JPH0453381Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、建材取付金具、さらに詳しくは、例
えばツーバイフオー工法における石膏ボード等の
内部建材の端部を建物本体に固定するための取付
金具に関する。

（従来技術とその問題点） 第５図および第６図は、ツーバイフオー工法等
における内部建材の従来の取付態様を示すもので
ある。

第５図は、内部建材としての天井石膏ボード１
と、壁石膏ボード２とのとり合いを示す概略縦断
面図であり、図示の如く従来はまず天井石膏ボー
ド１の端部１０１を専用釘３により上階床根太４
に固定し、しかる後に、壁石膏ボード２をその上
端２０１を天井石膏ボード１に突き付けて、釘３
により壁体５に固定するようになつていた。

ところが、上記床根太４はある程度の水分を含
有しており、経年変化により該床根太４が収縮す
ると、天井石膏ボード１は該床根太４に固定され
ているためこれに追従し、壁体５と天井石膏ボー
ド１との間に隙間６が生じるという問題があつ
た。

また、第６図は壁石膏ボード２，２相互のとり
合いを示す概略横断面図であり、一方の壁石膏ボ
ード２ａは、壁体５の端部たて枠７に釘打ち固定
できるが、他方の壁石膏ボード２ｂは、その端部
位置にたて枠７がないので、別途に固定用の下地
枠８を配設して、該下地枠８に向けて釘打ち固定
する必要があり、余分な下地枠８を設けなければ
ならないという問題を有していた。

（考案の目的） 本考案は、かかる従来の問題点に鑑み開発され
たものであり、壁、天井間の隙間の発生を防ぎ、
また、余分な下地枠を必要としない、建材取付金
具を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するため、本考案においては直
交する内部建材の端部相互を連結して建物本体に
固定するための建材取付金具にして、嵌合部と、
固定部とを有し、前記嵌合部は、断面略コ字形を
なし、その上辺と下辺との間の寸法Ｄが、前記内
部建材の板厚に等しく設定されて、一方の内部建
材の端部に嵌着可能であり、かつ、前記嵌合部の
先端は外方に拡開するテーパー状をなし、該嵌合
部には、前記内部建材に抜け止め的に食い込む係
止爪が設けられており、前記嵌合部の直立片が平
板状に下方に延設されて、取付孔の穿設された前
記固定部が他方の内部建材に固定しうるように構
成されている建材取付金具を特徴としている。

（実施例） 以下、本考案の好適な実施例を図面により説明
する。

第１図乃至第４図は、本考案の一実施例を示
し、第１図の如く本実施例に係る建材取付金具１
０は、大略嵌合部１１と、固定部１２とから構成
されている。

嵌合部１１は、断面略コ字形をなし、その上片
１１ａと下辺１１ｂとの間の寸法Ｄが、後述の如
く、これに嵌合する石膏ボード等の下地板の板厚
に等しく設定されている。

しかして、前記下辺１１ｂは、その中央部が欠
落して両側にのみ形成され、該中央部では、嵌合
部１１の直立片１１ｃがそのまま下方に所定幅で
延設されて前記固定部１２が形成されている。

固定部１２は平板状で、その下方部分に取付用
孔１３が穿設形成されている。

また、前記嵌合部１１の上片１１ａの先端に
は、外方（第１図では内方）に拡開するテーパー
状をなすテーパー部１４が形成されるとともに、
上片１１ａの両側近傍には、一対の係止爪１５が
直立片１１ｃに向けて内方に切り起こされてい
る。

しかして、上記構成からなる建材取付金具１０
の使用態様について以下に説明する。

第２図は、本実施例に係る取付金具１０を内部
建材としての天井石膏ボード１の取付に適用した
例を示すものであり、図中２は壁石膏ボード、４
は上階床根太、５は壁体である。

取付にあたつては、まず、天井石膏ボード１の
端部１０１にあらかじめ建材取付金具１０の嵌合
部１１を嵌着しておく。

この際、嵌合部１１の先端にテーパー部１４を
形成してあるため、石膏ボード１の端部１０１へ
の嵌着時のガイドとなつて、作業が容易となる。

また、嵌合部１１を天井石膏ボード端部１０１
に押圧、嵌合すると、係止爪１５が該端部１０１
に抜け止め的に食い込むため、嵌着後の取付金具
１０の脱落のおそれがなくなる。

