆動装置の一部を示す正面図、第２図は第１図の
装置の回転機構部分の拡大断面図、第３図はデイ
スクカートリツジの平面図、第４図は第３図のカ
ートリツジの底面図、第５図及び第６図はヘツド
と回転体との高さが相違している状態をそれぞれ
示す正面図である。第７図は本発明の別の実施例
に係わる磁気デイスク駆動装置の一部を示す断面
図、第８図は第７図の装置の一部を示す底面図で
ある。 ２……磁気デイスク、３……モータ、４……ス
ピンドル、４ａ……スピンドルの突出部、５……
回転体、６……磁気ヘツド、１０……フレーム、
１５……ステータ、１６……ロータ、１９……ネ
ジ、２０……駆動ピン、２２……バネ係合部、２
３……バネ、２７……回り止め棒。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ケースに収容された小型磁気デイスクに係合
   する回転体と、 ステータとロータとこのロータに結合されたス
   ピンドルとを有し、前記スピンドルによつて前記
   回転体に結合されているモータと、 前記デイスクの面に接触して信号を記録又は再
   生する磁気ヘツドと、 前記磁気ヘツドを前記デイスクにおけるトラツ
   ク交差方向に移動させるためのヘツド移動機構
   と、 前記回転体、前記モータ及び前記ヘツド移動機
   構を支持する支持装置と、 少なくとも前記回転体をその中心軸方向に変位
   させて前記磁気ヘツドに対する前記回転体の軸方
   向位置を調整する位置調整機構と、 前記位置調整機構によつて前記回転体の軸方向
   位置を調整するときに前記回転体と前記ロータと
   の角度位置関係を一定に保つための手段と から成る磁気デイスク駆動装置。 ２ 前記モータは、アウターロータ型モータであ
   り、前記回転体は前記モータのスピンドルに直結
   されたものであり、前記位置調整機構は、前記ロ
   ータに対して前記スピンドルをその軸方向に任意
   に変位させる機構である特許請求の範囲第１項記
   載の磁気デイスク駆動装置。