JPS636856Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は導線接続器に係り、特に押し釦を操作
して可動接続金具をリード線に挾着させるように
した導線接続器に関する。

従来のこの種の導線接続器においては押し釦を
固定接続金具と平行に可動接続金具が摺動して上
記両金具に設けた孔が整列する。この状態で両金
具の２つの孔に挾着せんとするリード線を挿入
し、次いで押し釦の押圧を解除するとスプリング
の力で可動接続金具が元位置に復帰し、両孔の縁
部でリード線を挾着する構造であつた。

上記構造の導線接続器ではリード線を挾着した
状態では両金具の平行面間に生じた隙間が拡大し
易く長期の使用に際しては接触不良を生ずる欠点
があつた。

叙上の如き欠点を改善するため近時第１図に示
す如き導線接続器が提案されている。

以下、第１図について詳記する。図に於て、合
成樹脂等より成る絶縁性の筐体１内にはリード線
接続室２とリード線挿入口４を有する押釦摺動室
３が互に隣接して形成されており、押釦摺動室３
内には押釦復帰用スプリング６が介在され、該押
釦摺動室３内に摺動自在に配設した押し釦５を常
時上方に偏倚させている。更に、リード線接続室
２には開口９を有する固定接続金具７が固着さ
れ、上記開口９には一端が押し釦５の内壁内でス
プリング６に係止された可動接続金具８が挿入さ
れ、その他端はリード線接続室２内に突出してい
る。該可動接続金具は弓状に彎曲した長方形状の
板材で、その巾方向の中央に長さ方向に沿つてリ
ード線挾着用の溝孔が穿たれている。

上述の如き導線接続器に於て、押し釦５を押圧
すると可動接続金具８の溝孔はリード線挿入口４
の下方に持ち来たされる。この状態でリード線挿
入口４を通してリード線１０を溝孔内に挿入し、
押し釦の押圧を解除すればスプリング６の偏倚力
により可動接続金具８は上動して固定接続金具７
との共動により図の如くリード線１０を挾持す
る。上述の導線接続器によればリード線１０を確
実に挾持し得るが、筐体１内をリード線接続室２
と押釦摺動室３に分割して設ける為の固定接続金
具７の形状が複雑化し、可動接続金具８もプレス
成形後に彎曲させる工程を必要とし部品のコスト
が高価となるばかりでなく、組立も煩雑である欠
点を有していた。

本考案は上述の欠点を除去し、簡単な構造でリ
ード線を確実に挾持し得る導線接続器を提供する
にあり、その特徴とするところは叉状の可動接続
金具と板状の固定接続金具のみでリード線を確実
に挾着し得る様にした導線接続器にある。

以下、本考案の１実施例を示す導線接続器の構
成を第２図乃至第４図について説明する。

本考案の導線接続器は箱形に形成された絶縁基
台１１と該絶縁基台の内壁に嵌挿される箱形の絶
縁カバー１２は例えば透明の合成樹脂等により成
形され、該絶縁カバーはリード線接続室２を有
し、リード線挿入口４下端にはリード線接続用の
固定接続金具１３が端子１４を絶縁基台１１より
外部に突出させて固定接続金具挿入口１６に圧入
固定されている。

上記固定接続金具１３は第３図に示す如く板材
を端子１４と埋入部１５を一体プレス成形された
ものである。

リード線挿入口４に隣接して押し釦５が摺動自
在に挿入されている。

リード線接続室２内には第４図に示す如き可動
接続金具１７が枢着されている。該可動接続金具
１７は金属板により略々への字状に形成され頭部
１７ａ及び２本の脚部１７ｂ，１７ｂより成り、
脚部１７ｂ，１７ｂは頭部近傍でくの字状に折り
曲げられ両脚部１７ｂ，１７ｂの先端は折り返さ
れて枢着部１７ｃ，１７ｃを構成し、底部は丸く
なる様に成されている。絶縁基台１１に穿つた固
定接続金具挿入口１６の両端には第２図に示す如
き溝１８が設けられ、可動接続金具１７の脚部１
７ｂ，１７ｂ間に形成された叉状部１７ｄに第４
図の１点鎖線で示す如く固定接続金具１３を挾ん
で枢着部１７ｃ，１７ｃが上記溝１８内に挿入さ
れて、絶縁基台１１に対し可動接続金具１７は可
動自在に枢着される。固定接続金具１３の巾ｗは
可動接続金具１７の叉状部の巾（両脚間の巾）よ
り小さく選択するは勿論である。

可動接続金具１７の頭部１７ａは押し釦５の下
端に接するかスプリング６の途中に挿入され更に
絶縁基台１１の底部内面に形成した突部１９にコ
イルスプリング６を嵌着し、該コイルスプリング
の他端は可動接続金具１７の頭部１７ａ又は押し
釦の下面を上方向に押圧することで押し釦５を上
方向に可動接続金具１７を溝１８を中心に反時計
方向に偏倚させている。

上述の構成に於ける導線接続器の動作を説明す
るに、押し釦５をスプリング６の偏倚力に抗して
押圧すると押し釦は下方向に摺動され、可動接続
金具１７も枢着部１７ｃを支点として時計方向に
回動して一点鎖線で示す位置に傾き両脚部間の叉
状部がリード線挿入口４の下部に持ち来たされ
る。この叉状部にリード線１０を挿通し、押し釦
５の押圧を解除すれば押し釦及び可動接続金具１
７はスプリング６の偏倚力により上方に押し上げ
られ、且つ枢着部１７ｃ，１７ｃを中心に反時計
方向に回動してリード線１０は可動接続金具１７
の叉状部の頭部側面１７ｅと固定接続金具１３間
で挾持される。

本考案は上述の如く構成し動作するのでリード
線の挾着は確実であり、挾持力は長期に渡つて変
化することなく、信頼性は高く、各部品の構成が
簡単で、組立も絶縁基台に予め可動接続金具を溝
に挿入して枢着し、スプリングで該可動接続金具
の頂部を係止した状態で絶縁ケースに挿入した押
し釦と共に絶縁基台に絶縁ケースを挿入固定すれ
ばよいので、極めて簡単に組み立てることが可能
と成り、廉価に構成出来て、その実用的効果は大
きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の導線接続器の縦断面図、第２図
は本考案の導線接続器の一実施例を示す縦断面
図、第３図は固定接続金具の正面図、第４図は可
動接続金具の斜視図である。 ５……押し釦、１１……絶縁基台、１２……絶
縁カバー、１３……固定接続金具、１７……可動
接続金具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 絶縁ケースにリード線挿入口を有し、押し釦を
   押圧することで該絶縁ケース内の固定接続金具に
   対する可動接続金具位置を変化させる様にした導
   線接続器に於て、該可動接続金具は頭部と脚部よ
   り構成された叉状部を有し、該叉状部に固定接続
   金具を挾持する様に、上記脚部の先端の枢着部を
   支点に回動自在に成され、固定接続金具面と可動
   接続金具の叉状部間でリード線を挾着して成る導
   線接続器。