JPS639741Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来、この種のコンクリート型枠締付金具にお
いては、締付杆の先端部に長いねじを装設し、こ
れにばた材押え座金の中央孔を嵌合してナツトを
螺合しているから、型枠を組立ておよび解体する
とき、ナツトの回転操作が多くてその操作に多く
の手数と時間を要する上に、ねじにコンクリート
が付着することが多く、更に、型枠を組立てると
き、ナツトをねじ込み過ぎると、その締付金具を
取付けた堰板の部分が外側へ引出され張出して堰
板が凹凸状に変形する欠点があつた。

そこで、本考案は上記欠陥を解消するため、締
付杆のナツトを螺合するねじを短くすると共に、
そのねじの基端にナツトのねじ込み過ぎ防止用ス
トツパーを設け、ナツトのねじ込みおよびねじ戻
し操作を迅速になし得る上に、ストツパーにより
ナツトのねじ込み過ぎを防止して型枠の締付けを
常に均等に行うことができ、且つねじへのコンク
リートの付着を防ぐ。

更に、締付杆の上記ねじの先端側に無ねじ部を
形成して先端にナツト抜け止め兼用のつまみを装
設し、作業者が手でつまみを操作し締付杆を回転
させて締付金具をセパレーターの堰板よりの突出
ねじに着脱でき、一方、ナツトをねじ戻して締付
杆の無ねじ部に遊び状態に嵌合保持することによ
つて型枠の解体を円滑になし得るようにしたコン
クリート型枠締付金具に係るものである。

図面に示す本考案の１実施例についてその構造
を説明すれば、ａはコンクリート型枠締付金具を
示し、１は締付金具ａの締付杆で、基端に鍔２を
設けて基端面中心にねじ孔３を装設し、中間の基
部側につぶし４を、先端側にナツトのねじ込み過
ぎ防止用ストツパー５をそれぞれ設け、該ストツ
パー５より先端側には、その基部にねじ６を、中
間にねじ６の谷径よりも小径の無ねじ部７を、先
端につぶしによる扁平なナツト抜け止め兼用のつ
まみ８をそれぞれ装設する。９は上下にばた材と
の係合面１０を形成したばた材押え座金で、締付
杆１のねじ６に押え座金９の中央孔１１を嵌合し
ナツト１２を螺合して締付金具ａを構成する。

１３はセパレーターで、両端部にねじ１４を装
設してその基端にストツパー１５を設け、該ねじ
１４には端子１６をストツパー１５まで螺合す
る。Ａはコンクリート型枠を構成する堰板で、そ
の適当箇所に通孔１７を穿設する。Ｂは堰板Ａの
外面に配置する縦ばた材、Ｃ，Ｃはその外側に組
合わせる１対の横ばた材、Ｄはコンクリート壁を
示す。

次にその締付金具の使用法を説明する。両側堰
板Ａを立ててその通孔１７に端子１６付きセパレ
ーター１３の両端ねじ１４をそれぞれ挿通し、そ
のねじ１４の突出部に締付杆１のねじ孔３を当
て、最初は作業者が手で締付杆１のつまみ８を操
作して締付杆１を回転させ、最後にスパナをつぶ
し４に係合して締付杆１を回転させ、ねじ１４の
突出部に締付杆１のねじ孔３をねじ込んで端子１
６と締付杆１の鍔２とにより堰板Ａを挟持すると
共に、セパレーター１３に締付金具ａを連結し、
一方、両側堰板Ａの間隔を所定に保持する。

そこで、堰板Ａの外面に縦ばた材Ｂを配置し、
一方、締付金具ａのナツト１２が第１図に実線で
示すように締付杆１のねじ６に螺合されている場
合には、ナツト１２をねじ戻して第１図に鎖線で
示すように締付杆１の無ねじ部７に遊嵌させると
共に、押え座金９も外側へ移動し締付杆１の無ね
じ部７を至らしめてそこに遊嵌状態となす。

而して、第３図に示すように、横ばた材Ｃ，Ｃ
を締付杆１の上下から縦ばた材Ｂと押え座金９の
間に挿入し、その後、押え座金９を内側へ移動し
てその係合面１０，１０を横ばた材Ｃ，Ｃに当て
た後、ナツト１２をねじ６にねじ込むと、端子１
６と押え座金９とで堰板Ａおよび縦横のばた材
Ｂ，Ｃ，Ｃを挟持し一体に締付け固定して型枠を
構成する。

その際、堰板Ａの変形による凹凸によつてナツ
ト１２が内側方向へ深くねじ込まれても、ストツ
パー５に当つた後はねじ込まれないから、ナツト
１２はストツパー５より内側へねじ込まれること
がなくてナツト１２のねじ込み過ぎによる型枠の
締付け過ぎが防止される。

