JPS636712Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、置時計に関するものである。

従来より、前面開口の一部材からなる外装枠体
内へムーブメントを収納し、その後、文字板、指
針、前面カバーを取り付けてなる置時計がある。
ムーブメントと外装枠体との連結は、ねじを用い
て背面側から固着したり、または文字板を取り付
ける前にねじを用いて前面側から固着していた。

さらに他の例では、前面カバーを取り付けるこ
とにより、ムーブメントを枠体に固着するものが
あつた。しかし前者の例によると、ねじを用いね
ばらないので、組込み作業が煩雑で時間がかか
り、後者の例では、前面カバーを取り付ける前の
段階では、ムーブメント、文字板、指針が非常に
不安定な状態となり、種々の不都合があつた。

そこで本考案によれば、ムーブメントを外装枠
体に押し入れるのみにて、係止爪と係合溝によつ
てムーブメントを外装枠体に取り付けるととも
に、位置決めリブと位置決め柱とによつてムーブ
メントの後退を規正して、正しい位置を保つよう
に構成し、組込み作業が容易で敏速であり、結合
状態が常に安定しており、構造も簡単である置時
計を提供するものである。

本考案の一実施例について説明する。

第１図示のように本考案の置時計は、一部材か
らなる外装枠体１内にムーブメント２が固着して
あり、ムーブメントの前面に文字板３を収納し、
指針軸４の先端に指針５を取り付け、前面カバー
６を外装枠体１に固着することにより構成してあ
る。ムーブメント２を外装枠体１に固着する構成
について説明する。

ムーブメント２の前端部には、一体的につば部
７が設けてある。つば部７の上辺および下辺に
は、係止爪８，９が上下に突出している。外装枠
体１の上面板１ａおよび底面板１ｂの内面には、
係止爪８，９を係止する係合溝１０，１１が設け
てある。また外装枠体１の背面板１ｃの内面から
位置決め柱１２，１３が前方へ突出してあり、そ
の前端面はムーブメント２の背面の位置決め部１
４，１５に当接している。この例では、位置決め
部１４はつば部７の背面から後方へ突設した柱１
４ａの後端面である。外装枠体１の底面には、前
後方向に時計の脚部１６が一体的に突設してあ
り、この脚部の内面に脚部に沿つて前後に延伸す
るリブ１７が設けてある。リブ１７の前端面はつ
ば部７の背面に当接している。なお、つば部７の
下辺の係止爪９およびこれとの係合溝１１にかえ
て、ムーブメント２の下面に係止爪１８を設け、
これに係止する係止爪１９を外装枠体１の背面板
１ｃの内面から前方へ延伸する弾性片１９ａの先
端に設け、係止爪１８と１９とを係止するように
構成してもよい。また両者を併用してもよい。

前面カバー６は、係止爪２０と係合溝２１によ
り外装枠体１に固着してあるが、圧入によつても
よい。２２は鳴止めボタンで、内端で鳴止めレバ
ー２３に連結してある。２４は針回しつまみ、２
５は電池小蓋である。

時計を組込むに際しては、ムーブメント２を外
装枠体１の前面の開口部より挿入し、強く押し入
れる。これにより係止爪８，９は係合溝１０，１
１内に係止するとともに、係止爪１８は弾性片１
９ａをたわませて係止爪１９と係止する。このと
き位置決め柱１２，１３は、ムーブメントの位置
決め部１４，１５と当接するとともに、リブ１７
の前端面はつば部７の背面に当接して、ムーブメ
ントの押し込み過ぎを防止している。その後文字
板３を挿入し、指針を固着し、前面カバー６を押
し入れて、その係止爪２０を係合溝２１に係止す
ればよい。

このように本考案によれば、ムーブメントをワ
ンタツチで外装枠体に固着して位置決めできるの
で、組込み作業が容易で敏速にでき、結合状態が
常に安定しており、構造が簡単で安価に提供でき
るなど、実用上の効果は甚大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は断面図、第２図は外装枠体の一部切欠縮小底面
図である。 １……外装枠体、１ａ……上面板、１ｂ……底
面板、１ｃ……背面板、２……ムーブメント、７
……つば部、８，９……係止爪、１０，１１……
係合溝、１２，１３……位置決め柱、１４，１５
……位置決め部、１６……脚部、１７……リブ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ムーブメントのつば部に上下辺から突出する係
   止爪が設けてあり、 ムーブメントの背面に位置決め部が設けてあ
   り、 前面開口の一部材からなる外装枠体の上面板お
   よび底面板の各内面に、上記係止爪を係止する係
   合溝が設けてあり、 上記外装枠体の背面板の内面に、上記位置決め
   部に当接する位置決め柱が設けてあり、 上記外装枠体の底面板の内面に時計の脚部に沿
   つて前後方向に延伸するリブが設けてあり、 このリブの前端面は、上記ムーブメントのつば
   部の背面に当接している ことを特徴とする置時計。