JPH0719632Y2 - 線条材加工機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、ケーブルや電線等の線
条材を撚り合わせて、テープや糸等を巻き付ける線条材
加工機に関する。

【０００２】

【従来の技術】複数本の線状材を撚り合わせてテープを
巻き付ける線条材加工機は、図５の如く、線条材Ｗを集
合する集合装置１と、集合された線条材Ｗを締め付ける
ダイス２と、線条材ＷにテープＴを巻き付ける巻付装置
３と、線条材Ｗを引つ張る引取装置４と、テープ巻きさ
れた線条材Ｗを巻き取る巻取ボビン５とから構成されて
いる。

【０００３】従来の線条材加工機では、１台の電動機６
により１本のラインシヤフトを介して前記巻付装置３、
引取装置４および巻取ボビン５を駆動している。また、
引取装置４および巻取ボビン５を線条材Ｗの進行方向周
りに回転させることにより、線条材Ｗが撚られる。

【０００４】なお、図中、７は供給ボビン、８はターン
ローラ、９は予備テープホルダー、１０は計尺ローラ、
１１はトラバース装置である。

【０００５】そして、上記の如く構成された線条材加工
機を図５の如く、線条材Ｗの進行方向が互いに逆向きに
なるように左右対称に配列して、１ラインの加工機とし
て据え付けられている。

【０００６】このように、配列することによつて、以下
のように用いることができる。

【０００７】（１）左右の線条材加工機をそれぞれ単独
で使用する。

【０００８】（２）左右どちらか一側の線条材加工機を
巻取側として、他側の線条材加工機を供給側として使用
する。

【０００９】例えば、（２）のように使用することによ
つて、供給ボビン７から供給された線条材Ｗを一側の集
合装置１により集合させ、巻付装置３により撚られた線
条材Ｗの上にテープＴが巻き付けられ、引取装置４に引
つ張られて巻取ボビン５に巻き取られる。

【００１０】そして、この巻取ボビン５を供給ボビンと
して、巻付装置３および集合装置１を素通りさせて 他
側の集合装置１に導き、線条材Ｗの上にさらに線条材Ｗ
を撚り合わせて他側の巻取ボビン５に巻き取ることがで
きる。

【００１１】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、線条材
Ｗの上に２回連続してテープ巻き付けを行う場合、一側
の線条材加工機でテープを巻き付けて巻取ボビン５に巻
取り、一側の巻取ボビン５を供給用として、もう一度、
他側の線条材加工機で引き取りながらテープ巻きを行わ
なければならない。あるいは、一側の線条材加工機に、
別に１台の巻付装置３を設置して、２台の巻付装置３に
よりテープを２回巻き付ける必要がある。

【００１２】このように、一方の巻付装置３が常に使用
できない状態となり、線条材加工機としての生産効率が
悪くなり、しかもテープを多数枚巻き付けるのに手間が
かかるといつた問題がある。

【００１３】本考案は、上記に鑑み、複数のテープ等の
巻き付けを効率よく行うことができる線条材加工機の提
供を目的とする。

【００１４】

【課題を解決するための手段】本考案による課題解決手
段は、図１，２の如く、線条材Ｗを集合する集合装置１
２ａ，１２ｂと、集合された線条材Ｗにテープ等を巻き
付ける巻付装置３と、テープ等を巻き付けられた線条材
Ｗを引つ張る引取装置４と、前記引取装置４を駆動する
ライン駆動装置１３と、このライン駆動装置１３とは別
の駆動系統で前記巻付装置３を駆動する巻付用駆動装置
１４とを備え、前記巻付装置３の両側に、線条材Ｗの進
行方向が互いに逆向きになるように前記集合装置１２
ａ，１２ｂが配され、巻付装置３に線条材Ｗの進行方向
に応じて巻付装置３を方向転換させる回転装置１５が設
けられたものである。

【００１５】そして、線条材加工機が複数個直列に配さ
れ、線条材Ｗに連続して複数本のテープ等を巻き付ける
よう構成されている。

【００１６】

【作用】上記課題解決手段において、一側の巻付装置３
を回転装置１５により１８０度方向転換させて、テープ
Ｔの巻き付け方向を他側の巻付装置３と同じ方向にして
おく。

