JPS637000Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は金属製魔法瓶の肩体取付構造に関す
る。

従来、金属製真空二重瓶とその肩体を一体化す
る手段としては、真空二重瓶の首部外周にねじを
形成する一方、肩体本体の内周に雌ねじを形成
し、両者を螺着する構造が採用されているが、そ
のままでは使用中に螺合にゆるみを生じガタを生
じる為、実用に供し難いことから、さらに接着剤
で接合するか、ビス止めして両者を固定すること
が行なわれている。しかしながら、螺着後に接合
させた構造では、接着剤の乾燥およびその臭気の
除去に半日以上を要する他、経時変化により接着
剤が劣化することと、接着部に金属製真空二重瓶
およびその内容物の重量がかかることから、接着
部が外れ易く信頼性に欠けるという問題があり、
また、螺着後にビス止めした構造では複数のビス
止めが必要である為、組立が煩雑で多大の工数を
要するという問題があつた。

本考案は、接着剤やビスを使用することなく金
属製真空二重瓶と合成樹脂製肩体とを螺合するだ
けで両者の一体化および螺合のゆるみ防止を行な
うことのできる金属製魔法瓶の肩体取付構造を提
供することを目的とする。

本考案は、前記目的達成のため、金属製真空二
重瓶の首部の雄ねじ形成部と螺合する合成樹脂製
肩体のねじ壁下部にのこ歯状爪を周設する一方、
金属製真空二重瓶の首部の雄ねじ形成部下部に弾
性逆止爪を立設した係止金具を固設し、前記肩体
を前記真空二重瓶の首部に螺着することにより前
記のこ歯状爪を弾性逆止爪を係合させることによ
り肩体の戻りを防止するようにしたものである。

以下、本考案の一実施例を示す図面を参照して
説明する。

図において、１は金属製真空二重瓶、２は金属
製内瓶、６は金属製外瓶で、内瓶２と外瓶６との
間の空間７は真空にしてある。内瓶２はその首部
５を一体に形成した円筒状の内瓶胴体３と椀形の
内瓶底体４とを接合一体化したもので、外瓶６は
外瓶肩体８と一体に形成した外瓶胴体９と、外瓶
底体１０とを接合して一体化してあり、これらは
相互にラツプシーム溶接あるいはテイグ溶接等に
より接合されている。

前記真空二重瓶１の首部１４には、その口部を
被覆する合成樹脂製肩体１５を螺着する為の雄ネ
ジ１１が形成されると供に、その雄ねじ１１形成
部下部には係止金具１２が配設され、係止金具１
２は固定片１３で外瓶肩部に溶接その他の手段に
より固定されている。前記合成樹脂製肩体１５
は、その外側にはコツプとしても使用される蓋１
６が、また、その内側に栓体１７がそれぞれ着脱
自在に螺合されている。前記真空二重瓶１の底部
には合成樹脂製底カバー１８が嵌合され、その排
気用チツプ管１９を保護すると共に金属製魔法瓶
に安定性を付与している。

合成樹脂製肩体１５は、第２図は詳細に示され
るように、円筒状外壁部２０とその内側に一体に
成形された円筒状内壁部２１とを有し、両者の間
に前記真空二重瓶１の首部１４が嵌入されてい
る。前記円筒状内壁部２１は、その下端２１ｂが
前記真空二重瓶１の口部に口ゴム２２を介して圧
接され、その内周面には栓体１７と螺合する雌ネ
ジ２１ａが形成されている。前記円筒状外壁部２
０はその内周面に前記前記真空二重瓶１の首部１
４の雄ネジ１１と螺合する雌ネジ２０ａと、それ
より弱干大径の雌ネジ２０ｂが形成されており、
その下端面にはのこ歯状爪２５が形成されてい
る。また、円筒状外壁部２０は段付きの外周面を
有し、中間段の外周面に蓋１６を螺合させるため
の雄ネジ２０ｃが形成され、下段の外周面にはロ
ールピン取付用耳部２３が一体に突設されてい
る。下段の下端面２０ｄは前記真空二重瓶１の肩
部８ａに密接している。なお、中間段には前記肩
体１５を真空二重瓶１の首部１４に螺合する際に
係止金具１２と螺合するネジ部２０ｂに弾性を付
与する為、環状溝２４が形成されている。

