JPS63938Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は組立式物置に関するものである。

従来の組立式物置は、第１図に示すように、基
礎ブロツク（図示せず）を間欠的に配置してその
上に土台金具１を敷き、この土台金具１の室内側
に鋼製床板２を橋架するとともに、その屋外側に
鋼製壁板３を建てかけ、この壁板３の上部に鋼製
回り縁４を連結するとともに、その上部に鋼製屋
根板５を敷設して形成している。

ところが、壁板３および回り縁４は一枚物の鋼
板を折曲加工して形成しているにすぎないため、
特に夏期においては、直射日光により加熱された
回り縁４および壁板３の熱が、直接物置内に放熱
されて物置内の温度が異常に上昇するという問題
を有していた。この場合、同図に示すように、回
り縁４に換気口６を設けて物置内の温度低下を図
つているが、換気面積を大きくとれないために充
分な効果は期待できない。一方、回り縁４および
壁板３が一枚構造であるため、強度が小さいとい
う欠点も有していた。

一方、壁パネルに用いる中空材として、上下に
換気口を有するものが提案されている（実開昭49
−070723号公報）。これを用いれば、物置内の温
度低下および強度向上が図れる。しかし、換気口
が屋外向きに開口したものであるため、雨水が換
気口から侵入するという問題点がある。雨水の侵
入を防止するために換気口にフード等を設ける
と、部材点数が増え、構造が複雑になるという問
題点が生じる。

この考案の目的は、物置内の温度低下および物
置壁の強度向上が図れ、かつ壁内への雨水の侵入
を防止できて構造も簡単な組立式物置を提供する
ことである。

この考案の第１の実施例を第２図を用いて説明
する。すなわち、この組立式物置は、第１図の回
り縁４および壁板３に代えて、第２図の壁パネル
７を使用するものである。この壁パネル７は、鋼
製波板８の両面に鋼製屋外板９と鋼製室内板１０
を貼着して、屋外板９と室内板１０間に通風空間
１１を形成し、屋外板９の上部を一部屋外へ切起
こして通風空間１１に連通する換気口１２を形成
するとともに、室内板１０の下部の一部を打抜い
て通風空間１１に連通する換気口１３を設けてい
る。換気口１２は、屋外板９の一部を屋外側へ切
り起こしてなる下向きのものとしてある。この壁
パネル７は、その下端を第１図の土台１の屋外側
上面に載置固定するとともに、その上端に屋根板
５を敷設して施工する。

このように、物置壁面を２重板構造の壁パネル
７で構成したため、従来に比べ屋外板９からの物
置内への直接の放熱を防止して温度上昇を低減で
きるとともに、壁面強度も向上できる。また、壁
パネル７内に通風空間１１を形成して上下部に換
気口１２，１３を設けたため、壁パネル７が太陽
熱により加熱されると、通風空間１１内の空気が
暖められて上昇気流が発生し、したがつて物置内
の空気が換気口１３→通風空間１１→換気口１２
を通つて屋外へ自動的に排気され、物置内の換気
と温度低下を一層促進できる。また、換気口１２
が、屋外板９の一部を屋外側へ切り起こして形成
した下向きのものとしてあるため、吹き降つてい
ても換気口１２から雨水が侵入しないという利点
がある。また、屋外板９の一部を切り起こして換
気口１２を設けているため、下向きとしながら、
別部材のフード等を必要とせず、部材点数が少な
くてすみ、構造が簡単で製造も容易である。

この考案の他の実施例を第３図を用いて説明す
る。すなわち、この組立式物置は、第１図の土台
金具１に代えて第３図に示す断面略Ｓ形土台金具
１４を用いるとともに、第２図の壁パネル７に代
えて第３図に示す壁パネル７′を使用する。この
壁パネル７′は、第２図の壁パネル７に比べると、
その表面板１０の下部に設けていた換気口１３を
設けない点のみが相違する。その代りに、土台金
具１４の壁パネル嵌合用屋外側溝形部１４ａの底
面に換気口１５を設けている。そして、この土台
金具１４は、予め間欠配置した基礎ブロツク上
に、換気口１５が基礎ブロツク間に配置するよう
にして取付ける。また、壁パネル７′は、土台金
具１４の屋外側溝形部１４ａに嵌着する。さら
に、第１図の床板２は、土台金具１４の室内側Ｕ
形片１４ｂに橋架する。その他の構成は上記第１
の実施例と同様であるので、同一部分に相当符号
を付してその説明を省略する。

このように、物置壁面を２重板構造の壁パネル
７′で構成したため、温度上昇を低減できるとと
もに、壁面強度も向上できる。また、壁パネル
７′が太陽熱により加熱されると、通風空間１
１′内の空気が暖められて上昇気流が発生し、室
外空気が換気口１５→通風空間１１′→屋外板
９′に設けた換気口（第２図の換気口１２に相当）
と流れるため壁パネル７′の温度上昇が低減され、
したがつて物置内の異常加熱を防止できる。

なお、第２図および第３図に示す壁パネル７，
７′に代えて、第４図に示す押出成形により形成
した壁パネル７″を使用してもよい。この場合、
換気口は、押出成形後、壁パネル７″の屋外板
９″の上部に形成するとともに、室内板１０″の下
部にも形成する。その他の構成は上記実施例と同
様であるので相当部分に相当符号を付してその説
明を省略する。この壁パネル７″を用いたときも、
上記実施例と同様の効果が得られる。

以上のように、この考案の組立式物置は、土台
上に壁パネルを立てかけその上に屋根板を敷設し
て物置を構成する組立式物置において、前記壁パ
ネルを、屋外板と室内板を通風空間をあけて対向
配置した２重板構造に形成し、上記屋外板上部に
前記通風空間に連通する第１の換気口を形成する
とともに、前記壁パネルの下部に前記通風空間に
連通する第２の換気口を形成したため、物置内の
温度低下および物置壁の強度向上を図ることがで
きる。また、第１の換気口は下向きのものとして
あるため、吹き降つていても雨水が侵入しないと
いう利点がある。しかも、第１の換気口は屋外板
の一部を切り起こして形成したものであるため、
下向きとしながら、別部材のフード等を必要とせ
ず、部材点数が少なくてすみ、構造が簡単で製造
も容易という効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の断面図、第２図はこの考案の
第１の実施例に使用する壁パネルの斜視図、第３
図は第２の実施例の要部斜視図、第４図は壁パネ
ルの応用例を示す要部斜視図である。 ５……屋外板、７，７′，７″……壁パネル、
９，９′，９″……屋外板、１０，１０′，１０″…
…室内板、１１，１１′，１１″……通風空間、１
２，１３，１５……換気口、１４……土台。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 土台上に壁パネルを立てかけその上に屋根板を
   敷設して物置を構成する組立式物置において、前
   記壁パネルを、屋外板と室内板を通風空間をあけ
   て対向配置した２重板構造に形成し、上記屋外板
   上部に前記通風空間に連通する第１の換気口を形
   成し、この第１の換気口は、前記屋外板の一部を
   屋外側へ切り起こしてなる下向きのものとし、前
   記壁パネルの下部に前記通風空間に連通する第２
   の換気口を形成したことを特徴とする組立式物
   置。