JPS6375110A - ポリエステル繊維及びその製造法 - Google Patents

ポリエステル繊維及びその製造法

Info

Publication number
JPS6375110A
JPS6375110A JP21458986A JP21458986A JPS6375110A JP S6375110 A JPS6375110 A JP S6375110A JP 21458986 A JP21458986 A JP 21458986A JP 21458986 A JP21458986 A JP 21458986A JP S6375110 A JPS6375110 A JP S6375110A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester
fiber
cracks
yarn
fibers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP21458986A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0447046B2 (ja
Inventor
Toshio Yamauchi
俊男 山内
Shiro Kumakawa
熊川 四郎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP21458986A priority Critical patent/JPS6375110A/ja
Publication of JPS6375110A publication Critical patent/JPS6375110A/ja
Publication of JPH0447046B2 publication Critical patent/JPH0447046B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Artificial Filaments (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はポリエステル繊維及びその製造法に関する。更
に詳しくは工業用繊維として必要な高強力を有し、寸法
安定性、耐熱性等の特性に秀れた高品質かつ均質なポリ
エステル繊維及びその製造法に関する。
(従来の技術) 一般に、ポリエステル繊維はその高強度、高ヤング率及
び秀れた寸法安定性等により、各種の工業用材料として
広く用いられており、とりわけタイヤコード、コンベア
ベルト、■ベルトコード等のゴム構造物補強用材料とし
て好ましく用いられる。
これらの工業用材料に最も要求される特性は高強力であ
り、さらにゴム構造物補強用材料のようにゴム中での補
強材として用いられる場合は、ゴム構造物の成型プロセ
スである加硫工程での高温処理や最終製品で用いられる
場合の内部発熱により高温下にさらされることが多く、
耐熱性も極めて重要視される。ここで問題となるのは熱
による強度の低下であり、ポリエステルの加水分解反応
が、高温下及びゴム中のアミンの存在下で著しく促進さ
れることである。
従来、繊維高強力化の方策としては、ポリマーの分子量
を高めることが一般的であり、これにより延伸糸での強
度アンプとともに、撚糸してコードにした時の強力利用
率の向上も可能であった。
この為加熱紡糸筒等の種々の紡糸方式が採用されている
が、一定レベル以上の分子量では溶融ポリマーの溶融粘
度が高(なり、紡糸性が極めて低下し、これから得られ
る延伸糸は低品質のものしか得られなかった。一方、紡
糸性を向上させるべく溶融温度をあげると熱分解で分子
■が低下し、目的とする高分子量の繊維が得られないと