なお、建材取付金具１０は、天井石膏ボード端
部１０１に沿つて所定間隔で複数個取付けておく
ものとする。

しかる後に、各取付金具１０の固定部１２を壁
体５の上端に当接させて、該壁体５の上枠もしく
は頭つなぎ５１に向けて、取付用孔１３から釘打
ち固定することにより、天井石膏ボード１を壁体
５に取付ける。

次に、壁石膏ボード２をその上端２０１を天井
石膏ボード１に突き付けた状態で、壁体５に釘打
ち固定することにより取付を完了する。

しかして、本実施例においては、天井石膏ボー
ド１を従来の如く床根太４にではなく、壁体５に
建材取付金具１０を介して固定してあるため、床
根太４が経年変化等により長手方向に収縮して
も、天井石膏ボード１がこれに追従することはな
く、天井と壁との間に隙間が発生するのを有効に
防止しうる。

また、従来例では天井石膏ボード１を床根太４
に釘打ちする際は、上向きの作業となるため作業
性が悪く、時間を要していたが、本実施例では壁
体５に向けての水平方向の作業となるため、作業
性も改善され、確実な施工を担保することができ
る。

次に、第３図はＴ字形の壁体交差部における壁
石膏ボード２の取付に建材取付金具１０を適用し
た例を示したものであり、第２図に示した例に準
じて、一方の壁石膏ボード２ｂ端部にあらかじめ
複数個の取付金具１０の嵌合部１１を嵌着、固定
しておき、壁体５の端部たて枠７に向けて取付用
孔１３から釘打ち固定した後に、他方の壁石膏ボ
ード２ａを同様に前記たて枠７に向けて釘打ち固
定することができる。

よつて、第６図に示した従来例の如く、壁石膏
ボード２ｂの固定用の下地枠８を配設する必要が
なく、作業時間の短縮と同時にコストダウンを図
ることができる。

なお、本実施例に係る建材取付金具１０は、第
４図に示す如く、床根太４と壁体５との接合部位
の施工誤差等により、取付金具１０と壁体５との
間に隙間（本実施例では７〜８mm程度）が生じる
場合でも、固定部１２を変形させることにより対
応することができる。

（考案の効果） 本考案は上述した如く構成されており、天井の
建材を取付金具を介して壁体に固定することがで
きるため、天井と壁との間に隙間が発生するのを
有効に防止でき、また、壁体交差部に適用した場
合には余分な下地枠を省略することができる等の
種々の有効な効果を奏しうるものである。

なお、本考案は上記各実施例に限定されるもの
ではなく、例えば固定部の取付用孔を複数個にす
る等、本考案の要旨を逸脱しない範囲内で種々の
変形例が可能なことは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は、本考案の一実施例を示
し、第１図は本実施例に係る建材取付金具の構成
を示す斜視図、第２図は上階床根太と壁体との接
合部における内部建材の取付態様を示す要部縦断
面図、第３図は壁交差部における内部建材の取付
態様を示す要部横断面図、第４図は建材取付金具
の他の取付態様を示す概念図、第５図及び第６図
は、各々従来の内部建材の取付態様を示す、上記
第２図及び第３図に対応した要部縦断面図及び要
部横断面図である。 １……天井石膏ボード（内部建材）、２……壁
石膏ボード（内部建材）、４……床根太、５……
壁体、１０……建材取付金具、１１……嵌合部、
１２……固定部、１３……取付用孔、１４……テ
ーパー部、１５……係止用爪。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 直交する内部建材の端部相互を連結して建物
   本体に固定するための建材取付金具にして、嵌
   合部と、固定部とを有し、前記嵌合部は、断面
   略コ字形をなし、その上辺と下辺との間の寸法
   Ｄが、前記内部建材の板厚に等しく設定され
   て、一方の内部建材の端部に嵌着可能であり、
   かつ、前記嵌合部の先端は外方に拡開するテー
   パー状をなし、該嵌合部には、前記内部建材に
   抜け止め的に食い込む係止爪が設けられてお
   り、前記嵌合部の直立片が平板状に下方に延設
   されて、取付孔の穿設された前記固定部が他方
   の内部建材に固定しうるように構成されている
   ことを特徴とする建材取付金具。 (2) 前記建材が石膏ボードである実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の建材取付金具。