JPS6219793Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来の、上下の横ばた材に嵌合する凹部を堰板
側の縁の上下に設けた押え座金の中心孔を締付杆
に嵌合した構成の締付金具においては、上下１対
で使用する横ばた材を、僅少間隙が形成されるよ
うに数個の締付金具で一体に連結したり、また、
その一体に連結された横ばた材間の僅少間隙を数
個の締付杆に合わせそれを抱かせて横ばた材を縦
ばた材の外側に組合わせるため、１対の横ばた材
の連結や分解に多くの手数と時間を要する上に、
取扱い難い。

一方、押え座金の移行長さが長いため、ねじに
よる締付方式のものにおいては、ナツトの送りが
遅くてその回転操作が多く、型枠の組立ておよび
解体に多くの時間がかかつて作業能率が悪い。

また、くさびによる締付方式のものにおいて
は、くさびの打込みによる力の伝達が円滑でない
上に、振動によりくさびが浮上つてその締付けが
ゆるむ。

更に、上記両方式のものとも、締付部における
締付け過ぎや締付けむらを生じ、コンクリート面
に凹凸ができてコンクリート面を正確に形成でき
ない等の欠点があつた。

そこで、本考案は上記欠陥を解消するため、基
部側の縁に凹部を、上下対向側の先端側の隅部に
テーパー縁をそれぞれ装設する上下押え金の上下
対向側の中間部を締付杆の中間部に枢着して締付
杆の先端ねじにはテーパー座金を設けたナツトを
螺合し、上下においてそれぞれ、横ばた材を数個
の押え金の凹部にわたし嵌合して締付杆方向へ移
動操作することにより、数個の押え金が同時に作
動して上下の横ばた材を設定でき、且つナツトの
僅かの締付けによつて上下の押え金を押圧固定し
型枠を組立てて型枠の組立ておよび解体を簡易迅
速になし得る上に、コンクリート面を正確に形成
できて作業能率を向上するようにしたコンクリー
ト型枠締付金具に係るものである。

第１図乃至第４図に示す本考案の第１実施例に
ついてその構造を説明すれば、ａはコンクリート
型枠締付金具を示し、１はその締付杆で、基端に
鍔２を設けて基端面中心にねじ孔３を装設し、中
間部につぶしによる扁平部４を形成して該扁平部
４より先端側にはねじ５を装設する。６，７は左
右に齟齬させて上下対称に配置する１対の板状押
え金で、その押え金６，７の基部側の縁に円弧状
凹部８，９を、上下対向側の先端側の隅部にテー
パー縁１０，１１をそれぞれ設け、上下対向側の
中間部に装設した突片１２，１３を締付杆１の扁
平部４の中間両側面にそれぞれ当ててそれらの通
孔に挿通したピン１４により枢着する。１５はテ
ーパー座金１６を設けたナツトで、該ナツト１５
を締付杆１のねじ５に螺合して付金具ａを構成す
る。

１７はセパレーターで、両端部にねじ１８を装
設してその基端にストツパー１９を設け、該ねじ
１８には端子２０をストツパー１９まで螺合す
る。Ａはコンクリート型枠を構成する堰板で、そ
の適当箇所に通孔２１を穿設する。Ｂは堰板Ａの
外面に配置する３角パイプ、すなわち、正３角形
の角部を円弧状に形成した断面のパイプの縦ばた
材、Ｃ，Ｄはその外側に１対で組合わせる３角パ
イプの上下の横ばた材、Ｅはコンクリート壁を示
す。

次にその締付金具の使用法を説明する。両側堰
板Ａを立ててその通孔２１に端子２０付きセパレ
ーター１７の両端ねじ１８をそれぞれ挿通し、そ
のねじ１８の突出部に締付杆１のねじ孔３をねじ
込んで端子２０と締付杆１の鍔２とにより堰板Ａ
を挟持すると共に、締付金具ａの押え金６，７を
上下方向に向ける。

そこで、堰板Ａの外面に縦ばた材Ｂを配置した
後、左右方向に適当数並列した締付金具ａにおい
て、それぞれ第４図に実線で示すように、まず、
ナツト１５を押え金６，７から外側に離隔させた
後、押え金６をピン１４を支点とし第４図の時計
方向へ回動してその凹部８を上方へ向け、数個の
押え金６の凹部８内にわたして横ばた材Ｃの１角
部を嵌合し、その後、上記横ばた材Ｃを内側下方
へ移動させれば、その横ばた材Ｃと数個の押え金
６がピン１４を支点とし一体状態で第４図の矢印
方向へ回動し、鎖線で示すように横ばた材Ｃの他
平面部が縦ばた材Ｂに当接してその当接状態に保
持される。