いう問題があった。一般に市販されている工業用ポリマ
ー繊維についてみると比較的高分子量のポリマーを用い
たものでも延伸糸強度がせいぜい9.2〜9.3g/d
程度であり、これより低分子量領域で高倍率延伸により
9.5g/d前後の強力を得ているものもあるが、これ
らはその低分子量故に例えばゴム補強用材として撚糸工
程及びディップ処理工程を経るに従って強度低下が著し
いという問題を有していた。
一方耐熱性については、ポリエステル特有の加水分解を
抑制することが必要であり、低カルボキシル化等のポリ
マーの改質と同時に製糸方法の差による繊維構造の違い
も大きく影響する。即ち繊維構造として結晶化度を高め
るとともに、非晶部の配向を高め構造を堅固にした結晶
非晶の差の少ない均質な繊維が好ましい。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は、高強力であり、かつ、耐熱性の改良さ
れた均質な工業用ポリエステル繊維を提供することであ
り、さらに高分子量ポリマーを用いて、高強力であり、
かつ耐熱性の改良された均質な工業用ポリエステル繊維
を製造する方法を提供することである。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは各種のポリエステル繊維に関して種々の科
学処理を施した状態での繊維の表面形状を検討したとこ
ろ、一定の条件下において、エチルアミン処理を行った
後の表面状態が、強力、耐熱性と極めてよい相関がある
ことを見い出し、この表面形状を特定のものとすること
により目的とする高強力でかつ、耐熱性の改良された工
業用ポリエステル繊維が得られることを見い出し、本発
明に到達した。
即ち本発明の第1の発明は、極限粘度0.92以上、複
屈折0.19以上のポリエステル繊維であり、該繊維を
封管中でエチルアミンの60重量%水溶液に30℃で2
0時間浸漬し、次いで水及びエチルアルコールで洗浄し
た後風乾し、電子顕微鏡で500倍に拡大して観察した
際に、繊維の表面に、不規則亀裂がなく、かつ、繊維軸
方向に対して直角方向の亀裂の数が繊維長200μm当
り平均して5ケ以下であることを特徴とするポリエステ
ル繊維である。
さらに本発明の第2の発明はエチレンテレフタレートを
主たる繰り返し単位とする極限粘度0.95以上の溶融
状ポリエステルを溶融温度を280〜300°Cに保持
してギアポンプに供給し、該ギアポンプによって圧力を
400〜1200 kg / crA Gに昇圧して紡
糸パックに供給し、続いて紡糸口金より340℃以上の
加温帯域中に紡出し、冷却、固化せしめた後、300〜
−700m/分で引取り、しかる後、加熱蒸気を噴射す
ると同時に4倍以上に延伸することを特徴とするポリエ
ステル繊維の製造法である。
従来、繊維構造を調べる手段としては、X線回折等が多
く用いられているが、X線回折と繊維物性に一次的な相
関がない場合でも、例えば繊維の耐加水分解性等は変化
しており、これらの事実は超ミクロでない微細構造をも
考慮してやる必要性を示唆している。
高分子固体が加溶媒分解反応に非常に敏感であることを
利用して微細構造の解明を行おうとする試みが多数なさ
れている。例えば繊維表面の結晶部と非晶部を選択的に
エツチングできれば直接的に微細構造を知ることが可能
である。これらの1つとしてポリエステルをアミン等で
処理して、電子顕微鏡でその表面状態を観察する方法が
ある(阿部、坂元、高分子論文集、35.587〜59
3(197B)、阿部、坂元、高分子論文集、1主、2
63〜269 (1976)。本研究者らは、これらの
手段を更に多角的に検討したところ、アミンによる処理
