JPS637480B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は中空のケース内に、電子回路用の素
子を備える回路基板が内蔵されていて、しかも上
記回路基板に装着してある電子回路用の調整要素
の操作部をケースの外部に突出させてある電子機
器に関するものである。

従来のこの種の電子機器にあつては、ケースの
周壁に透孔を設けておき、ケース内に調整要素付
の回路基板を納めるときは、上記調整要素におけ
る操作部を上記透孔に挿入しながら回路基板をケ
ース内に納めるという困難な作業を伴う構成であ
つた（例えば実開昭52−37262号、実開昭52−
40951号公報参照）。これを解決する為に、ケース
の開口縁に、深部に向けて切欠溝を設け、上記回
路基板の挿入と上記操作部の納まりとを同時に行
なうようにした構成も、上記公報に開示されてい
る。しかし、そのようにすると、ケース開口縁の
切欠部の所が弱体化する欠点があり、その上、外
観的にも商品価値を低下させる問題点がある。

そこで本願発明は、内部に回路基板を収納する
為の空間を有し、かつ自体の一面には回路基板を
収納する場合に用いられる開口部があつて、そこ
の開口縁には蓋が蓋着されて構成されるケース
と、上記収納空間に内蔵される回路基板と、上記
回路基板に取付けられている操作部付の調整要素
とを備え、上記操作部の先は、ケース内に回路基
板が納められた状態では上記ケースの周壁から外
部に突出した状態になり、しかもケースの外面で
かつ突出した操作部の先が位置する付近には操作
に必要な表示が備えられる化粧板が重合合着され
ている電子機器において、上記ケースの開口縁に
あつては、その縁部から操作部存置予定位置に向
けて操作部存置用の溝状の大きな切欠部を形成
し、上記蓋の周囲にあつては、一部に上記切欠部
の開口部を塞ぐ為の突出部を突設し、上記化粧板
には操作部の操作に必要な範囲内の小さな操作部
突出用の透孔が設けてあると共にその化粧板の大
きさは自体の透孔内に上記操作部を位置させる状
態で上記ケースの周壁外面に重合させた状態では
上記切欠部を覆うに充分な大きさにすることによ
り、後者のようにケース開口縁に切欠部を形成し
て回路基板挿入時の至便性が得られるようにした
ものであつても、外観および強度的には前者のよ
うな仕上り形態となる電子機器を提供し得るよう
にしたものである。

以下本願発明の実施例を示す図面について説明
する。１は収納空間２ａを有する中空のケース。
このケース１は、周枠となる枠体２と、ケース１
の開口縁に蓋着される蓋としての側板４と、ケー
ス１の底部を構成する側板６とから成る。上記枠
体２はアルミダイカスト等の金属材料で形成され
る。又上記側板４，６は前記収容空間２ａをシー
ルドする必要がある場合には導電性のある金属板
例えばアルミニウム板でもつて構成され、又その
必要のない場合には例えばプラスチツク板をもつ
て構成される。又これらの側板４，６はねじ棒
５，７を枠体２に備えられたねじ孔３に螺合させ
る事によつて枠体２に取り付けられる。尚上記第
１の側板４は枠体２と一体に形成してもよい。又
８は枠体２の端部に形成された段部で、前記側板
４，６を嵌合させる様に形成されたものである。
９は枠体２の内部に備えられた基板取付片で、こ
れらのねじ孔１０が備えられている。１１は枠体
２に取り付けられた入力端子、１３は同じく出力
端子で、図示される様に接栓座（例えばＦ形コネ
クター）が用いられている。又これらの入力端子
１１及び出力端子１３における外部導体は枠体２
に機械的及び電気的に接続固定されている。尚１
２，１４は夫々の中心導体を示す。次に１６は収
容空間２ａに収容された電子回路を示し、回路基
板１７にトランジスタ、コイル、抵抗その他種々
の回路素子１８を取付けて構成されている。上記
回路基板１７はその裏面に回路導体を備えるプリ
ント基板をもつて構成され、上記素子１８と共に
高周波増幅回路或いはコンバーター等の種々の電
子回路を構成する。又この回路基板１７には種々
の調整要素１９，２１も取り付けられている。即
ち１９は可変抵抗器で、その操作部としてのシヤ
フト２０を回転操作し得る様になつている。又２
１はスイツチを示し、その操作部としてのレバー
２２を矢印方向に移動させ得る様になつている。
尚可変抵抗器１９は利得調整、AGC調整、減衰
量調整等をする様にしたものであり、又スイツチ
２１は減衰器の入切或いは電流通過回路の入切操
作する為のものである。２３，２４は回路基板１
７の回路導体に接続されている接続線で、前記入
力端子１１及び出力端子１３の夫々の中心導体１
２，１４に半田付け手段でもつて接続されてい
る。尚上記回路基板１７は止付ねじ２５により基
板取付片９に固定されている。２６，２７は枠体
２に形成された切欠部で、回路基板１７を枠体２
の収容空間２ａ内に挿入する場合に、前記調整要
素１９，２１の操作部２０，２２が夫々枠体２の
一方の端から嵌入し得る様に形成されている。尚
これらの切欠部２６，２７は図示される様に操作
部２０，２２の形状に対応させた形状に形成して
も、或いは又全て同一のやや大きめの形状に形成
しておいてもよい。２８，２９は側板６に備えら
れた突出部で、側板６を枠体２に合着させた時に
上記切欠部２６，２７の開口部を第１図に示され
る如く全て覆いつくす大きさに形成してある。次
に３０は化粧板を示し、前記枠体２の前壁２ｂに
重合させる様にした板で、アルミニウム板あるい
は合成樹脂材で構成される。この化粧板３０は前
記調整要素の操作部２０，２２を挿通させるに十
分な大きさの透孔３１，３２が形成されている。
尚これらの透孔３１，３２は、前記調整要素にお
ける操作部を在置可能な大きさでしかもそれらの
操作部の回動或いは移動操作を可能とする最小限
の大きさ（操作部２０，２２と透孔３１，３２の
内縁との間に大きな隙間ができない大きさ）に形
成してある。３３，３４は化粧板３０の表面に印
刷その他の手段で表記された調整目的或いは操作
方法の表示を示す。尚上記化粧板３０は例えば裏
面に接着剤を塗布しこれを枠体２の前壁２ｂに圧
着する事によつて枠体２に固定する様にしてあ
る。