次いで、横ばた材Ｄを第４図に実線で示すよう
に、その１角部を縦ばた材Ｂと押え金７との間に
押当てて矢印方向へ回動させながら持上げると、
数個の締付金具ａの押え金７が自動的にピン１４
を支点として遊動し、鎖線で示すように横ばた材
Ｄの１角部が押え金７の凹部９内に嵌合して他平
面部が縦ばた材Ｂに当接する。そこで、横ばた材
Ｄを上記の持上げ状態に保持したままナツト１５
をねじ込めば、そのナツト１５の座金１６のテー
パー面と押え金６，７のテーパー縁１０，１１の
摺動によつて押え金６，７がピン１４を支点とし
互いに内側の上下対向側へ回動してこれにより横
ばた材Ｃ，Ｄを縦ばた材Ｂに押圧し、端子２０と
押え金６，７とで堰板Ａおよび縦横のばた材Ｂ，
Ｃ，Ｄを挟持して一体に締付け固定すると共に、
両側堰板Ａの間隔を所定に保持して型枠を構成す
る。

そこで、堰板Ａに囲まれた空間内にコンクリー
トを打設してコンクリート壁Ｅを構築した後、型
枠を解体するときは、ナツト１５をねじ戻し押え
金６，７から外側に離隔させて押え金６，７の固
定を解き、上記と反対に操作して順次横ばた材
Ｄ，Ｃ、縦ばた材Ｂを取外した後、締付金具ａを
螺出して堰板Ａを除去すると、型枠を解体するこ
とができる。

なお、上記ナツト１５と座金１６は分離してい
てもよく、また、そのナツト１５に蝶形ナツトを
使用してもよい。

一方、端子２０付きセパレーター１７に代え、
中心ボルトを外側へ突出させた円錐状端子の内側
面中心のねじ孔をセパレーター１７のねじ１８に
ストツパー１９まで螺着してなる円錐状端子付き
セパレータを使用する場合も、上記と同様に作用
する。

第５図乃至第７図に示す本考案の第２実施例
は、第１実施例における板状押え金６，７に代
え、内側および上下対向側が開放のコ形断面をな
す狭幅の上方コ形押え金６′と広幅の下方コ形押
え金７′を使用し、締付杆１の扁平部４に押え金
６′の両側突片１２′間を、その両側突片１２′に
押え金７′の両側突片１３′間をそれぞれ嵌合して
それらの通孔にピン１４を挿着し、締付杆１に押
え金６′，７′を枢着して締付金具a′を構成したも
のである。

この構造のものにおいても、上記と同様に作用
する。

第８図に示す本考案の第３実施例は、第１実施
例における３角パイプの縦横のばた材Ｂおよび
Ｃ，Ｄに代え、丸パイプの縦ばた材B″および横
ばた材C″，D″を使用するもので、第１実施例に
おける押え金６，７に代え、その円弧状凹部８，
９を丸パイプに係合する凹部に形成した押え金
６″，７″を使用して締付金具a″を構成したもので
ある。

この構造のものにおいても、上記と同様に作用
し、縦横のばた材B″およびC″，D″を締付けて型
枠を構成することができる。

第９図に示す本考案の第４実施例ついてその構
造を説明すれば、ａは締付金具を示し、１は
その締付杆で、第１実施例における締付杆１の基
端の鍔２およびねじ孔３に代えて基部に下方への
鉤形屈曲掛け片３を設けたものである。

１７は帯状セパレーターで、両端部には通孔
２２を穿つ。Ａは金属製堰板で、その縁枠には
多数の通孔２１を適当間隔に並設する。

この構造のものにおいては、両側の上下堰板Ａ
の縁枠の間にセパレーター１７の端部を挟
み、それらの通孔２１，２２に締付杆１の掛
け片３を挿通して締付杆１を堰板Ａの縁枠
に引掛けると、その締付杆１の掛け片３によ
り上下の堰板Ａとセパレーター１７を一体に
連結すると共に、締付金具ａがセパレーター１
７付き堰板Ａに取付けられるから、その後、
上記と同様に操作して型枠を組立て得る。

また、両側の上下堰板Ａの縁枠の間にセパレ
ーター１７の端部を挟んだ後、それらの通孔２
１，２２にＵクリツプを挿着し該Ｕクリツプに
より上下の堰板Ａとセパレーター１７を一体
に連結して堰板Ａを立て、次いで、上下堰板Ａ
の縁枠の適当通孔２１に締付杆１の掛け片
３を挿通して締付杆１を堰板Ａの縁枠に引
掛けても、締付金具ａがセパレーター１７付
き堰板Ａに取付けられるから、その後、上記と
同様に操作して型枠を組立てることができる。