条件を選択してやることにより、非常に正確に繊維の表
面状態と所望の特性を関連づけることが可能であること
を見い出した。
本発明での工業用ポリエステル繊維に対する最適処理条
件としては、エチルアミンの60重量%水用液で、30
℃封管中で20時間浸漬を行う。エチルアミンの濃度、
処理温度、処理時間が大きすぎたり小さすぎたりして処
理条件が不適当であると、所望の選択的エツチングは達
成されない。エチルアミン処理後は、水洗浄及び、エチ
ルアルコール洗浄を実施後、風乾を行う。
以上のように、ポリエステル繊維に対してエチルアミン
処理を施すと、ポリエステル繊維の表面が選択的にエツ
チングされ、電子顕微鏡での500倍の拡大写真で、繊
維の表面に明確な亀裂が観察される。
亀裂の状態は種々多様であり、亀裂の方向及び数は、製
糸条件により大きく影響される。
以下亀裂の内容について説明すると、まず、不規則亀裂
とは繊維軸方向及び繊維軸と直角方向以外の方向への亀
裂を指し、不規則亀裂がないという状態は、亀裂が実質
的に繊維軸方向及び繊維軸と垂直方向のものから成るこ
とを指す。
第1図に不規則亀裂のない例、第2図に不規則亀裂の例
を示す。
次に繊維軸方向に対して直角方向の亀裂の数え方である
が、写真上で観察され得るもののみを対象とし、また繊
維軸方向の亀裂をはさんで観察される亀裂のうち繊維軸
方向の200μm以内にあるものは、1つの亀裂として
数えるものとする。即ち第3図(A)では5ケ、(B)
では4ケと数える。
これら不規則亀裂の有無や、亀裂の数は、ポリエステル
繊維がゴム構造物補強用材料として用いられる時の重要
特性であるディップ処理後のコード強力(処理コード強
力)や、ディップ処理後のボードをゴム中に埋め込んで
、高温で加硫した後の残存強力(耐熱強力)と極めて良
好な対応関係を示す。第4図は処理コード強力、耐熱強
力と亀裂の数、不規則亀裂の有無の対応を示すものであ
るが、亀裂の数の減少とともに処理コード強力・耐熱強
力が向上すること、又不規則亀裂の有無は耐熱強力によ
り顕著に影ソし、不規則亀裂のないものは、より高い耐
熱強力を有することが示されている。
このようにアミン処理において不規則亀裂がなく、かつ
亀裂の数が少ないようなアミンに侵されにくい構造とす
ることが、ゴム構造物補強用繊維としての好ましい高強
力高耐熱性をもたらすと言える。
本発明のポリエステル繊維のエチルアミン処理後の表面
形状は不規則亀裂がなく、繊維軸方向に対して直角方向
の亀裂の数が繊維長200μm当り平均して5ケ以下で
あり、このような特徴を有する本発明のポリエステル繊
維は高強力で耐熱性が秀れており工業用繊維として極め
て有用である。
本発明で用いるポリエステルとはα−ω−グリコールと
ジカルボン酸とから得られる高分子ポリエステル、特に
ポリメチレングリコールと芳香族ジカルボン酸とから得
られる高分子ポリエステルのうち任意のものを意味する
。これらのうちもっとも代表的なものはエチレングリコ
ールとテレフタール酸とから得られるポリエチレンテレ
フタレートが挙げられる。
本発明のポリエステル繊維の極限粘度は0.92以上好
ましくは、0.93以上である。極限粘度が0.92以
下ではディツブ処理時の強力維持率やゴム中での耐加水
分解性、耐アミン分解性の面から充分な強力や耐熱性を
保ち得ない。
−1末端カルボキシル基濃度は、15当量/10bグラ
ム以下とすることが望ましい。15当ffi/10’ダ
ラムを越えると化学的安定性が不充分であり、特に耐熱
性が劣ったものとなる。
低カルボキシル基化の手段は公知の種々の方法を採用す
ることが可能である。たとえば(1)特公昭44−27
911号公報の如(溶融状態のポリエステルにフェニル