そこで、堰板Ａに囲まれた空間内にコンクリー
トを打設してストツパー壁Ｄを構築した後、型枠
を解体するときには、ナツト１２をねじ戻して締
付杆１の無ねじ部７に至らしめれば、押え座金９
も外側へ移動して型枠の締付けが解かれるから、
その後、順次横ばた材Ｃ，Ｃ、縦ばた材Ｂを取外
し、次いで、作業者が手で締付杆１のつまみ８を
操作し締付杆１をねじ戻して締付金具ａを取外し
た後、堰板Ａを除去すると、型枠を解体すること
ができる。

なお、上記締付杆１のストツパー５にナツト１
２を当ててナツト１２のねじ込みを制止するのに
代え、ストツパー５に押え座金９を当ててナツト
１２のねじ込みを制止するようになしてもよい。

一方、上記の端子１６付きセパレーター１３に
代え、中心ボルトを外側へ突出させた円錐状端子
の内側面中心のねじ孔をセパレーター１３のねじ
１４にストツパー１５まで螺着してなる円錐状端
子付きセパレーターを使用する場合も、上記と同
様に作用する。

本考案はコンクリート型枠締付金具を上記のよ
うに構成したから、ナツトをねじ込んで型枠を締
付けるとき、ナツトは締付杆のストツパーによつ
て一定位置より内側へは至らない。従つて、ナツ
トのねじ込み過ぎを生じることなく、多数の締付
金具で締付ける横ばた材の係止位置は常に一定
で、型枠全面にわたり横ばた材が堰板に均等に当
接して型枠の締付け過ぎや締付けむらによる堰板
の変形がない。それ故、熟練した作業者でなくて
も常に型枠を均等に締付け固定してコンクリート
面を精度よく形成することができる。また、万
一、堰板やばた材の変更等により、ナツトをスト
ツパーまでねじ込んでも型枠の締付けが若干不十
分な現象の締付金具のところが生じても、その締
付金具のナツトは、ストツパーに締付けられるこ
とによつて締付け反力が発生し締付杆にダブルナ
ツト的に固定して振動等により緩むことなく、常
に型枠を堅固に保持することができる。

更に、ナツトを螺合する締付杆のねじの長さ
を、従来のように必要以上に長くすることなく、
型枠の締付けに必要なだけに短く設けたから、ナ
ツトの回転操作が少なく、型枠の組立ておよび解
体を容易迅速になして時間と労力を節減し得る上
に、そのねじへのコンクリートの付着を防止でき
る。

また、締付杆のナツトを螺合するねじの先端側
にナツトが遊嵌する無ねじ部を設け、且つその無
ねじ部の先端にナツト抜け止め兼用のつまみを装
設したから、型枠の組立ておよび解体を行うと
き、作業者が手で締付杆のつまみを操作し締付杆
を回転させてセパレーターの堰板よりの突出ねじ
への締付金具の取付けおよび取外しを容易敏速に
なし得る上に、型枠を解体するとき、ナツトをね
じ戻して締付杆の無ねじ部に至らしめれば、その
ナツトはつまみにより係止されて締付杆から抜け
出ることなく、ナツトおよび押え座金が無ねじ部
に遊び状態に嵌合保持されて型枠の解体を安易円
滑に行うことができる。

その上、ナツトが締付杆と一体状態であるの
で、ナツトを紛失することがない上に、作業およ
び取扱上至便で作業能率を向上し、且つ構造が簡
単で容易安価に製作し得られ、その作動は軽快円
滑なる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例に係るコンクリート
型枠締付金具の縦断正面図、第２図は同上平断面
図、第３図はその締付金具を使用してコンクリー
ト型枠を組立てた状態の正断面図である。 １……締付杆、３……ねじ孔、５……ストツパ
ー、６……ねじ、７……無ねじ部、８……つま
み、９……ばた材押え座金、１０……係合面、１
１……中央孔、１２……ナツト、１３……セパレ
ーター、１４……ねじ、Ａ……堰板、Ｃ，Ｃ……
ばた材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 締付杆の基端面中心に、セパレーターの堰板よ
   りの突出ねじに螺合するねじ孔を装設し、中間部
   にナツトのねじ込み過ぎ防止用ストツパーを設
   け、該ストツパーより先端側には、その基部にね
   じを、中間に上記ねじの谷径よりも小径の無ねじ
   部を、先端にナツト抜け止め兼用のつまみをそれ
   ぞれ装設し、上記締付杆のねじには上下にばた材
   との係合面を形成したばた材押え座金の中央孔を
   嵌合しナツトを螺合してなるコンクリート型枠締
   付金具。