次に上記構成の電子装置の組立手順を説明す
る。まず回路基板１７に種々の回路要素１８や調
整要素１９，２１等が取付られる。次にその回路
基板１７を枠体２の収容空間２ａに収容させる。
この場合調整要素１９，２１における操作部２
０，２２は切欠部２６，２７内にその開口部の側
から（枠体２の側方から）挿入する。然る後、接
続線２３，２４を中心導体１２，１４に接続す
る。次に側板４，６を枠体２に取り付ける。尚こ
の取付けは前記ねじ５，７に代えて接着剤を用い
て行なつてもよい。又更に化粧板３０を枠体２の
前壁２ｂに固定する。この場合前記調整要素１
９，２１における操作部２０，２２が透孔３１，
３２の内部に位置する様にする。以上の様な作業
で電子装置は完成する。

尚この完成状態にあつては、第１図の如く調整
要素１９，２１における操作部２０，２２と透孔
３１，３２との間には大きな余分な隙間は残され
ておらず、また突出部２８，２９が切欠部２６，
２７の開口部を塞いでいる為、外観は非常にすつ
きりとした状態となる。

以上のように本発明による構成にあつては、外
観的には第１図のように操作部２２はケース外面
の小さな透孔３２から突出するだけで周囲は塞が
れて奇麗に仕上るものであつても、第３図のよう
にケース１の開口部から回路基板１７をケース１
内に納める場合は、大きな切欠部２７の存在によ
つて回路基板１７と一体になつている突出状の操
作部２２が存在していても、上記回路基板１７を
ケース１内に楽々と納めることのできる構成上の
特長がある。また上記作業の容易化の為に切欠部
２７が大きく形成してあつても、蓋６には、切欠
部２７の開口部を塞ぐ為の突出部２９が一体的に
備えられ、また化粧板３０は切欠部２７の側面を
塞ぐに充分な大きさである為、特別の部品追加或
は工数追加がなくても（コストを高めるような事
がなくして）、上記切欠部２７を設けたことによ
る欠点を補完できる優れた効果がある。

さらに切欠部２７の開口部を塞ぐ為の要素とし
て、化粧板３０でもつて全部を塞ぐことなく、丈
夫な蓋６の側に突出部２９を形成して切欠部２７
の開口部のみを塞ぐようにしたことにより、強度
的には弱体であるところの化粧板３０の周縁（第
２図の左端部分）を、該突出部２９で下から補強
的に支持することができるようになつた。このこ
とは化粧板３０の大きさを、ケース１の操作する
側の面に合せて大きく（第２図の左端をケースの
左端と一致する大きさに）することを可能ならし
め、化粧板３０をケース１の大きさに対応形成し
て外観的に美しく整え得る可能性を生みだす利点
がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本願の実施例で示すもので、第１図は電
子装置の斜視図、第２図は−線断面図、第３
図は側板及び化粧板を取除いて示す電子装置の斜
視図、第４図は分解斜視図。 ２……枠体、１７……回路基板、１９，２１…
…調整要素、２０，２２……操作部、３０……化
粧板、３１，３２……透孔、２８，２９……突出
部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内部に回路基板を収納する為の空間を有し、
   かつ自体の一面には回路基板を収納する場合に用
   いられる開口部があつて、そこの開口縁には蓋が
   蓋着されて構成されるケースと、上記収納空間に
   内蔵される回路基板と、上記回路基板に取付けら
   れている操作部付の調整要素とを備え、上記操作
   部の先は、ケース内に回路基板が納められた状態
   では上記ケースの周壁から外部に突出した状態に
   なり、しかもケースの外面でかつ突出した操作部
   の先が位置する付近には操作に必要な表示が備え
   られる化粧板が重合合着されている電子機器にお
   いて、上記ケースの開口縁にあつては、その縁部
   から操作部存置予定位置に向けて操作部存置用の
   溝状の大きな切欠部を形成し、上記蓋の周囲にあ
   つては、一部に上記切欠部の開口部を塞ぐ為の突
   出部を突設し、上記化粧板には操作部の操作に必
   要な範囲内の小さな操作部突出用の透孔が設けて
   あると共にその化粧板の大きさは自体の透孔内に
   上記操作部を位置させる状態で上記ケースの周壁
   外面に重合させた状態では上記切欠部を覆うに充
   分な大きさにしてあることを特徴とする電子機
   器。