グリシジルエーテルを反応させる方法 (2)特公昭45−41235号公報の如く溶融状態の
ポリエステルに線状ポリエステルカーボネートを反応さ
せる方法 (3)特公昭47−12891号公報の如くポリエステ
ルにエチレンオキサイドを反応させる方法 (4)特公昭48−35953号公報の如くポリエステ
ルにシュウ酸のグリコールエステル又はシュウ酸ポリエ
ステルを反応させる方法(5)特公昭48−41713
号公報の如くポリエステルに環状カーボネートを反応さ
せる方法(6)特公昭49−5233号公報の如くポリ
エステルにジアリールオキザレート類及び/又はジアリ
ールマロネート類とジアリールカーボネート類を反応さ
せる方法 (7)米国特許第3193522号の如くポリエステル
にカルボジイミドを反応させる方法(8)特開昭55−
145734号公報の如くビス環状イミノエーテルを反
応させる方法など所望の極限粘度や末端カルボキシル基
量に応じて随時採用することが可能である。特に、得ら
れる成型物の着色を避け、成型中での添加剤の分解によ
る発泡がな(、重合度を低下させずに、末端カルボキシ
ル基量を15当ffi/10hグラム以下にする方法が
好適である。
さらに本発明のポリエステル繊維では、充分な強力と耐
熱性をもたせる為に、非晶部の配向度を高くすることが
不可欠であり、複屈折で0.19以上が必要である。こ
れは第1に所望とする高強力を達成する為のものである
が、同時に前述の低カルボキシル基化による化学的安定
性の向上に加えて、非晶部分の配向アップにより構造的
安定化を図る為であり、両者の相剰効果により耐熱性の
飛躍的向上が可能となる。複屈折が0.19に達しない
と強力的にも耐熱性にも不充分なものしか得られない。
次に本発明のポリエステル繊維の製造方法について述べ
る。
極限粘度が0.95以上、好ましくは0.98以上の高
分子量の溶融状ポリエステルを比較的低い溶融温度28
0〜300℃、好ましくは280〜290℃に維持して
ギアポンプへ供給し、さらに該ギアポンプにより400
〜1200 kg / crA Gの高圧力状態で紡糸
バンク及びこれに続く紡糸口金へ供給する。溶融温度が
280℃以下の場合は紡糸口金より吐出するポリマーの
粘度が高過ぎる為、得られる未延伸糸の均一性に問題が
あり延伸工程での糸切れ等をひき起こし、一方溶融温度
を300℃以上とすると紡糸口金から吐出するまでの高
温での滞留時間が大きくなり、目的とする高分子量の延
伸糸が得られない。
さらにギアポンプ、紡糸パック、紡糸口金での圧力損失
も同様の効果を有する。即ち、400〜1200kg/
cdGの圧力損失により、極端な分子量低下をひき起こ
すことな(高分子量ポリマーの紡糸の為の最適な紡糸温
度が得られる。紡糸口金部分のポリマ一温度は310〜
330℃の範囲である。
紡糸口金より吐出されたポリマーは高温の加熱帯域を通
して後、冷却装置で冷却固化させる。加温帯は長さ20
0〜50(hmで、表面付近の空気温度が340℃以上
となるようにした円筒型の加熱ヒーターである。この加
熱帯は、口金面の保温とともに吐出された高極限粘度糸
条を高温に保持し冷却を遅延させることにより紡糸張力
を下げ、得られる未延伸糸条の配向度を下げるものであ
る。
冷却装置は糸条を均一に冷却できるものであればいかな
る形状のものでもよい。
冷却固化された糸条は通常のオイリング装置によってオ
イリング処理された後比較的低い速度で引き取られ、し
かる後延伸工程へ供給される。引取速度は未延伸糸の結
晶化を抑制し、配向度を低下させる為に出来るだけ低速
にすることが有利であるが、生産性も加味して300〜
700m/分とするのがよい。
以上の如く、通常の高分子量ポリエステルに対する溶融
