JPS638027B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、複数のリールに巻装された細い複
数のワイヤを揃えて引き出し、各ワイヤを同一の
テンシヨンで巻取ボビンに揃えて巻き取るワイヤ
巻取り装置に関する。

例えば、油圧供給用などに使用される補強ホー
スにはゴム層間にワイヤブレイデイングが行なわ
れ、細いワイヤがホースの外周部に相互に交差し
て巻き着けられるが、このようなワイヤブレイデ
イングの際、複数のワイヤを揃えて巻装した巻取
ボビンが使用され、この巻取ボビンから引出され
た複数のワイヤがホースの外周部にブレイデイン
グされる。しかし、ワイヤブレイデイングの際、
複数のワイヤのテンシヨンが不揃いであると、ホ
ース外周に巻装したワイヤに重なりや曲げが発生
し、補強ホースの外観を悪化させる結果となるこ
とから、巻取ボビンに巻き取る複数のワイヤのテ
ンシヨンを全て均一に揃える必要性が生じてい
た。

この発明は、上記の点に鑑みなされたもので、
複数の細いワイヤを均一のテンシヨンで揃えて巻
取ボビンに巻き取ることができるワイヤ巻取り装
置を提供することを目的とし、このために、複数
のワイヤを巻装した複数のワイヤリールの回転軸
にプーリを取付け、ワイヤの繰り出し時に相反す
る方向に回転する隣接したプーリ間に制動用ベル
トを掛け、繰り出される各ワイヤのテンシヨンを
均一化するようにしたものである。

以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図は、巻取ボビン１へ８個のワイヤリール
２ａ〜２ｈから細いワイヤ３を揃えて巻き取りを
行なうワイヤ巻取り装置の平面図を、第２図は一
部ワイヤリール２ａ，２ｂの拡大正面図を示して
いる。巻取ボビン１は巻取機４の回転軸４ａに装
着され、右側のワイヤリール群から８本のワイヤ
３を揃えて巻き取る構造である。８個のワイヤリ
ール２ａ〜２ｈはそれぞれ、横２列に基台５上に
立設され、軸受６ａ，６ｂにより回転自在に支持
された８本の回転軸７ａ〜７ｈに軸着されてい
る。これら８本の回転軸７ａ〜７ｈの下部にはそ
れぞれ２個のプーリ８ａ〜８ｈ、９ａ〜９ｈが軸
着されている。このように配設された16個のプー
リには、隣接するプーリ間、すなわち、プーリ８
ａと８ｂ間、プーリ８ｂと８ｃ間、プーリ８ｃと
８ｄ間、プーリ８ｄと８ｅ間、プーリ８ｅと８ｆ
間、プーリ８ｆと８ｇ間、プーリ８ｇと８ｈ間、
そしてプーリ８ｈと８ａ間に８本の制動用ベルト
１０ａ〜１０ｈが掛回されている。これらの制動
用ベルト１０ａ〜１０ｈは、回転軸７ａ〜７ｈに
ある程度の制動力を与えるために使用され、ある
大きさの滑り摩擦を発生しながら、プーリ８ａ〜
８ｈ，９ａ〜９ｈ、つまり回転軸７ａ〜７ｈの回
転を許容するように掛けられている。１１，１
２，１３はワイヤ３のガイドであり、特にガイド
１３は巻き取り動作中、巻取ボビン１の全幅を往
復移動する構造である。なお、各制動用ベルト１
０ａ〜１０ｈにテンシヨン調整用ローラを係合し
てベルトのテンシヨンを調整できるようにしても
よい。

次に、ワイヤ巻取り装置の動作を説明する。先
ず、８本の回転軸７ａ〜７ｈには、第１図に示す
ように、ワイヤ３の繰り出し時に隣接するワイヤ
リールが相反対向に回転するように、各ワイヤリ
ール２ａ〜２ｈが軸支され、これらのワイヤリー
ルから引き出された８本のワイヤ３は、ガイド１
１からガイド１２を経て並行に揃えられ、さら
に、ガイド１３によつてその間隔を最小に縮小さ
れ、巻取ボビン１に巻き着けられる。

このような状態で、巻取ボビン１が巻取機４に
より回転駆動されると、ワイヤリール群から引き
出された８本のワイヤ３は並行に揃えて巻取ボビ
ン１によつて巻取られる。この時、８個のワイヤ
リール２ａ〜２ｈでは隣接するワイヤリール、つ
まり同じ制動用ベルト１０ａ〜１０ｈを掛回され
た１対のワイヤリール２ａと２ｂ等は逆方向に回
転しながらワイヤ３をそれぞれ繰り出すことにな
る。したがつて、８本の回転軸７ａ〜７ｈには８
本の制動用ベルト１０ａ〜１０ｈによつて、それ
ぞれほぼ等しい滑り摩擦（回転摺動抵抗）が生
じ、これが各ワイヤ３のテンシヨンとなり、張り
を揃えて各々のワイヤ３を巻取ボビン１に巻取る
ことができる。すなわち、制動用ベルト１０ａ〜
１０ｈは、相反方向に回転するプーリ８ａ〜８
ｈ，９ａ〜９ｈ間に掛回され、静止して各回転軸
７ａ〜７ｈに回転速度に応じた制動力を与えてい
るが、例えば、一部の回転軸の回転が遅くなつた
り速くなつたりした場合には、制動ベルトが動
き、これに伴なつてこの回転変動を抑制する作用
が隣接する回転軸から制動用ベルト１０ａ〜１０
ｈを介して与えられ、ワイヤリール２ａ，２ｂか
ら引き出されるワイヤ３のテンシヨンを常に等し
くしている。これによつて、ワイヤ３を巻き取つ
た巻取ボビン１には、８本のワイヤ３が重なつた
り曲つたりすることなく、正しく整列して巻き取
られる。

以上説明したように、この発明のワイヤ巻取り
装置によれば、複数のワイヤリールから引き出さ
れる複数のワイヤにそれぞれ等しいテンシヨンを
常に与えることができ、巻取ボビンに複数のワイ
ヤを揃えて巻き取ることができる。よつて、この
ような正しく揃つて巻装されたワイヤのボビンを
補強ホースのワイヤブレイデイングに使用した場
合には、ホースの外周に複数のワイヤを良好に整
列して交差巻き着けを行なうことができ、ワイヤ
の重なりや曲げによる補強ホースの外観の悪化を
防止することができる。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の実施例を示し、第１図はワイヤ
巻取り装置の平面図、第２図は一部ワイヤリール
部の拡大正面図である。 １……巻取ボビン、２ａ〜２ｈ……ワイヤリー
ル、３……ワイヤ、４……巻取機、４ａ……回転
軸、７ａ〜７ｈ……回転軸、８ａ〜８ｈ，９ａ〜
９ｈ……プーリ、１０ａ〜１０ｈ……制動用ベル
ト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数のワイヤリールから繰り出される複数の
   ワイヤを巻取機の回転軸に装着した巻取ボビンに
   より揃えて巻き取るワイヤ巻取り装置であつて、
   前記ワイヤリールを軸着する複数の回転軸にはそ
   れぞれ２個のプーリが軸着され、隣接する該プー
   リ間には制動用ベルトが滑り摩擦を生ずるように
   掛回され、隣接する前記ワイヤリールはワイヤの
   繰り出しによつて相反方向に回転するように前記
   回転軸に軸着されることを特徴とするワイヤ巻取
   り装置。