JPS639693Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は建築物において使用されるＨ型鋼へ、
その耐火被覆用の下地材として使用される金網や
メタルラス等を取り付けるための金具に関するも
のである。

現在建築物は中高層化の傾向が進み、構造部材
としてＨ型鋼が広く使用されている。Ｈ型鋼に
は、モルタル、石綿等の耐火被覆を施すことが法
令で定められており、柱、粱のＨ型鋼と壁とに空
隙がある場合は、その空隙を耐火被覆材で塞ぐた
めに、金網やメタルラス等を下地材として取り付
けなくてはならない。従来その取り付けには、構
造体であるＨ型鋼に丸棒を溶接し、それに下地材
を取り付けており、手間がかかるだけでなく作業
に熟練者を必要とするなど難点が多かつた。

本考案は、溶接作業なしで、構造体であるＨ型
鋼に耐火被覆用下地材を取り付けることができ、
工期・工賃が短縮節減されるだけでなく、未熟練
者でも確実に施工できる耐火被覆用下地材取付金
具である。

以下図面について説明する。

本案金具はＨ型鋼１１へ金具自体を固定するた
めの側面略コ字状の固定部１と、それに連続して
形成され金網・メタルラス等の下地材１３を取り
付けそれらを支持する取付部２の二部分から構成
され、亜鉛鉄板を初めとする任意の金属板で製作
される。

固定部１は、下面５から直立する垂直面４と更
に垂直面４から直角に側方へ突出する上面３によ
り略コの字状に形成され、平行する上面３と下面
５の間にＨ型鋼１１の縁部が挟持される（第３図
参照）。上面３の端部６はＨ型鋼１１への固定部
１の取り付けが円滑に伝える様に上方へ湾曲せし
められており、上面３から下方へ切り出された係
止突片７は、Ｈ型鋼１１に対する固定部１の挟持
をより確実なものにする。

下地材１３を支持するための取付部２は、長方
形の金属板から成り、その水平面８の一端を上方
へ直角に折り曲げて垂直端９とし、垂直端９付近
と水平面８の他端の対角的な位置に、それぞれ水
平面８を下方へ切り出した下地材止用突片１０・
１０が形成されている。第１図に於ては、前述し
た固定部１と取付部２を下面５と水平面８が同一
平面上に来る様に、垂直端９を垂直面４の下部に
溶接等の手段により固定したものが示されてお
り、第４図及び第５図に於ては固定部１と取付部
２が一枚の金属板により一体的に構成された例が
示されている。

使用に就き説明すると、第３図に示す如く壁面
１２とＨ型鋼１１間に間隙Ｗが存在し、その間隙
Ｗをロツクウール１４等の耐火材で被覆閉鎖する
場合、予め間隙Ｗに対して適当な長さを有する取
付部２を備えた本案品の固定部１の上面３と下面
５間にＨ型鋼１１の縁部を押し込み、上面３と下
面５の挟持力並に係止突片７の押圧力により金具
全体をＨ型鋼１１の縁部に突設固定する。次に下
地材１３を下方から当てがい、下地材１３から突
出した状態になつている下地材止用突片１０を折
り曲げて下地材１３を支え、Ｈ型鋼１１の縁部延
長上に固定する。この様に形成した下地材を利用
し、ロツクウール１４等の耐火被覆を施せば、必
要なる被覆と間隙Ｗの閉鎖が迅速に行える。

以上の如く本案によると、従来行われていた下
地材をＨ型鋼に溶接する様な手段を講じなくて
も、下地材１３を簡単にＨ型鋼１１に固定する事
ができ、未熟練者でも特殊な工具なしで容易に作
業する事ができるので工期・工賃の大巾な節減が
達成できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案第一実施例の斜面図、第２図は第
１図の側面図、第３図は施工状態の断面図、第４
図は第二実施例の斜面図、第５図は第三実施例の
斜面図を各々示している。 １……固定部、２……取付部、３……上面、４
……垂直面、５……下面、６……端部、７……係
止突片、８……水平面、９……垂直端、１０……
下地材止用突片、１１……Ｈ型鋼、１２……壁
面、１３……下地材、１４……ロツクウール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下地材止用突片１０・１０を切り出した水平面
   ８に所望の長さｌを与えて取付部２を形成し、水
   平面８の他端を下面５とし、上面３を下面５と平
   行に垂直面４により水平面８に接続すると共に、
   上面３の一部を下面５に向けて切り出し係止突片
   ７を設けた固定部１を形成して成る耐火被覆用下
   地取り付け金具。