温度に比較して低い溶融温度(280〜300℃)、通
常の溶融紡糸での圧力損失(パンク圧力)に比較して高
い圧力損失(400〜1200kg/cIAG)、口金
下の加熱帯域での比較的高温での加熱(340℃以上)
、及び比較的低速での引き取り(300〜700m/分
)を採用することにより、高分子量ポリエステルの紡糸
を安定して行うとともに、高い極限粘度を有するととも
に、高倍率延伸に耐え得る配向度の低い(複屈折にして
250 X 10−5以下)の均質な未延伸糸を得るこ
とが可能であり、本発明のポリエステル繊維を得る為の
第1の重要なポイントである。
本発明のポリエステル繊維を得る為の第2のポイントは
上述の方法により得られた未延伸糸を高倍率で均一延伸
することであり、このために加熱蒸気を噴射すると同時
に4(9以上に延伸する方法を採用する。
加熱蒸気延伸は延伸ローラ間に加熱蒸気噴射装置を配置
し未延伸糸に加熱蒸気を噴射して糸温度を一気にガラス
転移点以上に昇温し、延伸点を加熱蒸気噴射点付近に固
定して該ローラ間で4倍以上に延伸を行うものである。
加熱蒸気噴射装置としては糸条に対して加熱蒸気を均一
に噴射させることが可能であればいかなる形状のもので
よい。
例えば、1〜5flのスリットを備えた噴射装置で熱効
率向上の為に糸条の通過部以外を閉鎖構造としたものな
どがある。また加熱蒸気としては温度350〜550℃
、圧力1.5〜10kg/c+jGが好ましい。
温度350℃以下、圧力1.5kg/−以下では均一延
伸の為の熱量が不充分であり、温度が550℃を越え、
圧力が10 kg / caを越えると、熱量過大の為
に糸条の融着等が発生する。加熱蒸気による延伸に続い
て、加熱ローラ等から成る熱処理装置へと糸条を進める
が、加熱蒸気による延伸に際して同時にかなりの熱処理
も受けており、過度の熱処理は不要であり、加熱ローラ
の温度は150〜220℃で十分である。
このような高倍率かつ均一な延伸により、複屈折にして
0.190以上の極めて高配向のポリエステル繊維を得
ることができる。ここで0.190より小さい配向度の
ものは、耐熱性の点で劣ったものとなる。上記製造方法
と得られたポリエステル繊維のエチルアミン処理後の表
面形状との対応に関して述べると、本発明の溶融紡糸方
法と延伸方法の組み合わせ効果により、不規則亀裂がな
(、亀裂の数の少ないポリエステル繊維が得られるもの
であるが、強いて挙げるならば溶融紡糸方法が亀裂の数
に、又、高倍率・均一延伸が不規則亀裂の抑制に効いて
いると堆定される。
本発明での製糸方式としては上に述べた直接紡糸延伸方
式が最適であるが、紡糸と延伸を分離して行ってもさし
つかえない。また延伸方式としては1段延伸において最
もその効果が顕著であるが2段以上の延伸方式も可能で
ある。
本発明により得られるポリエステル繊維、即ち高分子量
ポリエステルを低温で溶融し高い圧力損失を経て紡糸し
、加熱蒸気を用いて延伸したポリエステル繊維は、エチ
ルアミン処理に対してその表面形状に不規則亀裂がなく
、繊維軸方向に対して直角方向の亀裂の数が、繊維長2
00μm当り平均して5ケ以下という従来のポリエステ
ル繊維にない特徴を有する。
さらにこれらのポリエステル繊維について工業用繊維と
しての一般的な物性の評価を行ったところ延伸糸強度、
生コード強力、処理コード強力、高温加硫(180℃)
後強力等が従来のポリエステル繊維に比較して極めて秀
れていることが分った。
これらの評価結果は本発明のポリエステル繊維が工業用
途、特にゴム構造物補強用繊維として最適であることを
示している。
(実施例) 以下実施例により、さらに詳細に本発明を説明する。
なお本発明における極限粘度は35℃のオルソクロロフ