前記係止金具１２は円弧状の形状を有し、第３
図および第４図に示されるように、、その内周面
は前記真空二重瓶１の首部１４の外周面に密接
し、その上端に形成されたリブ２６は前記真空二
重瓶１の首部１４の雄ネジ１１の延長線上に位置
するように傾斜させてあり、肩体１５の円筒状外
壁部２０の雌ネジ２０ｂと螺合している。係止金
具１２の下端には、複数の固定片１３および複数
の弾性逆止爪２７が一体に形成され、隣り合つた
弾性逆止爪２７の自由端側先端２７ａ，２７ｂの
間の間隔は、肩体１５を螺着した際にガタが生じ
るのを阻止する為、肩体１５ののこ歯状爪２５の
ピツチ間隔を整数倍した値と若干異ならしてあ
る。この為、弾性逆止爪２７の自由端側先端間の
間隔が肩体１５ののこ歯状爪２５のピツチ間隔の
整数倍であると、そのピツチ間隔、例えば、３mm
だけガタを生じるが、異ならしてある場合、いず
れかの弾性逆止爪２７がのこ歯状爪２５を係止す
るので、ガタが著しく減少する。例えば、図示の
ように、係止金具が２つの弾性逆止爪２７を有す
る場合、最大でものこ歯状爪２５のピツチ間隔の
半分、前記例では1.5mmにまで少くできる。

前記合成樹脂製肩体１５を前記真空二重瓶１の
首部１４に取付ける場合、口ゴム２２を真空二重
瓶１の口部に配置し、肩体１５を前記真空二重瓶
１の首部１４の上方からかぶせて螺合させ、肩体
１５が回転しなくなるところまで締めつけること
により取付けが終る。肩体１５を前記真空二重瓶
１の首部１４に螺合する際、途中で肩体１５の円
筒状外壁部２０の下端に形成されたのこ歯状爪２
５と係止金具の弾性逆止爪２７が係合しはじめ、
締めつけ方向には回転するが、戻り方向には回転
しなくなる。取付け終了後は、のこ歯状爪２５と
弾性逆止爪２７とが係合していることと、弾性逆
止爪間のピツチ間隔がのこ歯状爪間のピツチ間隔
の整数倍でないため、逆方向に力を加えても肩体
１５の回転が阻止される。

以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、肩体と真空二重瓶の首部との螺合だけで両者
の一体化および固定を簡単に行なうことができ、
また、肩体の戻りを防止すると共に、肩体のガタ
ツキを極めて少くすることもできる。また、従来
のように螺着後、接着剤やビス等で肩体と金属製
真空二重瓶を固定する必要がないので、著しく作
業工数を低減できコストが下げられる他、係止金
具のリブが肩体とネジ嵌合しているので、万一衝
撃等により肩体と真空二重瓶１の首部のネジ嵌合
が外れても、肩体が前記真空二重瓶から抜けるこ
とがなく安全である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る肩体取付構造を適用した
金属製魔法瓶の部分断面正面図、第２図はその肩
体の拡大部分断面図、第３図はその肩体固定用係
止金具の正面図、第４図はその肩体固定用係止金
具の側面図である。 １……金属製真空二重瓶、８……外瓶肩体、８
ａ……肩部、１１……雄ネジ形成部、１２……係
止金具、１３……固定片、１４……金属製真空二
重瓶首部、１５……合成樹脂製肩体、１６……
蓋、１７……栓体、２０ａ……雌ネジ、２５……
のこ歯状爪、２７……弾性逆止爪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属製真空二重瓶の口部を被覆する合成樹脂製
   肩体を前記真空二重瓶の首部に螺着することによ
   り一体化した金属製魔法瓶の肩体取付構造におい
   て、前記肩体のねじ壁下部にのこ歯状爪を周設す
   る一方、前記真空二重瓶の首部の雄ねじ形成部下
   部に、弾性逆止爪を立設した係止金具を固設し、
   前記肩体を前記真空二重瓶の首部に螺着すること
   により、のこ歯状爪を弾性逆止爪に係合させ肩体
   の逆回りを阻止するようにした金属製魔法瓶の肩
   体取付構造。