JPS638397B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ヘツダタンクから伸張する管束を有
する熱交換器に関し、特に、孔あき板すなわちマ
ニホルドを介して管とヘツダタンクとを組立てた
熱交換器用ライナに関する。

孔あき板すなわちマニホルドを通る管の通路を
流体シールするため、ヘツダタンクのカバーと対
面する孔あき板の側面にゴムの如き可撓性シート
で構成されたライナを設け、該ライナに前記孔あ
き板の孔と同心状の孔をあけておき、孔あき板の
孔およびゴムシートの孔の両方にリムすなわちス
リーブを設け、ゴムシートの孔のリムすなわちス
リーブを孔あき板の孔のリムすなわちカラーの内
側に配設し、管の端部をゴムシートの自由孔通路
に通した後で該管端部を半径方向に膨張させてゴ
ムシートのスリーブを孔あき板のカラーに対して
押圧させることにより管の通路を流体シールする
ことが提案されている。

或る熱交換器の場合には、ヘツダタンクによつ
て画成された空間を、１つ以上の隔壁によつて２
つ以上の多数の小室に区分することが必要とされ
ており、この場合に、小室を互に流体シールする
ことによつて前記隔壁がヘツダタンクのカバーか
ら延びる小室を画成し且つゴムシートを加圧する
ことによつてカバーとは反対側にある隔壁の縁部
を互に協働させ、ゴムシートに二重の機能すなわ
ち孔あき板とカバーとの組立部の流体シールを行
なうことに加えて前述のような補助的機能を与え
ることが提案されている。

自動車の加熱装置、換気装置および／又は空調
装置の一部である熱交換器において、その大きさ
および重量についての問題は極めて重要な事項で
ある。孔あき板は比較的薄い金属板であり且つラ
バーシートは極めて薄厚のシートである一方、管
は所定の熱交換器のサイズに対してその熱交換面
積を大きなものとするため互に極めて接近して配
設されている。

管の通路を流体シールすることはラバーシート
のスリーブに比較的大きな応力を発生させること
になるので、ラバーシートを孔あき板に関して位
置決めする際にラバーシートのスリーブ以外の部
分も大きな影響を受ける。従つて、隔壁によつて
分離されたヘツダタンクの小室の間の流体シール
も行なわれなくなる。

本発明の目的は、熱交換を行なう管を互に極め
て近接させてマニホルドに取付けることが可能な
ゴムのごときシートであつて、該シートに対し垂
直に配設された隔壁の縁部と完全に協働して一方
のヘツダタンクの小室と他方のヘツダタンクの隔
壁との間に良好な流体シールを行なうことが可能
なゴムシートを提供することである。

本発明によれば、スリーブを取囲む領域が局部
的に薄くなつており且つ孔あき板を通る管の通路
の流体シールを有効に行なうことのできるゴムシ
ートが提供される。

前述の局部的に薄くなつた部分は、ヘツダタン
クのカバーと対面する側のシートすなわちゴムシ
ートの内面に設けられた溝とするのが望ましく、
この溝はスリーブのオリフイスと同心状に設けら
れている。

本発明の実施例によれば、ゴム又はゴムの如き
もので作られたシートの内面は全体的に平らな形
状をなし且つ応力が作用していない状態にある。

以下、添付図面に基いて本発明の実施例を説明
する。

ゴムの如き材料で作られたシート１１は、ヘツ
ダタンク１４と該ヘツダタンクに対向するタンク
との間に配設され且つ平行な軸線を有する管１５
から成る熱交換器のヘツダタンク１４のマニホル
ドとして作用する孔あき金属板の内面１２をライ
ニングするためのものである。マニホルド１３の
孔はスタンピング成形されたカラー１６で縁取り
されている。

シート１１は全体的に平面状をなす内面１７
と、シートの外面から延びるスリーブ１８とを有
し、スリーブ１８はカラーと同心状に配設されて
いる。スリーブ１８は円筒状の外面１９を有し、
該外面１９はカラー１６の内面とスリーブ１８と
を困難なく係合ならしめるようになつている。ス
リーブ１８の内側面２１もまた円筒状をなしてい
る。

本発明によれば、ゴムシート１１は、各スリー
ブ１８のオリフイス２２の周りで且つスリーブが
設けられている領域内における内面１７に、オリ
フイス２２の輪郭と同心状の溝２３を有する。

管１５をマニホルド１３と組立てる時、管１５
は先ず、スリーブ１８によつて形成された自由通
路内に挿入される（第３図）。

次いで、マニホルド１３のカラー１６と対向す
る管１５の部分２４をスリーブ１８に対して加圧
（第１段階の膨張）すれば、スリーブ１８は、管
１５の部分２４とバツクアツプ作用をなすカラー
１６との間で圧縮される（第４図）。管１５用の
各開口（オリフイス）を取囲んでいる溝２３が設
けてあるため、ゴム材は、スリーブとスリーブと
の間にあるゴムシート１１の部分２５に有害な影
響を与えることなく流動し、このとき前記溝２３
は第４図に２３′で示すように溝巾が狭くなる。

また、場合によつてはマニホルド１３の内面１
２の位置から突出する管１５の端部分（すなわち
正確には溝２３と対向する管１５の端部分）を補
足膨張（第２段階の膨張）させてフレア３１（第
５図）を成形してもよいが、このような場合でも
溝２３は同様な機能を果たし溝巾が狭くなる。

かくして、ゴムシート１１は、たとえそれがマ
ニホルド１３の上に単に置かれている場合であつ
ても、マニホルド１３から剥離するようなことは
ない。

第３図〜第５図に示す実施例では、溝２３の形
状は、第１段階の膨張後にその横断面形状が僅か
に狭くなり、第５図に23″で示すように第２段階
の膨張工程中に生じるゴム材の流動を更に吸収で
きるような形状に選定されている。

スリーブとスリーブとの間のゴムシート１１の
部分２５は、２６で示すような共通隔壁で画成さ
れる、ヘツダタンク１４の隣り合う小室の間を確
実に流体シールする機能があるので、前記共通隔
壁の縁部２７をゴムシート１１に当接させておけ
ば、ゴムシートの外面２８がマニホルド１３の内
面と常時接触することによつて連続的なバツクア
ツプが維持される。

ゴムシート１１は周縁リム２９を有し、該リム
２９は、ゴムシートでライニングされたマニホル
ド１３とヘツダタンク１４のカバーとの間の組立
部の流体シールを確実に行なうようになつてい
る。

本発明によれば、隔壁２６によつて画成された
小室の分離部を流体シールすべく前記隔壁２６と
協働するビードが、ゴムシート１１の内面１７に
設けてある。

本発明によるゴムシートはまた、管１５と孔あ
き板１３とを圧嵌めにより組立てる場合にも好都
合に適用できる。

本発明はまた、ライナすなわちゴムシートがス
リーブやリムを有しない厚板である場合にも適用
できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、孔あき板のライナシートをその内面
から見た図である。第２図は、第１図の２−２線
に沿つて見た部分的拡大図である。第３図〜第５
図は、第１図および第２図に示したライナシート
を備えたマニホルドと管とを組立てる各組立段階
を示すものである。 １１……ゴムシート、１３……マニホルド（孔
あき板）、１５……管、１６……カラー、１８…
…スリーブ、２２……オリフイス、２３……溝、
２６……隔壁、３１……フレア。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ヘツダタンク１４に使用するカラー１６付き
   孔を備えたマニホルドすなわち孔あき板１３用の
   可撓性ライナ１１であつて、該ライナ１１が前記
   カラー１６付き孔に対応するスリーブ１８で縁取
   りされた孔を有し、前記スリーブ１８が、前記孔
   あき板１３のカラー１６付き孔内に挿入されて、
   ヘツダタンク１４に組付けられる複数の管１５を
   保持し、かつ管１５の周囲をシールすべく管１５
   とカラー１６付き孔との間で挟圧され、上記ライ
   ナ１１がヘツダタンク１４の周囲及びヘツダタン
   ク１４の区画室の間の少なくとも一方を液体シー
   ルをなすように設計された可撓性ライナ１１にお
   いて、 前記可撓性ライナ１１には、前記各スリーブ１
   ８を取り囲む厚さの薄い領域２３が形成してあ
   り、前記スリーブ１８に発生した応力が前記厚さ
   の薄い領域２３を越えて前記可撓性ライナ１１の
   他の部分に伝達しないように構成してあることを
   特徴とする可撓性ライナ。 ２ 前記厚さの薄い領域２３は、前記スリーブ１
   ８が突出している側とは反対側の可撓性ライナ１
   １の面１７に形成された溝であることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項に記載の可撓性ライナ。 ３ 前記溝は、前記スリーブ１８が形成する孔と
   同心状に形成されていることを特徴とする特許請
   求の範囲第２項に記載の可撓性ライナ。 ４ 前記可撓性ライナ１１は、ゴム又はゴムと同
   様な材料で作られていることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項〜第３項のいずれか１項に記載の
   可撓性ライナ。