ェノール溶液にて測定したものであり、末端カルボキシ
ル基濃度はエーコニックス(A、C。
nix )の方法(Makromol、Chem、 2
6.226、(1958))によって測定した。また複
屈折は偏光顕微鏡を用い、ブロムナフタレンを浸漬液と
し、ベレックコンペンセーターを用いたりタープ−ジョ
ン法により測定した。
実施例1 極限粘度が1.1のポリエチレンテレフタレートチップ
を溶融し、溶融温度を285℃に維持してギアポンプに
供給し、紡糸パックを経て、紡糸口金より紡糸した。こ
の際紡糸パック内に通常の金網フィルター及びサンドを
挿入しポリマーの昇圧とろ過を行った。紡糸パック直前
におけるポリマーの圧力は800 kg / cd G
であり、ポリマーの温度は315℃であった。また紡糸
口金は直径0.5mn+の細孔250個から成るもので
あり、吐出量は20.2kg/時間であった。吐出させ
た糸条を通常の加温帯域、冷却装置を通過させ、オイリ
ング処理を施した後供給ローラに捲回し、さらに延伸ロ
ーラとの間で加熱蒸気を噴射して6倍に延伸し、冷却ロ
ーラを経て、2000 m /分で巻き取った。加熱蒸
気は温度400℃、圧力3kg/cfi!Gであり、延
伸ローラの温度は160℃であった。得られた延伸糸は
1500デニールであり、その極限粘度は0.96であ
った。
この延伸糸にエチルアミン処理(60重量%水溶液、3
0℃、20時間)を施した後、電子顕微鏡で500倍に
拡大して表面状態を観察すると、表面の亀裂は規則的で
あり、かつその数は少なかった。即ち繊維軸方向に対し
て直角の亀裂は200μm当り0.5ケであり、繊維軸
方向の亀裂は規則的であった。
又、エチルアミン処理前の延伸糸の物性は強度9.6g
/d、伸度14.5%であり、この延伸糸を2本合わせ
て40 S X 40 Z T / 10c+++の撚
りをかけた生コードに通常の接着剤処理を行った処理コ
ードは、強力25.2kg、伸度19.5%と従来のポ
リエステル繊維に比較して極めて秀れていることが判明
した。
さらにこの処理コードを未加硫のゴムに埋め込み170
°Cで120分間、加硫(プレス圧力50kg/c!1
1)シた後、コードを取り出し残存強力を測定したとこ
ろ極めて高水準の強力を維持していた(第1表参照)。
実施例2 実施例1と同様の方法にて極限粘度が0.98のポリエ
チレンテレフタレートチップを用いて溶融紡糸直接延伸
を実施した。溶融温度は同じ285℃、紡糸パンク前の
ポリマーは圧力600 kg / ct 、温度310
°Cであった。延伸は400℃、3kg/cflIの加
熱蒸気を用いて実施例1と同様の方法にて実施した。
得られた延伸糸のエチルアミン処理後の電子顕微鏡写真
における表面状態は亀裂が規則的であり、繊維軸方向に
対して直角の亀裂の数は200μm当り2.0ケであっ
た。
また、延伸糸、生コード、処理コードの強力、伸度及び
高温加硫後の強力保持率も良好な水準を示した(第1表
参照)。
実施例3 実施例1と同様の方法にて溶融紡糸直接延伸を実施した
。この際、吐出1を調節するとともに、延伸速度を25
00 m /分とした。溶融温度は285℃、紡糸パッ
ク前のポリマーは圧力500 kg / cII!、温
度318℃であった。
得られた延伸糸のエチルアミン処理後の表面形状は良好
であり、又処理コードの性能も秀れたものであった(第
1表参照)。
比較例1 極限粘度か1.1のポリエチレンテレフタレートチップ
を用いて実施例1と同様のプロセスによる溶融紡糸を行
った。ここで溶融温度は310℃、紡糸パック直前のポ
リマーは温度が317℃、圧力が200 kg / c
niてあった。紡糸に引き続いて加熱ローラにより6.
