JPS637872Y2

JPS637872Y2 -

Info

Publication number: JPS637872Y2
Application number: JP6710481U
Authority: JP
Priority date: 1981-05-09
Filing date: 1981-05-09
Publication date: 1988-03-08
Also published as: JPS57180396U

Description

【考案の詳細な説明】この考案はタムタムなどの楽器を任意の角度姿
勢に調整してセツトするドラム用タムホルダーに
関する。

従来から、この種のドラム用タムホルダーは主
たる打楽器、例えばバスドラムまたは楽器用スタ
ンドに配設されてタムタム、シンバル、カウベル
等の打楽器を所望の位置および演奏角度にセツト
するもので、通常第１図に示す如く構成されてい
る。すなわち、タムホルダー１はバスドラムの胴
本体に立設される取付パイプ２と、この取付パイ
プ２の上端部に固定されたホルダーベース３と、
このホルダーベース３に設けられた一対のパイプ
取付部４にそれぞれ配設された一対のボールジヨ
イント５とから構成されている。一対のボールジ
ヨイント５はそれぞれ前記ホルダーベース３に対
して着脱自在に配設されるもので、下端部が前記
パイプ取付部４に挿通保持されたホルダーパイプ
６の上端にボール７を固定し、このボール７を挾
持保持するボールクランプ８に一端が連結された
取付用ロツド９にタムタム（図示せず）等の打楽
器を取付け、この打楽器の方向および角度姿勢を
前記ボールクランプ８の回動により任意に調整し
ている。

しかしながら、このような構造のタムホルダー
１においては、ホルダーパイプ６の外周面に設け
た軸方向の溝１０とパイプ取付部４に螺入された
止めねじ１１とで、前記ホルダーパイプ６の回転
を防止しているため、ホルダーパイプ６の回転角
度をタムタムの所望取付位置および方向にもとず
いて任意に変更できず、前記溝１０と止めねじ１
１とで一義的に位置決めされてしまう。そのた
め、タムタムのセツト時あるいはまた取付ロツド
９にセツトされたタムタムの再調整時において
は、その都度蝶ねじ１２を一旦緩めてボールクラ
ンプ８を回動させ、しかる後前記蝶ねじ１２を締
め付ける必要があるが、その操作が面倒で、しか
も蝶ねじ１２の締め付け時にタムタムの重量によ
つてボールクランプ８が回動したりするとセツテ
イングが狂うという不都合があつた。

この考案は上述したような点に鑑みてなされた
もので、ホルダーベースのパイプ取付部に設けら
れた嵌合孔のパイプ挿入側開口端部に複数個の嵌
合凹部を設け、ホルダーパイプに取付けられた廻
り止め金具に突起を設け、これを前記複数個の嵌
合凹部に選択的に係合させるという極めて簡単な
構成により、ホルダーパイプの回転角度を任意に
変えることができ、ドラムセツテイング操作を容
易に行い得るようにしたドラム用タムホルダーを
提供するものである。

以下、この考案を図面に示す実施例に基づいて
詳細に説明する。

第２図はこの考案に係るドラム用タムホルダー
の平面図、第３図は第２図−線断面図であ
る。なお、図中第１図と同一構成部材のものに対
しては同一符号を以つて示し、その説明を省略す
る。これらの図において、ホルダーベース３は
鉄、黄銅等の鋳物によつて図に示す如く形成され
ることにより、平面形状が略正三角形を呈するベ
ース本体３Ａと、このベース本体３Ａの各角部に
それぞれ連設されて嵌合孔２０を有する３個のパ
イプ取付部４とで構成されている。

前記ベース本体３Ａの下面中央には不貫通孔か
らなる嵌合孔２１が形成されており、この嵌合孔
２１には取付パイプ２の上端部２ａが圧入嵌合さ
れている。前記取付パイプ２の上端部２ａの外周
面は、前記ベース本体３Ａとの結合強度を増大せ
しめ相対的回転を防止すべくローレツト等により
粗面に形成され、またその上端面にはボルト２２
が同軸的に配設されている。

前記ベース本体３Ａの上面中央には前記嵌合孔
２１に対応してナツト収納凹部２３が形成されて
おり、その底面２３ａの中央には前記嵌合孔２１
に連通するボルト挿通孔２４が形成されている。
このため、前記取付パイプ２のボルト２２はボル
ト挿通孔２４を貫通して前記ナツト収納凹部２３
に突出し、その突出端にナツト２５が螺着され
る。すなわち、ホルダーベース３は取付パイプ２
自体の圧入嵌合と、ボルト締めによる２つの固定
手段を併用して前記取付パイプ２に固定されるも
ので、これによつて両者の強固な結合を可能にし
ている。そして、前記ナツト収納凹部２３は銘板
等のカバー２６によつて塞がれ、ボルト２２、ナ
ツト２５をホルダーベース３の上方から視認でき
ないようにしている。

前記３個のパイプ取付部４はすべて同一に構成
されるため、その一つについて説明すると、前記
嵌合孔２０にはナイロン等の合成樹脂からなるブ
ツシユ２８を介してホルダーパイプ６の下端部が
挿抜自在に嵌合され、かつ締付けねじ３１によつ
て前記パイプ取付部４に固定されている。

前記ブツシユ２８は、第３図および第４図ａ，
ｂに示すように略々楕円形の底板２８Ａと、この
底板２８Ａ上に設けられた円筒部２８Ｂと、前記
底板２８Ａ上に突説された左右一対の突起２８
Ｃ，２８Ｄとで構成される。前記円筒部２８Ｂは
その内径が前記ホルダーパイプ６の外径とほぼ等
しいか若干大きく設定されると共に一部周面には
開放部２９ａが、また下端には切欠溝２９ｂが形
成されている。このため、円筒部２８Ｂの第４図
ａにおいて左半分強の部分イは底板２８Ａから浮
いており、この部分イが前記締付けねじ３１によ
るホルダーパイプ６の締付け時に押圧されて内側
に弾性変形し、ホルダーパイプ６を押圧するよう
に構成されている。そして、前記ブツシユ２８は
前記嵌合孔２０にホルダーベース３の下方から嵌
合され、一対の突起２８Ｃ，２８Ｄを前記嵌合孔
２０内に設けられた係合部（図示せず）に係合さ
せることにより、下方への抜けを防止されてい
る。一方、ブツシユ２８の上方への抜けは、嵌合
孔２０の上端開口部、すなわちパイプ挿入側開口
部２０ａの内径を前記円筒部２８Ｂの内径よりも
大きく、外径よりも小さく設定してブツシユ２８
が嵌合される孔部分との間に段部Ａを設け、この
段部Ａに前記円筒部２８Ｂの上端面を当接させる
ことにより防止される。そして、前記パイプ挿入
側開口部２０ａの周縁には複数個（本例では６個
示す）の嵌合凹部３０が、周方向に等配されて設
けられている。なお、前記円筒部２８Ｂの弾性変
形可能な部分イの外周面には前記締付けねじ３１
に対応して円弧状の当板３２が配設される。

前記ホルダーパイプ６の下端部外周面には廻り
止め金具３３が着脱かつ回転可能に固定されてい
る。この廻り止め金具３３は第５図に示す如く中
央部に前記ホルダーパイプ６が貫通される孔３４
を有して略々Ｃ字形に形成され、その開放端部に
はボルト３５およびナツト３６が取着され、また
下面には一対の突起３７ａ，３７ｂが突設されて
いる。これら一対の突起３７ａ，３７ｂは前記孔
３４の周縁部に該孔３４の中心を中心として軸対
称位置に設けられ、ホルダーパイプ６のパイプ取
付部４への取付け時に前記複数個の嵌合凹部３０
のうちの軸対称位置にある２つの嵌合凹部３０に
それぞれ嵌入係合されてホルダーパイプ６の回転
を防止するもので、嵌合凹部３０を図に示す如く
６個設けておくと、軸対称をなす嵌合凹部が３組
できるため、これらを任意に選択することによ
り、ホルダーパイプ６を右および左廻りに60度、
120度あるいは180度回転させてパイプ取付部４に
取付けることができる。なお、図では省略した
が、ホルダーパイプ６の上端部には従来装置と同
様ボールが固定され、これを挾持保持するボール
クランプが取付けられる。

かくして、このような構成によるドラム用タム
ホルダーによれば、ホルダーパイプ６を所定角度
回転させてパイプ取付部４に取付けることができ
るので、あらかじめタムタムのセツテイングに合
せてホルダーパイプ６を固定すれば、ボールクラ
ンプによるセツテイングを行なうことなくタムタ
ムをタムホルダーに簡単にセツトすることができ
る。また、一度セツトしたタムタムの位置および
方向を変える場合においても、ホルダーパイプ６
によつて行うことができるので、従来のようにボ
ールクランプをボールに再固定する際、タムタム
の重量によつてボールクランプの固定位置が狂つ
たりすることがなく、操作が容易である。この場
合のセツテイングは、締付けねじ３１を緩めてホ
ルダーパイプ６を持ち上げ、突起３７ａ，３７ｂ
と嵌合凹部３０との係合を一時外した後、ホルダ
ーパイプ６を所定角度回転させて下げ、突起３７
ａ，３７ｂを再び他の一組の嵌合凹部３０に嵌入
係合させ、しかる後締付けねじ３１を締付けてホ
ルダーパイプ６を固定すればよい。

なお、上記実施例においては嵌合凹部３０と廻
り止め金具３３の突起３７ａ，３７ｂを軸対称位
置に設けた場合について説明したが、この考案は
これらに何ら限定されるものではなく、また突起
１つにしてもよいことは勿論である。

以上説明したようにこの考案に係るドラム用タ
ムホルダーによれば、ホルダーベースに設けられ
ホルダーパイプが嵌合される嵌合孔のパイプ挿入
側開口端部に紛数個の嵌合凹部を設け、ホルダー
パイプに固定された廻り止め金具の突起を前記嵌
合凹部に選択的に嵌入係合させるように構成した
ので、ホルダーパイプの取付角度を任意に変える
ことができ、ドラムセツテイング操作を容易にす
るという実用的に優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のドラム用タムホルダーの一例を
示す一部破断正面図、第２図はこの考案に係るド
ラム用タムホルダーの一実施例を示す平面図、第
３図は第２図−線断面図、第４図ａ，ｂはブ
ツシユの平面図および一部破断正面図、第５図は
廻り止め金具の底面図である。２……取付パイプ、３……ホルダーベース、４
……パイプ取付部、５……ボールジヨイント、６
……ホルダーパイプ、２０……嵌合孔、２０ａ…
…パイプ挿入側開口端部、２８……ブツシユ、３
０……嵌合凹部、３３……廻り止め金具、３７
ａ，３７ｂ……突起。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

取付パイプに固定されたホルダーベースにそれ
ぞれ嵌合孔からなる複数個のパイプ取付部を設
け、前記嵌合孔のパイプ挿入側開口端部に複数個
の嵌合凹部を形成し、前記嵌合孔に嵌合されるホ
ルダーパイプに突起を有する廻り止め金具を固定
し、前記突起を任意の嵌合凹部に嵌入係合させる
ようにしたことを特徴とするドラム用タムホルダ
ー。