【００１７】線条材Ｗを他側の引取装置４で引つ張るこ
とにより、一側の第二集合装置１２ｂに導き、線材加工
した後、巻付装置３により線条材Ｗにテープ等を巻き付
ける。

【００１８】そして、テープ等を巻かれた線条材Ｗは、
一側の第一集合装置１２ａ、他側の第一集合装置１２ａ
を通り抜けていき、他側の巻付装置３により線条材Ｗに
もう一度テープ等が巻きつけられる。

【００１９】

【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。図１−Ａ，Ｂは本考案の一実施例を示す線条材
加工機の構成図、図２は巻付装置および回転装置の正面
図、図３は同じくその平面図、図４−Ａ，Ｂは巻付装置
を方向転換させたときの線条材加工機の構成図である。

【００２０】本実施例の線条材加工機は、ケーブルや電
線等の線条材Ｗを複数本撚り合わせて、その上にテープ
や糸等を所定のピツチで螺旋状に巻き付けていくもので
あり、線条材Ｗを集合する集合装置１２ａ，１２ｂと、
集合された線条材ＷにテープＴを巻き付ける巻付装置３
と、テープＴを巻き付けられた線条材Ｗを引つ張る引取
装置４と、前記引取装置４を駆動するライン駆動装置１
３と、このライン駆動装置１３とは別の駆動系統で前記
巻付装置３を駆動する巻付用駆動装置１４とを備え、二
組の線条材加工機が線条材Ｗの進行方向が互いに逆向き
になるように左右対称に配され、線条材Ｗに連続して複
数本のテープＴを巻き付けるよう構成されている。

【００２１】そして、前記第一，第二集合装置１２ａ，
１２ｂは、前記巻付装置３の両側に、線条材Ｗの進行方
向が互いに逆向きになるように配され、巻付装置３に線
条材Ｗの進行方向に応じて巻付装置３を方向転換させる
回転装置１５が設けられている。

【００２２】前記集合装置１２ａ，１２ｂは、複数個の
供給ボビン７から供給された線条材Ｗを撚り合わす２個
の目板２０と、撚り合わされた線条材Ｗを締め付けるダ
イス２とからなる。

【００２３】前記目板２０は線条材進行方向に摺動自在
に支持され、その外縁部および中心軸に線条材Ｗを通す
ための孔が形成されている。

【００２４】前記引取装置４は、クレドル２１に回転自
在に支持された一対のキヤプスタン２２からなり、クレ
ドル２１に巻取ボビン５が回転自在に支持されている。
そして、キヤプスタン２２と巻取ボビン５との間に、線
条材Ｗをボビン５の軸方向に移動させながら送り出すト
ラバース装置１１が介装されている。そして、クレドル
２１は、支持体２１ａに回転自在に支持されている。

【００２５】前記ライン駆動装置１３は、インバータ制
御方式のＡＣモータ２３からなり、モータプーリ２４と
ラインシヤフトの駆動プーリ２５とがベルト２６を介し
て接続されている。そして、ラインシヤフトから変速装
置を介して引取装置４、巻取ボビン５に駆動力が伝達さ
れ、それぞれ駆動される。また、クレドル２１および計
尺ローラ１０が、線条材進行方向周りに回転駆動され
る。

【００２６】前記巻付装置３は、図２，３の如く、中空
軸３０に支持されたテープパツド３１と、該テープパツ
ド３１から引出したテープＴを線条材Ｗの外周に案内す
るガイドローラ３２と、該ガイドローラ３２が突設され
中空軸３０に固定された回転板３３と、中空軸３３を回
転させる回転駆動部３４とからなる。

【００２７】前記巻付用駆動装置１４は、ＡＣサーボモ
ータからなり、前記回転駆動部３４に直接またはベルト
等を介して駆動力を伝達している。そして、該巻付用駆
動装置１４は、線条材Ｗが一対の計尺ローラ１０の間を
通過することによつて検出される線速に基づいて、所定
のテープ巻付ピツチとなるように回転板３３を回転させ
るよう駆動制御されている。

【００２８】巻付装置３の回転駆動部３４は回転テーブ
ル３５上に固定されており、該回転テーブル３５はピツ
ト３７に設置された回転装置１５により回転自在に支持
されている。また、前記テープパツド３１および線条材
ＷへのテープＴの巻付部分は、着脱自在な安全カバー３
８によつて覆われている。

【００２９】前記回転装置１５は、前記回転テーブル３
５の下面に取付けられた回転軸４０と、該回転軸４０を
回転させるブレーキ付きモータ４１と、該モータ４１の
駆動力を回転軸４０に伝達させる駆動伝達部４２とから
なる。

【００３０】前記回転軸４０は、ピツト３７内に取付け
られたテーブル受け板４３に形成された外筒４４に上下
一対の軸受４５により回転自在に支持されている。そし
て、回転テーブル３５はテーブル受け板４３に取付けた
複数個の支持ローラ４６上を転動する。

【００３１】前記駆動伝達部４２は、前記受け板４３の
下部に配されており、回転軸４０の下端に取付けられた
駆動ギヤ４７と、該ギヤ４７に噛合され縦軸４８の下端
に取付けられた中間ギヤ４９と、前記縦軸４８の上端に
取付けられた第一ベベルギヤ５０と、該ベベルギヤ５０
に噛合され横軸５１の一端に取付けられた第二ベベルギ
ヤ５２と、前記横軸５１の他端に取付けられた従動プー
リ５３と、ベルト５４を介して接続されたモータ４１の
モータ軸の駆動プーリ５５とからなる。

【００３２】また、巻付装置３の中空軸３０の延長上の
左右両側に、予備テープパツド５６を備えた予備テープ
ホルダー９が互いに対向するように配設されている。

【００３３】そして、線条材加工機は、供給ボビン７か
らターンローラ８を介して、第一集合装置１２ａ、予備
テープホルダー９、巻付装置３、予備テープホルダー
９、第二集合装置１２ｂ、計尺ローラ１０、キヤプスタ
ン２２、巻取ボビン５の順に配設されている。

【００３４】また、供給ボビン７とターンローラ８との
間に線条材供給方向切換用ローラ６０が配され、第二集
合装置１２ｂと引取装置４との間にターンローラ６１が
配され、供給ボビン７から線条材Ｗが中継ローラ６２を
介して第二集合装置１２ｂに供給される。

【００３５】上記構成において、線条材ＷにテープＴを
一回巻き付ける場合は、一側あるいは他側の線条材加工
機だけを用いて、巻付装置３を引取装置４の方向に向け
ておく。

【００３６】そして、ライン駆動装置１３のＡＣモータ
２３を駆動することにより、引取装置４が駆動され、供
給ボビン７から供給された複数本の線条材Ｗは、第一集
合装置１２ａの目板２０により集合され、ダイス２で締
めつけられる。

【００３７】クレドル２１の回転により撚り合わされた
線条材Ｗは、予備テープホルダー９を通り抜け、巻付用
駆動装置１４によつて駆動されている巻付装置３により
線条材Ｗの外周面に所定のピツチでテープＴが巻き付け
られていく。テープＴが巻き付けられた線条材Ｗは、予
備テープホルダー９、第二集合装置１２ｂを通り抜けて
いく。なお、このとき、ダイス２は取り外されている。

【００３８】そして、線条材Ｗは、計尺ローラ１０を通
り、引取装置４のキヤプスタン２２によつて引つ張ら
れ、トラバース装置１１により巻取ボビン５に軸方向に
移動しながら巻き取られる。

【００３９】次に、線条材ＷにテープＴの２回巻きを行
う場合、一側の回転装置１５のモータ４１を駆動して、
回転テーブル３５を１８０度回転させて、巻付装置３を
他側の線条材加工機の方に向くように転換する。なお、
回転後の回転テーブル３５の固定は、モータ４１のブレ
ーキを利用して保持するか、あるいはピンまたはシリン
ダを回転テーブル３５に挿入して固定しておく。

【００４０】そして、線条材Ｗを供給ボビン７から供給
方向切換用ローラ６０により方向を変えて、第二集合装
置１２ｂに供給する。第二集合装置１２ｂにより撚り合
わされた線条材Ｗは、ダイス２で締めつけられ、予備テ
ープホルダー９を通り抜けて、巻付装置３によりテープ
Ｔが巻き付けられる。

【００４１】テープＴが巻き付けられた線条材Ｗは、予
備テープホルダー９、第一集合装置１２ａを通り抜け、
他側の第一集合装置１２ａ、予備テープホルダー９を通
り抜け、巻付装置３に達する。

【００４２】そして、巻付装置３によりテープＴが二重
巻きにされ、第二集合装置１２ｂを通り抜けて、引取装
置４の巻取ボビン５に巻き取られる。

【００４３】なお、このとき、１回テープ巻きされた線
条材Ｗの上に、他側の第一集合装置１２ａによりもう一
度線条材Ｗを撚り合わせて、その上にテープＴを巻き付
ける場合もある。

【００４４】したがつて、巻付装置３を別系統で駆動す
ることにより、巻付装置３を回転装置１５により線条材
Ｗの進行方向に向くように方向転換させることができ
る。

【００４５】したがつて、テープＴを巻き付けられた線
条材を一旦巻き取らずに、そのまま線条材を他の機械に
供給でき、連続した製造ができる。

【００４６】また、線条材にテープＴを連続して何重に
も巻き付ける場合、それぞれの巻付装置３が使用され、
巻取ボビン５を供給用のボビンとして使用する必要もな
く、効率よくテープ巻きを行うことができる。

【００４７】なお、本考案は、上記実施例に限定される
ものではなく、本考案の範囲内で上記実施例に多くの修
正および変更を加え得ることは勿論である。

【００４８】本実施例では、二組の線条材加工機を組み
合わせたが、三組以上の線条材加工機を組み合わせて、
線条材Ｗを適時方向変換させることにより複数枚のテー
プを連続して巻き付けることが可能となる。

【００４９】

【考案の効果】以上の説明から明らかな通り、本考案に
よると、引取装置を駆動するライン駆動装置とは別の駆
動系統で巻付装置を駆動する巻付用駆動装置を備え、前
記巻付装置の両側に、線条材の進行方向が互いに逆向き
になるように集合装置が配され、巻付装置に線条材の進
行方向に応じて巻付装置を方向転換させる回転装置が設
けられているので、巻付装置を線条材の進行方向に向く
ように方向転換させることができる。

【００５０】したがつて、テープ等を巻き付けられた線
条材を一旦巻き取らずに、そのまま線条材を他の機械に
供給でき、連続した製造ができる。

【００５１】また、線条材加工機を複数個配列すること
により、線条材に連続してテープ等を何重にも巻き付け
ることができ、それぞれの巻付装置が使用されているの
で、効率よくテープ等の巻き付けを行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１−Ａ】図１−Ａは本考案の一実施例を示す線条材
加工機の構成図である。

【図１−Ｂ】図１−Ｂは本考案の一実施例を示す線条材
加工機の構成図である。

【図２】図２は巻付装置および回転装置の正面図であ
る。

【図３】図３は同じくその平面図である。

【図４−Ａ】図４−Ａは巻付装置を方向転換させたとき
の線条材加工機の構成図である。

【図４−Ｂ】図４−Ｂは巻付装置を方向転換させたとき
の線条材加工機の構成図である。

【図５−Ａ】図５−Ａは従来の線条材加工機の構成図で
ある。

【図５−Ｂ】図５−Ｂは従来の線条材加工機の構成図で
ある。

【符号の説明】

３ 巻付装置 ４ 引取装置 １２ａ，１２ｂ 集合装置 １３ ライン駆動装置 １４ 巻付用駆動装置 １５ 回転装置 Ｗ 線条材

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 線条材を集合する集合装置と、集合され
   た線条材にテープ等を巻き付ける巻付装置と、テープ等
   を巻き付けられた線条材を引つ張る引取装置と、前記引
   取装置を駆動するライン駆動装置と、このライン駆動装
   置とは別の駆動系統で前記巻付装置を駆動する巻付用駆
   動装置とを備え、前記巻付装置の両側に、線条材の進行
   方向が互いに逆向きになるように前記集合装置が配さ
   れ、巻付装置に線条材の進行方向に応じて巻付装置を方
   向転換させる回転装置が設けられたことを特徴とする線
   条材加工機。
2. 【請求項２】 請求項１記載の線条材加工機が複数個直
   列に配され、線条材に連続して複数本のテープ等を巻き
   付けるよう構成されたことを特徴とする線条材加工機。