0倍に延伸した。この延伸は加熱ローラの温度を70〜
140℃までill整することにより2段階に分けて実
施した。ここでは第1段目を加熱ローラ温度80℃、第
2段目を加熱ローラ120℃とした。第2段目の延伸ロ
ーラ温度は180℃とした。
得られた延伸糸を実施例1と同様のエチルアミン処理を
行った後、電子顕微鏡写真における表面状態を観察する
と、亀裂が極めて不規則であり、かつ、その数は極めて
多かった。
また延伸糸、生コード、処理コードの強力、伸度、さら
に耐加硫性を示す残存強力もかなり低水準であった(第
1表参照)。
比較例2 比較例1と同様の方法で溶融紡糸を行い実施例1と同じ
加熱水蒸気延伸を実施した。得られた延伸糸のエチルア
ミン処理後の電子顕微鏡写真によると比較例1よりは規
則的な亀裂を示すが200μm当り平均して8.5ケの
繊維軸に直角な亀裂が認められた。
この延伸糸、生コード、処理コードの強力、伸度及び耐
加硫性は第1表に示す通り比較例1よりは改善されてい
るが本発明によるものと比較するとかなり劣っているこ
とがわかる。
比較例3 極限粘度が1.1のポリエチレンテレフタレートチップ
を用いて溶融温度305℃、紡糸パック直前のポリマ一
温度314℃、圧力320 kg / CJA Gの条
件での溶融紡糸を行い、加熱蒸気延伸を行った。
得られた延伸糸のエチルアミン処理後の表面形状は、亀
裂は規則的であるが、繊維軸方向に対して直角方向の亀
裂は繊維長さ200μm当り6.0ケであった。また、
延伸糸、コードの強力、高温加硫後の強力も、第1表に
示す如く、本発明のものと比較していずれも劣っていた
比較例4 実施例1と同じ方法で溶融紡糸した後、比較例1と同じ
方法で直接延伸を行った。
得られた延伸糸のエチルアミン処理後の表面形状は、亀
裂が不規則であり、かつ繊維軸方向に対して直角方向の
亀裂は200μm当り7.0ケであった。又、コード性
能も本発明のものと比較して劣っていた(第1表参照)
(本頁、以下余白) 第1表 (発明の効果) 本発明によるポリエステル繊維は掻めて高強力でかつ耐
熱性に秀れており、従来のポリエステル繊維が、タイヤ
コードとして乗用車用等の小型車分野に限定されていた
の対してライトトラック、トラック、バス用等の中・大
型車分野にも使用可能となり、大幅な用途拡大が期待で
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、エチルアミン処理による繊維の表面形状(不
規則亀裂のない例)を示す模式図、第2図はエチルアミ
ン処理による繊維の表面形状(不規則亀裂)を示す模式
図、第3図は亀裂の数え方を説明するための繊維表面形
状を示す模式図、第4図は亀裂数と処理コード強力、耐
熱強力との関係を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、極限粘度0.92以上、複屈折率0.19以上のポ
    リエステル繊維であり該繊維を封管中でエチルアミンの
    60重量%水溶液に30℃にて20時間浸漬し次いで水
    及びエチルアルコールで洗浄した後風乾し、電子顕微鏡
    で500倍に拡大して観察した際に、繊維表面に不規則
    亀裂がなく、かつ繊維軸方向に対して直角方向の規則亀
    裂の数が、繊維長さ200μm当り平均して5個以下で
    あることを特徴とするポリエステル繊維。 2、末端カルボキシル基濃度が、15当量/10^6グ
    ラム以下である特許請求の範囲第1項記載のポリエステ
    ル繊維。 3、ポリエステル繊維が、エチレンテレフタレートを主
    たる繰り返し単位とするポリエステルからなる特許請求
    の範囲第1項又は第2項記載のポリエステル繊維。 4、極限粘度0.95以上のポリエステルを溶融し、2
    80〜300℃の溶融温度に保持してギアポンプに供給
    し、該ギアポンプによって圧力を400〜1200kg
    /cm^2Gに昇圧して紡糸パックに供給し、続いて、
    紡糸口金から340℃以上の加熱帯域に紡出し、冷却、
    固化せしめた後、300〜700m/分の速度で引き取
    り、しかる後、加熱蒸気を噴射しながら4倍以上に延伸
    することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のポリ
    エステル繊維の製造法。 5、ポリエステルが、エチレンテレフタレートを主たる
    繰り返し単位とするものである特許請求の範囲第4項記
    載のポリエステル繊維の製造法。
JP21458986A 1986-09-10 1986-09-10 ポリエステル繊維及びその製造法 Granted JPS6375110A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21458986A JPS6375110A (ja) 1986-09-10 1986-09-10 ポリエステル繊維及びその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21458986A JPS6375110A (ja) 1986-09-10 1986-09-10 ポリエステル繊維及びその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6375110A true JPS6375110A (ja) 1988-04-05