第１０図に示す本考案の第５実施例は、第１実
施例における締付金具ａの締付杆１のねじ孔３に
鉤形屈曲掛け杆２３の基端ねじ２４を螺合したも
のである。

この構造のものにおいても、第４実施例におけ
る締付金具ａと同様に、金属製堰板Ａに使用
して型枠を組立て得る。

第１１図に示す本考案の第６実施例についてそ
の構造を説明すれば、ａ〓は締付金具を示し、１
〓はその締付杆で、第１実施例における締付杆１
の基端の鍔２およびねじ孔３に代え、基端を２股
２〓に形成して該２股２〓の先端部内に釘抜きの
頭状の倒Ｕ形案内金３〓を嵌合固着したものであ
る。１７〓はセパレーターで、両端に頭２５を設
けて若干内側位置にはストツパー１９で係止する
端子２０を嵌着する。

この構造のものにおいては、堰板Ａの通孔２１
にセパレーター１７〓の端部を挿通した後、締付
杆１〓の案内金３〓をセパレーター１７〓の頭２
５と堰板Ａの間の部分に嵌合して下降させれば、
その案内金３〓による頭２５の誘導によつてセパ
レーター１７〓が引出され、セパレーター１７〓
の頭２５と端子２０の間に堰板Ａと案内金３〓が
挟持されて締付金具ａ〓がセパレーター１７〓付
き堰板Ａに取付けられるから、その後、上記と同
様に操作して型枠を組立てることができる。

本考案はコンクリート型枠締付金具を上記のよ
うに構成したから、上方横ばた材は上方から締付
金具の上方押え金の凹部内に嵌合して内側下方へ
押し送り、下方横ばた材は下方から縦ばた材と締
付金具の下方押え金の間に挿入するだけで上下に
並列する１対の横ばた材を設置でき、従来のよう
に１対で使用する横ばた材を数個の締付金具で一
体に連結したり、それを分解する必要がなくてそ
の手間を省き得る。

更に、横ばた材を数個の締付金具の押え金の凹
部内にわたし嵌合して締付杆方向へ移動操作する
ことにより、数個の締付金具の押え金が横ばた材
と一体的に回動して横ばた材の設置ができ、その
後は、各締付金具のナツトをねじ込みテーパー座
金を上下押え金のテーパー縁に当てて締付ければ
よいから、横ばた材と一緒に数個の締付金具の押
え金が作動して能率的である上に、ナツトのねじ
込みおよびねじ戻しの長さが短かく、その回転操
作が少なくて型枠の組立ておよび解体を簡易迅速
になし得られ、且つナツトの締付け過ぎや締付け
むらがないため、熟練した職人でなくても常に均
等に締付け、横ばた材を全体にわたつて正確に当
てコンクリート面を精度よく形成することができ
て作業能率を向上する。

その上、上下の押え金を１本のピンで締付杆に
枢着しただけであり、構造が簡単で容易安価に製
作し得る上に、軽快円滑に作動してその固定は確
実堅固なる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例に係る締付金具を
使用してコンクリート型枠を組立てた状態の側断
面図、第２図はその締付金具の正面図、第３図は
斜面図、第４図はコンクリート型枠の組立て作業
状態を示す説明側断面図、第５図は本考案の第２
実施例に係る締付金具を使用してコンクリート型
枠を組立てた状態の側断面図、第６図はその締付
金具の正面図、第７図は斜面図、第８図は本考案
の第３実施例に係る締付金具を使用してコンクリ
ート型枠を組立てた状態の側断面図、第９図は本
考案の第４実施例に係る締付金具を使用してコン
クリート型枠を組立てた状態の側断面図、第１０
図は本考案の第５実施例に係る締付金具を使用し
てコンクリート型枠を組立てた状態の側断面図、
第１１図は本考案の第６実施例に係る締付金具を
使用してコンクリート型枠を組立てた状態の側断
面図である。 １……締付杆、５……ねじ、６，７……押え
金、８，９……凹部、１０，１１……テーパー
縁、１４……ピン、１５……ナツト、１６……テ
ーパー座金、１７……セパレーター、１８……ね
じ、Ａ……堰板、Ｃ，Ｄ……横ばた材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 締付杆の基部にセパレーター付き堰板への取付
   機構を設けて先端部にねじを装設し、基部側の縁
   に横ばた材が嵌合する凹部を装設して上下対向側
   の先端側の隅部をテーパー縁に形成した上下の押
   え金の上下対向側の中間部を上記締付杆の中間部
   に重合してピンにより枢着し、上記締付杆のねじ
   には上下の押え金のテーパー縁に接合するテーパ
   ー座金を設けたナツトを螺合してなるコンクリー
   ト型枠締付金具。