JPH0447046B2 JPH0447046B2 (ja) 1992-07-31

Family

ID=16658218

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21458986A Granted JPS6375110A (ja) 1986-09-10 1986-09-10 ポリエステル繊維及びその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6375110A (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5898419A (ja) * 1981-12-02 1983-06-11 Touyoubou Pet Koode Kk 熱寸法安定性および化学安定性にすぐれると同時に高強度を有するポリエステル繊維
JPS5966415A (ja) * 1982-09-17 1984-04-14 インペリアル・ケミカル・インダストリ−ズ・ピ−エルシ− 芳香族ポリイソシアネ−ト中のポリ尿素の分散液の製法
JPS59100714A (ja) * 1982-11-30 1984-06-11 Teijin Ltd ポリエステル繊維の製造方法
JPS59168119A (ja) * 1983-03-15 1984-09-21 Touyoubou Pet Koode Kk 熱寸法安定性にすぐれたポリエステル高強力糸の製造法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5898419A (ja) * 1981-12-02 1983-06-11 Touyoubou Pet Koode Kk 熱寸法安定性および化学安定性にすぐれると同時に高強度を有するポリエステル繊維
JPS5966415A (ja) * 1982-09-17 1984-04-14 インペリアル・ケミカル・インダストリ−ズ・ピ−エルシ− 芳香族ポリイソシアネ−ト中のポリ尿素の分散液の製法
JPS59100714A (ja) * 1982-11-30 1984-06-11 Teijin Ltd ポリエステル繊維の製造方法
JPS59168119A (ja) * 1983-03-15 1984-09-21 Touyoubou Pet Koode Kk 熱寸法安定性にすぐれたポリエステル高強力糸の製造法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0447046B2 (ja) 1992-07-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3655577B2 (ja) ポリエチレンナフタレート繊維の製造方法
JP3886360B2 (ja) ポリエステルマルチフィラメント糸の製造方法
CN1066212C (zh) 制造连续聚酯长丝纱的方法及该长丝纱的用途
CN1417391A (zh) 工业用聚酯复丝丝束的制造方法
JPH0663128B2 (ja) ゴム構造物補強用ポリエステル繊維及びその製造方法
JPH0261109A (ja) ポリエステル繊維
JP2001146638A (ja) モノフィラメントおよびその製造方法
JP2004100087A (ja) 再生ポリエステル繊維
JPS6375110A (ja) ポリエステル繊維及びその製造法
JPH0428806B2 (ja)
JPH0323644B2 (ja)
KR101047046B1 (ko) 폴리에스테르 섬유의 제조방법
KR20170091968A (ko) 내피로도가 우수한 폴리에틸렌테레프탈레이트 코드의 제조방법
KR101888065B1 (ko) 나일론 66 고강도 섬유 제조방법
KR100505018B1 (ko) 고강력 폴리에틸렌-2,6-나프탈레이트 섬유 및 이의 제조방법
JPH02210013A (ja) 乾・湿式紡糸方法
KR960002887B1 (ko) 고강력 저수축 폴리에스테르섬유 및 그 제조방법
JPS63243319A (ja) ポリアミド繊維
KR100505016B1 (ko) 고속방사법에 의한 폴리에틸렌-2,6-나프탈레이트 섬유 및이의 제조방법
JPH0532492B2 (ja)
JPH0321647B2 (ja)
JP2004115979A (ja) カーボンナノチューブ含有ポリアミド繊維
KR0169530B1 (ko) 고수축 나이론 66 고강력사 및 그의 제조방법
JPH06287810A (ja) ポリブチレンテレフタレート繊維の製造方法
KR20160071714A (ko) 치수안정성 및 내열강력이 우수한 타이어코드용 폴리에스테르 멀티필라멘트사의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees